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生成AIを用いた業務改善アイデアソンを開催しました

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こんにちは、ナウキャストのデータ&AIソリューションチームの藤井です。今回は、先日開催した、業務改善を目的とした社内AIアイデアソンのレポートを書いていこうと思います!

開催までの経緯

Finatextグループは、生成AIに関連したソリューションを提供するデータ&AIソリューション事業を立ち上げ、生成AIを次の競争力の源泉にしようとしています。社内でも生成AI活用が進んでいて、社内専用のGPTチャットやSlackと連携した議事録要約システム等がリリースされています。また、全エンジニアがGitHub Copilotを使えるようになっております。

僕も含めたエンジニアは業務において生成AIをフル活用しており、GPTにSQL文を書かせたり、コーディングの際にもGitHub Copilotを活用してます。

しかし、エンジニアが生成AIを活用している一方で、ビジネスサイドでも生成AIをもっと活用する余地があると感じました。新しい技術に対する感度や抵抗感は人や職種によって異なり、社内情報の取り扱いに対する心理的ハードルや「どのように使えばよいかわからない」という理由で躊躇している人もいるのではないかと思います。そこで、「生成AIへの抵抗感をなくすために、アイデアソンを開催したら面白いのではないか!」と思い、Slackのtimes(注:個人が自由に呟けるチャンネル)にそのような旨を投稿したところ、グループCEOの林が「やりなよ!賞金出すよ!」と言ってくださり、開催に至りました。

⁠開催概要

今回のアイデアソンのテーマはタイトルにもある通り、「生成AIを用いた業務改善」であり、3つの大きな評価観点と3つの賞を用意し、それらに基づいてアイデアや発表内容を考えてもらいました。

⁠評価観点

評価観点として、

  1. 効率化対象の業務が生成AIに適した課題か
  2. システム化の実現可能性
  3. 効率化効果の大きさ

の3つを設定し、これらの要素を発表に盛り込んでもらいました。

運営メンバーで話し合った結果、生成AIを用いたシステムを構築する際に最低限考慮する観点が上記だと考えました。①の観点が欠けていると既存のシステムでの対応で十分、②の観点が欠けていると夢物語、③の観点が欠けていると実装する意味がない、となります。

賞の一覧

賞としては、以下の3つを用意しました。

最優秀賞
・上記の3つの観点で総合的に最も良いと判断されたチームに授与

⁠優秀賞
・上記の3つの観点で総合的に二番目に良いと判断されたチームに授与

イノベーション賞
・創造的で革新的なアイデアを出したチームに授与

これらの賞を勝ち取るために、各チームにアイデアを考えてもらいました!

プログラム構成

今回のアイデアソンは①アイデアソン②予選会③決勝戦④結果発表会の4部構成になっております。それぞれの様子を写真と一緒にお見せいたします!

アイデアソン

アイデアソンでは、参加者の方々に一箇所に集まってもらい、各チームに分かれて実際のアイデアを考えてもらいました。実際に考えてもらう前に、運営メンバーから生成AIに関する簡単な解説を行った上で、会場内にデータ&AIソリューション事業部の数名をアドバイザーとして配置し、生成AIに触れたことがない人でもスムーズにアイデアを出せるように工夫しました。

オフライン参加の方々で集合写真を撮影しました!

各チームが真剣に話し合っています

⁠予選会

当初の企画段階では予選会は無かったのですが、想定よりもかなり多くの方にご参加いただけたため、急遽予選会を企画しました。ここでは、17チームから決勝戦に進むことができる7チームに絞りました。
ナウキャストCEOの辻中と運営メンバーで評価をしたのですが、どのチームもクオリティが高く、かなり迷いました。正直、抽象的なふわっとしたアイデアが多く出るかと危惧していたのですが、どのチームも業務上のボトルネックを見極めたうえで、生成AIを具体的にどこに用いるのか、そのフィジビリティはあるのかをしっかりと検証しておりました。この時点で、「レベル高すぎるだろ!」と思いました。

各チームが発表している様子

⁠決勝戦

予選会で勝ち残ったチームに審査員の前で発表してもらいました。審査員は、グループCEOの林、フィンテックソリューション事業責任者の木下、弊社のアマゾン ウェブ サービス(AWS)担当の方々の計4名でした。
実は、企画の過程でAWS様に協賛いただけることになり、AWS担当者の方々に決勝戦の審査員としてご参加いただくとともに、AWS賞をご用意いただけることになっていました。
決勝戦に進んだチームの発表が予選会よりも洗練されており、林から繰り出される厳しい(?)質問にもスムーズに回答していたのが印象的でした。

決勝戦の様子。アイデアソンに参加していないメンバーも見に来てくれました!

ユニフォームを着て、チームで一致団結して発表してます!

厳しい質問をするグループCEOの林

⁠結果発表会

待ちに待った結果発表会は、四半期に一度全社で行われるメガタウンホールの締めで行いました。どのチームが受賞したかは運営メンバーにも知らされておらず、審査員長の林が結果が書かれている封筒を司会である僕に渡し、それを読み上げるというライブ感満載な形で進みました。

結果は以下のとおりです!

最優秀賞&AWS優秀賞

ハイテク忍者

保険業の損害査定業務(保険会社が保険契約者から保険金請求を受けて行う一連の作業)の効率化アイデアを発表してもらいました。約款を検索するRAGや複数メディア(画像等)を扱うためのマルチモーダルを組み合わせたレベルの高いアイデアでした。

優秀賞

荒岡さんを一躍有名にする会

証券業の広告審査や営業考査といったコンプライアンス領域の生成AIでの効率化アイデアを発表してもらいました。プロンプトを工夫していて、業務への深い知識と技術を組み合わせた⁠素晴らしい発表でした

イノベーション賞

チームサウナ部

入社後のメンバーの活躍を実現するためのエンゲージメントツールのアイデアを発表してもらいました。Slackの投稿頻度や各人が社会wikiで作成している自己管理シートを分析し、個人に対してアドバイスを行うというユニークなアイデアでした

AWS最優秀賞

チームかじゅまる

貸金業の審査業務の効率化アイデアを発表してもらいました。複雑な審査業務をユースケースごとに分割し、それらに対して生成AIでの処理を行うというフローが丁寧に作り込まれていました。また、業務改善効果も緻密に計算されていました

最後に

今回、AIアイデアソンの企画運営を通じて感じたことは3つあります。
1つ目は、Finatextグループのスピード感です。僕が特に何も考えず軽く言ったことが実際に形になるまでがとても早く、それに対してリーダーポジションの方々含めて快くご協力いただいたのが印象的でした。
2つ目は、メンバーのレベルの高さです。上記でも記載している通り、アイデアや発表のレベルがとても高く、とても驚きました。正直、ビジネスサイドでここまで生成AIを活用/理解できている組織はなかなか無いのではと思います。
3つ目は、生成AIの組織浸透に貢献できたことです。結果発表後、参加チームが自主的に自チームのアイデアの実装を進めていたり、活用方法を議論していたりと、生成AIが組織に浸透しつつあることを実感してます。(動作検証のために社内GPTチャットに新しい機能を追加してくれ!という声もあり、実装スピードを上げる必要があるなとも感じてます笑)

以上のように、Finatextの魅力を再確認しながら、更なるレベルアップに貢献することができた、とても楽しい企画運営でした!

なお、イノベーション賞を受賞したチームサウナ部の岩本さんと、最優秀賞を受賞したハイテク忍者の高橋さんも、それぞれ記事を公開する予定ですのでぜひお楽しみに!

イベントのお知らせ

生成AIやデータ利活用に関するイベントを開催します。ぜひご参加ください!

仲間を募集中です!

Finatextグループでは一緒に働く仲間を募集中です!様々なエンジニア系のポジションがあるので気軽に覗いてみてください!

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