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SKYDIV 独自方​式の​カメラ/オーディオリダイレクト ​その​①

SKYDIV 独自方​式の​カメラ/オーディオリダイレクト ​その​①

SKYDIV Desktop Clientのカメラおよびオーディオリダイレクト機能についての技術紹介です。リモートデスクトップ環境でクライアントPCのデバイスをリモート接続先で使用可能にする技術と、その独自方式のメリットを説明しています。

SKYDIV Desktop Client で実装されている機能(カメラ/オーディオリダイレクト)についての技術紹介になります。

カメラ/オーディオの​リダイレクトとは?

リダイレクトとは、一般的な意味で、ある場所から別の場所にデータや通信を転送することですが、リモートデスクトップ環境でのリダイレクトとは、手元のパソコンで使っているデバイスを、リモート接続先でも使えるようにすることを指します。

つまり、SKYDIVでのカメラ/オーディオのリダイレクトとは、クライアントPC上のカメラやオーディオデバイスをリモート接続先で使用できるようにする機能です。

そも​そも、​なぜリモート接続先で​カメラ/オーディオデバイスを​使う​必要が​あるのか?

これは、リモート接続先でWeb会議ソフトを利用できるようにすることが主な目的です。
ここで、クライアントPC側で直接Web会議ソフトを利用して頂けばいいのでは?という疑問を持たれるかもしれません。
これはもっともなのですが、シンクライアント製品特有の背景があります。
シンクライアント環境を構築して作業環境を分離している場合、接続元のクライアントPCがインターネットに繋がっていないこともあります。
この場合、カメラ/オーディオをリダイレクトして、リモート接続先でWeb会議ソフトを利用する運用となります。

リモートデスクトップ標準でも​搭載されている​カメラ/オーディオの​リダイレクト

リモートデスクトップ(RDP)標準でも、カメラ/オーディオのリダイレクトを行うことができます。 SKYDIVでは、独自の方式でのカメラ/オーディオのリダイレクトを実装していますが、これらの方式も利用可能です。

  • RemoteFX USB リダイレクト
    リモート接続先でUSBデバイスを使用できるようにする方式です。
    この方式でUSB接続のWebカメラをリダイレクトすることもできますが、カメラからの未圧縮の映像データがそのままリモート接続先に転送されることになるため、転送量が大きくなる傾向があります。

  • ビデオ キャプチャ デバイスのリダイレクト
    リモート接続先でクライアントデバイスのカメラを使用できるようにする方式です。
    この方式は、前述のRemoteFX USB リダイレクトよりは効率が良いものとなっています。
    この方式の利用可否はグループポリシーでも制御できます。ただし、利用できる解像度の上限など、細かい制御設定はありません。

  • リモートオーディオ
    リモート接続先でクライアントデバイスのオーディオデバイスを使用できるようにする機能です。
    これにより、リモート接続先で音声の再生や録音を行う際に、クライアント側のマイクやスピーカーを利用することができます。
    検証した中では、ほとんどのソフトでうまく動作しますが、利用するアプリによって相性問題(クリックノイズ等)が発生してしまうものもありました。

いずれも、先に記載したイメージのように、リモート接続先でカメラ/オーディオをリダイレクトして利用できるものとなります。

SKYDIV独自方​式での​リダイレクト

SKYDIVでは、独自の方式でのカメラ/オーディオのリダイレクトを実装しており、この方式をご利用頂くことも可能です。
これにより、リモートデスクトップ標準では達成できない、環境に応じた個別のニーズにも応えるものとなっています。そのイメージを以下に示します。

※1 リモートデスクトップ(RDP)の通信に任意のデータを流す仕組み(仮想チャネル)を用いて、ビデオデータやオーディオデータを送信します。
※2 リモート接続先(仮想環境上)にはカメラはありませんが、SKYDIVがカメラやオーディオの仮想デバイスを生成します。
※3 仮想デバイスは、リモート接続先のOSからカメラやオーディオデバイスとして認識され、Web会議ソフトなどのアプリが利用可能です。

SKYDIV独自方​式の​メリット

標準でも搭載されているカメラ/オーディオのリダイレクトですが、独自方式のメリットは何でしょうか?

SKYDIV独自方式のメリットの1つは、シンクライアント環境で各ユーザーが利用できる画質の上限を定めるなど、許容できる負荷を任意に調整できるようになることです。ユーザー毎に一定の閾値以上は帯域を消費しないような設定も可能になります。そのイメージを以下に示します。

1. シンクライアント環境は​多くの​人が​同じ​サーバーを​共有して​利用します。

2. 利用者各々が​好きに​利用すると、​サーバーの​負荷が​高くなり、​サーバーを​利用できる​人が​少なくなってしまいます。

3. 各利用者が​使える​画質や帯域を​あらかじめ想定している​程度まで​制限する​ことで、​サーバーを​安定的に​動作させる​ことができるようになります。

その他、標準の方式がサポートされていない少し古めのOSバージョンや、デバイス個別の要因でうまく動作しないものでも 対応できる場合があり、動作可能なユースケースを増やすメリットもあります。

まとめ

クライアントPC~リモート接続先でデバイスを利用できるようにするところまで、細かく見ていくと複数の技術要素がありそうですね。
技術要素だけでなく、これらを繋げて動作させるためには、状態管理や通信制御等も必要になってきますので、こういった部分の設計も開発作業として面白い部分かなと思います。

最後にSKYDIV独自方式の利用方法ですが、SKYDIVのオーディオ/ビデオに関する利用設定項目で、「SKYDIV独自方式を使用する」を選択することで利用可能になります(詳細は、付属のマニュアル「管理者用 操作ガイド 管理コンソール編」をご参照ください[1])。

以上、SKYDIV独自方式のカメラ/オーディオのリダイレクトについての概要の紹介でした。


  1. 2025年3月時点の情報です。 ↩︎


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