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【登壇レポート】 営業活動を下支え!HR企業のIT施策共有会 - 営業組織DX事例紹介 / セールス組織IT導入成功のポイント

2021年2月18日にオンラインにて営業活動を下支え!HR企業のIT施策共有会が開催されました。
こちらのイベントに弊社のVPoE 大谷が登壇し、『営業組織DX事例紹介』と題して、大企業からベンチャーまで、複数の営業組織でDXを実践してきた経験から、組織におけるIT導入のポイントをお話ししました。
業務システムの内製開発、外部パッケージとの連携など、組織にITを導入して業務が変革するまでのプロセスを、事例をもとにわかりやすく説明しましたので、その詳細をご紹介します。

はじめに

ミイダス株式会社でVPoEをしている大谷です。主にエンジニア組織のマネジメントを担当しています。
本記事では、私がこれまでにセールス組織に向けてIT導入を取り組んできた内容をもとに、成功のポイントをご紹介します。

私は元々エンジニアで、Web開発を得意としています。事業立ち上げを何社か経験し、事業企画からサービス開発まで幅広く担当していました。
また、社内システム開発の経験が多く、テクノロジーを活用した業務改善を得意としています。
ミイダスではエンジニア組織づくりやマネジメントを主な業務としています。
課題解決のための推進活動、技術広報やエバンジェリスト活動を中心に、エンジニア組織づくりやマネジメントを主な業務としています。

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経歴を簡単に紹介します。
山口県で生まれ。大学進学で東京に来て、卒業後はSIerでシステムエンジニアになりました。
その後、リクルートエージェントで新規事業開発を担当し、営業組織で内製システム開発を主導しました。
その後は、サイバーエージェントで400人規模の営業組織で一人目のエンジニアとして入り、社内システムを作って社内のDX化プロジェクトを担当しました。
インテリジェンスには、当時4000人くらい社員の中で初めてのエンジニアとして入社し、新規事業を担当しながらミイダス開発・リリースしました。
その後、一度インテリジェンスを離れ、スタートアップのCTOを2社経験しました。
IoTのスタートアップと200人規模の営業組織のCTOを経験して、去年の8月に再びミイダスにジョインしました。

私は企画、ディレクター、開発者など、幅広くプロジェクトに応じて役割や立場を変えてきたように思います。

ミイダスの紹介

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ミイダスのサービスを簡単にお伝えします。

ミイダスは、企業と転職者それぞれが自分たちで分析を行い、結果ごとに適材適所のマッチングをしている転職サービスになります。
現在、利用企業は20万社を超え、50万人以上のユーザーが登録しています。
多くの人に使っていただけるサービスに成長しました。

IT導入は難しい

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組織にIT導入をすることはとても難しいですよね。これまで失敗した方も多くいると思います。
こちらは海外で実施された調査ですが、リリースされたソフトウェアの機能のうち64%ほとんど使われないという結果が出たそうです。
私もこれまでIT導入において沢山の失敗をしてきました。

セールス組織に導入してきたシステム

これまで5社でおおよそ20個以上のシステムを開発/導入してきました。自分で開発したものもあれば、外注したものもあります。全社にセールスフォースを導入するということも担当しました。とある広告代理店で7つのシステム開発をしましたが、そのうち3つは、ほとんど利用されなかったという経験もあります。

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具体的に利用されなかったシステムは、日報システムや、セールスの方が数字を登録して業績を管理するシステムなどです。
3つくらいは本当にほぼ利用されず、とても悲しかったです。
その後、これらの経験を踏まえ、使ってもらうためのポイントを押さえることができるようになりました。
最近では、作ったら着実に活用されるような導入もできるようになってきました。

上記図の下にあるものは、以前在籍した企業で担当していた、自分のチームが中心で入れたことのあるシステムを整理したものです。
これだけのシステムを導入したにも関わらず、いくつかはちゃんと活用されませんでした。導入することを目的にせず、ポイントを押さえてきちんと活用される状態をつくることが大切です。

ミイダスの社内システム事例

ミイダスでは、新規事業で採用代行サービスというものをはじめました。
この採用代行サービスに利用するwebシステムの内製開発をしています。

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ミイダス本体と連携したスカウト用のシステムですが、これは2名のエンジニアで2ヶ月で開発しました。
企業から採用依頼を受けて、ミイダス採用代行チームがミイダス登録者に電話でスカウトします。その後、応募する方に選考に進んで頂き、入社をすると費用をいただくというモデルになります。
立ち上げたばかりなので、10名程度の少人数チームで担当しています。

事業成功のポイント

求人をもらった時に、応募してくれそうな方に優先的に電話をかけて応募をしてもらういます。この応募率を上げるという点がポイントになります

それを実現するために、このシステムを作りました。

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目的としては応募数を増やすことなので、まずは求人に対して応募率が高い人材をリストアップできるようにしました。そしてリストアップした人材に効率的にたくさんの人材にアプローチできるように、MiiTelというwebから電話できるサービスを活用して、効率よくwebから電話をしていけるようにしています。

開発においては、ミイダス本体を作ったエンジニアをアサインしやすいように技術選定をしました。、サーバサイドはGo言語を採用し、フロントエンドはReactを採用しています。また、AWS上に構築しています。
場合によっては、候補者管理や進捗管理や日程調整など手間がかかる部分をシステム化して業務効率化をするという方向性もありましたが、業務効率化の部分は人を増やせばなんとかなるので、最も重要な事業KPIを高める「スカウトの改善」という部分にフォーカスしてシステム化を行いました。
これが開発の目的となります。

これまでの経験で学んだIT導入を成功させるポイント

セールス組織のIT導入において、成功には4つのポイントがあります。
1つ目は、業務を徹底的に理解するように気をつけています。

業務を徹底的に理解する

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ITによる業務改善/改革を検討する前に、業務側のキーマンに話を聞いて、どこに課題があるかのヒアリングを行いました。
その業務を最低でも2-3日程度は自分でやってみるようにしています。
なぜそうするかというと、課題を聞くのですが、本当にそれが正しいのかという点や、本当にそれをITで解決可能なのかというところを体感するということをやるようにしています。

よく、こんなことが課題なんですよと聞くのですが、「真の課題」はもっと根本にあることが多く、現場の担当者は、「根本的な課題は自分たちでは解決できない」とか、「ルールだから絶対に無理」という風に誤解をしているケースがこれまでに多かったと感じています。

これまでIT導入をするとき、顧客にアポイントの電話をかけたこともありますし、転職する方へ案件紹介をしたこともあります。
実際に業務をすることで業務側のメンバーと共通の認識を持つことができて、より深い話をしながら、より根本的な課題解決を一緒にできます。

2つ目が、これも当たり前の内容かもしれませんが、できる限りコストをかけずにトライアルでやってみるということを心がけています。

できる限りコストをかけず、トライアルでやってみる。

IT活用をするとき、課題解決のツールが未経験でも、それを活用するためのポイントみたいなところを自分で体感するということをやっています。
例えばセールスフォースも無料で使える期間とかありますし、学習コンテンツも充実しています。前職でセールスフォース導入プロジェクトのPMをやっていましたが、できることを知るところからはじめて、トリガーだったり、エーペックスというページを作る言語だったり、そういうことも含めてオンライン学習で覚えました。

仮に使いこなせるようになれなくても、トライしたことで用語の理解やできることが理解できるので、これを使えば課題解決できそうだと確信を持ってプロジェクトを始められることがポイントだと思っています。

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そうすると、圧倒的に成功率が高い状態でプロジェクトを始めることが出来ます。

3つ目は、システム導入を目的にしないということです。
やはりシステムを作ることは手段であって、最小の工数で最大の効果を出すことが大事だと思っています。

システム導入を目的にしない。

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営業組織の課題解決にアサインされたはじめの頃は、「こんなことに困っています」、「助けてください」など声をたくさんかけてもらい、課題解決をすることで、助けてあげたい気持ちになっていました。
しかし、定量的な成果にこだわらないと、結局根本的な課題解決ができない、投資対効果が適正だと認めてもらえない風に思います。
また、偉い人が一声、「これやってくれない?」と言えば、以前は偉い人が言うなら正しいと思ってやっていました。
しかし、一歩引いて本当に出したい成果など考え、「ロジカルに定量的にこっちの方がいいですよ」と言う話をすると、上の人もわかってくれることが多いです。
投資対効果をクリアにし、より成果が出る方向に持っていくことをすごく心がけています。
IT導入をした経験がある人であればわかると思いますが、定量的に必ずしも測れないケースが多いと思います。
それっぽいロジックを作り、「ロジックで考えると投資対効果がありますよ」と言う形で、当てで算出をする方法でもいいのです。
定量的に成果を示すことで、より成果が出ることに取り組んでいることを依頼者にも理解してもらいやすいです。そして、依頼してくる人に対して、「こっちの方が優先ですよ。なぜならこうだからです」と言える状態にできることをすごく心がけています。

最後に、業務フローで必ずそれが使われる仕組みにすることをすごく心がけています。

業務フローで「必ずそれが使われる仕組み」にする。

最初の頃に失敗していたのが、開発したシステムが、業務フローの中に組み込まれてなくて。会社のルールとして「このデータ入れてください」とお願いするのですが、それをやらなくても何も問題がない状態になっていました。
また、営業組織は個が強い人が多かったり、売り上げや業績が評価材料になるのでそれらを重視し、システムを活用してくれないことが多いのです。
もちろん、しっかり説明して重要性を理解もうらうことも取り組みますが、必ず使わなければいけないルールにする、ルールをそもそも変えるということを心がけています。
例えば、セールスフォースを入れた時は、失注理由を入れる時、必ず失注理由を入れなければその案件が失注というステータスに変わらないようにしました。
そうするとステータスを変えるためだけに入力する人が出てくるのですが、それらをチェックするフローを設け、意味のあることをきちんとやってもらえるルールに変えるということをセットでやるようにしています。

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IT導入におけるポイントまとめ

業務を徹底的に理解する。
- 実際に業務を経験することで、業務側のメンバーと共通の認識を持つことができる。
できる限りコストをかけず、トライアルでやってみる。
- 「できそうだ」という確信を持って始まるプロジェクトは、圧倒的に成功確率が高い。
「システム導入」を目的にしない。
- ある程度の工数を割いてでも、定量的に成果を示す。
業務フローで「必ずそれが使われる仕組み」にする。
- 「行動を変えなければいけない」仕組みを作ることが重要。

さいごに

営業組織にIT導入をして変革を起こすことは、決して簡単ではありません。
ポイントをしっかり押さえることで、聖刻率を何倍にも高められます。
ぜひチャレンジしてみてください!!

ミイダス Tech について

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