Safie Engineers' Blog!

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「モノ」×「サブスク」業務システム紹介!

こんにちは!
セーフィー株式会社 業務システム部でエンジニアをしている大林と申します。

業務システム部とは、その名の通り業務系システムの開発・運用を行なっている部署です。
以前の職種別エンジニア紹介の記事における「業務システムエンジニア」が所属しています。
ということで今回は、セーフィーのサービスそのものについてのお話ではなく、セーフィーのサービスを支える業務システムのお話です。

業務システムの全体像

セーフィーはSaaSビジネスですが、単純なサブスクリプション契約だけではなく、カメラや付属品などの「モノ」も取り扱うことが業務システムにおける特徴です。

今回の記事では、セーフィーのカメラ・サービスをお客様に使っていただくまで・使っていただいている間、どのように業務システムが関わっているかの全体像についてご紹介します。

簡単にまとめた全体像が以下の図です。
セーフィーでは、2019年に、クラウド型のSFA(営業管理)・CRM(顧客管理)のプラットフォームであるSalesforceを導入して以降、現在はSalesforceを中心として各種システムと連携しています。

f:id:safie:20220314094911p:plain 数字は以下で説明する業務フローの流れと対応しています

業務フローに沿って紹介

ここからは実際にセーフィー社内のオペレーションがどのような流れで行われているかを、業務フローに沿ってご紹介します。
実際はマーケティング活動にもSalesforce等のシステムが使われているのですが、そちらはマーケティング部が主に管轄しているので今回の記事では割愛します。

以下が業務フローの大きな流れです。ここではカメラの販売商流の例でご紹介します。

  1. Salesforceの商談を作成し注文情報を入力する
  2. 商談情報を元にカメラを出荷・キッティングする
  3. 出荷(もしくは工事)完了後に売上データを作成する
  4. 売上データを元に請求書を発行する

1つずつもう少し詳細に見ていきましょう。

1. 商談作成

お客様がセーフィーのカメラを購入するには、ECサイトからの直接購入や、お問い合わせフォームからご連絡いただくなどしてセーフィーの営業担当者とやりとりの上でご購入いただくなど複数の経路がありますが、注文情報はすべてSalesforceの商談で管理されています。

ECサイトから購入する場合は、見積情報や受注情報がSalesforceの商談に自動連携されるようになっており、その連携部分はEAIツールであるDataSpider Cloud(詳しくは後述)を用いています。
営業担当者を通して購入する場合は、まず営業担当者がSalesforceで商談を作成します。そこから必要に応じて見積書を作成し、受注の運びとなった際には申込フォームを発行します。そしてお客様が申込フォームに入力し提出いただいた内容が、商談に自動で反映されるようになっています。

この段階で、カメラの機種と録画プランの組み合わせや、カメラにひもづくオーナーアカウント、納品希望日・送付先などが管理されます。

f:id:safie:20220314094942p:plain カメラとプランやオプションの組み合わせを登録する画面

2. 出荷

作成した商談情報を元に、出荷に必要な情報を作成します。
Salesforceのレポート機能を用いて、納品希望日やカメラの機種・台数・送付先などを倉庫での出荷担当者と連携しています。
出荷した後には、倉庫の出荷担当者が、出荷したカメラのシリアルナンバーをSalesforceに連携し、どのカメラにどのプランやオプションが紐づいているか(キッティング情報)を管理します。

f:id:safie:20220314094953p:plain カメラのキッティング情報の一例

この段階で、Salesforceに格納されたキッティング情報をセーフィーのPlatformサーバーにもAPI連携します。ここでいうPlatformサーバーとは、セーフィーのサービスやユーザー情報を管理しているサーバーです。
この連携を行うことで、お客様の元にカメラが届いた時点でスムーズに利用開始できるようにしています。

また、当日出荷した商談について、出荷のお知らせメールをお客様へ自動配信したりもしています。

f:id:safie:20220314095003p:plain Salesforce画面のボタンからキッティング情報を連携します
(AgencyTool=Platformサーバーを利用した社内アプリケーションです)

3. 売上作成

出荷(工事を伴う商談の場合は工事)が完了すると、商談をクローズします。
この段階で、出荷や工事完了日に合わせた課金日が確定し、商談に設定された期間分の売上データが作成されます。
ここで作成された売上データを元に、経理などの経営管理部門が会社としての売上管理をしています。

ちなみに、現在ECサイトから購入した場合はクレジットカード決済が可能です。クレジットカードの決済情報は、月末時点の決済データを元にDataSpider Cloudを介してSalesforceに売上データを作成しています。

4. 請求書発行

毎月やお客様に合わせた請求書発行のタイミングで、売上データを元に請求データを作成します。
ここで作成された請求データを、セーフィーで利用している請求管理ロボというシステムに連携し、請求書発行をします。
その後は請求管理ロボ上で入金消込をしたり、最終的に会計システムへ連携して会計処理をしたりします。

f:id:safie:20220314095018p:plain 請求管理ロボ for Salesforceを利用しており、Salesforceで対象データを取得して連携します

ここまでがカメラの販売商流のざっくりとした一連の流れの紹介でした。

今回紹介した内容以外にも、レンタル商流では、2020年に従来のスプレッドシート管理からSalesforceでのシステム管理に移行し、カメラの在庫管理なども行っています。
システム化以前は、いくつものファイルやシートに分かれ数式が絡み合っていたため、スプレッドシートがとてつもなく重くなっていたり、作業が属人化したりしていました。システム化によってオペレーションフローが整い、急速に成長するレンタル商流の管理にも対応できるようになりました。

DataSpider Cloud

大筋とは外れますが、せっかくの機会なので、1や3で出てきたDataSpider Cloudについて、もう少しだけご紹介します。

DataSpider Cloudは、種類の異なるシステムやアプリケーション間でデータのやり取りを行う際に、通常はプログラム開発、もしくは手作業でデータの移行や入力作業を行う処理を、GUIベースで作成することができるデータ連携サービスです。

(参考:ヘルプページ)

セーフィーでは、ECサイトからの連携以外にも複数箇所で利用しています。
例えば、

  • Webサイトのお問い合わせフォームからSalesforceへ連携しデータ作成
  • Excel形式の申込書を取り込んで商談を作成
  • AWSのS3に格納されているクレジットカード決済による入金データ(CSVファイル)を月次で取得して加工処理

などなどです。

GUIでの操作となるので、上記のような処理をノーコードで実現することができます。
このようなシステム連携を実現することによって、今までExcelファイルなどからシステムへ一つ一つ転記していた作業がなくなったり、Excel等での属人化した加工処理がなくなったりするなど、オペレーションを効率化して手作業によるミスもなくすことができるようになりました。

f:id:safie:20220314095028p:plain DataSpider 画面サンプル

これから

ここまででSalesforceを中心とした現在の業務フローをご紹介しましたが、現在の運用にも「不」があります。

  • キャンペーン施策などのたびにプログラム修正が必要となりSE対応
  • 契約変更や契約更新が手作業
  • 便宜上未来の売上データも作成しているため扱うデータが必要以上に多くなる

などです。

今年は業務システム部総動員で、契約・請求管理システムの導入に取り組んでいます。
現在はSalesforceが中心となり業務システムの全体を担っていますが、今後はSalesforceはSFA(営業管理)の機能に寄った形にし、契約管理や売上・請求管理は新システムに移行したいと考えています。
柔軟なプライシング戦略や請求の自動化など、上記で挙げた不の解消に向けてプロジェクトが進行中です。

セーフィーのビジネスが拡大するにつれ、管理するデータ(顧客・カメラ・請求など)は膨大になっていきます。
社員が効率よくオペレーションができ、そしてお客様の満足度向上につながるように、セーフィーの業務システムはこれからも進化していきます!

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