2024年10月のイチオシGoogle Cloudアップデート

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G-gen の杉村です。2024年10月のイチオシ Google Cloud アップデートをまとめてご紹介します。記載は全て、記事公開当時のものですのでご留意ください。

はじめに

当記事では、毎月の Google Cloud アップデートのうち特に重要なものをまとめます。

また当記事は、Google Cloud に関するある程度の知識を前提に記載されています。前提知識を得るには、ぜひ以下の記事もご参照ください。

blog.g-gen.co.jp

リンク先の公式ガイドは、英語版で表示しないと最新情報が反映されていない場合がありますためご注意ください。

Gemini で Dynamic retrieval が GA

Generative AI on Vertex AI - Dynamic retrieval (2024-10-01)

Gemini で Dynamic retrieval が GA。

Google Search へのグラウンディングが、有効になりそうかの度合い(Prediction score。0〜1の間の小数値)が設定した閾値を超えたときだけ、グラウンディングが行われるようになる。レイテンシや処理コストの調整のため利用できる。

同時に、Vertex AI Agent Builder でも同様の機能が Allowlist 付き Preview 公開。

BigQuery コンソールで Airflow の DAG が管理できるように

Manage Airflow DAGs (2024-10-07)

BigQuery コンソールで Airflow の DAG が管理できるようになった(Preview)。

バックエンドは、Cloud Composer 3。Cloud Composer 3 は、フルマネージドの Apache Airflow であり、3 では従来型と異なり、サーバーが見えないフルマネージドになった。

Google Forms で新しい質問タイプ「Rating」が使えるように

Ask responders for a rating in Google Forms (2024-10-07)

Google Forms で新しい質問タイプ「Rating」が使えるようになる。

満足度(CSAT)の回答などに使える。アイコンは★、いいねマーク、ハートマークがつかえる。10/7から順次ロールアウト。

BigQuery の SQL で Pipe syntax(パイプ構文)が Preview 公開

Pipe syntax (2024-10-08)

BigQuery の SQL で Pipe syntax(パイプ構文)が使えるように(Preview)。

クエリをパイプで繋いで結果を渡していくことで直感的にクエリが書ける。探索的なクエリ時やログ検索時などに最適。サブクエリを含む複雑なクエリがシンプルになることも期待できる。

以下の記事も参照。

blog.g-gen.co.jp

Gemini Code Assist に Enterprise プランが登場

Introducing AI-powered app dev with code customization from Gemini Code Assist Enterprise (2024-10-10)

コーディング補助サービス「Gemini Code Assist」に Enterprise プランが登場。

Standard との違いは、以下とおり。

  • GitHub や GitLab のコードを読み込ませて、コード生成を最適化する Code Customization
  • Gemini in Databases
  • Gemini in BigQuery

Looker から Looker Studio レポートが閲覧・編集可能に(Preview)

Using Studio in Looker (2024-10-09)

Looker(Google Cloud core)で、Studio in Looker 機能が Preview 公開。

Looker から Looker Studio レポートが閲覧・編集できる。利用には申請が必要。

Cloud Armor で IP Address groups 機能が公開(GA)

Address groups overview (2024-10-09)

Cloud Armor で IP Address groups 機能が公開(GA)。

複数の IP アドレスをグループにまとめ、複数のポリシーから再利用できる。Cloud NGFW のファイアウォールポリシーからも再利用できるよう設定も可能。

BigQuery の history-based optimizations は今後デフォルトに

Get up to 100x query performance improvement with BigQuery history-based optimizations (2024-10-15)

2024年9月30日に GA となった BigQuery の history-based optimizations 機能は、今後数ヶ月をかけて、「全顧客でデフォルトで有効になる」ことが判明。

history-based optimizations とは、類似のクエリを複数回実行していくと、自動的にクエリが最適化されていく機能。バックエンドではさまざまなアルゴリズムで最適化が行われている。

BigQuery で Fine-grained DML が申請付き Preview 公開

Fine-grained DML (2024-10-15)

BigQuery で Fine-grained DML が申請付き Preview 公開。

テーブル単位で有効化すると、UPDATE、DELETE、MERGE 文がきめ細かく行われるようになり、スロット消費を抑え、パフォーマンスが最適化される。テーブル単位で有効化する必要あり。

Google Workspace の Gmail への移行ツールが GA(一般公開)

Now generally available: Migrate users’ emails from Google Workspace, Gmail and other IMAP enabled mail servers (2024-10-15)

Google Workspace の Gmail への移行ツールが GA(一般公開)。

他の Workspace、個人 Gmail、IMAP などからメールを移行できる。差分転送も可能。

Gemini for Google Workspace のサイドパネルが日本語対応(アルファ版)

Available in alpha: use Gemini in the side panel of Workspace apps in seven additional languages (2024-10-16)

Google Workspace の Gemini サイドパネルの日本語版が、以下の Google Workspace アプリで使えるように(アルファ版公開)。

  • Google ドキュメント
  • Google スプレッドシート
  • Gmail
  • Google ドライブ
  • 他にもドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語が同時対応

アルファ版とは、「アルファ版は、より広範囲へのリリース前に行われる限定的なテスト版です。」「通常、アルファ版への参加は招待制で、一般提供前の利用条件が適用されます。」というもの。

Google Chat で未読メッセージを生成 AI がサマリ

Preview summaries of unread conversations in the Google Chat home view with the help of Gemini (2024-10-21)

Google Chat で、未読メッセージを生成 AI がサマリしてくれる機能が登場。要 Gemini アドオンライセンス。

Vertex AI Search で CMEK が利用可能に(US と EU)

Customer-managed encryption keys (2024-10-17)

Vertex AI Search で CMEK(customer-managed encryption keys)が利用可能に(GA)。

データストアが CMEK で暗号化されるようになり、規制要件等に対応できる。対応ロケーションは US と EU。

Associate Google Workspace Administrator 試験(Beta)が受付開始

Associate Google Workspace Administrator - Beta (2024-10-22)

新しい Google Cloud 認定資格、Associate Google Workspace Administrator 試験(Beta)が2024年10月22日に受付開始。

Google Workspace の日常的な管理業務や、トラブルシューティングに関する知識や技能が問われる。以下記事では、当社エンジニアによる受験 Tips を公開している。

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BigQuery data preparation が Preview 公開

Introduction to BigQuery data preparation (2024-10-24)

BigQuery data preparation が Preview 公開。

Gemini がデータクレンジングの推奨事項を提示。背後で Dataform が動きデータ変換を実現。BigQuery Studio(コンソール画面)から利用可能。

2024年末ころまでは無料で利用できるが、Gemini in BigQuery は、2024年末ころから以下のいずれかのユーザーのみが使えるように限定される。

  • BigQuery Enterprise Plus Edition
  • Gemini Code Assist Enterprise

Vertex AI Search でグラウンディングスコアが取得できるように(GA)

Return grounding support scores (2024-10-25)

Vertex AI Search で、グラウンディングスコアが取得できるようになった(GA)。

要約とフォローアップで、生成された文章の各位置のグラウンディングスコア(どれくらいグラウンディングに基づいて生成された文章か)が確認できる。

さらに関連アップデートとして、フィルタリングレベルを設定し、グラウンディングスコアが一定以下の場合は返答を返さないように設定できるになった。詳細は以下の通り。

Show only well-grounded answers

AlloyDB でメジャーバージョンのインプレイスアップグレード(Preview)

Upgrade a database in-place major version (2024-10-28)

AlloyDB for PostgreSQL でメジャーバージョンのインプレイスアップグレードが Preview 公開。

インプレイスアップグレードとは、新規インスタンスを起動することなく、既存インスタンスのバージョンをアップグレードすること。現在利用可能なのは PostgreSQL 14 から 15 へのインプレイスアップグレード。

Cloud Storage の認証済み URL がデータアクセス監査ログに対応

Return grounding support scores (2024-10-29)

Cloud Storageの「認証済みブラウザでのダウンロード」がデータアクセス監査ログに対応。

従来はデータアクセス監査ログが有効だと、認証済み URL でのダウンロードがエラーになったが、今後は可能になる。Looker Studio で Cloud Storage 上の画像を IAM 認証で表示するとき等に課題だった。当該の問題については、以下の記事を参照。

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GitHub Copilot で Gemini モデルが使えるように

Gemini models are coming to GitHub Copilot (2024-10-30)

GitHub Copilot で Gemini モデル(Gemini 1.5 Pro)が使えるようになる。コード生成、分析、最適化に Gemini が使われる。

リンク先記事には「開発者は、今後数週間以内に、 github.comの GitHub Copilot Chat、Visual Studio Code、および Visual Studio の Copilot 拡張機能との会話中に、Gemini 1.5 Pro を選択できるようになります。」とある。

杉村 勇馬 (記事一覧)

執行役員 CTO / クラウドソリューション部 部長

元警察官という経歴を持つ現 IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 12資格、Google Cloud認定資格11資格。X (旧 Twitter) では Google Cloud や AWS のアップデート情報をつぶやいています。