BASEプロダクトチームブログ

ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

私のキャリアチェンジ:データ分析者からプロダクトマネージャーへ

本記事はBASEアドベントカレンダー2024の12日目の記事です。

はじめに

BASE BANK Division(以下、BANKチーム)でプロダクトマネージャーをしている齋藤です。

今年リリースしたPAY.JP YELL BANKを担当しています。

pay.jp

これまでのキャリアの大半がデータを利活用する業務が多かったのですが、今年から金融サービスのプロダクトマネージャーにキャリアチェンジした経緯をお話ししたいと思います。データ分析人材のキャリアパスの参考として読んでいただけると嬉しいです。

これまでデータ関連の仕事をしてよかったこと

一概にデータにまつわるお仕事といっても機械学習エンジニアやデータアナリスト、データエンジニアなど様々な職種があります。私の場合、幸いにも濃淡はあれどそれぞれの分野で一通りの業務に携わることができました。

社内で進行している様々なプロジェクトに対してエンジニアリングで課題解決することもあれば、データ分析の観点からコンサルティング的な立ち回りをすることも多く、非常にやりがいのある仕事でした。また、BASEには様々なサービスやプロダクトがあることも多様な職種とのコラボレーションを通じて、各サービスの成功は何であるかを各場面で認識することができました。

結果として、様々な視点を持てることで自分が携わっているBASEの強さや役割を強く認識することができ、単純にスキルの幅を広げられただけでなく、仕事に対するモチベーションを維持することに繋がりました。

データアナリストからプロダクトマネージャーへ

職種的に社内横断的に活動することが多かったのと、かつ、求められる動きとして既に顕在化している課題を対処するというアプローチを取ることが多かった印象があります。スポットで小さな成果を出しつつも、携わったプロジェクトが長期的に成功させられたのかという実感を持ちづらかったという反省がありました。

また、今後のキャリアとしても長期的な目線でプロダクトを成長に繋げたという成果を持っておきたかったので、社内公募制度を利用し、新規事業であるBASE BANKの専業データアナリストとして社内異動しました。

異動後はデータアナリストとして動きつつ、時にはエンジニアリングをすることもあれど、課題発見から価値創造までを責任を持って活動できるようになってよかったと思っています。

ただ、一般的にデータアナリストの視点から見出される事業の問題点の多くは、純粋なデータ分析だけでは解決が困難なケースが多いと思います。施策を実行に移す際には様々なステークホルダーとの協働が必要となり、優先順位の判断もデータの観点だけでは不十分な場面が数多くあるのがデータアナリストの困難さだと思っています。

私のデータアナリストとしての動きとしては、基本的にPdMや事業責任者と並走することが多く、経営者や事業責任者と同じ目線で物事を見なくてはいけない場面も多く、自然と事業課題にフォーカスした動きをとりたいという意欲が湧いてきました。結果、プロダクトに関わることができるプロダクトマネージャーへのキャリアチェンジを決意しました。

データ分析出身者であることの強み

プロダクトマネジャーとして、以下のようなデータ分析スキルを直接活用できています

  1. 意思決定に必要なデータの自由な取得・加工
  2. 必要なデータが存在しない場合のログ・データセット設計と整備
  3. データの発生過程を踏まえた、確度の高いであろう統計的意思決定

これらのスキルを活かし、社内のBIツールであるLookerの管理も担当しています。

特に金融サービスにおいては、与信モデルがサービスの根幹にあたるものですが、特性や算出過程を技術的に理解できることで、ブラックボックス化せずに判断ができる状態を維持しています。

ただ一方で、新規事業という性質上、全てを定量的に評価することは現実的ではありません。今後は、定性的な洞察とのバランスを取りながら、データドリブンな意思決定の文化を組織に根付かせ、より価値の高いプロダクトの構築を目指していきたいと考えています。

データ分析出身者であることの弱み

前提として、そもそもプロダクトマネージャーとして求められるスキルセットが幅広いことは周知の事実としてあります。最初から全てをカバーするのは無理だと思ったので、自分が対応しないと仕事が回らない領域である各ステークホルダーとの折衝に注力していました。幸いにもシステム開発やデザイン、マーケティングについてはその道に長けたチームメンバーに恵まれており、それぞれの意思決定や提案を尊重しつつ、これまでサービス拡充を続けられました。

また、新規事業であるが故に、あらゆる方向での解像度が低いのが課題だと思っています。最近では、事業数字やユーザー属性について私がデータ分析した結果を共有する時間を取るようにすることで、各数字に対する解像度を上げる企画を実施していたりしてます。

その他、チームでデザインスプリント(社内での過去事例)を実施したり、競合他社の動向やサービスを深掘りする仕組みが運用がされ始め、チームとしての目線感が揃いつつある実感を得られています。

プロダクトマネージャーが一人で抱え込まずに、それぞれのチームメンバーの目線でサービス改善の意見をもらえる環境があるので非常に助けられています。

おわりに

私以外にも、データアナリストからプロダクトマネージャーへとキャリアを選択する方が増えていると感じています。ただし、これは全てのデータアナリストが目指すべき道筋というわけではありません。

実際、プロダクトの意思決定者がデータを細部まで把握し管理することは、労力的にもスキル的にも現実的ではないと思います。むしろ、データの専門性を極めることで組織の意思決定を下支えする参謀的な役割を担うというキャリアパスも、同様に価値のある選択肢だと考えています。

一方で、データを起点とした価値創造に関心があり、より事業やプロダクトの中核に近い立場で意思決定に関わりたいと考えるデータアナリストにとって、プロダクトマネージャーへのキャリアチェンジは、挑戦する価値のある選択肢の一つとなると思い、自分のキャリア選択について紹介させていただきました。

明日は、大木さんとOliverさんの記事となります。お楽しみに!

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