Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/3/10週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。
AWS はSecurity を最優先事項と考えており、Security に特化したグローバルイベント AWS re:Inforce を毎年開催しております。少し先の日程ではありますが、今年も 6 月 16 日 から 18 日 にフィラデルフィア (米国ペンシルベニア州) で実施される予定です。詳細はブログでもご確認いただけます。「セキュリティ」にどっぷり浸かれる3日間ですので、ぜひ参加のご検討と、早め渡米計画を立ててみてはいかがでしょうか?
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年3月10日週の主要なアップデート
- 3/10(月)
- Amazon Bedrock now supports multi-agent collaboration
Amazon Bedrock マルチエージェントコラボレーション機能の一般提供を開始しました。マルチエージェント機能を利用することで、開発者はスーパーバイザーエージェントから、複数の専門エージェントへの多段階のワークフローを作成することができます。今回の一般提供に伴い、スケーラビリティ、柔軟性、運用効率を向上させるための主要な機能強化、さらには、エージェントの監視、可観測性の機能も導入され、エージェント間の相互作用をより効率的に追跡、監視、最適化できるようになっています。 - DeepSeek-R1 is available fully-managed in Amazon Bedrock
DeepSeek-R1が、Amazon Bedrockでフルマネージドのサーバーレスモデルとして利用可能になりました。DeepSeek-R1は、MITライセンスの下で公開されているモデルで、優れた精度と深い文脈理解を提供し、生成 AI アプリケーションを構築する際、Amazon Bedrock のフルマネージドサービスとして、Amazon Bedrock のツールと共に DeepSeek-R1 を活用することが可能です。DeepSeek-R1 は、バージニア北部、オハイオ、オレゴンの AWS リージョンで、クロスリージョン推論の機能を通じて、Amazon Bedrock のフルマネージドのモデルとして利用可能です。 - Amazon SageMaker Inference now supports rolling update for inference component endpoints
Amazon SageMaker Inference が、推論コンポーネント(IC)エンドポイントのローリングアップデートに対応しました。以前のブルー/グリーンアップデート方式では、古いフリートから新しいフリートにトラフィックを移行する前に、更新されたモデルで新しい IC フリートをプロビジョニングする必要があり、実質的に2倍のインスタンス数が必要でした。このローリングアップデート対応により、最小限の追加インスタンスを使用しながら、トラフィックを中断することなく実行中の IC エンドポイントを更新できるようになりました。
- Amazon Bedrock now supports multi-agent collaboration
- 3/11(火)
- Amazon EC2 Allowed AMIs now integrates with AWS Config
昨年末にリリースされた Allowed AMI の機能が、AWS Config と統合されました。Allowed AMI の機能によって AWS アカウント内での利用の許可されていない AMI の検出と使用を制限するものです。これまでは、インスタンスの起動のモニタリングや、Allowed AMI の有効化による影響を確認するためには、カスタムスクリプトを作成する必要がありました。今回の統合によって、AWS Config ルールを使用して、Allowed AMI で許可されていない AMI を使用して起動されたインスタンスを、自動的に監視、検出、報告できるようになりました。 - Amazon EC2 R7i instances are now available in an additional AWS region
Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)R7i インスタンスが大阪リージョンで利用可能になりました。Amazon EC2 R7iインスタンスは、AWSでのみ利用可能なカスタム第4世代Intel Xeonスケーラブルプロセッサを搭載しています。このインスタンスはSAP認定を受けており、SAP、SQLおよびNoSQLデータベース、分散Webスケールのインメモリキャッシュ、SAP HANAのようなインメモリデータベース、HadoopやSparkのようなリアルタイムビッグデータ分析など、メモリ集約型ワークロードを最適化することができます。 - Amazon Neptune Database now supports R7i instances
Amazon Neptune Databaseが、R7i データベースインスタンスをサポートしました。前世代のR6iインスタンスと比較して、R7iインスタンスは最大15%優れた価格性能比を実現し、不正検出グラフ、ナレッジグラフ、カスタマー360グラフ、セキュリティグラフなどのグラフユースケースを支援します。R7iインスタンスは東京を含む17リージョンで利用可能です。
- Amazon EC2 Allowed AMIs now integrates with AWS Config
- 3/12(水)
- Amazon Aurora PostgreSQL zero-ETL integration with Amazon Redshift now supports multiple integrations
Amazon Aurora PostgreSQLとAmazon Redshiftのゼロ ETL統合が、同一の Aurora クラスターから最大 5 つの統合をサポートするようになりました。これより、単一の Amazon Aurora PostgreSQLクラスターと、同一の Amazon Redshiftウェアハウス間、もしくは異なる Amazon Redshift ウェアハウス間で複数のゼロ ETL統合を作成できるようになり、データ分析ワークフローにおいてより大きな柔軟性と効率性を実現できます。Amazon Aurora PostgreSQLとAmazon Redshiftのゼロ-ETL統合は、こちらに記載されているリージョンの Aurora PostgreSQL バージョン 16.4 以降で利用できます。 - Amazon ECR announces ECR to ECR pull through cache
Amazon ECRで、2つの ECR プライベートレジストリ間でコンテナイメージを自動的に同期できる機能、ECR to ECR プルスルーキャッシュを発表しました。リージョン内にイメージを保存することで、アプリケーションの起動時間が改善が期待されますが、これにはすべてのイメージのコピーを各リージョンで維持する必要がありました。ECR to ECR プルスルーキャッシュを使用し、プルされたイメージのみをキャッシュすることで、ECRレジストリ間でコスト効率よくイメージを同期でき、イメージをプルする際に低レイテンシーのメリットを享受できます。
- Amazon Aurora PostgreSQL zero-ETL integration with Amazon Redshift now supports multiple integrations
- 3/13(木)
- Amazon SageMaker Unified Studio is now generally available
Amazon SageMaker Unified Studioの一般提供が開始されました。Amazon SageMaker Unified Studio は AWS のアナリティクスおよび AI/ML サービスの機能とツールを統合した単一のデータおよびAI 開発環境です。組織全体のデータと AI アセットを検索、アクセス、クエリできるほか、プロジェクトで協力してデータ、モデル、生成 AI アプリケーションなどのアナリティクスおよび AI の成果物を安全に構築し共有することができます。また、SageMaker Unified Studio において Amazon Q Developer も一般提供となり、開発ライフサイクル全体で生成 AI 支援機能を活用できます。加えて、SageMaker Unified Studio での Amazon Bedrock Guardrails、Amazon Bedrock Agents、Amazon Bedrock Flows などの高度な Amazon Bedrock の機能利用も 一般提供となっています。Amazon SageMaker Unified Studio は東京リージョンを含む 12 のリージョンで利用可能です。 - Amazon S3 Tables integration with SageMaker Lakehouse is now generally available
Amazon S3 Tables が Amazon SageMaker Lakehouseとシームレスに統合されました。S3 Tablesは、Apache Icebergのサポートを組み込んだ初のクラウドオブジェクトストアを提供します。そして、SageMaker Lakehouseは、分析と人工知能(AI)を簡素化する、統合された、オープンで安全なデータレイクハウスです。今回の統合で、SageMaker Lakehouse は、Apache Icebergを使用して、S3 Tables、S3バケット、Redshiftウェアハウス全体のデータにアクセスし、簡単に照会および結合できるようになりました。加えて、Amazon S3 Tables において、Amazon Athenaを通し、 S3コンソールから直接、テーブルの作成とクエリ操作ができるようになっています。 - Amazon S3 reduces pricing for S3 object tagging by 35%
Amazon S3は、すべてのAWSリージョンにおいてS3オブジェクトタグの価格を 35% 引き下げ、月間 10,000 タグあたり 0.0065 ドルとなりました。オブジェクトタグは、S3オブジェクトに適用されるキーと値のペアで、きめ細かなアクセス制御のためのIAMポリシーの適用など、様々な目的でデータを論理的にグループ化するのに役立ちます。また、S3 Metadata の利用の際など、オブジェクトタグとして保存されているカスタムメタデータを取得し、クエリを実行するといったシナリオにおいて、今回の料金改定によるコスト削減が期待できます。 - Amazon RDS for MySQL announces Extended Support minor 5.7.44-RDS.20250213
Amazon Relational Database Service (RDS) for MySQLは、Amazon RDS Extended Support のマイナーバージョン 5.7.44-RDS.20250213 をリリースしました。Amazon RDS Extended Support は、ビジネス要件を満たすために新しいメジャーバージョンへのアップグレードに対する最大 3 年の延長期間と、コミュニティがメジャーバージョンのサポートを終了した後も、Amazon RDSはAuroraとRDS上のMySQLデータベースに対して重要なセキュリティとバグ修正を提供します。マイナーバージョンおよびメジャーバージョンのアップグレードを含む、データベースインスタンスのアップグレードについての詳細は、Amazon RDSユーザーガイドをご参照ください。
- Amazon SageMaker Unified Studio is now generally available
- 3/14(金)
- Amazon Aurora now supports R8g database instances in additional AWS Regions
Amazon Aurora、RDS for PostgreSQL、MySQL、そして MariaDBにおいて、AWS Graviton4 ベースの R8g データベースインスタンスが東京を含む 追加の6リージョンで一般提供となりました。R8g インスタンスは、最大 48xlarge までのより大きなインスタンスサイズを提供し、データベースエンジン、バージョン、ワークロードに応じて、Amazon Aurora データベースにおける同等サイズの Graviton3 ベースのインスタンスと比較して、パフォーマンスが最大 40% 向上しています。 - Amazon S3 Access Grants simplify authentication when using both IAM and Identity Provider permissions
Amazon S3 Access Grants は、アイデンティティプロバイダー(IdP)とAWS Identity and Access Management(IAM)の両方の権限の組み合わせに基づいて認証を行うようになりました。Amazon SageMaker Unified Studio、Amazon Redshift、AWS Glue などの機械学習および分析サービスを使用して S3 のデータへのアクセスを要求でき、Amazon S3 Access Grants は IdP と IAM の両方の権限を評価した後にデータへのアクセスを許可します。それにより、S3へのアクセスを要求する際に ID のコンテキストを選択する必要がなくなりました。 - Amazon Data Firehose now delivers real-time streaming data into Amazon S3 Tables
Amazon Data Firehose とAmazon S3 Tables の統合のサポートが一般提供開始となりました。これにより、コード開発や複数のステップを必要とせずに、リアルタイムのストリーミングデータを Amazon S3 Tables に配信できます。
- Amazon Aurora now supports R8g database instances in additional AWS Regions
冒頭の re:Inforce に加えて、「Threat Detection and Response Activation Day – 脅威検知と対応」というオンラインセキュリティイベント(日本語)の開催も、4/17 (木) 10:00-16:00 に予定しております。レクチャー、ハンズオン、デモという流れで、なかなか検証的に起こすことが難しいセキュリティイベントを、AWS が用意するサンドボックスアカウントを使って実践的なセキュリティ対応をご体験いただけます! すでに有効化した AWS セキュリティサービスを最大限に活用したいと考えている方、または サービスを有効にする予定のある方にとって有意義な機会となると思いますので、ぜひご参加ください。
それでは、また来週!