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週刊生成AI with AWS – 2025/3/10週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

さまざまなお客様からご要望をいただいていましたが、DeepSeek-R1モデルがAmazon Bedrockでフルマネージドな形で利用できるようになりました。これまでもAmazon Bedrock MarketplaceやCustom Model Import機能を介しての利用は可能でしたが、フルマネージドで提供されるようになったことにより、さらに気軽に試せるようになっています。ブログ記事も翻訳済みですので、ぜひチェックしてみてください。

それでは、3 月 10 日週の生成AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

サービスアップデート

    • Amazon BedrockでDeepSeek-R1をフルマネージドでご利用可能に
      Amazon BedrockでDeepSeek-R1をご利用いただけるようになりました。これまでもBedrock MarketplaceやCustom Model Importを介して利用できましたが、今回のアップデートではフルマネージドなのがポイントです。もちろん、Amazon Bedrockが提供するエンタープライズグレードのセキュリティ、モニタリング、コスト管理などの機能を利用できるとともに、Bedrock Guardrailsによる追加の安全機構を導入することも可能です。なお、現時点ではバージニア、オレゴン、オハイオのリージョンが対応しています。ブログ記事のほうもご覧ください。
    • Amazon BedrockでMeta Llama 3.2のファインチューニングが可能に
      Amazon BedrockがMetaのLlama 3.2のファインチューニングに対応しました。対象は1B, 3B, 11B, 90Bのモデルです。この機能は現時点ではオレゴンのリージョンで利用できます。
    • Amazon Bedrockのマルチエージェント協調機能が一般利用開始に
      昨年のre:Inventで発表したAmazon Bedrockのマルチエージェント協調機能(Multi-agent collaboration)が一般利用開始になりました。特定の機能を実現するAIエージェントを組み合わせることによって複雑なタスクを実現するAIエージェントの構築を容易にする機能です。同時にインラインエージェント機能、ペイロード参照機能、CloudFormationとCloud Development Kit(CDK)サポートなどの機能強化も発表されています。
    • Amazon SageMaker Unified Studioが一般利用開始に
      Amazon EMR, AWS Glue, Amazon Athena, Amazon Redshift, Amazon Bedrock, Amazon SageMaker AIなど、AWSが提供するデータ分析とAI/MLの機能・ツールを統合する統合開発環境であるAmazon SageMaker Unified Studioが一般利用開始になりました。AIに関する開発ではデータが必要不可欠ですが、組織内のデータの検索・アクセス・権限管理を提供し、開発を容易にします。
    • Amazon Bedrockの機能がAmazon SageMaker Unified Studioから利用可能に
      Studioの統合についても改めて一般利用開始をお知らせしています。これまでAmazon BedrockにはマネジメントコンソールやAPIから操作することができましたが、今回新たにSageMaker Unified Studioからも操作可能になりました。
    • Amazon SageMaker Inferenceで推論コンポーネントエンドポイントのローリングアップデートが可能に
      Amazon SageMaker Inferenceが提供する推論コンポーネント機能を利用すると、ひとつのエンドポイントに複数の基盤モデルをデプロイすることができます。新しいモデルに差し替えをする場合、従来は一時的に2倍のリソースが起動するタイミングがありました。今回発表されたローリングアップデートを利用すると、エンドポイントにデプロイされたモデルを小さい単位で順次更新できるため、更新時に必要な追加インスタンスの数を最小限に抑えることによるコストの最適化が可能になります。
    • Amazon ECSでAmazon Linux 2023向けのGPU-Optimized AMIを提供開始
      Amazon ECSで利用できるAmazon Linux 2023向けのGPU-Optimized AMIの提供が開始されました。GPUを必要とするコンテナベースのワークロードを、Amazon ECSで容易に実行できるとともに、Amazon Linux 2023に含まれる強化されたセキュリティ機能やより新しいLinuxカーネルを活用できます。
    • Amazon Bedrock FlowsとPrompt ManagementがGovCloud(US)で利用可能に
      生成AIワークフローの構築を容易にするAmazon Bedrock Flowsと、プロンプトの作成・保存・再利用を容易にするAmazon Bedrock Prompt Managementが米国のGovCloud(US)リージョンで利用できるようになりました。
    • Amazon NovaがGovCloud(US)で利用可能に
      Amazon Novaの理解モデル、すなわちNova Lite、Nova Micro、Nova Proが米国のGovCloud(US)リージョンで利用可能になりました。
    • Amazon Bedrockが欧州(ミラノ)と欧州(スペイン)のリージョンで利用可能に
      Amazon Bedrockが欧州(ミラノ)と欧州(スペイン)のリージョンで利用可能になり、Amazon Novaの理解モデル(Nova Lite, Nova Micro, Nova Pro)を選択できるようになりました。
    • Amazon Novaのクリエイティブモデルがヨーロッパのリージョンで利用可能に
      Amazon Novaのクリエイティブモデル、すなわちNova CanvasとNova Reelが欧州(アイルランド)のリージョンで利用できるようになりました。

著者について

Masato Kobayashi

小林 正人(Masato Kobayashi)

2013年からAWS Japanのソリューションアーキテクト(SA)として、お客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援してきました。2024年からは特定のお客様を担当するチームを離れ、技術領域やサービスを担当するスペシャリストSAチームをリードする役割に変わりました。好きな温泉の泉質は、酸性-カルシウム-硫酸塩泉です。