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アプリ内広告のクリエイティブにおける品質向上を目指したアプローチについて

山本佳
山本佳
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はじめに

KINTOテクノロジーズでmy route by KINTOのデザイナーをしている山本佳と申します。
普段はmy route by KINTOに関わる、LPやバナーデザインなどの広告デザイン、アプリの画面遷移の整理やガイドラインなどの制作を担当しています。
my route by KINTOとは、移動手段の検索・予約・決済まで、移動に関する一連の機能をひとつのアプリ内で完結。「街の賑わいを創出」するイベントスポット・店舗情報の提供を行い、街中における円滑な移動のサポートをするマルチモーダルモビリティサービスです。

解決したい課題

チケットの販売枚数の向上、週の利用頻度増加という目標がある中での施策の一つとして、トヨタファイナンシャルサービス株式会社の担当者の方と協力させていただきました。
my route by KINTO内に特集記事というコンテンツがあり、そこに誘導するポップアップを出して記事を選んでもらい、お出かけに繋がり、アプリの利用拡大を狙っています。
そこで今回のデザインのタスクとしては、アプリ内に出すポップアップデザインの品質向上となります。

クリエイティブ改善施策

「クリエイティブの品質の向上」と、かなり曖昧で現状と目指したいゴールの差異を埋めることが大切になると考えました。
まずは課題の棚卸、そこから今回のデザインにとってマストでやるべき3つの課題を抽出しました。

①ターゲットに合ったアプローチにする。
担当者間で共通した人物像を形成して、どんな人に届けるのかを明確にすると、ユーザーにあったカラートーンで角の丸みは..などデザインを考えるのも楽になりました。

②記事とデザインの整合性を保つ。
極端な例ですが、スタイリッシュなポップアップデザインがあったとして、その記事の内容が「紅葉に行ってかわいいカフェにおでかけ」のような記事では、読んでもらえずにすぐに離脱してしまいます。
ですので、デザインをする前に記事を読み込んで適切な表現を想像することが大切でした。

③おでかけがしたいとおもえるワクワクを届ける。
抽象的でわかりにくいですが、よくネットなどで見かける「限定商品!」や「1000円はお得!」などのような、誰が見てもわかりやすいユーザーにとってのメリット要素は無く、今回のポップアップは「おでかけして楽しんでみませんか?」というアプローチなので、自分で広告をみたときの「ワクワク感」を大事にしました。

ポップアップの見せ方

デザインの課題とは別にポップアップの見せ方も重要だったので検討しました。
ABテストをして効果の高い見せ方の調査もしたいと思い、いくつかのレイヤーパターンを出しました。

「①は広告感が強いが表示させたいものがユーザーにとって適切だと効果が高い傾向にある。大手動画メディアの広告表示でやっていた。②は詳細の文章を入れているので親切で優しいタイプだが、文章が長いと飽きられそう。③は汎用性が高いタイプ、キャリア形のポップアップでよく見かけることが多かった、今回の施策に向いているだろうか...」など、様々な見せ方を検討していました。

結果

このように、デザインとしてできるアップグレードをいろいろな方向性から模索していました。
毎週ポップアップを打ち出した3ヶ月後の結果として、1100DAUの向上(この施策以外にも様々なキャンペーンなどをしているので、その効果も反映されています)、ポップアップのクリック率は7%から毎回19%近くにあり、11%の向上となりました。
クリック率の改善として良い結果が出たのは、トヨタファイナンシャルサービス担当者のビジネスサイドの課題解決策も素晴らしかったことはもちろんですが、私としては隔週でコミュニケーションをしてビジネスとしての狙いや記事の内容、デザインの方向性の理解を深めることができたことが何よりもこの結果に繋がったのではないかと考えています。

今後の課題

今回の施策について各地域のパートナーにも共有して、効果が高い広告デザインについて知識を深めることやデザインのガイドラインを制作して品質のブレを無くすなど、まだまだ課題があります。
今後もPDCAを回してデザインをアップグレードしていきたいと思います。

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