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PERSOL(パーソル)グループ Tech Talk #2 - 新規事業とエンジニア組織 - を開催しました。

パーソルグループの様々なサービスや事業の働く環境、使っている技術・開発環境などを紹介する「PERSOL(パーソル)グループ Tech Talk」。
今回は第2回目の開催テーマは「新規事業とエンジニア組織」です。パーソルグループは社員数5万人、グループ会社132社からなる、人材サービスを中心に展開しているグループです。テクノロジーを活用した事業創出に注力しており、毎年多くのWeb関連事業が生み出されています。グループにはたくさんのエンジニアが在籍しており、多くのサービスが内製開発で事業運営を行なっています。

今回はその中から「パーソルキャリア」「TECH PLAY」「シェアフル」「ミイダス」の責任者に登壇してもらい、トークセッションを企画しました。さまざまなバックグラウンドを持つテック人材が、どのようにしてサービスづくり、組織づくりを行なっているのか。ディスカッションを通じて、知ってもらう機会にできれば幸いです。

※ご登壇者の皆様の敬称につきましては省略させていただきます

企画やセールス組織とエンジニア組織はどう連携しているか。

ミイダス 大谷(以下、大谷):最初の質問ですが、こちらはフェーズによっても違う部分が結構あると思うので、ぜひ各社に聞いてみたいと思います。

パーソルキャリア 岡本(以下、岡本):パーソルキャリアの場合は、dodaという既存サービスがありますので、新規サービスとで2つの観点から話をさせていただきます。まずはdodaに関してです。元々このサービスは、技術スタック自体が古い技術を使っているので、開発の手法がウォータフォールです。どちらかというと、エンジニアのその役割としては、ディレクションと企画との連携、PMやPL的な役割を担っているケースが多いです。なので主要な観点からウォーターフォールのような感じで連携をしています。そして、新規サービスの場合は、他の各社さんと同様にスクラムやアジャイル型で開発をしているので、役割的にはテックリードやスクラムマスターを中心として、企画の方と一緒に開発を動かしていくという2つのやり方で、今フォーメーションを組んでいます。

シェアフル 横井(以下、横井):シェアフルの場合は、全体の組織構造の中で企画と呼んでいるチームは、全ての組織のハブみたいな感じになっています。弊社はサービスの立ち上げをして3年になるので、セールスが営業で実際に生のユーザーさんやクライアントさんの声を集めてきます。そしてその声をマーケが回していく中で、技術知見などをクイックにプロダクトに繋げていく必要があります。その中でこの企画チームがハブになって繋げる役割を担っています。
エンジニア組織は、基本的にはその企画とやり取りを行います。良くも悪くも、セールスから直で開発の要望がくることはありません。
今は企画で整理した内容をベースに、バックログを見ながら月のリリースに何を対応するかを話したりします。一方、開発の方では技術負債の返済でこの辺の対応を入れたいなど、棚卸で共有しながら進めています。企画が常にハブになることにこだわりを持っているわけではないので、エンジニア組織がセールスから直接要望を聞いたりとかもあってもいいかなとは思います。

大谷:企画がハブになっているのは、優先度付けだったり、その辺りの整理をすることに重きを置いているからでしょうか。

横井:そうですね。やはり営業が現場で集める声というのは、それはそれで真実ではもちろんあると思っています。しかし、それをプロダクトにそのまま反映するのかでいうと、サービス全体のUXを見ながら進めないと、違う方向に進んでしまいます。そういう意味では、その辺の調整を企画が行い、広い範囲で優先度付けをやっています。

大谷:確かにそうですね。営業から直で開発に要望を落とし込むと、声の大きいお客さんの要望を先にやりたがったりなどありますよね。

横井:そうですね。そのまま実装してしまい、プログラムの中にひたすら if 文でとある会社がby nameで入ってくる感じですよね(笑)

岡本:技術負債に繋がりますよね(笑)

ミイダス 磯崎(以下、磯崎):この会社だけだから...みたいな感じで要望がくるのですよね。

横井:昔はそういう要望に対して、「うは〜(辛)」と思っていたんですけど、今やそういう側(要望を出す側)になっちゃいましたけどね(笑)
「この会社だけだから〜」という横暴なCOOとかの発言を企画がブロックしてくれるのですよね。

岡本:あ〜確かに。

横井:僕「この会社だけだから〜」企画「いやいや横井さん、この会社だけだからって、何回目だよ!」って(笑)

ーー 一同笑い ーー

磯崎:そうですね。エンジニアとセールスが直接話すと、やはりセールスは強いですからね。

横井:正直な話、そこがうまくいくといいと思っています。変な歪みができたらよくないなと思うので。

磯崎:「自動車を発明しようとしているときに、顧客の声を聞いたら、「もっと速い馬がほしい」といわれるみたいな話がありますよね。決して直接売ってる人や顧客の声が正しいわけではないかなとは思います。

横井:そうですね。とはいえ、やはり真実はある側面での真実を語っているので、そこをちゃんと抽象化し「顧客の本当はニーズ」のところで解きほぐせる役割は大事ですね。今は厳密に企画と言ってしまいましたが、そういう能力を持った人がやるべきだと思っています。エンジニアだからとか企画だからとかではなく。

岡本:僕から皆さんに対して質問があります。企画・セールスと言われていますが、toCの場合は、Customer SuccessやSupportからのFlow、「プロダクトの磨き」のようなものがあると思っています。VOCからissueが上がってきた時の優先順位付けはどのようにされているのでしょうか?
当然先ほどのお話みたいに、セールスの場合のフロントの数字部分もありますし、toCの場合は顧客の生の声ですよね。そこにissueが上がってきた場合の優先順位付けをどのようにされているのかお聞きしたいです。

横井:それこそ、私はミイダスに聞いてみたいですね。

磯崎:ミイダスの場合は、社長が顧客の声に上がったものに対して、対応の判断をします。「これ特急で」という感じで、開発組織に飛んできますね。「これ特急で」って社長が言ったら、特急ばっかりになってしまったので、最近新幹線で、というのが出来ましたが(笑)
小さい案件はエンジニアだけですぐに対応していますが、ある程度大きめな案件については社長が一元的に、優先度を決めています。

岡本:なるほど、ありがとうございます。

横井:テックプレイは、そういう意味だとエンジニアがユーザーになるじゃないですか。エンジニアからのフィードバックは結構あったりするんですか?
テックプレイ 鈴木(以下、鈴木):そうですね。ユーザーからのフィードバックとかはあります。渋谷が会場を持っていた時は、直接意見をもらったりしていました。僕はまだ所属してなかった時代ですが、フィードバックの対応は迅速にやっていたようです。
あとテックプレイの場合はちょっと特殊で、開発してる私たちも使うサービスなので、ユーザー視点から、エンジニアにとってどうあるべきかとか、ということを反映していく流れはあったりします。

横井:良くも悪くもというか、結構いい方が多いと思うのですが、自分たち自体がユーザーじゃないですか。しかし本質的には自分も多くのエンジニアのワンオブゼムでしかないですよね。その中で「エンジニアはこういうのが好きだよ」と思う声と、ビジネスサイドの「数字的にはこうだ」と言った意見がぶつかったりしないのですか?

鈴木:ここはテックプレイならではなのかなと思うのですが、ビジネスサイドもエンジニアを尊重しなきゃいけないという思いがあるので、ぶつかるという事は、少ないかもしれないですね。要するに「ビジネスサイドが求めること = 本来はそのテックプレイヤーが求めること」になっていなくてはいけないので。そこを上手く見つけていくっていうのは、今のやり方でぶつかる感じはないですね。
「社内エンジニアへの協力を得たい」と思っている所もあるくらいなので、本当にエンジニアとか、テック界隈で働く人を本当にサービスとしてリスペクトしてるところがありますね。

新規事業を始めるにあたってどのような人物像のエンジニアを募集したのか。そして、どんな人物がマッチしたのか。

岡本:多分フェーズによってそのエンジニアの役割も違うと思っています。新規事業を始めた頃は、みなさん全員がフルスタック動いたと思うんですよね。ある程度フェーズが大きくなると、専門性が高くなってきて、組織が細分化されていき、役割も細分化されていきます。新規事業という観点では、思いっきりフルスタックで、それこそスタンス重視で動ける人ですかね。組織が小さい時のCTOと、大きい時のCTOの役割が違うのと一緒ですね。

横井:そうですね。僕はそういう意味だと長らくベンチャー畑でやってきたので、岡本さんが言ったように、創業期は結構がむしゃらでしたね。一方で、最近の界隈でいうと、所謂二週目ベンチャーというのが多いようです。どこかで上場までやった人が、再度色々知識をつけた上で、ベンチャーを新たにやるというような。
僕がちょっとその憧れがあってですね(笑)
今度やる時は、ちょっとまた違う切り出しでいこうと思っていました。昔は新しく始めるときはがむしゃらにだったのですが、今回は「最初から結構無理せずスマートにやっていこうぜ」みたいなところを押し出したと思います。だからどっちかって言うと色々結構経験値を持った人を最初は積極的に採用しましたね。

磯崎:確かに5. 6年前と今を比較すると、求める人物像が変わっているような気がしますね。以前はサービス立ち上げの経験者はいないので、熱意のある人、という感じでしたが。経験者が増えているので、状況が変わっていっているのかもしれないですね

横井:しかし結果論としては、別にどっちでもビジネスの成功にはあまり関係ないなと思ってますね(笑)

岡本:そうそう。実はそうなんですよね(笑)

横井:磯崎さんは結構初期の方からミイダスに居るじゃないですか。エンジニア組織も70名規模に増えていると思うのですが、何か感じますか?入ってくる人が結構変わってきたなとか思います?磯崎:本当に一番最初の頃は、勝手にどんどん開発やっちゃうよ、みたいな人ばかりでした。しかし、徐々に「仕様がないとできません」と言ってくる人も出てきたりしましたね。どんどん変わってはいると思います。ただ、採用のやり方とかをそこまで変えているわけでもないのですが。
ある程度売り上げ上がっているサービスになったので、採用募集に応募する人自体が全然違ってきてると思います。私たちが希望しているというよりは、サービスのフェーズにあった人達が来てるって感じがしますね。

横井:鈴木さんのところだと、エンジニアはそこまでまだ人数が多くない中での採用になると思います。やはり一人一人選ぶ時は、魂の友達(人間性や相性を重視して)を選ぶのでしょうか?

鈴木:ちょうど最近、弊社のエンジニアともそのような話をしていました。やはり魂の部分は大事だよねと言っていて。マインドとして「何かを良くしたいという気持ち」は最低限持ってて欲しいなと思います。
テックプレイという、サービスを見て応募してきてくれたのであれば、テックプレイを自分なりにでもどうしていきたいか、こういうサービスがいいんじゃないか、という気持ちは少しでも持っててもらいたいですね。
弊社のサービスは技術的にはシンプルなので、技術は後からでも付いてくると思っています。なので、「何かをよくしたいと思う気持ち」や人物像は大事にして採用しようとしていますね。

続きは、こちらのアーカイブ動画をぜひご覧ください。

イベントページ:https://miidas-tech.connpass.com/event/228018/

登壇者紹介

パーソルキャリア株式会社
公式サイト:https://www.persol-career.co.jp/

パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。

岡本 邦宏 / テクノロジー本部 エンジニアリング統括部 技術統括

岡本

渡豪し事業立ち上げ~売却後、株式会社CYBIRDにてモバイルコンテンツの事業責任者 兼 子会社のCTOを務める。 Softbankグループでは「BBシリーズ」 、株式会社レコチョクでは、定額制音楽配信サービス「Dヒッツ」立ち上げなど、大規模サービスへの成長に寄与する。
ヘルスケアスタートアップでは取締役CTO、スキルシェアサービスの「ココナラ」では技術統括を努める。その後、音声ベンチャー、不動産テックなど複数社の技術顧問などを経て、現在に至る。

シェアフル株式会社
公式サイト:https://sharefull.com/

1日単位ですぐに働けすぐにお金がもらえる、アルバイトサービス「シェアフル」の開発・運営を行っていますシェアフル株式会社は「スキマ時間を価値に変える」をビジョンに掲げた、パーソルとランサーズの合弁会社です。

横井 聡 / 副社長

横井

Webデザイナーとしキャリアをスタート後、SIerにて証券会社のシステムのバックエンドを担当。その後フロントエンドエンジニアに転向し、Adobe AIRを中心にアプリ開発を行う。事業部長として新規Webサービスの企画/開発/運用の全てに携わった後、2015年6月よりランサーズ株式会社にジョインし同年8月よりCTO。企画部長等も歴任し、2018年4月より開発執行役員を務める。2019年1月より、シェアフル株式会社の取締役に就任し開発組織の立ち上げを行う。2020年4月よりシェアフル社の副社長に就任し全体の執行責任を担う。

TECH PLAY(パーソルイノベーション株式会社)
公式サイト:https://techplay.jp/

IT勉強会やセミナーなどイベント情報のプラットフォームである「TECH PLAY」を運営しています。 「TECH PLAYERを増やす。TECH COMPANYを増やす。」というミッションを掲げイベント運営サポート、社内IT人材を育成する「TECH PLAY Academy」、DX推進における課題解決のためにプロフェッショナル人材をご紹介する「TECH PLAY PRO」も運営しています。

鈴木 康広 / プロダクトマネージャー

鈴木

プログラマーとしてキャリアをスタートし、音楽、人材、メディア、通販などの事業会社にてWEB系エンジニアからマネジャー、開発部長などを経験する。
同時にWEBマーケティングや企画職も兼任し、プロダクトのマネージメントやサービス立ち上げにも携わる。 TECH PLAYにはプロダクトマネージャーとして2021年4月にジョインし、自身のエンジニアとしての経験を活かしてTECH PLAYERとDX推進企業のためのより良いサービス作りに挑戦している。

ミイダス株式会社
公式サイト:https://miidas.co.jp/

転職アプリ「ミイダス 」の開発・運営を行っています。 「ミイダス」は職務経歴や経験・スキル情報から自分の市場価値を診断すると、企業から直接オファーが届く転職サービスです。

磯崎 勢 / 開発チームリーダー

磯崎

2000年、SI企業に就職。証券会社、電子マネー、大手保険会社などのシステムを経験。新規のサービス立ち上げに惹かれて、2015年よりミイダスに参画。バックエンドエンジニアとしてサービスを支えつつ、ここ最近は開発チーム全体の編成 なども担当。

モデレーター

大谷 祐司 / ミイダス株式会社 CTO

大谷

サイバーエージェントのネット広告部門で開発組織を立ち上げたのち、2013年にインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。マーケティング部門のDXを推進したのち、新規事業としてスタートしたミイダスの立ち上げに参画。その後2017年よりスタートアップ2社でCTOを経験し、2020年に再びミイダスにジョイン。


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