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コンビニエンスストアの利便性を向上する

コンビニエンスストアという名前からもわかるように、コンビニエンスストアは速く便利なことを目的としています。平均的な消費者が店内で過ごす時間は 3~4 分です。ほとんどの消費者が店に入るときには、すでに何を買うか決めてます。

しかし、その利便性は、消費者が長いレジの行列を見たときに台無しになることがあります。残念ながら、消費者の「長い」という認識は必ずしも寛容ではありません。ある調査では、消費者の 15% が 1 分以上待たされると、必需品でないものの購入を諦めることがわかりました。彼らの半数は、わずか 30 秒待っただけで店を出て行くと言いました。

しかし、テクノロジーによって 30 秒の待ち時間を解消することができます。Amazon の Just Walk Out テクノロジーは、この便利さを実現した例です。 Just Walk Out テクノロジーが実装された店舗では、消費者は必要なものを手に取り、ただ出ていくだけでいいのです – レジに並ぶ必要は全くありません。Amazon は、自社のコンビニエンスストアである Amazon Go だけでなく、旅行小売、スポーツスタジアム、ライブイベント会場などのサードパーティーが運営するコンビニエンスストアおよび、コンビニ企業向けにこのテクノロジーを実装しました。

Amazon の Just Walk Out テクノロジー担当バイスプレジデントである Jon Jenkins は、「 Just Walk Out テクノロジーは、コンビニエンスストア運営者がコンシューマージャーニーのビジョンを設定できるようにすると同時に、迅速で便利なショッピング体験という目的を達成するのに役立つ」と説明しました。「コンビニエンスストアには、エンドツーエンドの店舗ジャーニーを柔軟に設計してもらいたいと考えています。コンビニエンスストアは、入退店体験、購入後の消費者体験、商品価格設定、支払い方法など、取り入れたい機能を定義できます」と彼は言います。

テクノロジーを活用したアクション

Just Walk Out テクノロジーを採用した店舗に入るには、消費者はクレジットカードを挿入またはタップしたり、アプリやデジタルウォレットを使用したり、Amazon One デバイスの上に手のひらをかざしたりすることで入店できます。

Amazon One は、消費者が支払いから入店まで、さまざまな体験を簡単にする手のひらを使った ID ソリューションです。Amazon One を初めて利用する消費者は、数秒で登録できます。一度登録すれば、Amazon One を導入している場所ならどこでも、手のひらを使って入店し支払いができます。

「いったん店に入ると、消費者はいつものように買い物をすればよいだけです。」と Jenkins は言います。「消費者が棚から取り出したものはすべて自動的に仮想ショッピングカートに追加され、棚に戻したものはすべて仮想ショッピングカートから削除されます。たとえば、棚からソーダを取り出すと、そのソーダは仮想ショッピングカートに入れられ、買い物が終わって店を出たときに請求されます。」

チェックアウトの手間を省く

店舗での買い物をより速くするため、多くのコンビニエンスストアはセルフレジを導入しています。セルフレジを導入することでレジ担当者の数を減らし、消費者に支払いオプションを増やすことができますが、その反面、消費者の利便性を低下させる結果となります。

セルフレジでは、消費者は商品のバーコードを見つけて、スキャンするか手動で入力しなければなりません。そして POS 機器から支払いデバイスに切り替えて購入しなければなりません。セルフレジのプロセスには多くの間違いが起こりやすく、実際に頻繁に起こっています。消費者が速やかな買い物を期待している時に、レジのプロセスに問題が発生したり、前の人が問題に直面していて列が停滞すると、イライラと苛立ちを感じることになります。

これとは対照的に、Just Walk Out テクノロジーはチェックアウトの手間を省き、コンビニエンスストアのオペレーションとスタッフの効率化を支援します。Jenkins は次のように語っています。「レジなしの店舗では、消費者は自分のペースで入店し、買い物を楽しみ、帰宅できるため、消費者の不満は最小限に抑えられます。」

運用の最適化とパフォーマンスの向上

Just Walk Out テクノロジーは、コンビニエンスストア事業者に複数のメリットをもたらします。レジの行列をなくすことで、スタッフはより良い体験を提供することに注力できます。「スタッフは、消費者への対応、質問への回答、商品の探し方の手伝い、必要に応じての陳列棚の補充などに、より多くの時間を費やすことができ、レジ操作や支払い処理などに時間を取られなくて済みます。この技術は、コンビニエンスストアが従業員を支払い処理のような反復的な機能から、よりエンゲージメントの高い消費者中心の機能へとシフトするのに役立ちます。」

Just Walk Out テクノロジーは、コンビニエンスストアがスペースの生産性を最大化するのにも役立ちます。コンビニエンスストアは伝統的に小規模な店舗です。従来の POS システム専用のスペース(通常は視認性の高いエリア)をなくすことで、コンビニエンスストアはそのスペースを再割り当てして、より多くのより良い製品配置やプロモーションを行うことができます。

さらに、コンビニエンスストア事業者はは、Just Walk Out アナリティクスを利用することで、自社の Just Walk Out テクノロジー対応店舗における商品の検討、受け取り、棚への返品、購入方法に関するインサイトを得ることができます。

e コマースサイトについて考えてみてください。小売業者は、最初にクリックされた商品、よく一緒に閲覧された商品、最終的に購入された商品を確認できます。Just Walk Out アナリティクスは、コンビニエンスストアのリーダーに実店舗についてもこれと同レベルの洞察を提供します。Just Walk Out アナリティクスを使うと、コンビニエンスストアのリーダーは、店舗全体および棚別、備品別、製品カテゴリ別の商品インタラクションをスケーラブルでデータ主導型のビューで把握できます。この洞察は、コンビニエンスストアのリーダーが商品の品揃えや配置を改善し、オペレーション効率を高め、消費者の店舗体験を向上させるのに役立ちます。

消費者とコンビニエンスストア事業者は同じような目標を共有しています。どちらも、買い物を簡単にする店舗体験を求めています。「 Just Walk Out テクノロジーは双方にメリットをもたらします」と Jenkins は言います。「レジの列に並ぶ必要がなくなるため、消費者は忙しい生活の中でも簡単に店舗に入って必要なものを購入することができます。それがこのテクノロジーによって可能になることであり、この体験をより多くのお客様に提供できることを楽しみにしています。」

Amazon の Just Walk Out テクノロジーとコンビニエンスストア向け Amazon One の詳細をご覧ください。

翻訳はソリューションアーキテクトの小西が担当しました。原文は こちら です。