はじめに
不具合発見時に、再現頻度が低い不具合が改修されたことの確認について、
どのような指針のもとで実施するか決まっているでしょうか。
1/nで再現した不具合は、100%改修されたことを確認できません。
QAエンジニアは、限られた再現確認工数の中で、説得力のある確認回数の検討が必要です。
そこで、統計的仮説を用い、何%起こらなければめったに起こらないと判断するか、参考となる考え方を記載します。
標準偏差 2σ、3σを用いる
バグ発生確率をp、 確認する回数をn、 n回実施して不具合が起こる事がめったに起こらない確率をfとすると、 下記の式が成り立つnを求めればよいことになります。
1-(1-p)^>f
式の考え方
- 1-pは、1回実施しても不具合が発生しない確率
- (1-p)^は、n回実施しても不具合が発生しない確率
- 1-(1-p)^は、n回実施したらバグが発生する確率
上記式に当てはめると、下表のように
不具合発生確率1/5の場合、2σは14回
不具合発生確率1/10の場合、2σは28回となります。
バグ発生確率 | めったに起こらないと判断する確率 | |
2σ(約95.4%) | 3σ(約99.7%) | |
1/5 | 14回 | 21回 |
1/10 | 28回 | 44回 |
対象となる製品で求める品質が2σ(95.4%)では不十分で、3σ(99.7%)となる場合は、fを変えれば求めることができます。
最後に
今回ご紹介したやり方は、一つの例となりますが、 再現頻度の低い不具合の確認回数方法として、参考になれば幸いです。