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【動画公開 & 開催報告】お客様やユーザーの視点を意識したビジネスイノベーションの進め方

2023 年 9 月 7 日に「お客様やユーザーの視点を意識したビジネスイノベーションの進め方」オンラインセミナーを開催しました。このブログでは、当日参加できなかった方や、内容を振り返りたい方へ向けて参考としていただくために当日のセッション内容のまとめを紹介します。

ビジネス変革を目的に、クラウド導入・活用に挑戦する企業がますます増えています。そこで、AWSでは技術的なサポートだけではなく、ビジネスアイデアづくりや変革推進についてもご支援しています。変革の根幹となるのがAmazon自身が新製品や新サービス開発・社内の業務改善の際に実践している「Working Backwards」と呼ばれるメカニズム(フレームワーク)です。エンドユーザーや社内の従業員、お取引先様など、「お客様」と「お客様の課題」を探求し、アイデア創造と洗練化、そして実装や検証まで、Working Backwards一連の流れをご一緒し、ビジネス変革のにつなげています。
本セッションでは、Working Backwardsを活用し、ビジネス変革を推進された事例を、3社のお客様よりご紹介いただきました。業界も、ビジネス構造も、またクラウドへの取り組みも三者三様のみなさまにご登壇いただきましたが、プログラムを実践されたことによってどんな価値を得て、どんな変革につながっていったのか、バラエティに富んだお話をお聞きできました。

AWSのビジネス変革ご支援について

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
セグメント事業開発本部 デジタルイノベーション シニアスペシャリスト 櫻井直子

昨今、デジタライゼーション(ペーパーレス化)・デジタライゼーション(IT化)の先にある、新たな価値創出やビジネス変革にデジタルを活用していくデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が高まっています。一方で何から始めていったらいいのか、技術の手前にあるアイデアの出し方や変革推進の部分での課題を感じられている企業様もたくさんいらっしゃることを、日々の活動の中で実感しております。
そこで、AWSではテクノロジーとしてのクラウド導入のご支援にとどまらず、ビジネス変革のご支援のひとつとして、「デジタルイノベーションプログラム」をご提供しています。Amazon自身が新しいサービスやプロダクトを生み出しているときに使っているフレームワーク・やりかたであるWorking Backwardsを活用しながら、新しいビジネスアイデアを考え、アイデアをAmazonでも使っている文章というフォーマットでかたちにし、そしてその有用性をプロトタイプで検証するところまでを一貫してご支援するプログラムです。
このセッションではデジタルイノベーションプログラムについて、またその中で活用するWorking Backwardsのプロセス(お客様にこだわる5つの質問への回答・社内企画書としてのプレスリリース・FAQ・ビジュアルの作成)についてお伝えしました。

 

日本最古の私鉄:南海電鉄が挑戦するDXと新しい体験価値創造への取り組みについて

南海電気鉄道株式会社
総務人事グループ DX推進部 課長補佐 尾上 拓也 氏

南海電気鉄道株式会社は2021年ごろよりDXを本格推進されはじめました。コロナ禍において運輸事業の在り方を見直す中で、デジタルを使った新しい価値創出も積極的に進めていく必要性を感じていらしたときに、AWSのデジタルイノベーションプログラムの活用を始めていただきました。
社内の業務改善のDXではなく、南海電鉄のお客様・エンドユーザー様を見据えた新しい価値創造のDXプロセスについては初めての取り組みとのことでしたが、デジタルイノベーションプログラムを活用いただくことによって、スピード感をもってプロセスを完遂いただけました。また、考えたアイデアを机上の空論で終わらせずプロトタイプの実践に移していただいたことで、考えたアイデアが本当に顧客視点で有用性があるのかという仮説検証もされています。素早いプロトタイプ化により、実際のお客様からのフィードバックをアイデアの洗練化につなげていかれました。そして、チームのみなさまも含めて、新しいチャレンジに対して前向きに取り組んでいただく風土もはぐくまれました。
セッション内ではアプリ内のUXや実証実験中のお写真もご紹介いただいています。ぜひ挑戦の詳細をビデオでご確認ください。

 

顧客志向のマインドを持つ企画人材の育成 ~AWS社サービス開発ソリューションの体現~

株式会社エナリス 事業企画本部 副本部長 兼 みらい研究所 所長 小林 輝夫 氏
株式会社エナリス みらい研究所 主任研究員 星野 光保 氏

エナリスはエネルギー総合ソリューションを展開されています。経営層のみなさまと、電力を取り巻く昨今のビジネス課題についてAWSと議論させていただく中から、プログラムを開始した事例をご紹介いただきました。顧客視点を徹底したからこそ生まれた、今までとは一味ちがったソリューションの考案に結び付けていただくことができ、プログラム終了後も新人研修にWorking Backwardsのコンセプト加えることで、組織の風土づくりにも活かされています。また、デジタルイノベーションプログラムの中で、実際に考えていただいたアイデアを形作るために活用できるAWSサービスもご紹介したことで、素早くプロトタイプ作りにもつなげていただきました。
AmazonというとConsumerビジネスのイメージが強く、Working Backwardsは法人向けビジネスを考えるうえでどのように役立ちそうかイメージが湧きにくい、というコメントをいただくこともありますが、エナリスの実践事例はその問いへの一つの解と言えます。セッション内では実際に記載いただいたPress Releaseの一部も公開くださっています。ぜひご覧ください。

 

Working Backwardsで顧客価値の解像度を上げ、新たな顧客体験を実現

株式会社ジンズホールディングス 執行役員 CIO 松田 真一郎 氏
株式会社ジンズ デジタル本部 ITデジタル部 営業基盤G クリエイター 劉 珈彤 氏

ジンズホールディングス・ジンズは積極的にAWSをご導入いただき、日本の中でもかなり早い段階から様々な面でクラウドのテクノロジーをご活用いただいておりました。デジタル戦略として「最高の顧客体験の実現」を掲げ、先進的なお取組みを進める中で、デジタルイノベーションプログラムをご活用いただきました。プログラムを通じて、改めて店舗でのお客様行動の観察からアイデアを着想し、Working Backwardsの特徴でもあるPress ReleaseとFAQという「文章のフォーマット」を使ってアイデアを洗練化することで、チームワークを活かしながら課題解決に向かわれました。また、素早くお客様のニーズを形にするためのAgile開発の体制づくりにもチャレンジいただきました。
プロジェクトの推進体制やアーキテクチャ図もご紹介いただき、テクニカルな視点でも進め方の具体的な参考になる実践事例をご紹介いただきました。アイデアを実践に素早く生かす組織づくりの実践例をぜひご覧ください。

 

まとめ

本セッションでは日本国内のお取組み事例についてご紹介しましたが、AWSは海外含めて多くのビジネス変革のお取組みにご一緒しています。AWSを利用したイノベーションのページではAmazon自身のイノベーションの取り組み詳細や、さらに多くのお客様のお取組み事例など、ブログや動画でご紹介しています。デジタルイノベーションプログラムに参加し、Working Backwardsを自社でも試してみたいとお感じになられましたら、担当営業までご相談いただくか、AWSホームページのお問合せフォームやチャットよりお問い合わせください。御社のビジネス課題に合わせて、どのような形で変革をご支援できそうか、ぜひご相談させていただければと思います。

AWSは、今後もビジネスパートナーとして事業開発やサービス向上のご支援を強化してまいります。新しいお取組みのきっかけに、ぜひデジタルイノベーションプログラムのご活用をご検討ください。