初めまして。エンタープライズ第一本部の佐藤悠です。
本記事ではAWS Certified Solutions Architect - Professional(以下:SAPro)をほとんど業務経験のない新人の私が、勉強のみで取得した経験談を紹介します。
想定読者はAWS Certified Solutions Architect - Associate(以下:SAA)を取得済みの方です。未経験の場合はSAAからの取得をお勧めします。
目次
著者背景
- 大学や院ではほとんど情報をやっていない
- 基本情報取得(入社後)
- 新人1年目
- インフラ業務にまつわるOJT課題を1か月間実施
- 2週間でAWS Certified Cloud Practitioner(以下:CLF)を取得
- 1か月でSAAを取得
インフラの知識はなかったので、試験対策を行う中で学習をしました。CLFの試験勉強を始めた当初はIPアドレスのネットワーク部とホスト部の概念を知らないくらいのレベルです。
SAProとは
AWS Certified Solutions Architect - Professional は、AWS でのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて2年以上の実践的な経験を持つ個人を対象とするものです。
対象となるレベルは以上のようになっており、業務経験がない人が学習を行うと分からないことの量、試験範囲の広さや問題のボリュームに挫折してしまうと思います。したがって、未経験者の方は50~100時間ほどコミットすることを覚悟して、学習する時間を確保する必要があります。ただ2年以上の実務経験は受験のための必須条件ではないので、未経験で取得出来たら2年分の知識を獲得できるチャンスでもあります。
複雑な問題に対する複雑なソリューションの提供、セキュリティ、コスト、パフォーマンスの最適化、および手動プロセスの自動化における高度な知識とスキルを証明するために役立ちます。
この資格を取得することによって得られる知識は以上のようになっています。問題も詳細は後述しますが、想定される課題に対して複数のサービスを組み合わせたシナリオにおいて、最も効率的なものを選択する形式であるため、用意された選択肢から選ぶということ以外は実践的であると感じています。
取得理由
SAProはSAAに比べてさらに具体的で実践的なユースケースや課題に対処するような出題形式をとっていたので、試験対策を通じて課題解決のための手法を深く理解できるのではないかと考えたのがきっかけです。
また、新人で最上位資格を保持していることでAWSに関しては他の人と差別化できて自分がやりたいインフラの仕事に立候補できると考えました。これがあきらめかけた時の支えになっていました。
学習方法
試験概要
試験の概要は以下のとおりです。
SAAに比べて試験範囲がわずかに狭くなり頻出の分野が特定しやすいですが、その分問われる内容は深くなっており、要求される正答率も高くなるので試験の難易度は難しくなっていると感じました。
- 内容
- 複雑な組織への対応
- ソリューション設計と継続的改善
- 移行とモダナイゼーションの加速
- 出題形式
- 選択肢から単一または複数選択をする形式
- 時間
- 180分
- 問題数
- 75問
- 合格点
- 75%
学習教材
以下の学習教材をお勧めします。
CloudLicense
- メリット
- 日本語に違和感がなく解説が詳しい
- 本番で出る内容が多かった
- デメリット
- 問題文をコピーできないので間違えた問題をまとめるには手打ちが必要
F12キーを用いて問題文のテキストブロックをコピーできるので許容はできますが、やや手間でした。
Udemy AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam
- メリット
- 本番でほぼ同じ内容が問われた
- コピー&ペーストが可能
- デメリット
- 英語の問題文をgoogle翻訳にかけると意味不明な時がある
https://www.udemy.com/course/aws-certified-solutions-architect-professional-aws-practice-exams
こちらは変な翻訳を原文を見て補正する作業が出来れば問題の雰囲気が近いので良い教材だと思います。
方法
以下の試験問題のサンプルをもとに学習方法を解説します。
このような形式で問われるので「背景」「現状」「要求」に分離します。
この3要素に綺麗に分離できないこともありますが、ざっくりと切り分けることで問題文の見通しが良くなります。大体の場合は文末にある要求の部分に目を通してから、背景と現状を理解することで要求に対する課題がどの点にあるかを把握しやすくなるということです。
このサンプル問題を例に考えます。
要求は過剰な支出を防ぎ、各アカウントのコントロールを維持するソリューションを提案することです。
背景は攻撃者によるインスタンスの起動で請求が高額になったことです。
最後に、現状はセキュリティ侵害には対応したが過剰な支出を防ぐソリューションはないということがわかります。
この時の要求を満たすにはセキュリティ上の問題は考慮しなくていいということが分かり、この長い問題文でも読むべきは後半部分に限定できたので大分見通しが良くなりましたね!
そのあとで、選択肢を見ていきます。
この条件を満たす選択肢はCですが、私はそれ以外の選択肢が違う理由も解説できないと解けたことにしませんでした。
解説や公式ドキュメントを参考にしながら、問題がどの分野に属するものかとどのサービスに関連するものかを分類して以下のようにmdファイルでメモをまとめていきました。
VScodeの環境下で見出しの命名規則を決めて静的解析の拡張機能を使用すると、同じ見出しがある際には警告が出るので情報を一つの場所にまとめることができます。
学習のコツとしてはドキュメントを写さないことです。分からないことを写すのは負荷が小さいので記憶に残りづらい気がします。なので、問題を解くためのドキュメントを読み込んだ後にノートをまとめる際には参考資料を見ないようにします。つまりインプットとアウトプットは分離するということです。
以上の方法で先述の問題集を解きます。この方法でやると時間がかかりますが質を高めれるため、200問前後で合格できると思います。私が実際に解いたのも210問でした。
テスト当日
テストセンタで受験しました。
試験時間は長いので事前にトイレに行くことをおすすめします。
問題を半分解いたら休憩してください。
せっかく受験するのですから、太刀打ちできない問題も選択肢から絞って回答できるようにしましょう。
この選択肢のパターンの場合はAとB、CとDとEに選択肢を分けることができ選択肢を2つ選ぶ際にはそれぞれ1つずつ選ぶ傾向があります。
またサンプル問題にはなかったのですが、以下のような選択肢の場合
A ) CloudFrontを使用して~
B ) CloudFrontを使用して~
C ) CloudFrontを使用して~
D ) S3で静的ウェブサイトホスティングをして~
これはA~Cに正解があることが多いです。
結局、この傾向が分かるくらい問題解いていると普通に試験合格できるのですが、どうしても時間がなくて選択肢から逆算したいときに参考にしてください。
そして、あくまで傾向なので切羽詰まった際の参考程度でお願いします。
まとめ
AWS試験のなかで一番難しかったですが試験対策の過程で通常のハンズオンでは検証が難しい内容、例えばControl Towerなどの組織管理に関する部分をシナリオに基づいた課題を解決することで理解出来たので合格自体もそうですが、それまでのプロセスに意味があったなと感じる試験でした。
未経験だと厳しい道のりでつらいですが、合格はできるので同じ境遇の人は頑張ってください!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
一人でも多くAWSの認定試験に興味を持ち合格していただけたら嬉しいです。
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電通総研 新卒採用サイト執筆:@sato.yu、レビュー:@nakamura.toshihiro
(Shodoで執筆されました)