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自動運転の​車内ネットワーク通信

自動運転の​車内ネットワーク通信

自動運転技術の進歩に伴い、車内ネットワークにおいてリアルタイム性と信頼性の高い通信が求められています。本文では、CAN、CAN FD、LIN、FlexRay、Ethernetなどの通信プロトコルの特徴と用途について説明しています。

近年、自動車業界の電動化の波が急激に加速しています。
その中でも、特に自動運転に関連する技術の進歩が目覚ましいです。
安心・安全なシステムを実現するために、リアルタイム性と信頼性の高い通信が求められるようになってきています。
自動運転に関連する車載ネットワークの通信について、簡単にまとめてみます。

自動運転の​仕組み

前提として、自動運転には「認知」「判断」「制御」の3つの要素があります。
これらは人が運転している際の行動と同様になります。
認知は目や耳の代わりにセンサー類が、判断は脳の代わりに統合ECUが、制御は手や足の代わりにエンジンやブレーキ、ステアリングなどが担います。
これらを実現するために、リアルタイム性と信頼性の高い通信が求められます。

自動車の​車内ネットワークの​通信プロトコル

自動車の車内ネットワークの通信プロトコルには下記のようなものがあります。

名称 通信速度 特徴 用途
CAN(Controller Area Network) 最大1Mbps 高信頼性のリアルタイム通信が可能な規格。車両の重要な制御システムに広く使用 エンジン制御、トランスミッション制御、ブレーキシステムなどのリアルタイム制御
CAN FD(CAN with Flexible Data Rate) 最大8Mbps CANの拡張版で、より高速な通信と大容量データの送受信が可能。高データ量を必要とするシステムに使用。 ADAS(先進運転支援システム)など
LIN(Local Interconnect Network) 最大20kbps 低コストでシンプルな構造の通信規格。低速通信が求められるシステムに使用。 ボディエレクトロニクス(パワーウィンドウ、ドアロック、ライト制御など)
FlexRay 最大10Mbps 高信頼性と高速通信が可能な規格。高信頼性が求められるシステムに使用。 ステアバイワイヤシステムなど
Ethernet 最大1Gbps 高速通信と大容量データの送受信が可能な規格。高速データ通信が必要なシステムに使用。 インフォテインメント、センサー類(カメラ、LiDAR、Radar)など

自動運転を行うにあたり、センサー類の構成などにもよりますが、1日あたり4TBのデータ生成が行われるといわれています。TESLA社を始めとして、特にカメラが活用されており、データ量は肥大化しています。

カメラやLiDAR、Radarなどのセンサーから生成された外界環境の認識データを制御ユニットに送信し、統合・制御を行うための判断処理を行う必要があります。

これらを実現する為には、既存で使用してきたCANやCAN-FDより更に高帯域幅と低遅延のデータ転送が行えるEthernetを用いてデータのやり取りが必須となっています。

終わりに

SDVが進んでいくなか、自動運転に関する大容量データの高速・低遅延かつ信頼性の高いデータのやり取りが必須となります。
車内ネットワークだけでなく、車外ネットワークとのやり取りも必要となり、技術的な課題もまだまだありますが、安心・安全・快適な自動車を目指した技術開発に貢献できるよう、取り組んでいきたいと思います。


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