冴えない活動報告会の盛り上げ方

本稿は、mediba Advent Calendar 2020 15日目担当の沼沢です。

以前、VPoE の新井が説明していた通り、弊社では2020年度からマトリクス型の組織構造を採用しており、この中の「テクノロジーセンター」というセンターがエンジニア組織となっています。

しかし、エンジニアが同じセンターに所属してはいるものの、通常はアサインされている各プロダクトの開発や保守運用業務を行っており、横の連携が少ないために相乗効果が生まれにくいという課題がありました。

また、この組織構造になったときに、弊社では既に原則在宅勤務体制に移行しており、ほとんどの業務がオンラインで行われるようになっていたことも、横の連携が少ない一因となっていると考えています。

そこで、テクノロジーセンターでは数ヶ月に1度の間隔で、以下を目的として「テクノロジーセンター活動報告会」なるものを開催するようにしています。

  • 事業に対しての理解を深める
  • エンジニア同士の理解を深める

これまでに3回活動報告会を開催しており、2回目からは LT 大会も開催し、社内での評判も良いです。
ただ、オンラインではどうしても 発表者の方が反応のないモニターに向かって黙々と話す ということがやはり寂しくもあり辛くもあります。
そこで、双方向でコミュニケーションを取ることはできないか、一体感の醸成ができないか検討していたところ、Comment Screen というツールを発見し、3回目の活動報告会で採用してみました。

前置きが長くなってしまいましたが、この Comment Screen が思いの外盛り上がったので、その知見を置いておこうと思います。

Comment Screen とは

参加者や視聴者が投稿したコメントが、画面の右から左に流れるというもので、簡単に言うと ニ◯◯コ動◯ のコメント機能です。
(◯コニ◯◯画 を知らない方はごめんなさい。)

なお、Comment Screen は本来は無料のツールではなく、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在は無料で提供中のようです。
本当にありがとうございます…!!

参考: オンライン会議アプリ「Comment Screen」の無料配信を決定 イベントやテレワークを支援、問い合わせ窓口も開設

なお、本稿の内容は全て2020年11月の段階で確認している情報であり、今後は更新されている可能性があります。ご注意ください。

Comment Screen の使い方

Comment Screen アカウント登録、Room 作成

この手順は、誰か1人がやれば大丈夫です。

  1. https://commentscreen.com/ にアクセスし、サインアップ
  2. Private Room 作成
    1. サインアップ時の情報でブラウザで Comment Screen にログイン
    2. 「+ New Room」
    3. Title: 任意の文字列
    4. Hashtag: 任意の文字列 ※Comment Screen 内で一意の必要あり
    5. Private Room: ✔ ※Public なイベントの場合は不要
    6. Password: 任意の文字列

Comment Screen のインストール、起動

  1. 公式サイトのダウンロードよりインストール
  2. Comment Screen アプリケーション起動
  3. Enter event で予め作成済みの event に JOIN
    • Input your event name.: Private Room 作成時に指定した Hashtag の値
    • Input password: Private Room 作成時に指定した Password の値
  4. JOIN 後、左下の「display enable」に ✔ を入れる

QR コード or URL を参加者に共有

アプリケーション起動 → Room JOIN 後、以下のようなダイアログが表示されます。

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ステップ1の「ウェブサイト」のリンク URL またはステップ2の「QR コード」と、Private Room 作成時に設定した Password を参加者に共有します。

これをブラウザで開き、Password を入力することで、参加者がコメント投稿可能な画面を表示できます。

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Zoom や Teams などのツールで画面共有

ここまでで、Comment Screen が起動している PC の画面上に、投稿されたコメントが流れるようになりますが、これだけでは視聴者にコメントが流れる様子をお届けできません。
そこで、この状態で Zoom や Teams の画面共有で表示することで、視聴者にもコメントが見えるという仕組みです。

Zoom や Teams で、デスクトップ共有をすることで、スライドを表示しつつ投稿が流れる様子を映すことができます。

管理画面で投稿を確認

アカウント登録時の情報で、 https://commentscreen.com/ からログインすることで、この Room に投稿されたコメントの一覧を確認することができます。

Alt text

使用実例

実際に前回の活動報告会での様子を抜粋しました。

Alt text|top

この LT では、このスライドの前に大人気漫画「鬼滅の刃」の煉獄さんとかまぼこが踊っている MMD が映っていたので、それに関連したコメントが投稿されていました。
ニ◯動のように、ウケ狙いのコメントを投稿する方も多く、非常に盛り上がりました。

Comment Screen 利用時の注意事項

この注意事項は、あくまで弊社が利用してみて感じた事項です。Comment Screen の公式見解ではないので悪しからず。

社外秘情報は極力書き込まないよう注意する

公式に問い合わせをして Room 削除後の投稿コメントの取扱について確認したところ、物理削除されデータベース等には一切残らないと回答をいただきましたので、そちらの心配はありません。

しかし、Private Room といえど、Hashtag と Password がわかれば Room に入れるため、Room を削除する前に悪意のある第三者に入られてしまうと過去の投稿コメントも見えてしまいます。

そのため、社内で利用する際は社外秘に該当しそうな情報は書き込まないようにし、利用後は Room の投稿コメントをバックアップした上で、速やかに Room を削除することをおすすめします。

弾幕、絵文字の連打は控える

弾幕とは、画面が見えなくなるほど大量のコメントを投稿する行為で、とても盛り上がる部分で行われることが多い行為なのですが、Comment Screen の描画力は発表者の PC の性能に依存しているため、大量のコメント投稿や絵文字の連打を行うと、発表者の PC がめちゃくちゃ重たくなります。

それこそ発表中のスライドが次のページに進むのにラグが発生するほど重たくなりますので、控えましょう。

発表と関係のないアプリケーションは極力閉じる

前述の通り、Comment Screen の利用は発表者の PC の性能に依存します。
発表には使わないアプリケーションを極力閉じておくことで、PC に余裕を持たせておきましょう。

映ってはいけない資料などは事前に閉じておく

Comment Screen では、ウィンドウの共有ではなくデスクトップ共有を使用します。
それ故に、例え社内といえど見られてはいけない情報が載っているファイルなどは事前に閉じておきましょう。

発表者メモは参照できない

デスクトップ共有を利用するため、スライドのメモ書き部分等を見ることができません。
必要に応じてスマホでメモを表示するなり、温かみのある手書きメモを用意するなりの工夫が必要です。

まとめ

弊社で利用した際の使い方と注意点を書きましたが、いかがでしたでしょうか。
他にも、今回利用していない 参加者が質問を投稿する機能 や、運営側がアンケートを取る機能 などがあり、まだまだ使い切れていないというのが正直なところです。
Twitter と連携する機能もあるので、オープンなイベントでは活用できるのではないでしょうか。

また、利用してみて思ったのですが、オンラインだけではなくオフラインの勉強会等でも利用したいと思えるツールでした。

本稿が、昨今のオンラインでの勉強会や報告会等で、反応のないモニターに向かって話すことが辛くなってきた方々の参考になれば幸いです。