カケハシには、あらゆるプロダクトのデータ活用を一手に担う、データ基盤のスペシャリストチームが存在します。今回は、チームの中核となる3人のエンジニアに、「入社の決め手」「入社後の衝撃」「今後の展望」そして「求めるエンジニア像」を語ってもらいました。
事業・領域によって、扱うことのできるデータはさまざま。特に「自分の仕事が社会の何に貢献しているのか」「その課題解決が誰の役に立っているのか」モヤモヤを抱えているエンジニアの方にお届けしたい記事なりました。ぜひご一読を!
きっかけは「データを活用して世の中の役に立ちたい」という想い

松田:今日はよろしくお願いします。早速ですが、カケハシへの入社経緯から話していきましょうか。
まず私は、前職がヤフー(現:LINEヤフー)です。広告の部署でデータ分析などを担当していたのですが、だんだん自分の仕事をもっと世の中の役に立てたい気持ちが高まっていったという背景があります。
大学院時代に肝臓がんの予測システムの開発を研究テーマとしていたこともあって、医療分野にその道があるのではないかと考えていました。当時のカケハシは立ち上げ3ヶ月ほどのスタートアップでしたが、「データ活用によって、医療をより良く変えていける可能性」を感じて入社を決めました。
大木:カケハシ以外は検討しなかったんですか?
松田:全く検討していなかったです(笑)。Wantedlyでカケハシの求人を見つけて、話を聞きにいったその場で、「今、入社することを決意しました!」と。転職活動を始めて一ヶ月半ぐらいですね。
内田:決め手は何だったんですか?
松田:技術的なこと以上に、中尾さんと中川さん、二人のファウンダーが話してくれたカケハシのビジョンに興味を抱いたことです。正直、当時は薬局の課題について理解できたわけではなかったんですが、「データ活用によって薬局はこういう未来を描いていける」という二人の言葉が印象に残りました。
自分自身、薬局での処方薬の受け取りにDXの必要性を感じていたタイミングだったので、「データ活用によって処方がスムーズになりそうですね」「医薬品流通の予測モデルも立てられそうですよね」と盛り上がったことを覚えています。
私はそんなところです、では内田さんお願いできますか。

内田:前職はLINE(現:LINEヤフー)です。一貫してデータプラットフォームの開発・運用を担当するなかで、松田さんと同様「自分の経験を、より直接的な社会貢献に活かしたい」と思うようになり、選んだのがカケハシです。
カケハシのことは、今日ここでお話ししている松田さん、大木さんが書かれたテックブログの記事を読んで強く記憶に残っており、転職を考えたときに真っ先に思い浮かびました。中川さんやエンジニアとのカジュアル面談を通じて、ミッション・ビジョン・バリューに共感し、入社を決めました。
大木:テックブログをチェックしてくれていたんですか?
内田:はい、カケハシ以外にもいろいろな会社の技術ブログは広くチェックするようにしています。カケハシは、データメッシュやチェンジデータキャプチャといった技術を活用して挑戦的な課題に取り組んでいたので、非常に印象に残っていました。
松田:書いたブログがちゃんと届いていると嬉しいですね! では、大木さんもお願いします。

大木:前職はインターネット広告関連の開発会社で、3年ほど働いていました。広告の効果測定用データ基盤や広告自動運用のアプリケーションの開発など担当するなかで、データまわりに関わる期間が長くなっていくうちに気持ちが高まってきて、「データ基盤により深く携わる仕事がしたい」と転職を決意したんです。
カケハシを知ったのは、転職サイトのスカウトメールです。少子高齢化に伴うさまざまな社会問題に対して、真剣に向き合っている会社という印象を抱き、興味を引かれました。
当時のCTOや松田さんとのお話から、効率的なデータ基盤開発を可能にする組織設計のあり方に共感し、入社を決めました。縦割り型ではなく、解決すべき課題に対して横断的に取り組むことのできる組織という印象がありましたね。
入社後に驚いた“良い意味でのギャップ”とは?
松田:実際に入社してどうですか? 私の場合、ギャップを感じることはほとんどありませんでした。しいて言えば、他の会社に比べて、個人の裁量に委ねられる機会は多いと思います。
実は「データ基盤の専門チームを立ち上げたい」と最初に言ったのは私なんですよ。トップダウンで出来た組織ではなく、ボトムアップで生まれたチームなんです。明確な理由があれば、開発ディレクターの発案でチームもつくれるという(笑)。
内田:とてもいいエピソードですね。私も同じく、ボードメンバーとの距離の近さを感じています。我々の考えも伝えやすいし、CTOをはじめボードメンバーの考えもよくわかります。
何より、自分の仕事の意義を実感できるのは、こうした環境だからこそだと思います。自分たちのサービスが社会にどのような影響を及ぼしているのか、その手応えを感じられることがモチベーションアップにもつながっています。
大木:議論がチームに閉じることなく、組織が一体となってデータ基盤の活用や可能性を議論することができるのも、カケハシの魅力の一つだと思います。
ボトムアップでさまざまな提案ができるので受け身になることがなく、目標設定などもトップダウンではなく議論をもとに進めていくというのは、カケハシ以前にはなかったことです。
松田:データプラットフォーム「Databricks」の導入を提案してくれたのも大木さんでしたね。今ではカケハシになくてはならないものになっています。
大木:CTOにDatabricksの必要性を提案したところ、合理的だと承認いただきました。ボトムアップの裁量の大きさに驚きました。
松田:逆に、戸惑いを感じたことはありましたか? 私はリモートワークが前提の組織ゆえに、チームビルディングやメンバーとの関係構築などで戸惑うことも若干はありますが……。
内田:リアルに会う機会はどうしても限られてしまいますし、メンバーの顔が見えないなかで仕事をしているので、ちょっとしたアイデアなど「言っていいのかな?」と一瞬立ち止まることもあります。松田さんにそのことを伝えたところ、月1回ほどの頻度でチームのオフサイトミーティングを行うようになり、壁を感じることはかなり少なくなりました。
大木:とても共感できます。前職もコロナ禍のタイミングでフルリモートになったのですが、あくまでもそれまでの関係性がベースになっていたので。
一方、カケハシは最初からフルリモートで関係構築のない状態からのスタートだったので、周りのメンバーの顔が見えないことに戸惑いはありました。オフィスに行く機会があまりに少なく、家族から「本当にカケハシという会社は存在しているのか?」と言われたこともあります(笑)。
カケハシを今まで以上にデータドリブンな組織へ
松田:では、我々の仕事について話していきましょうか。
私たちはカケハシのデータスペシャリストチームとして、データ基盤の新規開発・保守運用をするのがメイン業務です。先ほど話題にあがったDatabricksを使いながら、他のエンジニアが利用できるプラットフォームを用意しています。基盤づくりに加え、医療系のデータを扱う上で安心安全に利用できるようにガイドラインの策定なども進めているところです。
サービスを通じて得られたデータを、他のチームが活用しやすいよう下支えすることで、カケハシをデータドリブンな組織にしていくことをミッションとしています。
大木さん、内田さんは、このチームでの仕事をどう感じていますか?
大木:薬局をはじめとした医療分野に関わるサービスという性質上、私たちが扱うデータは、患者さんの個人情報や要配慮個人情報など非常にセンシティブなものです。私の場合は、今までのキャリアではあまり意識してこなかったような法律や規約を理解する必要があるのですが、新しい知識をインプットしていくことが本当に楽しいんです。知識が増えていくことに加えて、個人情報に関する理解がどんどん深まっていく点にやり甲斐を感じています。
内田:センシティブな情報をしっかり守りながらも、データの適切な利活用を促進していく。そのための基盤作りは、とてもチャレンジングでおもしろい部分です。
チームの雰囲気もいいと思います。もともと2週間のスプリントで業務を進めていたのですが、最近は松田さん、大木さんの旗振りで「もうちょっとPDCAサイクルを早く回せるように」と1週間のスプリントにしていて。1週間ごとに振り返りをして、改善点をチームで話し合って……といったサイクルでグルグル回しているので、毎週進化を感じられています。
チームがいい方向に進んでいることを感じられるのが、嬉しいですね。
大木:スクラムのフレームワーク通りにやっているだけではあるんですけどね(笑)。チーム全体が、お互いに言いたいことを言いやすい雰囲気になっているのであればよかったです。
松田:ほとんど大木さんが主導してくれたんですよね。大木さんの奮闘ぶりをみて「お任せしてよかった」と感じました。
これまでは一人で一つのタスクをクリアしていくような仕事の進め方だったので、全体の状況を把握するのが難しく、行き詰まっても自力で解決していくしかありませんでした。最近は一つのタスクに対して二人以上で関わったり、チームで改善していったりする場面が増えてきたので、今期の目標も達成が見えてきたところです。
求めているのは、目的を見据え役割を固定化せずに動ける人
松田:このチームの今後について、お二人が考える向き合うべき課題について教えてください。
大木:直近の課題としては、Pマーク対応のためにシステムのアーキテクチャを見直して、よりセキュアにデータを扱える環境を構築することです。
いずれはデータ基盤の構築をプロダクトチームと連携して進めるデータメッシュにも取り組みたいと思っています。正直なところ、これまでは我々がボトルネックになって物事を進められない状況もあったので、他のチームを巻き込みながら、よりよい開発体制やプロセスを構築していきたいと考えています。
内田:確かに、目下のところは個人情報取扱の強化など、守りの側面に注力すべきですが、中長期的にはプロダクト開発メンバーが安心安全に開発に専念できる仕組みを構築していきたいですね。
松田:ゆくゆくは「データ活用が新たなサービスを生み、そのサービスが新たなデータを生んで……」というエコシステムのような循環をつくっていきたいですよね。
カケハシは非常にセンシティブなデータを扱っており、そのため私たちのような組織横断型のチームが専門的な観点でチェックした上で、各プロダクトのエンジニアがデータを活用することができるという、データメッシュの手法を取り入れています。
これは、データエンジニアそれぞれが、リスクマネジメントや個人情報に関する正しい知識を学ぶ必要があるということでもあります。その上で、各事業・各プロダクト・各チームそれぞれが分散的にデータ活用するできる環境を構築するというチャレンジングな課題に興味がある方とは、ぜひ一緒に仕事してみたいですね。
個人情報などのリスクマネジメントに興味がある方には、学びの多い環境だと思っています。さまざまな種類の利用規約を扱うので、最近では「法務担当者と深く話せるくらいの知識が身についてきた」と実感するほどです。
さて、ますますおもしろくなっていきそうなデータエンジニアリングチームですが、お二人はどんな方と一緒に働きたいと考えていますか?
大木: カケハシが掲げる6つのバリューに共感できる方ですね。とくに「変幻自在」や「無知の知」という点は、今後もいろいろなチャレンジを続けていくこのチームに、特に必要だと思います。
今後ますます、一人ではカバーできないプロジェクトが増えていきます。プロダクトやチームが置かれた状況を踏まえて「こういう役割を誰かが担わなければならない」「こういう専門性を持った人が必要になる」と主体的に動いていく必要がある。バリューを発揮しながら、自分の役割と固定化することなく動いていける方と一緒に働きたいですね。
内田:カケハシの特徴のひとつが、一つのチームがデータマネジメントとデータエンジニアリングを一手に担っていることです。だからこそ、マネジメントとエンジニアリングの連携が可能になる。データ組織“あるある”な「マネジメントの指示に対して、エンジニアリングがよく思っていない」みたいなこともない。マネジメントとエンジニアリングの両方に興味のある方には向いているのではないでしょうか。
また、現状ではエンジニアが私たちのデータ基盤上で新たにプロダクトを開発する際の手順が多いので、今後はもっと少ないステップで開発できるようなシステムを実装していきたいと考えています。やることが多く、チャレンジングな環境ではあるものの、仕組み化や効率化に興味のある方にとってはやり甲斐になるはずです。
大木:もちろん、それ以外にもいろいろな選択肢があるので幅広くチャレンジできますからね。
松田:そうですね。スタートアップにハードワークで課題を解決していくようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、カケハシは育児世帯も多く、むしろ効率や生産性によってパフォーマンスを最大化することを重視しています。
興味をお持ちになった方には、ぜひお話だけでも聞きにきていただきたいですね。というわけで、今日はありがとうございました!
内田&大木:ありがとうございました!
<プロフィール>
松田健司
2014年、新卒でヤフー(現:LINEヤフー)に入社。広告配信サービスのDMP開発を担当する。2016年、株式会社カケハシに6人目のメンバーとして入社。薬歴システム「Musubi」の開発、薬局経営ダッシュボード「Musubi Insight」チームの立ち上げ後に、データ基盤チームを立ち上げEMを担当し、全社のデータエンジニアリングとデータマネージメントを推進。趣味はビリヤードで、全国大会にも出場。
内田早俊
2016年、新卒でワークスアプリケーションズに入社。ERPパッケージのSREとして活躍する。2018年、LINE(現:LINEヤフー)に入社。オンプレミスでの大規模データプラットフォームの開発・運用を担当する。2024年5月にカケハシへ入社。データ基盤チームの一員として、データエンジニアリングとデータマネジメントを推進している。登山を趣味にしようとしているところ。
大木康平
SIerでキャリアをスタート。その後、インターネット広告業界に移り、大手広告代理店の大規模データ分析基盤の開発・運用を経験する。2022年1月にカケハシに入社。全社共通のデータ基盤としてのDatabricksの導入を推進し、現在はデータエンジニアリングに関連するさまざまな業務を担当する。
データ基盤開発チームの職務内容はこちらをご参照ください
・【データ基盤チーム】シニアデータエンジニア
・【データ基盤チーム】データエンジニアリングマネージャー