さくらインターネットの接続系サービス ~自社拠点やデータセンタ、他社クラウドをさくらインターネットに繋ぐ~

1.はじめに

自社のオンプレミスの環境や他社のクラウド環境をさくらインターネットの各サービスと接続するために、さくらインターネットでは多数の接続系サービスを提供しています。本記事では各接続系サービスの特徴を解りやすく説明することで、利用者にとってスムーズにサービス選択が出来るようにしたいと考えています。そこで、まずはどのようなサービスがあり、それらの特徴が何かを説明し、最後に簡単ですが利用シーンに合わせたサービスの選択案を記載いたします。

2.各サービスの一覧と概要説明

現在さくらインターネットにおいて、ネットワーク接続をする際に利用できるネットワーク系サービスは下記の8種類となります。

  • プライベートリンク
    さくらインターネットの接続ポイントにお客様専用線や閉域網を引き込むサービスです。
  • プライベートリンク for ARTERIA
    アルテリア・ネットワークス株式会社が提供する「VECTANT セキュアクラウドアクセス」と接続するサービスです。 「VECTANT セキュアクラウドアクセス」は、アルテリア・ネットワークスの閉域網をクラウドサービスまで接続する接続サービスです。
  • プライベートリンク for BBIX
    さくらインターネット提供の「OCX by BBIX」とBBIX株式会社が提供の「OCX」と接続するサービスです。 「OCX by BBIX」および「OCX」は、多数のクラウドとデータセンタ間を接続する閉域網サービスです。
  • OCX by BBIX
    閉域網を利用し、他社クラウドやデータセンタと接続が可能です。NaaSサービスとなり帯域の増速を簡単に行うことが出来ます。
  • AWS接続オプション
    さくらのクラウドのローカルルータとAmazon Web Services 環境内に作成したVPCを、インターネットから隔離された閉域網で相互接続するサービスです。
  • 外部回線接続サービス
    当社に設置されたVPN装置と、他のネットワークに設置されたVPN対応機器とでインターネットVPN接続を行う機能です。
  • さくらのクラウド(VPCルータ)
    VPCルータのサイト間VPN機能は、さくらのクラウド上に作成したVPCルータと他のネットワークに設置したサイト間VPN接続対応機器でインターネットVPN接続を行う機能です。
  • ダイレクトアクセス
    さくらインターネットの接続ポイント(キャリアフリー)にお客様の契約した閉域網接続用の回線を引き込み、ONU・ルータを設置するスペースを提供するサービスです。回線キャリアからのルータ提供が無い場合は当社からのレンタルも可能です。

3.接続系サービスの比較検討軸

さくらインターネットの接続系サービスを比較する際には、提供範囲や対応回線の種類、回線帯域など様々な要素があります。本項ではさくらインターネットのサービスを比較する際の比較軸を整理します。

(ア) 提供範囲

さくらインターネットの接続系サービスの提供範囲は、大きく次の2点に分れます。

ネットワークの受け口までの提供

さくらインターネットのネットワークへの接続の受け口となる環境をご提供します。お客様にてWAN環境の準備をしていただく必要がありますが、対応している回線であればキャリア等の制限は無いため自由度が高いものとなります。

対向拠点までの提供

対向先の拠点(クラウド)までの回線環境を提供するため、お客様にてWAN環境の調達は不要となります。また、WAN環境の運用保守はさくらインターネットにて実施することから、複数の契約先を管理する必要が無く運用負荷が下がるといった特徴があります。

(イ) WAN環境の対応回線種類

WAN環境のネットワークの種類として「専用線」「閉域網」「インターネットVPN」などがあり、それぞれに対応できる通信帯域やセキュリティ強度、安定性など差が出てきます。それらの3つの種類について一般的な内容を記載いたします。

専用線

物理回線を拠点から拠点まで調達するもので、回線を1社で専有することができるため、他の共有回線と比較し通信品質が安定するといった特徴があります。しかし一社で専有するため、通信帯域当たりの費用が高くなりがちです。

閉域網

インターネットと分離したセキュアな通信網となり、通信キャリア等のサービスによって顧客ごとに閉じたネットワークとして利用できます。通信帯域や帯域の確保などによって費用は様々ですが、ネットワーク網を共有している点から専用線と比較してコストを抑えることができます。

インターネットVPN

インターネットへのアクセス回線を利用し、拠点対拠点(もしくはクラウド)間で通信を行います。通信内容については両拠点に設置された暗号化装置(VPN機器)等で暗号化し、インターネット上の他の利用者に盗聴されないようにします。インターネット回線を利用するためコストを抑えることができるといった特徴がありますが、インターネットを利用するため、通信が不安定になりやすいといった特徴もあります。

(ウ) 冗長化

WAN環境を二重化することで、回線や機器等のシングルポイントの故障に対して通信断を避けることができます。

(エ) 対応回線帯域

100Mbps~10Gbpsまでと様々な回線帯域があります。また、インターネットVPNの場合、回線帯域だけではなく暗号化機器(VPN機器)のスループットを考慮する必要があります。

(オ) 課金種類

一般的に回線サービスは初期費用と定額の月額利用料で構成されています。ただし接続系サービスには、一部転送量課金のサービスもあります。

(カ) 調達のリードタイム

本来であれば申込から構築完了までのリードタイムを比較するべきですが、接続サービスでは提供範囲の違いや対向拠点の状況によって影響を受けることが考えられるため、本項では比較検討軸としては含めません。基本的には新規の回線敷設が伴わない場合、リードタイムは短くなります。詳細は別途各サービスサイトよりお問い合わせください。

4.各サービスの比較検討軸の整理

下記に接続系サービスの一覧と比較検討内容の概要を示します。

サービス提供範囲対応ネットワーク種類冗長化プランの有無対応回線帯域(ベストエフォート)課金種類
プライベートリンク受け口タイプ専用線・ 閉域網1,10Gbps定額
プライベートリンク for ARTERIA受け口タイプ閉域網有(標準で冗長化済み)1Gbps定額
プライベートリンク for BBIX受け口タイプ閉域網有(標準で冗長化済み)1,2,5Gbps定額
OCX by BBIX対向拠点まで閉域網有(標準で冗長化済み)1,2,5Gbps定額
AWS接続オプション対向拠点まで閉域網有(標準で冗長化済み)10Gbps定額+転送量
外部回線接続サービス受け口タイプインターネットVPN100Mbps※定額
さくらのクラウド(VPCルータ)受け口タイプインターネットVPN100Mbps,1Gbps,2Gbps,5Gbps※定額
ダイレクトアクセス受け口タイプ閉域網等--定額
※対応回線帯域はさくらインターネット側の回線速度となります。

5.利用用途ごとのおすすめ接続系サービス

さくらインターネットの環境と接続をする際に利用要件に合わせた場合、どのような回線がおすすめかを下記に参考までに記載します。条件によっては下記に記載する内容以外のものが最適の場合もありますので、詳しくは別途各サービスサイトよりお問い合わせください。

(ア) 閉域網+マルチクラウド接続

閉域回線を利用しマルチクラウド環境を構築する場合、おすすめの接続系サービスは以下になります。

おすすめサービスOCX by BBIX
OCX by BBIXはさくらを含め多数のクラウド環境と閉域接続が可能となります。また、回線がすでに敷設されている状態であることから短納期での調達が可能です。

(イ) 閉域網+AWS+低コストスタート

閉域環境を利用しAWSに接続したい、また利用開始時のトラフィックは少なく出来るだけコストを抑えたい。

おすすめサービスAWS接続オプション
AWS接続オプションは、さくらの環境とAWS間を月額定額+転送量課金で接続が可能です。定額費用を抑え、低コストでの利用開始が可能です。

(ウ) 閉域網+オンプレミス

さくらインターネットの環境とお客様のオンプレミス環境を閉域網で接続する場合は、主に2つの方法があります。

おすすめサービス(1)ダイレクトアクセス
ダイレクトアクセスは、さくらインターネットの接続ポイントにお客様契約の回線を引き込むことで、オンプレミス環境とさくらインターネットの各サービスとの接続が可能となります。

おすすめサービス(2)OCX by BBIX
OCX by BBIXを利用して接続する場合、お客様利用中のデータセンタがOCX対応データセンタであれば、コストを抑え簡単に接続が可能となります。もしくは、OCX対象データセンタまでの接続回線を契約することで、さくらインターネットの環境への接続が可能となります。

(エ) コスト最優先

コスト最優先で環境構築をされたい場合は以下の方法がおすすめです。

おすすめサービスさくらのクラウド(VPCルータ)
さくらのクラウドのVPCルータを使うことで、インターネットVPN の利用が可能です。

6.まとめ

このようにさくらインターネットでは多数の接続系サービスをご用意しております。なるべく解りやすいように記載をしたつもりですが、どうしてもわかりづらい点がありましたら、ご興味のある各サービスのサイトよりお問い合わせください。また、既存環境からの切り替えや運用時の要件等を踏まえた場合、最適なものが違ってくる場合もありますので、不明点やご不安な点がありましたらご相談ください。