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Laboro.AIコラム

異常検知【ビジネス成長のためのAI用語】

2024.4.25
株式会社Laboro.AI リードマーケター 熊谷勇一

用語解説

AIによる異常検知 (anomaly detection。異常検出とも)とは、大量のデータの中から、平均値から大きく外れていたり、急激な変化が起きるきっかけとなったり、通常とは振る舞いが異なったりする「異常値」となるデータを検出する技術です。どの程度異常であれば異常値となるかは、正常値とそこから外れる度合いを定義することによって定義できます。

異常検知は従来、人間の五感に頼るところが大きく、しかもそれぞれの業界や業務に特有の専門的な知識や経験が必要であったり、異常がないかどうか確かめなければならない対象が多くなればなるほどより多くの人手が必要になったりするという課題がありました。そうした課題をAIによる異常検知で解決できる可能性があるのです。

応用&詳細解説

AIによる異常検知の方針には、大きく分けて三つあります。一つ目は「変化点検知」で、データの構造や性質などが急激に変化する部分を検出することです。例えば、時系列データにおいて急激な変化が起きるタイミングを検出することです。例えば、ウェブサイトへのアクセスが急激に増加し、その傾向が継続する始まりとなったタイミングを検出し、社会情勢の影響などを検証するきっかけにできます。

二つ目は「異常部位検知 」で、モニタリングしている時系列データのうち、一定時間続いた異常を検出することです。例えば、心拍が緊張や恐怖、病気などで大きく変化したことを検知することなどに活用できます。

三つ目は「外れ値検知」で、全体的なデータから大きく外れているデータを検出することです。 データが多くなればなるほど、外れ値が大きなデータを目視で確認するのに時間がかかります。例えば、手入力によって誤った値で入力されたデータを検出することが挙げられます。時系列データも、それ以外のデータも扱えるということです。

それぞれの違いが分かるように整理すると、変化点検知は発生してその後正常に戻らなかった異常が発生したタイミングを検出すること、異常部位検知は一定時間発生してその後正常に戻った異常を検知すること、外れ値検知は時系列データであれば一瞬の異常や、時系列データでなくてもデータの集合の平均から大きく外れた値を検知することです。

ビジネス応用

AIによる異常検知は、製造業での品質管理や、ウェブサイトのアクセス状況、業界を問わず施設における防犯など、幅広い用途に用いられています。従来は人力で確認していた作業を部分的にでもAIが行うことによって人的コストを減らせたり、ヒューマンエラーを減らせたりすることが期待できます。さらに、日々蓄積されていくデータも検出に生かされるため、使えば使うほど精度が向上するという強みもあります。

当社事例では、ディープラーニングによる画像認識アルゴリズムを用い、画像内の劣化箇所の検出と劣化内容の識別を行う仕組みを開発したり、物体検出技術と異常検知技術を組み合わせることによる線路設備の不良判定を実現したりする事例があります。さらには、人の目でのチェックが必要な検査や点検の件数を削減でき作業の省力化が測れることや、作業者による品質のバラツキを防ぐといった効果が期待されるソリューションも開発しています。

当社事例
Laboro.AI「線路設備の不良判定の自動化
Laboro.AI「インフラ設備の劣化箇所検出

当社ソリューション
Laboro.AI「不良・異常検出ソリューション

参考
日立ソリューションズ・クリエイト「AIで異常検知! 取り入れるメリットや成功事例を解説
スキルアップAI Journal「異常検知とは|意味や事例、メリット、代表的な手法、導入課題を解説

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