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国際ロボット展 (iREX 2023) 出展レポート

この記事は アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 ソリューションアーキテクト 山本 直志、渡邉 聡と アイレット株式会社 土井田篤氏、吉盛浩司氏による共著です。

2023 年 11 月 29日から12月 2 日までの 4 日間、東京ビッグサイトで「2023 国際ロボット展」が開催されました。国際ロボット展は iREX (International Robot Exhibition )とも呼ばれ、東京ビックサイトにて毎年開催される、産業ロボットやコンシューマロボットに関する最先端の技術が集結する世界最大級の国際見本市です。今回の国際ロボット展では、 AWS および AWS パートナーのアイレット株式会社が、一般社団法人 Edgecross コンソーシアム *1の会員企業として、共同で Edgecrossブースのデモを構築展示しました。

Edgecross(エッジクロス)コンソーシアムとは

Edgecross コンソーシアムとは、工場内の FA (ファクトリーオートメーション)機器と IT システムの連携を推進する業界団体で、国内外の FA ベンダーから IT ベンダー、その他含め、 400 以上( 2023 年 1 月現在)の組織が加盟しています。エッジコンピューティング領域のオープンなプラットフォーム「 Edgecross 」の進化と普及を通じて、 IoT と産業界全体の進展のために活動しています。下記は Edgecross ソフトウェアの概念図です。

ロボットが配置される生産現場では複数メーカーかつ新旧の様々な装置が稼働し、それぞれが CC-Link IE、 EtherCAT 、 EtherNet/IP 、 PROFINET 、 MTConnect などの異なる FA プロトコルを使用して通信します。真ん中の Edge 層に位置する Edgecross 基本ソフトウェアは各種 FA プロトコルのデータコレクタを持っており、生産現場の FA ネットワークに応じて適切なデータコレクタを選択することで、 FA プロトコルの違いを吸収することができます。それにより、工場内に散在する異なるメーカーのロボットや装置を束ねて、 IT システム層(上記概念図の一番上の層)に繋ぎ、工場全体のロボットの稼働状況の一元把握などの様々なデータ活用を行うことができるようになります。

昨年開かれた JIMTOF 2022 でも AWS は Edgecross コンソーシアムの会員企業として工作機械のデータをクラウドで可視化・活用するデモを提供し、そのアーキテクチャをご紹介しました。JIMTOF のデモでは AWS IoT SiteWise および、Amazon ECS で Grafana コンテナをホストすることで可視化ダッシュボードを作り、さらには AWS IoT Core を通じて各社のソリューションとシームレスな連携が取れることをご紹介しました。その際、実際の会場に配置された機器の状態をダッシュボード上の会場マップで表現するなど複雑な表現を行うために、OSS の Grafana とコミュニティプラグインを使う必要がありました。しかし、2023年11月の Amazon Managed Grafana のアップデートによりAmazon Managed Grafana でもコミュニティプラグインを用いた拡張が可能になりました。また、これまで東京リージョンでは利用できなかった AWS IoT TwinMaker が2023年10月に東京リージョンで GA されたことによって、Amazon Managed Grafana と AWS IoT TwinMaker を用いてより高度な設備状態の表現が可能になってきました。国際ロボット展では、これらのアップデートを存分に盛り込んだ形のデモ展示となっています。次に、今回実際に展示したデモの概要をご紹介します。

Edgecross (エッジクロス)コンソーシアム 展示ブース

国際ロボット展 2023 の Edgecross コンソーシアムブースでは、「その生産性、エッジ IoT でいっぱつ解決」というコンセプトのもと、27社の会員企業様とスマートファクトリーソリューションを協同展示しました。実際には Edgecross 会員であるロボットメーカー5社のブースで展示されているロボットから Edgecross 基本ソフトウェアを活用して稼働データ(生産数、良品数、ステータス、サイクルタイム、電力量、エラーコードなど)を収集し、国際標準規格の「OPC UA」(OPC Unified Architecture)で各会員企業様の製品やソリューションへ配信し、前述のコンセプトを具現化するものとなっています。

今回 AWS とアイレットは、会場全体を大きな工場と見立て、その稼働状況を表示するダッシュボードを構築して展示しましたので、その概要をご紹介します。

デモの概要

今回構築したデモ環境の構成図を以下に示します。

Edgecross コンソーシアムブースに設置した PC に AWS IoT Greengrass で OPC UA のデータを収集、配信するコンポーネントをデプロイし、Edgecross 基本ソフトウェアから提供されるロボットの稼働データを収集、AWS IoT SiteWise へ転送しています。AWS IoT SiteWiseでは展示会場全体/ロボットメーカー/ロボットの階層構造を持つアセットを構成し、構造化された時系列データが蓄積される様になっています。

ダッシュボードは Amazon Managed Grafana で展示会場全体とロボット個別の稼働状況を表示するものを作成しました。

展示会場の 3D フロアマップは AWS IoT TwinMaker で作成して展示会場全体のダッシュボードに組み込み、こちらも AWS IoT SiteWise  のデータと連動してロボットメーカー毎の稼働状況を表示しています。

今回のデモは AWS のマネージドサービスをフル活用し、短時間かつシンプルな構成で構築することができました。

以下に展示したダッシュボード画面をご紹介します。

展示会場全体ダッシュボード

中央には展示会場のフロアマップを AWS IoT TwinMaker を用いて 3D で可視化しており、ロボットメーカー毎の稼働状況をブースの色で表現しています。

また、画面右側には展示会場全体、下側にはロボットメーカー毎に集計した主要 KPI を表示しています。

ロボット個別ダッシュボード

画面左上には画像を含むロボットの情報を、その下にはロボットの稼働データから計算した主要な KPI(設備総合効率、性能、稼働率、品質)、運転状況、アラーム状況を表示しています。

画面右側には良品/不良品を含む生産数や消耗品使用回数、消費電力の累積値等を表示しています。

生産数、設備効率、電力使用量についてはグラフで表現し、時系列の変動を確認できる様にしています。

まとめ

Edgecross と AWS の IoT サービスを組み合わせることにより、異なる FA プロトコルを使用するエッジデバイスのデータを手軽にクラウドに送信、可視化、そして活用に繋ぐところまでを素早く実現できる点が、本デモのポイントです。

期間中、国際ロボット展には過去最多の 15 万人以上の方が来場され、 Edgecross コンソーシアムのブースにも多数のお客様がお越し下さいました。ミニブースでのプレゼンテーションに加え、ブースにお越しいただいた皆様とは、「装置データをクラウドに置くことの価値」や、「実際に自社の工場に導入する際の課題」等をディスカッションさせていただきました。
AWS では日本国内に製造業を専門にしたチームを有し、 Smart Factory のワークロードで AWS クラウドを利用いただくご支援をしています。ご興味のある製造業のお客様は AWS までお問合せください。また、AWS パートナーのアイレット株式会社には下記の情報よりコンタクトください。


アイレット株式会社– AWS パートナースポットライト

アイレットは、AWS を活用したインフラ構築、システム開発、UI/UX デザイン、24時間365日の運用・保守までをトータルでサポートする「cloudpack」を提供している AWS パートナー企業です。2013年には日本初の「AWS プレミアコンサルティングパートナー(現 AWS プレミアティアサービスパートナー)」に認定され、これまでの導入実績は 2,500 社以上、年間プロジェクト数は 4,300 以上にのぼり、スタートアップ企業から大企業まで、規模や業種を問わず幅広いお客様をご支援させていただいております。

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*1 Edgecross の詳細は以下を参照ください
https://www.edgecross.org/ja/