本記事は
GA4 Week
4日目の記事です。
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- はじめに
- Google アナリティクス 4のトラフィックソースのディメンションについて
- GA4とUAのセッションの違いについて
- GA4のトラフィック ソースに関するディメンションのスコープについて
- 最後に
はじめに
こんにちは あるいは こんばんは。金井です。 本記事では、Google アナリティクス 4(GA4)の「参照元 / メディア」や「デフォルト チャネル グループ」などトラフィックソース(主に参照元 / メディア)関連のディメンションのスコープについて書いています。
Google アナリティクス 4のトラフィックソースのディメンションについて
トラフィック ソースとは、ユーザーがウェブサイトやアプリにアクセスしたきっかけ(トラフィックの発生元)のことです。 またGA4では、トラフィック ソースに関するディメンションのスコープが「ユーザー」、「セッション」、「イベント」の3つありますので、それぞれの違いを覚えていただければと思います。
ちなみにスコープとは、値の有効範囲になります。イベントやセッションなど値が計測されるスコープがディメンションによって異なります。 本記事で説明するスコープの範囲は下図の通りになります。詳細は後半でも紹介します。
GA4とUAのセッションの違いについて
スコープごとのディメンションを説明する前に、まずはGA4とUAのセッションの違いについて説明します。
なんでセッションの話が関係するんだろう?と疑問に思われる方がいると思いますが、UAとGA4ではセッションの考え方が変わっているので、まずはセッションについて理解する必要があります。
下表のとおりUAでは流入元が変わったときにセッションが変わる仕様でした。
一方で、GA4は流入元が変わってもセッションが変わらなくなったので、セッション単位で流入元を確認する際などはこの仕様を注意する必要があります。
セッションが変わるタイミング | UA | GA4 |
---|---|---|
30分間操作を行わなかった場合 | 〇 | 〇 |
日(深夜0時)をまたいだ場合 | 〇 | × |
流入元が変わった場合 | 〇 | × |
例えば、流入元が変わる遷移があった場合、UAとGA4ではセッションの計測が下図のように異なります。
- UAの場合
最初に訪問した時の流入元は「google / organic」になっていますが、その後に「google / cpc」と流入元が変わっているので、 UAの仕様ではセッションが変わって「参照元 / メディア」は下記のように計測されます。
参照元 / メディア | セッション |
---|---|
google / organic | 1 |
google / cpc | 1 |
- GA4の場合
最初に訪問した時の流入元が「google / organic」で、その後に「google / cpc」に変わっています。 GA4の仕様では流入元が変わってもセッションが変わらないため、「セッションの参照元 / メディア」は下記のように計測されます。
セッションの参照元 / メディア | セッション |
---|---|
google / organic | 1 |
GA4のトラフィック ソースに関するディメンションのスコープについて
では、いよいよトラフィック ソースに関するディメンションについて説明します。
冒頭でも記載した通りGA4ではトラフィック ソースに関するディメンションはそれぞれ「ユーザー」、「セッション」、「イベント」と計測されるタイミングが異なるものがあります。
スコープ | ディメンション名の例 |
---|---|
ユーザー | ユーザーの最初の参照元 / メディア |
セッション | セッションの最初の参照元 / メディア |
イベント | 参照元 / メディア |
以降は「参照元 / メディア」をもとにそれぞれのスコープのディメンションが計測されるタイミングをまとめていますので、ぜひレポートを確認する際に参考にしてください。
ユーザーの最初の参照元 / メディア(ユーザー スコープ)
「ユーザーの最初の参照元 / メディア」は、ユーザーが初めてサイトに訪問してきたときのディメンションになります。
そのため、ユーザーの獲得という観点で分析を行いたい場合に使用します。
また計測されるタイミングは、下図の通りユーザーが初めて訪問した時になるので、「ユーザーの最初の参照元 / メディア」は「google / organic」が計測されます。
セッションの参照元 / メディア(セッション スコープ)
「セッションの参照元 / メディア」は、UAの場合と同じく個々のセッションに紐づくディメンションになります。
そのため、セッション単位で分析を行いたい場合に使用します。
しかし、冒頭にも説明した通り、UAとGA4ではセッションの仕様が変わっていますので、そこだけはご注意ください。
また、計測されるタイミングは、下図の通りセッションの開始時になるので、「セッションの参照元 / メディア」は「google / organic」と「aaa.com / referral」が計測されます。
参照元 / メディア(イベント スコープ)
「参照元 / メディア」は、個々のコンバージョン イベントに紐づくディメンションになります。 そのため、任意のアトリビューション モデルに基づいて、個々のコンバージョン イベントに紐づいた「参照元 / メディア」を確認する場合に使用します。
ちなみにアトリビューション モデルとは、「アトリビューション設定」で選択されているモデルを基にコンバージョンに至るまでのトラフィックソースごとの貢献度を評価するものになります。
デフォルトでは、「データドリブン アトリビューション」という機械学習を利用してトラフィック ソースに貢献度を割り当てるモデルになっています。
例えば、「データドリブン アトリビューション」ですべてのトラフィックに貢献度が割り当てられた場合、「参照元 / メディア」は「google / organic」と「aaa.com / referral」と「google / cpc」が計測されます。
また、GA4プロパティの管理よりプロパティ列の「アトリビューション設定」でレポート用のアトリビューション モデルを変更する(ラストクリックやファースト クリック など)ことが可能となっております。
例えば「クロスチャネル ラスト クリック」に変更した場合は、コンバージョンに至るまでの最後のトラフィック ソースに貢献度が割り当てられるため「google / cpc」が計測されます。
アトリビューション モデルを変更した時から、コンバージョン データと収益 データを含むレポートの過去データおよび今後のデータに適用されます。
「参照元 / メディア」を使用する際は、用途に合わせてアトリビューション モデルを変更してみてください。
それぞれのディメンションが計測されるタイミングさえ分かれば、用途に合わせて確認するレポートを変えたり、データ探索で使用するディメンションを変えることができると思います。ぜひ色々試してみてください。
参考
アトリビューションについてより詳しい内容を確認したい方は、下記のヘルプページをぜひご覧ください。
- データドリブン アトリビューションについて - Google 広告 ヘルプ
- [GA4] アトリビューション設定を選択する - アナリティクス ヘルプ
- [GA4] アトリビューションとアトリビューション モデリングについて - アナリティクス ヘルプ
最後に
私自身、初めてGA4で流入元の確認をしようとした際にアトリビューションの「参照元 / メディア」を使用して分析をしようとしてしまった経験があります。 その際にランディングページの「参照元 / メディア」が上手く表示されない?計測設定が上手くいってない?と少し困惑してしまったので、トラフィック ソースに関するディメンションが計測されるタイミングを記事でまとめました。 今後、GA4で流入元の分析をされる方のお力添えになれば嬉しいです。