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Web広告の結果を効果的に報告する3つの方法

本記事は  【デジマWeek 2023】  6日目の記事です。
📈  5日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  7日目  📚

はじめまして、佐藤(栞)です!この度初めてのブログ執筆となります。

今回の「デジマWeek 2023」では、GA4での計測方法やWeb広告の設定方法などについて公開されてきました。
Web広告実施→計測、の後はお客様への「報告」が必要になるかと思いますので、本記事では「Web広告の結果を効果的に報告する3つの方法」について執筆いたします。

4年間のSEとしての経験も活かし、「お客様が知りたいこと」と「論理的な視点」を踏まえたうえでの効果的な報告の仕方についてご紹介します。少しでも皆様のご参考になれば幸いです!

はじめに

近年、Web広告の重要性はますます高まっています。インターネットの普及により、多くの人々がオンラインで情報を検索し、商品やサービスを購入するようになりました。

Web広告は、ターゲットオーディエンスに直接アプローチすることができ、ターゲティングの精度も高いため、広告主様は効果的な広告キャンペーンを展開することができます。
さらに、リアルタイムで広告の効果を測定でき、コスト効率も高いため、広告主様は効果的な広告戦略を展開することができます。
Web広告は現代の広告戦略において重要な役割を果たしており、広告主様は適切に・積極的に活用することで、広告効果の効率的なアップを期待することができます。

本記事では、広告主様・クライアントがWin-Winとなるような「Web広告の結果を効果的に報告する3つの方法」についてご紹介いたします!

1つ目の方法:データの可視化

広告成果を視覚的に表現するために、まず適切な成果指標やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を選択する必要があります。

例えばWeb広告の場合、一般的に以下のような成果指標やKPIが使用されます。

1.クリック率(CTR)
広告が表示された回数に対して、クリックされた割合を示す指標です。
折れ線グラフや棒グラフで表示することができます。

(例)クリック率・コンバージョン率を1つの折れ線グラフで表示

2.コンバージョン率(CVR)
広告をクリックしたユーザーが、実際に目的の行動(購入、登録、申込など)を行った割合を示す指標です。
折れ線グラフや円グラフで表示することができます。

3.平均購入額
広告をクリックしたユーザーが、実際に商品やサービスを購入したときの金額を示す指標です。
棒グラフや折れ線グラフで表示することができます。

(例)平均購入額を年齢層別×男女別に棒グラフで表示

4.平均滞在時間
広告をクリックしたユーザーが、Webサイト上にどれくらい滞在したかを示す指標です。
折れ線グラフや棒グラフで表示することができます。

これらの成果指標やKPIを可視化する方法としては、グラフやチャートを使用することが有効です。
例えば、クリック率やコンバージョン率を折れ線グラフで表示することで、時間の経過に伴う変化を視覚的に確認することができますし、円グラフを使用してコンバージョン率を比較することもできます。
また棒グラフを使用して、平均購入額や平均滞在時間を比較することで、一目で傾向を捉えることが可能です。

上記のようにデータの傾向やパターンを把握し、広告戦略の改善や意思決定に役立てることができます。

2つ目の方法:比較と分析

広告の成果を評価する際は、過去の広告キャンペーンや競合他社との比較を行う方法があります。

まず、過去の広告キャンペーンのデータを分析し、成果指標やKPIの変化を把握します。
次に、競合他社の広告活動や成果を調査し、自社の広告と比較します。これにより、自社の広告の強みや改善点を特定することができます。
さらにここで、先にご紹介した方法でグラフやチャートを使用してデータを可視化し、比較結果を視覚的に表現することも有効です。
最後に、評価結果をもとに、広告戦略の改善や次のキャンペーンの計画を立てることが重要です。

広告成果の変化やトレンドの分析、競合他社との差異の特定などを行うために、以下で具体的な手法をご紹介します。

1.データ分析

過去の広告キャンペーンのデータを詳細に分析し、成果指標やKPIの変化を把握します。
例えば、クリック率やコンバージョン率の推移を確認し、成果の上昇や下降の要因を特定します。 予算やターゲットの変化等があれば、クリック率やコンバージョン率にも影響が出てくる可能性があります。

2.トレンド分析

広告成果のトレンドを把握するために、時間の経過に伴うデータの変化を分析します。
例えば、月ごとや季節ごとの成果を比較し、トレンドや季節性の影響を把握します。
各媒体のツールや報告記事を活用して、トレンドのサーチを行うこともできます。

Googleトレンド
ある単語がGoogleでどれだけ検索されているかグラフで確認することができるツール
https://trends.google.co.jp/trends/

Yahoo!リアルタイム検索
Xに投稿されたポストをリアルタイムに把握できる検索サービス
https://search.yahoo.co.jp/realtime

LINEヤフー for Business 公式ラーニングポータル
マーケットのトレンドや販促情報が掲載されているポータルサイト
https://www.lycbiz.com/jp/support/yahoo-ads/learning-top/

3.競合他社の分析

競合他社の広告活動や成果を調査し、自社の広告と比較します。競合他社の広告の特徴や戦略を把握し、自社の広告との差異を特定します。
例えば、価格を打ち出しているのか、商品のデザインをアピールしているのか、利用されているテキストや画像からターゲット層はどこなのか、を把握することができます。

4.マーケットリサーチ

ターゲットオーディエンスのニーズや行動を調査し、広告成果に影響を与える要素を把握します。
広告主様からのフィードバックや市場動向の調査などを行い、広告戦略の改善点を特定します。

これらの手法を組み合わせて広告成果の変化やトレンドの分析、競合他社との差異特定を行うことで、効果的な広告戦略の立案や改善を行うことができます。

3つ目の手法:客観的・論理的に伝える

最後に、1つ目・2つ目の手法でまとめた報告内容の伝え方についてです。

Web広告の結果報告の際には、事実に基づいた客観的かつ論理的な説明が必要です。
また数値的な結果の報告で終わらせるのではなく、そこから読み取れる市場動向や世情を考察し、改善点や次の広告キャンペーンの提案に繋げることが求められます。

以下で、実際にやってしまいがちな伝え方と、それをどのようにすれば好ましい伝え方に言い換えられるか、具体的に挙げていきます。

「主観的」から「客観的」に

主観的な伝え方は「それってあなたの感想ですよね?」と言われてしまいます。
プロの立場からの個人的な見解を求められる場合もありますが、基本的には感想を述べるのではなく、あくまで事実として述べるようにしましょう。

例えば「~と思う」「~と感じる」といった感想を伝えるのではなく、断定できないものについては「~と考える」「~と推測する」という言葉に置き換え、断定できるものは「~である」を使います。

「直感的」から「論理的」に

直感や感情は、一時的かつ個人の感じ方によって異なります。
論理的な説明をするにはデータや数字を明確にし、根拠を提供します。

例えば「とても大きい」「かなり少ない」「すごく良い」といった伝え方はせず、「何と比較してどれだけどうなのか」を定量的に評価し伝えましょう。

目標との比較を行う

報告する結果内容を、事前に設定した目標と比較することで、広告の効果を評価するための基準を提供します。

広告主様は、成果が出るか不確定な状況の中でプロモーション予算を立てています。
数値的な成果を伝えるだけだと「それで費用対効果は得られたのか?」が明らかにならないため、「目標に対してどれだけ達成したか、してないか」を伝えることで費用対効果を明示し、次の施策検討に繋げるようにしましょう。

これらのポイントを意識してWeb広告の結果報告を行うことで、客観的かつ論理的な説明を実現し、報告の信頼性と効果を高めることができます。

まとめ

データの可視化、比較と分析、客観的・論理的に伝えるといった3つの方法を組み合わせることで、Web広告の結果を効果的に報告することができ、広告主様に広告の効果や成果を分かりやすく伝えることができます。

広告成果の報告は、広告主様との有意義なコミュニケーション材料となります。
広告自体の成果を上げるためにも、また広告主様に正しく・効果的に成果を報告してビジネスの拡大につなげるためにも、ぜひ3つの方法をうまく掛け合わせてご活用ください!

執筆者:佐藤栞 SE経験4年、現デジタルマーケティングコンサルタント