サッカーとエンジニア組織について

初めに

こんにちは、バックエンドエンジニアの山口です。

W 杯での三苫選手を筆頭とした日本代表チームの躍進、アルゼンチン vs フランスの決勝を見て、これまでサッカーを見てなかったけど abemaTV などで海外サッカーを見るようになった!という方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では主観満載でサッカークラブを考察して、エンジニア組織、開発チームの運営について自分なりに考えてみたいと思います。

それぞれに関わっているメンバーをざっくりと

エンジニア組織

  • VPoE
  • マネージャー
  • エンジニア

サッカーチーム

  • 監督
  • コーチ(フィジカル,戦術,セットプレーなどなど)
  • 選手

チームについて

サッカークラブを語るにあたって切り離せないのが監督と選手です。

今、欧州で最も成績を残しているチームはマンチェスター・シティ, レアル・マドリードだと思います。(僕はクレですが。)
この 2 チームを戦術•監督•選手•試合内容の観点で単純比較すると以下のようになります。

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どちらのチームも欧州で最高レベルの成績を近年残し続けているクラブなので、どちらが良い悪いの話ではありませんが、チーム作りに違いがあります。

レアル・マドリードのようなチームはエンジニア組織に例えると、尖ったエンジニア達(I 型人材)を政治力•マネジメント力の強いマネージャーがまとめ上げているイメージでしょうか。逆にマンチェスターシティは T 型人材を上手く配置し、組織内で適切にアロケーションし組織運営しているイメージです。

では、エンジニア組織•開発チームを運営するにあたってどちらのクラブチームを参考にするのが良いか考えていきたいと思います。

レアル・マドリード

レアル・マドリードはチャンピオンズリーグ優勝回数が欧州で最多のチームです。 なので、1 発勝負の重要な大会やここ一番という試合展開では絶対的な強さを発揮します。この点においてはヨーロッパ1と言って良いでしょう。レアル・マドリードの強さの第 1 は選手のタレント力ですが、臨機応変さも大きな強みです。試合中に核となる選手達が試合状況・展開を俯瞰し、どこで点を取りに行くか、ボールキープをするか、誰にボールを渡せば一番効果的かということを現場レベルで臨機応変に対応できています。現在であればモドリッチ、クロース、ダビドアラバ、ベンゼマなどの選手達です。このような核となる選手を揃えることで、監督のマネジメントが届きにくい試合中であっても現場レベルで問題を解決し、圧倒的な強さを発揮できるのかなと考えます。

このようなチームが向いているフェーズとしては以下のようなフェーズでしょうか。スピーディーかつ高可用性が求められる開発フェーズですかね。まだまだプロダクト運営のルールが決まりきっていない 0->1 のフェーズの開発力でも強さを発揮しそうです。また、中小企業で 1 つのサービスに注力しているな企業の開発にも向いているように感じます。

  • ベンチャー初期フェーズ
  • プロジェクト立ち上げ時の開発チーム
  • 中小企業での注力サービスの開発•運用

マンチェスター・シティ

マンチェスター・シティは世界最高峰のプレミアリーグでここ 5 年間で 4 度の優勝をしています。チャンピオンズリーグと違い、試合回数•対戦相手も多く安定した戦いをすることが求められます。デブライネのような核となる選手は存在しますがレアル・マドリードほど個人に依存することはなく、ローテーションしつつどんなメンバーで試合に出ても一定以上の成績を収めており、ゲームプラン通りに試合展開を進めることを得意とし磐石に勝利するイメージです。一方で、ここ一番での破壊力や試合展開に逆らわず強弱をつけるような試合展開は得意な方ではないです。臨機応変さが少し足りないですね。

このようなチームが向いているフェーズとしては以下のようなフェーズでしょうか。 ルールが整備されてきているプロダクトでのグロースや機能追加、事前のプラン通りにアクションプランを立てていくことが望ましいサービス成長期などで力を発揮しそうです。

  • サービスグロース期
  • サービス成長期及び組織拡大時期

上記以外にもそれぞれ向いているフェーズや役割がしっかりありそうだと僕は思います。

個人について

ここからは選手個人にフォーカスを当てたいと思います。

今季からマンチェスター・シティに点を取ることに特化した 22 歳のハーランドというバケモノ選手が移籍してきました。この選手はタイプで言えばレアル・マドリードタイプの選手といえると思います。確かに個人成績は素晴らしい反面、リーグ戦でのチーム成績は思ったよりも伸びておらず現在 2 位です。圧倒的な個性を持った選手(I 型の選手)がチームバランスを壊すというのはサッカー界ではあるあるです。(それでも強いですが。)最近移籍したクリスティアーノロナウドも晩年のマンチェスターユナイテッドではこのような立ち位置でした。この事象はイケイケの強強エンジニアをアサインした際にそのエンジニアのパフォーマンスは期待通りだが、他メンバーのパフォーマンスが落ちてしまう現象に近いです。

それでは I 型の選手はなかなかビッグクラブで活躍するのは難しいのかということを考えていきたいと思います。サッカー界で神と呼ばれるイブラヒモビッチはグアルディオラ(マンチェスター・シティの監督)に対して次のようにコメントを残しており、尖りまくっていて、扱いづらいように感じます。

自伝『ADRENALINA』より

「現在のマンチェスター・シティのボスは、マンツーマンのスキルが欠けていると今でも思っている。"哲学者"は、言い返さずに従う選手を好むんだ」

「俺を買うということは、フェラーリを買うということだ」

ただ、このイブラヒモビッチは昨シーズンに長年リーグ優勝から遠ざかっていた AC ミランをベテランかつ精神的支柱としてリーグ優勝に導いています。 サッカーでは若い頃に尖っていた選手が円熟味を増す晩年期にチームの支柱として成績を残すというのはよくあります。今回の W 杯のアルゼンチン優勝のメッシにも似たような臭いを感じます(メッシはそれほど尖ってはいませんが)。ちなみにメッシ、イブラヒモビッチ共にチーム最高齢でした。強烈な個性を持った選手はそれだけカリスマ性も高く、若い選手からもリスペクトされる傾向が強いのでキャリア晩年には若手の牽引や経験からくる試合中の読みでチームを勝たせているイメージがあります。 強強エンジニアは若手時代に同じような強強エンジニアを手本に、ベテラン・シニア時には若い強強エンジニアの個性を殺さずに見守るのが良いのでしょうか。(メッシがロナウジーニョの背中を見ていたように。)

ハーランドにはイブラヒモビッチの弟子になってほしいと思いますね。

まとめ

エンジニアはスキルがあればという意見が強いですが、自分のパーソナリティに合う環境、一緒に働くメンバーも同じくらい重要な要素です。 レアル・マドリードのような会社であれば技術的なパーソナリティを強くしスペシャリストのような役割を。 マンチェスター・シティのような会社だと技術的強みを生かしつつ多少オールラウンダーな振る舞いが必要そうです。 弊社はどちらかというとマンチェスター・シティ寄りでしょうか。レアル・マドリード的な風土も取り入れて強固な組織にしていきたいですね。

個人的には今回のブログはキャリアを考える良い材料になりました。

最後に

面談でサッカー談義がしたいと思われた方がいらっしゃいましたら、ご応募お待ちしておりますのでよろしくお願いします。

PS: 次は技術ブログを書きます。

ありがとうございました。

2 notes

  1. mediba-ce posted this