こんにちは!! SREチームマネージャーの藤原です。
2024年6月末から2025年2月頭にかけて、入門 継続的デリバリーの読書会を実施し、完走したのでその報告エントリです。
勉強会の進め方
基本的な進め方としては、過去エントリにて解説した通りの進め方に則る形としました。
つまり、
- 事前に対象とする章を定める
- 参加者は対象の章を読む
- 参加者は気になった部分などを引用しながら所感をなどをGoogle Docsに記載する
- 当日はそれぞれ読んだ内容についてDocs記載内容について説明しながらディスカッションする
の形で進めました。

書籍の内容について
書籍の内容としては、架空のシステムを対象にストーリー仕立てでCI(Continuous Integration; 継続的インテグレーション)やCD(Continuous Delivery; 継続的デリバリー)においてよくある問題とその対処方針をまとめています。
流れとしては、事例を挙げた上で個々の状況においてどのような点に問題があるのかを解説しています。問題を抱えた現状を改善してより良い状況に持っていくにはどう考えるか?どう対処するか?を基本となる考え方を示しつつ、アクションを定めていくような形をとっています。
なぜバージョン管理が重要なのか?といった基本的なことについても当然のこととして切り捨てるのではなく改めて丁寧に確認するような形となっています。また、テストそのものやCI/CDパイプラインから得られるシグナルをどうとらえるか、シグナルに比してノイズが多すぎる状況はどのような問題を開発組織にもたらすか?などさまざまな観点からプロダクトの開発プロセスにおけるデリバリーに関わるプロセス上の課題について議論しています。
さらに、テストやビルドの技術的な問題を解決していく中で、DORAメトリクスなどを使ってデプロイに関連した組織パフォーマンスを測定することなども記述されています。
終盤では、CI/CDのパイプラインを構築運用していく上での考え方が述べられています。問題が発生した際のトラブルシューティングに必要なシグナルや、そもそもCI/CDのパイプラインを構成しているスクリプトもコードであり、各種ソフトウェアエンジニアリングにおけるプラクティスが適用できることなどが述べられています。
勉強会を通じての感想
事前に読んで気になった点をピックアップしたり、勉強会の中で気になった点などをコメントしたり、個々人が勉強会の中で発言した内容をコメントと残す中で、最終的にGoogle Docs上では、A4で37ページ、コメント数は120-130程度の大作になりました。
個々の回では対象となっている章のどの部分に勉強会参加者が興味があるのか?が引用した部分やコメントから浮き彫りになりました。
書籍の内容としては、(藤原個人からみると)特別な内容はなく、よくある課題とそれらへの対応方針を丁寧に言語化してくれています。 議論の端緒として非常に有用な書籍でした。
コードを提示した上でどう直すか?といったことはほぼないので、写経して学ぶといったスタイルの書籍ではありません。 それよりは直面している問題をどう捉え、どう対処するかについての指針が多く述べられています。 このようなことから、読み進めるに際しては、”書籍中で述べられているこの問題は自分たちの抱えているプロダクトにおいてどの部分に対応するだろう?”といった観点から、書籍で述べられている内容をベースに具体的なアクションを議論することでより得られる学びは多くなると思いました。