Google Discover流入を調査してみる

こんにちは。auパートナー本部の苅部です。

Google Discoverの記事レコメンド経由(googleapi.com or discover.google)のアクセス増の話題が最近増えているので、ログの残り方とアクセス規模(ニュースサイト)を簡単に調査してみました。

Google Discoverとは

GoogleChrome(新規タブ)やGoogleアプリで表示されるニュース記事のレコメンドで、機械学習を用いてユーザーの行動データから最適なコンテンツが選別されています。
Android7あたりからはホーム画面をスワイプするだけで表示させる事ができます。

リクエストヘッダーの確認

アクセス解析として個々の流入元ごとにセグメントを作りたいので、パケットキャプチャでそれぞれのリクエストヘッダーを確認しました。

1. Googleアプリ

レコメンド箇所のリクエストヘッダーは以下の通りです。

Android 4

keyvalue
Referrerandroid-app://com.google.android.googlequicksearchbox/
UserAgentMozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.2; SOL23) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/72.0.3626.28 Mobile Safari/537.36

Referrerとしてandroid-appから始まる独自URIが渡されています。

iOS 10

keyvalue
Referrerなし
UserAgentMozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 10_3_2 like Mac OS X) AppleWebKit/603.1.30 (KHTML, like Gecko) GSA/65.0.225212226 Mobile/14F89 Safari/602.1

Referrerは渡されていませんが、代わりにUserAgentでGSAという文字列が確認できました。
タグマネージャーあたりで文字列を引っ掛けてカスタムディメンションにセットすればGSAWebviewとしてのセグメントが切れるようになります。

※GSAWebviewでの自然検索遷移では、Referrerが[google.com]として渡されていました。

2. Google Chrome (v71)

新規タブを開いた時のレコメンド箇所のリクエストヘッダーは以下の通りです。

Android 4

keyvalue
Referrerhttps://www.googleapis.com/auth/chrome-content-suggestions
UserAgentMozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.2; SOL23) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/71.0.3578.99 Mobile Safari/537.36

※Android8でも確認しましたが、Android4同様のReferrerでした。

iOS 10

keyvalue
Referrerhttps://www.googleapis.com/auth/chrome-content-suggestions
UserAgentMozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 10_3_2 like Mac OS X) AppleWebKit/603.1.30 (KHTML, like Gecko) CriOS/71.0.3578.89 Mobile/14F89 Safari/602.1

AndroidOS,iOSともに[https://www.googleapis.com]から始まるURLがReferrerとして渡されていました。
というわけで、セグメント化の可否をまとめるとこんな感じになります。

Googleアプリ レコメンドGoogleChrome レコメンド
Android○ (Referrer)○ (Referrer)
iOS△ (UserAgent) ※○ (Referrer)

※ [GSA文字列特定]と[directセッション]のAND条件で推定できると思います。

セグメント作成

リファラーの文字列をGoogleTagManager経由でGoogleAnalyticsのカスタムディメンションにセットしているので、当該ディメンションで文字列を指定することでセグメントを作成が可能になります。

1. Googleアプリレコメンド(Android)


※iOSのトラッキングは今回間に合わなかったので、確認でき次第追記したいと思います。

2. Google Chromeレコメンド

3. discover.google.com経由(流入元不明)

トラフィック確認

今回は弊社で運営しているニュースメディアの1サイトで、トラフィックの規模を確認しました。※ニュースサイト以外ではトラフィックが確認できませんでした。

・参照元/メディア

googleapis.comが6位、discover.google.comが14位に入っています。

・時系列推移

2018年4月〜12月までのセグメントごとのセッション数の推移です。

1. Googleアプリレコメンド


アクセスは4月から確認できているものの、8月後半から大幅に上昇しています。

2. Google Chromeレコメンド


10月中旬に急落していますが、11月末から急上昇しています。

3. discover.google.com


10月中旬に突然現れて、12月に下落しています。

※1サイトのアクセスログですので、今回の調査からGoogleのアルゴリズムや実装の変化を推測するのは困難です。

・MAU全体に占める割合

以下の設定でレコメンドトラフィックのセグメントを作り全体における割合を測定しました。
結果としてはMAUの15%ほどがレコメンドトラフィックによるものと推定できました。
レコメンド経由は新規ユーザーの割合が多いため、MAUに貢献できたようです。

・OSごとの違い

「Googleの検索ウィジェット(QSB)での自然検索遷移でもandroid-appから始まる独自URIがリファラーで渡る」という情報もあり、アプリのバージョン or OSのバージョンによってリファラー仕様が異なる可能性もあります。
そのため、念のため複数のOSでも比較しました。

OS verレコメンドの割合※
Android 817%
Android 716%
Android 614%
Android 59%
Android 45%

※当該OS MAUにおける当該OSレコメンドMAUの割合

この比較ではOSのバージョンが上がるごとにレコメンドの割合が増えている事が分かります。
実際にOSのバージョンが上がるごとにホーム画面からの検索アクセスが容易になっているため、MAUの15%程度という今回の推測はある程度妥当かと思いました。

おわりに

SEOの辻さんが仰っているようにDirect扱いのGoogleアプリ流入(iOS)があるはずなので、今回の数値を考慮するとレコメンド流入は無視できない規模になっているのではないかと思います。
google.comでも近いうちにDiscoverが実装されるようなので、これからすべてのクライアントでレコメンドトラフィックが増加傾向になると思われます。

今後も音声検索も含め、調査を継続して進めていきたいと思います。

参考記事

2 notes

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