オライリーのサブスクを業務でもフル活用する:O'Reilly Online Learning の便利な使い方

介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」の開発をしている @koma_koma_d です。

エス・エム・エスには、エンジニアの学習を支援する制度がさまざま存在しています。そのうち、AmazonのURLをSlackで伝えるだけで即日注文、数日で自宅に技術書を届けてもらえる制度については、以前の記事でご紹介しました。

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上記の制度とは別に、 「オライリーのサブスクリプションサービスを使わせてもらえる制度」 があります(2022年3月現在)。今回は、このオライリーのサブスクリプションサービスをどのように活用しているのかを社内のエンジニアに聞いてみました。

オライリーのサブスクリプションとは?

オライリーのサブスクリプションは、正式には「O'Reilly Online Learning」といい、技術出版社の O'Reilly が運営しているサブスクリプションサービスです。普通に契約をすると年間499ドル、(一部機能制限付ですが)ACMの会員になることで年間99ドル (2022年4月追記:ACM会員のこの特典は2022年6月末で廃止されるようです)で利用することができます。

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このサービスでは、膨大な種類の技術書や講義動画、オーディオブックなどが読み放題/見放題になります。読むことのできる技術書には、オライリーから出版された書籍はもちろん、Addison-Wesleyなど他の出版社の書籍も含まれています。Webブラウザで閲覧する以外に、iOS/Androidのアプリで閲覧することができます(アプリにデータをダウンロードしておいて、オフライン状態で閲覧することもできます)。

リソースのほとんどは英語ですが、2020年11月ごろに日本語書籍が一部追加されて話題になりました。2022年3月現在では、102冊の日本語書籍を読むことができます。

どんなふうに活用しているか聞いてみた!

今回、実際にこの O'Reilly Online Learning(以下オライリーサブスク)を利用しているエンジニアに、活用方法を聞いてみました。

関心のある技術やテーマを概観する or 拾い読みする

多かった回答は、「新しい技術を勉強するときに、まずオライリーサブスクで検索して何冊かをざっと見てみる」というものでした。オライリーサブスクでは(Early Release版を含め)新旧の書籍を読むことができます。書籍購入制度を活用することもできるのですが、技術調査段階だとスピーディにさまざまな本を見たいということがあるので、検索してすぐに&追加のお金をかけずに読むことのできるオライリーサブスクが便利だということでした。最近では、GraphQLやマイクロサービス関係の本をこれで読んでいるメンバーがいました。

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また、たくさんの書籍を読むことができるので、関心のあるテーマについて複数の書籍の関連する章だけを拾い読みするような読み方をしている人もいました。最近だと、EventStorming を実践しているチームがあるのですが、ドメイン駆動設計関係の書籍のEventStorming について言及している章を(後述する全文検索も活用しながら)探してきて、理解を深めるというような使い方です。

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全文検索が便利!

他には、全文検索を活用しているという声もありました。オライリーサブスクはサイト内全文検索にも対応しているので、仕事をしていて出会うエラーメッセージやオプション名などをそのまま検索すると、関連する書籍がヒットすることがあります。もちろん公式ドキュメントを確認するのが最も確実ではあるのですが、公式ドキュメントでは簡単にしか書いていない事柄について書籍だとより詳しい説明がある場合も多いため、便利です。

翻訳書を読むときのお供にも

また、これは私個人の話ですが、翻訳のある書籍を読んでいると、「ちょっと意味が取りづらいな?」と思う箇所に時折出会います。そういうときに、オライリーのサブスクで原書の該当箇所を確認するというのは結構な頻度でやっています。この1年ほど、社内で『プロダクトマネジメント』(原題は『Escaping the Build Trap』)や『エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計』の読書会を実施しているのですが、いずれの書籍も原書がオライリーサブスクで読めるので、「ここってどういう意味なんでしょう?」「原文だとこうなってますねー」というやりとりをすることがありました。『プロダクトマネジメント』読書会をしているときには、翻訳で違和感のあるところを見つけて、訳者の吉羽さんにフィードバックを送るという場面もありました(すぐ確認していただけて、正誤表に反映していただけました)。

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機械翻訳サービスと組み合わせると便利!

また、最近はGoogle翻訳やDeepLを使うことで、英語が苦手な人でも「オライリーのサブスクでざっと読む」が簡単にできるようになっています。オライリーのサブスクはWebブラウザで読めるものなので、たとえばGoogle ChromeのGoogle翻訳の機能を使うとシームレスに(わざわざコピペや範囲選択をせずに)翻訳をかけて読むことができます。私個人も英語はどうしても読むスピードが格段に落ちてしまうので、「精度はともかくどんなことが書いてあるのかをさっと知りたい」というときには機械翻訳をオンにした状態で読んでいます。

おわりに

社内では、それなりの人数のエンジニアがサブスクのライセンスを持っているので、「オライリーのサブスクにあるこの本が良いよ」とか「オライリーのサブスクのこの本にはこう書いてあるよ」というやりとりがなされています。私個人は元々そんなに英語の技術書までキャッチアップしていなかったのですが、オライリーのサブスクを使うようになり、また同僚と同じものが常に参照できる状態で仕事をする中で英語の技術書が身近な存在になってきました。

英語の本を読んだらすぐ仕事ができるようになるかというとそんなことはないわけですが、日本語だけで得られるよりは格段に幅の広い情報に接することができ、中でもオライリーのサブスクは質・量ともに非常に充実しているので、一度使い始めるとやめられないサービスです。みなさんもぜひ契約してみてください&他に便利な使い方を知っていたら教えてください!