KAKEHASHI Tech Blog

カケハシのEngineer Teamによるブログです。

toC PdMがカケハシに入社して薬局向けtoBプロダクトを担当してみた話

はじめに

こんにちは!プロダクトマネージャーの高橋です。

こちらの記事はカケハシAdvent Calendar 2023 Part2の9日目の記事になります。 adventar.org

Part1もあるのでぜひそちらもご覧ください! adventar.org

カケハシに入社して4か月が経ちました。入社してからは新規事業で薬局向けの新規SaaSプロダクトを担当しています。
この記事では、前職まではECなどtoCプロダクトを中心に経験してきた僕がtoBプロダクトに挑戦してみてどうだったかを書いていこうと思います。

  • toCプロダクトとtoBプロダクトで感じた違いや学び直し
  • 医療バックグラウンドがない中で、PdMとしてどうやってキャッチアップをしているか

toBプロダクトを担当してみてどんな感じ?

結論、楽しく充実した日々を送れています!!!

どんな違いがあった?

自分自身がユーザーになれるか

toCプロダクトの面白さのひとつとして、自分がユーザーになれるということがあると思います。PdMとしては主観に注意する必要はありつつも、自分自身をN1の顧客として見立てて分析できる手軽さがありました。そして何よりも自分がヘビーユーザーとして利用するプロダクトのため、愛着がわきやすいところがモチベーションの維持につながっていたような気がします。
カケハシのMVVに共感して入社したものの、薬局向けSaaSを担当するにあたってはこの点が一番のギャップになるかもと想定していたのですが、意外とギャップはありませんでした。たしかに薬局業務の課題解決や業務支援という側面は自分自身がユーザーになることはできないのですが、最終的に価値を届けたいのは患者さんであり、薬局を通した患者さん(toC)側の体験設計が重要なBtoBtoCのモデルとなるためギャップが少なかったのだと考えています。

お客様との継続的な関係構築

お客様と継続的に関係を構築し、一緒にプロダクトの価値を高めていける感覚はtoBプロダクトの面白さだと感じました。
toCでは同じお客様からのフィードバックは単発で終わってしまいがちですが、toBでは継続的にフィードバックをもらって改善に活かすことができます。現在担当しているプロダクトでは、普段からお客様と向き合っているCSやSalesのメンバーはもちろんですが、エンジニアもお客様訪問に同行し、お客様ともプロダクトをどうアップデートしたらより薬剤師さんや患者さんに価値を提供できるかのディスカッションする機会があります。

課題やニーズの発見方法

入社してから何度か薬局を訪問していますが、業務環境の広さや狭さ、プロダクトを利用する端末、ネットワーク環境、組み合わせて利用する他の業務系プロダクト仕様、業務の忙しさなど、現場観察によって得られるプロダクト反映への気づきは多いです。toBならではのアプローチとして、実際の現場を観察して一次情報に触れまくりながら、業務オペレーションや課題・ニーズについて解像度をあげることが重要と感じています。
自分の経験上の話ではありますが、toCではある程度のユーザー数を確保した上で、定量データを見ながらプロダクトアウトでイテレーションを回した方が早く正解にたどり着ける感覚があったので、現場観察やユーザーヒアリングなど事前のリサーチ手法やマーケットインなアプローチはまだまだ学び直しが必要と感じています。

toCでの経験は活かせそう?

ユーザー行動の定量的な分析はtoCの経験を活かせる領域だと感じています。例えば、ECでは細かな体験設計が離脱に直結するため、どんな属性のユーザーがどこから流入し、どんな行動をして購入したか(または離脱したか)、それは何回目の購入かなどを徹底的に計測して可視化します。
toBプロダクトにおいても、ユーザー行動が可視化されることるはインタビュー結果の定量的な裏付けができたり、より早く課題を検知してお客様のフォローに活かすことができるようになることは大きなメリットだと思います。

どうやってキャッチアップしてる?

会社の仕組みや、チーム、ステークホルダーの皆さんに支援していただきながらキャッチアップ進めています!

ドメイン知識の習得

カケハシでは入社後のオンボーディングプログラムが整っており、医療バックグラウンドがない僕でも最低限の知識を身に付けることができました。
また、社内には薬剤師さんがたくさん在籍しているため、カジュアルにインタビューすることができます。薬剤師さん以外にもドメイン知識が豊富なBizメンバーも多く、皆さん専門用語や業務オペレーションについてslack上でフォローしてくれたり、1on1でのインタビューを快く引き受けてくれるのは本当にありがたい環境です。

チームでのプロダクトマネジメント

僕が所属するチームは今後の事業展開を見据えてPdMが3名おり、作成したPRDの壁打ちをしてもらったり、リモートでコミュニケーションを取って情報や知見を補完し合いながらPRDを作成していくという試みも始めました。
また、エンジニアやEMとの距離感も近く、デイリーで実施している15分のリファインメントでは、実現したい価値やふわふわな仕様案を共有して早めにフィードバックをもらっています。そうすることで、実現するための工数感はもちろん、PdMだけでは考えられなかったソリューションのアイデアも得られることができて、優先度やユーザーストーリーの分割などを早い段階で考えることができています。
この記事を書いている直近のスプリントでのエピソードですが、お客様訪問時のレポートで要望を見たチームメンバーのエンジニアが、それに対するソリューションを動くプロトタイプと工数感と共に素早く提案してくれて、PdMの僕が現場観察やヒアリングでの定性面、アクセスログの定量面から課題とソリューション仮説の確からしさを検証し、予定していたプロダクトバックログよりも先に開発する意思決定をしました。リリース後の効果検証ではすぐにポジティブな反応が定量的に計測できており、転職してからの一つの成功体験になりました。社歴の浅いPdMにも意思決定を委ねてくれて、チームで一緒にプロダクトマネジメントをしている感覚がとても楽しいです。

引き続き楽しみながら、日本の医療体験をしなやかにしていくべく頑張っていきます!!