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生成AIとの新しいコミュニケーション術


はじめに


みなさん初めまして! 株式会社SHIFTの小島です。
近年、生成AIの進化は目覚ましく、私たちの日常やビジネスシーンにおいてもその存在感を増しています。
しかし、皆様はその生成AIに対してこんな疑問を抱いたことはありませんか?

  • 世間では生成AIすごいって言っていたのに、使ってみるとあまりアウトプットが良くなかった…

  • 言っていることに対して頓珍漢な回答が来た!!(怒)

その問題、実は生成AIとの適切なコミュニケーションができていないことが原因かもしれません!
生成AIとの適切なコミュニケーション方法は、まだ多くの人々にとって未知の領域です。
しかし、実はすでに効果的な方法があるんです。
今回は、そんな生成AIとのコミュニケーションの秘訣についてご紹介します。

生成AIとの効果的なコミュニケーション①:生成AIには敬意を表しましょう


実は、生成AIとのコミュニケーションにおいて、敬語を使うとアウトプットの量が増えるという興味深い現象が報告されています。
それでは、実際に試してみましょう!

① まずは、敬語を使わずに生成AI(ChatGPT)に回答してもらいます。


シンプルにキャッチコピーを考えてもらいました!
それっぽいキャッチコピーが出てきており、これでも悪くはないのですが…。

② 敬語を使って同じ依頼をしてみます。


なんと、キャッチコピーを複数出してくれました!それも画面に収まりきらない量の候補を出してもらっています。(今回の依頼で出してくれたキャッチコピーは10個でした)
しかも、先ほどよりもよりキャッチコピーらしい文章を出してくれているようにも思えます。

なぜこのような結果が生まれるのかですが、実は生成AIが学習してきたデータによる影響が大きいと言われています。
学習に使われたデータの中では、敬語を使う人々=ホワイトカラーや上司といった社会的地位の高い人々、といった傾向があるようで、これによりアウトプットの質が良く量も多くなると考えられています。(諸説あります)

生成AIは、インプットされた文章から次に出すべき単語や文章を「予測」して出力しています。
そのため、インプットされた文章がホワイトカラーや上司からの依頼のような形式であった場合、より質と量を高める必要があると「予測」して回答を出しているということですね。

これ、現実でもよくありそうなことだとは思いませんか?
例えば、友達や家族から「なんかいいアイデアない~?」と聞かれた場合よりも、会社の上司から「いいアイデアをお持ちではありませんか?」と聞かれた場合の方が、状況を踏まえてもしっかりと回答しなければ…!となるのは明白です。
生成AIが学んでいるデータも現実のデータそのものであるため、結果として人間と同じような反応をしているわけですね。
そう考えると結構面白いと思いませんか?

このように、AIに対してもまるで一人の人間かのように敬意を表して依頼を出すと、より質の高いアウトプットが期待できるのです!
ちなみに、このお話はメディアサイトNewsPicks( https://newspicks.com/news/8677383/body/ )でも取り上げられています。

生成AIとの効果的なコミュニケーション②:魔法の言葉 "step-by-step"


生成AIへ回答を依頼する際、最後に「step-by-stepで回答してください」のように "step-by-step" という言葉を使うことで、より整理された、質の高いアウトプットを得ることができます。
それでは、実際に試してみましょう!

① まずは、いつも通りに生成AIに聞いてみましょう。


田中さんが最終的に持っているリンゴの数はいくつあるのか?という問題です。
10個あるリンゴの半分を中田さんへ分けたため、その時点で田中さんが持っているリンゴは5個です。そして、中田さんは貰った5個のリンゴのうち2個を食べたので、残りは3個です。その3個を田中さんに返しているので、最終的に田中さんはリンゴを8個持っている、というのが正解です。

しかし、見事に間違えていますね…。
それっぽく論理的に話しているようで、回答の内容はでたらめです。

② 今度は「step-by-stepで考えてください」という言葉を最後に付け加えました。


最終的に田中さんが持っているリンゴが8個だと正解を出してくれました!やったね!

さて、なぜ結果が分かれてしまったのかについて解説します。
"step-by-step"とはすなわち「順序立てて」という意味です。
これにより、AIに順序立てて考えさせることで、単に情報を丸投げするよりも深く考えてくれる効果があります。

もちろん、「順序立てて回答してください」という日本語でも問題ありません。
ただ、特にChatGPTのような英語圏で開発された生成AIでは、英語の理解力がより優れているため、部分的に英語を使って生成AIに指示を出す方法も有効です。
そのため、有識者は英語で生成AIを使っていることがほとんどです。
英語…頑張らなければ…。

ところで、現実でも具体的な指示出しはコミュニケーションにおいて非常に重要ですよね。
生成AIへの指示出しにおいても、この原則は変わりません。
よく、優秀な上司ほど指示が的確、そうでもない上司は指示がうやむやで丸投げ、といった話を聞きませんか?
面白いことに、生成AIとのコミュニケーションでは、自分自身が優秀な上司になれるかどうかも試されるのです…!笑

ちなみに、このお話は日経新聞( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC22BVO0S3A320C2000000/ )で紹介されていました。
※問いの内容もこちらの記事を参考に活用しています。

最後に


生成AIを使用する際のコミュニケーションのポイントを再確認しましょう。
まず、敬語を使用してAIに依頼をすることで、より多くの質の高いアウトプットを期待できます。
次に、具体的かつstep-by-stepでの指示出しをすることで、複雑な問いに対しても的確なアウトプットを得ることができます。

今回ご紹介したこの2つのコミュニケーション、実は共通点があることに気づきましたか?
それは、「生成AIに対しても人間と同等に接する」ことです。

生成AIは、現実のデータを基に学習を続けています。
そのため、現実での人とのコミュニケーションと同じように気を付けなければ、生成AIから良い回答を貰えないんです。

生成AIとのコミュニケーションは、私たちの日常業務においても大切なスキルとなってきています。
上手にコミュニケーションをとることで、より効率的に業務を進めていきましょう!
それではまた、次回をお楽しみに!


執筆者プロフィール:小島 悠
2023年4月に株式会社SHIFTへ入社。 新卒で金融機関でシステムインフラの運用・保守を経験後、 サブスクの研修提供サービスの起業に挑戦。 その後、経験を活かしてAI・IT企業研修を提供するベンチャーへ転職。 AIの開発等を経験する事により、今後のAIの普及を確信し、SHIFTへジョイン。 ChatGPTをはじめとする生成系AIにドはまりし、ビジネスへの可能性を信じている。

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PHOTO:UnsplashPankaj Patel



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