こんにちは、ファインディ CTOの佐藤(@ma3tk)です! 今回は2024年の振り返りと、2025年のファインディのエンジニア組織における今後の方針についてお話します。
2024年はエンジニアが20名加わり60名規模の組織となり、退職者もほとんど出ない良好な組織文化を築きました。ファインディ全体でも100人以上も増え少しずつ大きくなってきました。テックブログは70本を超え、プロダクト開発の人数が増えていながら開発スピードは1.5倍に向上しました。
数字だけを見ても、この1年の変化の大きさを実感いただけるかもしれませんが、まだまだやるべきことが多く、この成長があってもファインディが実現したいことに少し近づいたというくらいです。今後の見通しについても後ほどご紹介します。
仲間が増え、組織で役割・状況が明確になった2024年
1年前を思い返すと、意図せず役割が不明確なメンバーもいたり、複数の業務を兼務しながら課題を解決する動きが多くありました。この1年で、元VPoE経験者や部長経験者など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが加わってきたことで誰が何をすべきかを整備し、役割の明確化を行うことが出来ました。
お恥ずかしながら、ツールの運用確認などは昨年まで後手に回っていました。例えば、利用しているSaaSツールなどの管理をより精緻化しました。これにより「なんのために何を購入し、どれくらいの費用がかかっているのか」「今後の費用はどう推移していくのか」などがより細かく把握できるようになりました。その結果、組織として適切な支出ができているか、不要な支出を抑制できているかなど、経営状況の見える化が進みました。エンジニアリングのROIを見える化することで、より効率的な運用ができるようになったことで、お金をしっかり使うべきポイントにはきちんと使い、効果が見合わない場合は利用者と認識を合わせてきっぱりやめるというメリハリをつけられるようになりました。
また、印象的だったのは、Findy Team+の開発チームを4チーム体制へと拡大したことです。プロダクトの急成長に合わせて開発体制を強化する必要があり、沢山のメンバーに関わってもらいながら様々な角度からFindy Team+の開発を強化してきました。おかげで直近ではSOC21を取得したり、利用者の皆様にとって必要な機能を爆速で提供し価値を感じてもらえるようになってきました。 同時にSREチームも新設され、それと共にインフラ面での強化がなされ、より安全で不要なリスクを排除できる環境を実現しました。セキュリティマネジメント室もでき、組織全体でも安全に運用できる体制にもなってきました。
その他にもこの一年でデータ基盤を整備しました。これにより、データ分析やデータサイエンスに必要な正しいデータを早いタイミングで提供できるようになりました。また、認証基盤の整備により、ファインディのサービスをより便利で安全に活用できる開発体制を実現しています。
前述したテックブログを始めたことで、「テックブログの取り組みを見て強くを興味を持った」と言って入社していただけるメンバーも増えました。メンバーが増えたことで、テックリードを始めとして組織的にオンボーディングを強化してきました。別な記事で詳しく触れていますのでご覧ください。 tech.findy.co.jp
全体的には組織を知ってもらう一年でしたが、後半からはどうやってメンバーを即戦力化し、技術力の高いエンジニアにすぐに近づけるための環境整備をしました。
個人としても1年がかりで開発生産性の教科書という書籍を執筆し、多くの方に読んでいただける状態になりました。レビューをしていただいたエンジニアの皆さん、ありがとうございます。まだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。
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2024年は総じて、2025年以降に向けた新しい仕込みを開始できた素晴らしい年だったと思います。
生成AIで開発がより加速した
2024年は生成AI元年とも呼べる年でした。GitHub Copilotの各種リリース、ChatGPT 4oをはじめとする様々な生成AIが我々の開発環境をアップデートし、仕事の進め方を大きく変えてきています。
ファインディではGitHub Copilotを全社的に導入し、開発効率を大きく向上させることができました。具体的には、エンジニア一人あたり月間でPull request2個分くらいを平均的に上げることに成功しました。インタビューしていただいた記事もありますのでご覧ください。 xtech.nikkei.com
アーキテクチャの観点では、8年目を迎えたプロダクトには、率直に言って古い箇所もあります。しかし、継続的な投資と改善を怠らず、アーキテクチャの刷新も進めてきました。その結果、デプロイ頻度は月平均20回から29回へと向上し、1.45倍以上プロダクトの改善が進むようになりました。開発スピードとクオリティの両立が実現できていると言えるでしょう。
2025年はエンジニアリングで事業に革命を起こす
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「技術とデザインで事業に革命を起こし、挑戦するエンジニアを支え続ける」を我々エンジニアリング組織とデザイン組織の2025年テーマとして定めました。
生成AIを組み込むことがゴールではありませんが、プロダクト、サービス、そして組織そのものをより良くしていく。そのためのツールとして生成AIを活用していきます。
具体的には、以下のような挑戦をします。
- 生成AIを活用し、ユーザーのニーズに合わせた必須機能をつくり続ける開発体制の強化
- より多くのユーザーに価値を届けるためのアーキテクチャ刷新やツールのリプレイス
- グローバル展開の加速に向けた国際化対応とセキュアで高品質な技術基盤の強化
- メンバー数やつくりたい機能数が増えてもチーム開発の革新を実現する開発生産性の高いチームづくり
この4点について1つずつ説明します。
生成AIを活用し、ユーザーのニーズに合わせた必須機能をつくり続ける開発体制の強化
昨年、我々ファインディでもFindy Team+に生成AIを活用したオンボーディング機能を組み込んでいきました。
「チームに開発革命を起こす」というプロダクトビジョンを発表し、サービスは大きく進化しています。この過程で様々なフィードバックをいただきました。僕の体感値では、今のFindy Team+は持てるポテンシャルの10%前後しか発揮できていない状況です。フィードバックから見えてきた課題を解決しようとすると、まだまだつくりたい機能が無限に湧いてきます。
この1年でも生成AIによって日々開発環境が進化し続けています。コードを書くこと自体も大切ですが、その作業時間は大幅に効率化されてきました。その分、「どんなサービスにするか」「どのような技術の組み合わせが最適か」といったアーキテクチャ設計により多くの時間を投資する動きが世の中でも見えてきました。
こういった環境を踏まえて、プロダクトの企画としても、ユーザーの皆様に向けて生成AIを活用しながらエンジニアの課題やエンジニアリング組織の課題を解決する開発を進めています。まだ検証中や開発途中のものも多く、さらなる進化を実現させていきます。
僕自身も生成AIに投資しながら新しい技術をプロダクトに組み込むアイディアを日々出し続けています。
より多くのユーザーに価値を届けるためのアーキテクチャ刷新やツールのリプレイス
事業が4つに拡大し、ファインディのサービスをより便利に連携させる仕組みを構築しています。
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基盤開発として、ファインディのサービスで利用できる認証基盤を強固にしながら、サービス間の連携を便利にしています。
また、日々新しく生まれるライブラリや外部ツールを最新にしていくため、継続的にアーキテクチャを見直しています。我々ファインディの成長、そしてファインディを取り巻く開発環境の変化を踏まえて、変更に寛容なアーキテクチャを目指し続けます。
グローバル展開の加速に向けた国際化対応とセキュアで高品質な技術基盤の強化
昨年は、Findy Team+でインド、韓国、台湾を中心にグローバルでの事業展開を強化してきました。そのために多言語化対応をし、様々なタイプのエンジニアリング組織の課題を解決するための開発を進めています。
日本でよく見られる課題を解決するプロダクトでしたが、各国で悩みの種類が異なることに気づきました。そこで、すべての国でワンプロダクトとして解決できるよう進めています。まだまだ多くの課題に応えきれていない状況です。
グローバル展開では、さらなるセキュリティ強化が求められます。常に安定した稼働ができるサービスづくり、そして万が一の障害時も爆速で復旧できる開発体制を維持します。これからも、グローバルで価値提供ができるプロダクトを複数つくっていきます。
メンバー数やつくりたい機能数が増えてもチーム開発の革新を実現する開発生産性の高いチームづくり
人材も増やしていきたいですし、つくりたいものもこれからますます増えていきます。
「エンジニアリングで事業に革命を起こす」ために、まずはファインディの開発組織を世界一の開発組織へと進化させる必要があります。
この5年で開発組織のレベルは大きく成長し、チームとしては開発生産性が高いと言えます。直近の課題は、メンバーが入社してすぐに慣れたと言える環境をつくることでした。そこで、組織全体でエンジニア育成に時間を投資してきました。
2024年は、組織全体で開発がスムーズに進み、障害が起こりにくく、起こっても解決できる体制を築きました。それだけでなく、エンジニア個人も市場価値の高い人材になれるよう育成してきました。
どこでも通用するスキル、そしてファインディで開発することが最高の福利厚生となる組織を目指し続けます。
そして、まだ工数の関係でできていない改善にも、積極的にチャレンジしていきます。「やりたいことリスト」は日々増えており、それだけ可能性が広がっているということでもあります。
これからエンジニアリングで革新を一緒に起こしませんか?
我々ファインディは今、非常に面白いフェーズにいます。組織は大きく成長し、技術的な挑戦も加速しています。しかし、まだまだ道半ばです。役割も明確にして集中して技術と事業に没頭しながらもっと面白いことができる、そんな環境に進化しました。
2025年は、さらにワクワクする変化の年になると確信しています。この革命が起こせそうな瞬間に興味を持っていただけた方は、ぜひファインディでカジュアル面談やイベントを通してお話ししませんか?
先ほど挙げたようなチャレンジを実現するために、次のような方も募集しています。
- エンジニアリングをターゲットにしたプロダクトづくりに興味がある方
- 開発生産性の高い環境でアーキテクチャを進化させ続けたい方
- 生成AIを活用してプロダクトを進化させたい方
- グローバル展開を技術で支えたい方
- 生産性の高いエンジニアリング組織で働きたい方
- 日常的に英語を使う環境で開発したい方
もちろんAND条件ではなく、どれかにマッチすれば是非お話しましょう!
2024年は多くの優秀なメンバーがジョインし、新しいファインディへと進化するための仕込みの1年でした。2025年も、まだ見ぬ新しい仲間とともに、より大きな挑戦をしていきます!
- System and Organization Control 2:アメリカの公認会計士協会(AICPA)が制定した、クラウドサービス提供者やデータセンターなどの受託会社を対象とした信頼性を証明する国際的な仕組みです。↩