Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/3/17週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。

さて、今年のAWS Summit Japanは6月25日、26日に予定されていますが、Webサイトがすでにオープンしています。申し込みはまだ先ですが、イベント情報のお知らせ登録もできるので是非ご活用ください。

また、直近で4月に「Tokyo NoSQL Day 2025」というイベントが開催されます。DynamoDBをはじめとする多くのNoSQLデータベースソリューションを学べる機会なのでご活用ください。

Tokyo NoSQL Day 2025 ~デベロッパーのためのNoSQL入門と実践~
2025年 4月 9日(水)9:30 – 18:00
場所:目黒セントラルスクエア 21F
申し込みはこちら

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年3月17日週の主要なアップデート

  • 3/17(月)
    • Amazon RDS Custom for SQL Server supports new minor version in February 2025
      Amazon RDS Custom for SQL ServerでMicrosoft SQL ServerのDeveloper、Web、Standard、Enterprise の各エディションの最新マイナーバージョンが利用可能になりました。新しいマイナーバージョンは SQL Server 2022 CU17 16.0.4175.1 で、パフォーマンスの向上とセキュリティの修正が提供されます。このマイナーバージョンは、Amazon RDS Custom for SQL Server データベースが利用可能なすべてのAWS商用リージョンで利用可能です。
    • Amazon Redshift Serverless now supports Current and Trailing Tracks for release updates
      Amazon Redshift ServerlessがCurrent TrackとTrailing Trackという2つの異なるリリースサイクルでの利用をサポートしました。Current Trackは最新の機能、セキュリティアップデート、パフォーマンス強化を含む最新の認定バージョンが提供され、Trailing Trackは以前の認定リリースを利用します。例えば開発・評価環境はCurrent Trackにより最新版を利用し、ミッションクリティカルなワークロードが動く本番環境はTrailing Trackを使い評価検証を行ってから適用することが可能になります。この機能はAmazon Redshift Serverlessが利用可能なすべての商用AWSリージョンおよびAWS GovCloud(US)リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Configure Amazon Q in Connect directly from Connect Admin Website
      コンタクトセンターの為のAI支援アシスタントであるAmazon Q in ConnectのAIエージェントの設定やカスタムプロンプトの作成、編集をAmazon Connect管理者ウェブサイト内から実行できるようになりました。Amazon Q in Connectは東京を含む9つのリージョンで利用可能です。具体的なリージョンに関してはこちらをご確認ください。
  • 3/18(火)
    • AWS announces the next generation of Amazon Connect where powerful AI improves every customer interaction
      強力なAIによってすべての顧客接点を向上させる、次世代のAmazon Connectが発表されました。Amazon Connectではこれまでも25言語以上に対応したAI搭載のセルフサービス応答や、エージェント支援、会話分析と品質管理、キャパシティプランニングなどAmazon Q in Connectを始めAIを活用したソリューションを提供していますが、全てのチャネルに対して将来のAI機能の継続的なサポートと、”定額制AI価格”の料金体系がこのアップデートのポイントです。この次世代のAmazon Connectは東京を含む9つのリージョンでワンクリックで有効化でき、新しい料金の選択肢(現時点では英語のみ反映)にはAI機能の無制限使用が含まれています。機能や料金体系に関してローンチブログが出ているので、こちらをご確認ください。
    • AWS WAF now supports URI fragment field matching
      AWS WAFがこれまでサポートされていたURIパスに加えて、URIフラグメントに対するマッチングをサポートしました。URIフラグメントマッチングは「#」記号の後にあるURLの一部で、例えば、「foo://login.aspx#myFragment」のような動的フラグメントを持つログインページがある場合、「myFragment」フラグメントを持つリクエストのみを許可し、他をすべて拒否するルールを作成できます。これにより、機密領域へのアクセスのブロック、不正アクセスの試みの検出、悪意のある行為者が使用するフラグメントパターンの分析による強化されたボット検出の実装など、対象を絞ったセキュリティ制御が可能になります。この機能に追加の費用はかかりませんが、標準のWAF料金が引き続き適用されます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Bedrock Guardrails announces policy based enforcement for responsible AI
      Amazon Bedrock GuardrailsがIAMポリシーベースを強制する機能を発表しました。IAMポリシーで使用できる新しい条件キー bedrock:GuardrailIdentifier をすべてのBedrock Invoke および Converse APIに適用し、モデル推論呼び出しに特定のガードレールを適用することが可能です。Bedrock Guardrailsは、望ましくないコンテンツを検出・フィルタリングする設定可能な保護機能、特定のトピックを定義・禁止するトピックフィルター、個人識別情報(PII)を編集する機密情報フィルター、特定の単語をブロックする単語フィルター 他多様なガードレールを設定できる機能で、これを強制できることでより安全な生成AIアプリケーションを構築することが可能です。この機能はBedrock GuardrailsがサポートされているすべてのAWSリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon CloudWatch RUM now supports monitoring multiple domains with a single App Monitor
      Amazon CloudWatch RUMで単一のApp Monitorを使用して複数のトップレベルドメイン(TLD)とセカンドレベルドメイン(SLD)を監視できるようになりました。これまでは、例えばexample.comとanother.comなど各ドメインに対して個別のモニターを作成する必要がありました。今回のアップデートによりこれらを1つのApp Monitorで監視でき、複数のドメインからアクセスされるアプリケーションの可観測性の仕組みを簡素化することができます。この機能はCloudWatch RUM が利用可能なすべてのAWS商用リージョンで利用できます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。また、CloudWatch RUMの使い方を学びたい方は、One Observability ワークショップをご活用ください!
  • 3/19(水)
    • Amazon Nova expands Tool Choice options for Converse API
      Converse APIのTool Choiceオプションはモデルがどのようなツールを呼び出すかを決定する方法を指定できるものです。Amazon Novaではこれまでツールを呼び出すかテキストを返すかモデルに判断を委ねる「Auto」モードしか選択できませんでした。今回、ツールを少なくとも1つ呼び出す「Any」と特定のツールを呼び出す「Tool」の2つのモードもサポートされました。詳細はドキュメントもご確認ください。
  • 3/20(木)
    • AWS Network Firewall introduces new flow management feature
      AWS Network Firewallの新しいフロー管理機能が発表されました。アクティブなフローのpoint-in-time スナップショットを可能にする「フローキャプチャ」と特定の接続を選択し終了できる「フローフラッシュ」という2つの主要機能が追加され、送信元/送信先IPアドレス、ポート、プロトコルなどの基準に基づいてアクティブなフローを表示および管理できるようになりました。この新機能は、AWS Network Firewallがサポートされているすべてのリージョンで追加の費用なしで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Bedrock Model Evaluation LLM-as-a-judge is now generally available
      Amazon Bedrock Model EvaluationのLLM-as-a-judge機能がGAしました。この機能はAmazon Bedrockで利用可能な複数のLLMから審判を選択し評価を行うことで、より短い時間で、人が行うより低コストに、人間よる判断に近い評価を行うことを可能にします。GAにあたり、評価ジョブの入力プロンプトデータセットに既に取得済みの推論レスポンスを取り込むことで、Amazon Bedrock外でホストされている任意のモデルやアプリケーションでも評価できるようになりました。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Bedrock now supports RAG Evaluation (generally available)
      Amazon Bedrock RAG 評価がGAしました。この機能では、情報検索のみ、または検索と回答生成の両方を評価することができます。評価は LLM-as-a-Judge テクノロジーによって実行され、開発者は評価モデルを選択することができます。検索評価では、コンテキストの関連性やカバレッジなどの指標、検索と回答生成の評価では、正確性、忠実性(ハルシネーション検出)などの品質指標や、有害性、回答拒否などの責任ある AI 指標から選択ができます。また、GAに際してAmazon Bedrock Knowledge Basesに加え、個別に構築したRAGシステムも評価が可能になりました。詳細についてはこちらのドキュメントをご確認ください。
    • IonQ Forte Enterprise now available on Amazon Braket
      Amazon BraketにIonQの最新の36-qubit Forte Enterprise quantum processing unit (QPU)が追加されました。この新しいデバイスは物理的にスイスに設置されていますが、すべての顧客トラフィックは米国東部(バージニア北部)リージョンを経由してBraket SDKとAPIを経由してアクセス、評価が可能です。Amazon Braketの詳細はドキュメントをご確認ください。
  • 3/21(金)
    • Amazon SES announces Vade advanced email security Add On for Mail Manager
      Amazon SES Mail Managerに送受信メッセージに対して高度なコンテンツフィルターを提供するVade Add Onの機能が追加されました。HornetSecurityの協力により開発されたこのAdd Onは行動分析、ヒューリスティック、機械学習を組み合わせてスパムやフィッシング攻撃、マルウェアなどの脅威に対する保護が可能です。この機能は東京、大阪を含む16のリージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。

最後に、以前「週刊AWS – 2024/11/25週」で紹介したBedrock EngineerがAWSのサンプルプログラムを紹介するGithubリポジトリのaws-samplesに正式に公開されました。生成AIの活用方法のアイディアとしてぜひご活用ください。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 根本 裕規

著者について

Yuki Nemoto

根本 裕規(Yuki Nemoto)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、金融機関のお客様の AWS 活用や個別案件の技術支援を担当しています。過去には公共部門やモダナイゼーションのスペシャリストもしていました。好きなサービスは AWS CodeBuild です。週末はオフロードバイクのレースをしています!