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スクラムで向上するデザイン作業の生産性

こんにちは、スタンバイでデザイナーをしている清水と申します。

この記事では「スクラムをやっていたら、なぜかデザイン作業の生産性が上がった..!」という驚きを共有させてください。

スクラムとの出会い

私はウェブ業界で、かれこれ 10 年ほどデザイナーやフロントエンドエンジニアのような業務をしております。 その期間のほとんどではスクラムやアジャイルといった手法は使わず、ウォーターフォール寄りに仕事をしていました。

そんな私ですが、スタンバイに入って突然スクラムに放り込まれました。 最初はカタカナ語の多さや、スプリントの短さに面食らう場面も多かったですが、続けているうちに徐々に良さが分かってきた気がします。

特に、スクラムがデザイン作業に与える良い影響を実感しており、本記事では「スクラムでデザイン作業の効率性が上がった!」というテーマに絞ってお話しします。

デザイン作業の生産性を高めるスクラムのプラクティス

「スクラムのすべてのプラクティスがデザイン作業の生産性を高める」といっても過言ではない可能性がありますが、特に影響が大きいと感じるものを主に紹介していきます。

作業量の見積もり

まずは作業量の見積りについてです。 私たちのチームではストーリーポイントを使い、スクラムチームの全員が集まって作業を相対見積もりしています。

このストーリーポイント付けを通して、デザイン作業の生産性向上につながる情報を得られます。

以前の私は「このデザインなら実装そんなに大変じゃないかな」と思って、デザインを作成することがよくありました。 しかし、実際にその作業にどれぐらいの工数がかかったかは確認できていませんでした。

ストーリーポイントづけをメンバー全員でやると、この状況が変わります。 エンジニアがストーリーポイントを付ける場面を一緒に見るため、事前に想定していたエンジニアの作業量と、実際に必要な作業量の乖離に気づけるのです。

この気づきが積み重なると「こういうデザインは実装の負荷が高いから、ここはちょっと変えておこう」などの工夫がしやすくなっていきます。

そうなってくると、デザイン作成の精度も上がり、エンジニアから喜ばれるデザインを作りやすくなっていくでしょう。

ユーザーストーリーの書き方

私たちのチームでは、ユーザーがやりたい最小のアクション、ビジネス価値がある最小の単位でユーザーストーリーを記述し、チケットで管理しています。

その際は、推奨されているプラクティスを踏襲し、タイトルを「{ユーザーの種類}として、{達成したいゴール}をしたい。なぜなら{理由}だからだ」のように書いています。 例えば「はじめてアルバイトを探す大学生として、未経験 OK なバイトを探したい。なぜなら、初めてのバイトで不安だからだ。」などです。

この「フォーマットに従ってストーリーのタイトルを記述する」という工夫によって、デザイン作業の生産性が向上します。

フォーマットに則ってタイトルを書き、そのタイトルを意識しながらデザインをすると、ターゲットや目的を改めて意識して検討を進められます。 その結果として、適切な解決策を提案できたり、そもそもの課題に対応した解決策が見つかったりする可能性が高まるのです。

ターゲットや目的を考えてデザインを検討するのは当たり前ですが、忙しい業務の中では忘れてしまう場面も多いのではないでしょうか。

スクラムはこの基本をしっかり続けるのに適したフレームワークです。 そしてスクラムを継続すると、ターゲットや目的を考えることが無意識にできるようになり、結果としてデザインスキルの向上にもつながると感じています。

スプリントレトロスペクティブ

スクラムではスプリントごとに、レトロスペクティブ(振り返りのようなもの)を実施します。 レトロスペクティブでは、人・関係・プロセス・ツールの観点、うまくいったこと・改善が必要なことなど幅広い観点で振り返りを実施します。

私がスクラムではない現場で経験していた振り返りは、頻度が少なく(四半期に 1 回や、プロジェクトの終了後だけなど)、細かいプロセスの改善につながる内容は出づらかった印象です。

スクラムのレトロスペクティブは頻度が多いこともあり、細かいプロセスの改善につながる意見も多く出ます。 また、職種横断でチームを組んでいるため、幅広い観点で意見が出ます。

普通に仕事をしていると、デザイナー以外の職種から、デザインデータの作り方などに関するフィードバックをもらえる機会は多くありません。 一方、スクラムではフィードバックをもらえる機会がとても多く、生産性の向上、自身の成長に繋がっていると感じます。

最後に

上記で紹介した以外にも、スクラムの様々な特徴やプラクティスはデザイン作業の生産性を高めてくれます。

この事実に気がついた時は不思議に思いましたが、スクラムは「価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する」ことに主眼を置いたフレームワークなので、その目的のためにデザイン作業の効率が向上するのも当たり前と言える気がします。

この記事を読み、スクラムなチームでデザインに取り組んでみたい!と思ってもらえたり、スタンバイでのデザイナーの働き方などに興味を持ってもらえたりしましたら幸いです。

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