NRIネットコム Blog

NRIネットコム社員が様々な視点で、日々の気づきやナレッジを発信するメディアです

BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.2(全5回)

BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールスvol.2 デジタルマーケティングを担当している柿崎です。 全5回で掲載の「BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス」について、 今回は第2回目として、事例をご紹介します。

第1回目はこちら: BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.1(全5回) - NRIネットコムBlog


<章立て>

事例ご紹介

今回は、コンテンツやチャネルでナーチャリングを行うために検討した内容についてご紹介します。

ご紹介の事例について(背景):

  • ある領域に絞った事業に焦点を当て、その事業における認知拡大とリード獲得が狙いであった
  • 当該事業領域におけるポジション獲得のため、まずは自社訴求に力点を置いた
  • ターゲット仮説はあるが、ポテンシャルのある企業を検証すべく、来訪企業が特定できるようにした

構成イメージは以下の通りです。

コンテンツマーケティングのナーチャリングを軸としたインサイドセールス

新規事業やサービスの他に、デジタルマーケティングの活用のために、特定の事業や商材、サービスからトライアル的に始めるケースをよく見かけます。 本事例は、そういったケースに当てはまると思います。

ポイント:コンテンツマーケティング

本事例では、認知拡大とポテンシャルのあるリードの獲得状況の把握に注力しました。 認知拡大のためのコンテンツマーケティングとして実施した内容(一部)をご紹介します。

コンテンツマーケティング:

  • Webサイトに一定数のコンテンツバリエーションを持つ
  • リードデータ収集のためのフォーム入力項目と、集めたい件数に見合った項目数
  • リードを増やすためのチャネルのバリエーションやインテグレーション
コンテンツバリエーション Web訪問者の興味関心事を推し量る際に、どのような切り口で推測できるようにしたいか?という観点を踏まえながら、役に立つ、喜ばれるコンテンツの組み立てや種類を検討する。
  • 推測軸の例
    業種業態、課題となるテーマ、興味対象の商材、資料ダウンロードや問合せのフックとなったテーマ(例:経営者向け等)
  • コンテンツ種類の例
    事業や商材の訴求、自社優位性(ポジション)、事例紹介、課題と解決、動画(解説動画、ブランディング動画など)、ダウンロード資料、ある特定テーマに絞ったランディングページ
リードデータをどのような項目で収集したいかを踏まえて、フォーム入力項目や項目数を検討する。
  • リードを多く集めてタッチポイントを増やしたい
    氏名、企業名、メールアドレスなど項目数を絞って敷居を低くする
  • より価値の高い情報を提供したい
    氏名、企業名、部署名、要望内容の選択肢など、ある程度、立場や状況を推測できる項目を置く
  • フォーム入力者の企業の識別確度を上げたい
    法人番号など一般的な情報の入力項目を設ける
    ※法人向け会員サービス等との連携など、システム面や情報管理面での考慮が必要なケースは、今回の記事には含みません
リードを増やす チャネルのバリエーションを増やす
  • 新規リードや、既顧客のリード化推進のために、ウェビナーを開催する
  • 外部企業(業務提携、ツールベンダー等)と共同ウェビナーを開催する
  • 認知拡大や、新規リード獲得のため、広告を利用する
    (例:ターゲットに合った媒体、ウェビナー集客のメール広告、媒体からリードを得る記事広告など)
メールのバリエーションを増やす
  • 自社の営業組織の協力を得て、普段の業務で利用しているメールから案内メールを送ってもらい、リード化する
  • 自社で運用している会員メールで案内メールを送り、リード化する
  • グループ企業の顧客リストでメールを配信する※許諾を得ている前提
  • ターゲットに合う広告媒体の会員メールに対するメール広告を打つ

ポイント:計測設計

デジタルマーケティングにおいて、計測設計も重要なポイントです。
Webの訪問回数や頻度による熱量の推測、Webページや資料、メールなどの情報に対する接触状況の把握、外部データを利用したデータの補てんなど、それぞれの目的に応じた計測項目の一例を以下に挙げます。※Webページの計測や、MA計測における基本的な項目は省きます

  • Googleアナリティクスで細かく計測しながら、Webページやフォームの情報設計を定期的にチューニングする
  • ダウンロード資料のダウンロード件数やダウンロードしたリードの内容を見て、テーマの再検討や資料の分割等を行う
  • 検索流入における検索ワードやランキング状況を定期観察しながら、SEOのPDCAを回す
  • どのメールから送ったかを識別できるように、URLにパラメータを持たせる
  • 来訪企業の特定ができるように、外部企業データを活用する
Webページの計測
  • ページのスクロール率から、掲載情報の読了率を測り、どこまでの情報に興味を持っていただいたかを考察する
  • フォームに遷移するボタンのクリック率から、ボタンの設置個所を改善する
  • YouTube掲載の動画をWebページに読み込んでいる場合、動画をどこまで視聴しているかを図る(全視聴:100%)
  • 複数ページの遷移状況から、情報に対する熱量や、問い合わせフォームの到達フロー上のコンテンツや情報の関係性を整理する
メールの計測
  • 営業や、自社運営の他の会員組織など、MA以外の配信元がある場合、メール本文に記載するリンクURLにパラメータを振り分ける
  • 営業チームが普段利用しているOffice等のメールから集客のための案内メールを送る場合は、リンクURLのパラメータに、どの部門や担当チームから送ったメールかを識別するために、チーム単位のパラメータを振ると、後の計測の際に便利です。
  • MAから配信するメールの計測ルールの統一を徹底する
  • MA導入時には、初期設定に負荷がかかり、運用ルールの整備が手薄になる場合があります。
    また、ランディングページ、資料ダウンロードなど、メール配信の際に、複数のコンテンツが一連の関係を持つ場合もあります。
    メール配信後の計測が混乱しないように、日付(yymmdd)やコンテンツ種別などの、計測用の命名ルールのリストを作成しましょう。

    第3回目は、異なるテーマの事例紹介を予定しています。
    第4回目、5回目は、MAツールの設計や設定に関する注意事項をアップ予定です。

    ぜひ、今後の記事もご覧ください。


    NRIネットコムのサービスご紹介ページはこちら。 www.nri-net.com