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Google アナリティクスってどうやって勉強すればいいですか?

本記事は  インストラクターウィーク  2日目の記事です。
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こんにちは、神崎です。 これまで何冊か執筆していた Google アナリティクスの本に続き、昨年、デジタルマーケティングの本を書きました。いきなりの宣伝ですみません。

www.sbcr.jp

インストラクターウィークということでご指名いただいたので、「Google アナリティクスってどうやって勉強すればいいですか?」と新人から質問されたら、どう答えるだろうかというのを考えながら、記事にしてみます。

弊社(Google アナリティクス 360 のセールスパートナー)のような「Google アナリティクスについての多数の資材があり、多数の問い合わせがくる」特殊な環境が前提となる部分もありますが、マーケティング系のプロダクトを利活用している場合は、参考になるかなと思います。

とりあえず、全体像を学びましょう

まずは「全体像を学ぶ」ことをおすすめします。体系的にまとまっている本を読んでみるのが分かりやすいと思います。Google アナリティクスであれば、下記のリンク先に掲載されているパートナー企業のいずれかに所属している方の本がよいでしょう。多かれ少なかれ、本には著者の思想が反映されていますが、それらの方であれば、Google(プロダクトの提供元)の思想ともそれほどずれていないと思われるためです。

https://enterprisemarketingportal.google/find-a-partner?countriesFilter=JP

下記のようなヘルプページに目を通すのもおすすめです。

support.google.com

私が新人のころにお世話になった先輩が「ヘルプ記事は検索して答えを探すのに使うだけでなく、1度は読み物として目を通すと勉強になる」とおっしゃっていましたが、本当にそのとおりだと思います。多くの場合、図解が充実しているわけではないので、多少の分かりづらさはありますが、ヘルプページほど体系的にまとまっている書物はありません。私も Google アナリティクス 4 が出始めのころは特に、ヘルプページを読み漁っていました。

なお、本とヘルプページのいずれにせよ、書かれている内容のすべてを暗記する必要はありません。 この段階では、全体を俯瞰しつつ、ベースとなる最低限の知識をしっかり身に着けることを意識しましょう。 ここで言う「最低限の知識」というのは「Google アナリティクスのデータの構造や、主要なディメンション・指標」のことを指します。 サッカーを例にすると、ドリブルやパス、トラップ、シュートができないと、試合にならないのと同じように、 Google アナリティクスでは、データの構造や主要なディメンション・指標が分かっていないと、仕事になりません。

手を動かしてみましょう

何事も手を動かさないと、身につきません。Google アナリティクスであれば、実際にレポートを操作してみたり、データを計測する設定を入れてみたりするというのが「手を動かす」ということになります。

社内に自由に使える Google アナリティクスの環境があれば、そちらに権限を設定してもらうのがよいと思いますが、ない場合は自分で適当な環境を作ってみるのもよいでしょう。

なお、Google アナリティクスにはデモアカウントというものがあり、Google アカウントを取得しているユーザーであれば、誰でもアクセスできます。

support.google.com

デモアカウントのレポートには Google Merchandise Store というウェブサイトと、Flood-It! というモバイルアプリで実際に計測されたデータが表示されます。

Google Merchandise Store のデータ(例)

弊社の新人研修では、このデモアカウントを使ってレポーティングを行い、仮想顧客にプレゼンテーションするといったことも行っていますが、そういった取り組みを同僚を巻き込んでやってみるのもよいかもしれません。

アウトプットしましょう

分かったつもりになっていても、他の人に説明しようとすると「あれ?ここはちゃんと理解できていなかったな」という点が出てくるものです。「実業務で取り組む」「同僚に教える」「自社のブログに記事を掲載してみる」など、方法は何でもよいので、アウトプットすることも忘れないようにしましょう。社外/社内向けの勉強会の資料を作成して、講師を務めてみるのもよいでしょう(社外向けの場合は特に、先輩にフォローしてもらうことも忘れずに)。

新人にはエクストリームすぎる方法にはなりますが、本(同人誌でも OK)を書くのもおすすめです。技術書を書くには、その分野についての膨大な知識が必要です。ただし、著者は(少なくとも私は)その内容について、執筆着手時点で 100% の知識を持っているわけではありません。「書く ⇒ うーん、分からん ⇒ 調査・検証する ⇒ 書く ⇒ うーん、分からん ⇒ …」を繰り返しています。何かに習熟するには(本の執筆に限らず)このサイクルが非常に重要です。

自身の担当範囲にとらわれすぎないようにしましょう

皆さんは、同僚がやっている業務について、どの程度把握していますか?Google アナリティクスの利活用支援を生業としている場合は、同僚が担当しているお客様からのお問い合わせにも、目を通していますか?

私のおすすめは、自分が見える範囲のお問い合わせにはすべて(自分が担当であるかないかにかかわらず)目を通すことです。同様に、外部のヘルプコミュニティなどで質疑応答が行われている場合は、それらにも目を通すとベターです。ただし、既知の内容や特定の環境に強く依存するものは、読み飛ばしても OK です。最初は大変かもしれませんが、慣れてくると、段々時間がかからなくなってきます。

また、ここで大事なのは、すべての内容を暗記して、問い合わせがあったときにそらで答えられるようにすることではありません。「あー、この質問はあそこで見た気がするな」とすぐにリマインドできる内容を増やすことです。

リアルタイムでマシンガンのように飛んでくる質問をその場で何も見ずにさばくというのは、ある種の曲芸のようなもので、(それができるに越したことはありませんが)必ずしもすぐにそこまで到達する必要はありません。

しかし、調査・検索するなりして、大抵の質問に多くの時間をかけずに答えられるようになるというのは、Google アナリティクスのようなマーケティング系のプロダクトの利活用支援を生業にするのなら、必達のスキルです。

その領域に至るためには「全体像を学ぶ~アウトプットする」のも当然重要ですが、この「自身の担当範囲にとらわれすぎない」ということが、非常に重要になります。

さいごに

偉そうなことを言いましたが、私もまだまだ修行中の身です。日々の業務も大変かと思いますが、健康には気をつけて、プライベートも大事にしつつ、一緒にインプット&アウトプットもがんばりましょう!

執筆者神崎健太

「Google マーケティング プラットフォーム」をはじめとしたマーケティングテクノロジーにかかわるコンサルティングおよび、テクニカルサポートを担当しています。


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