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全てのSafieカメラに位置情報連携機能を適用拡大

こんにちは。「Safie Pocket2」のプロダクトマネージャーをしている坂元です。
本記事では2022年11月に全てのSafieカメラで利用可能となった位置情報連携機能について紹介したいと思います。

位置情報連携機能とは

位置情報連携機能は、2020年10月にGPSを搭載するウェアラブルカメラ「Safie Pocket2」に搭載された機能です。
Safie Pocket2が取得した位置情報をマップビューアー(Safie Viewerの地図アプリ)上に表示して、映像データと紐づけて表示することができます。 移動による位置情報の変遷を移動軌跡として表示が可能なため、Safie Pocket2の軌跡を追いながら映像を確認することが可能となりました。
この位置情報連携機能により、ユーザーはこれまでの時間軸による映像管理だけでなく、位置情報による映像管理が可能となり、映像データの利活用の幅を広げられます。

Safie Pocket2と位置情報連携機能は多くの現場で活用いただいています。
ある現場では、現場従事者の移動軌跡と映像データを、効率的な導線を定着させるための新人教育に活用されています。また、遠隔パトロール中のトラブル発生時には、管理者が位置情報を即座に共有し、応援を現場に向かわせるといったユースケースで採用されています。

Safie Pocket2の位置情報連携機能(イメージ)

据え置きカメラにまで機能を拡大する理由

Safie Pocket2のようにウェアラブルカメラは移動を伴うので、変化する位置情報と映像データの紐づけが、いかに有用かは想像しやすいと思います。
今回、移動することがほぼない「据え置きカメラ」になぜ位置情報連携機能を開発したかの背景を説明します。 

  1. 映像データ+位置情報による映像データの活用を広げる
    Safie Pocket2で映像データに位置情報を紐づけることで、映像データの利活用の幅が大きく広がりました。据え置きカメラでも同じことを再現できると考えています。

    管理者は据え置きカメラの位置情報と映像を基に、現場従事者にこれまで以上に適切な指示を出すことが可能になります。
    例えば、河川管理の監視カメラ映像に位置情報と画角情報を紐づけるとします。すると災害発生時に、設置位置や、上流から見た映像か・下流から見た映像かを瞬時に判断して、適切な意思決定ができるようになります。

  2. カメラの複数台管理を効率化させる
    Safie Viewerではカメラの映像を見たいときにはカメラ一覧からデバイスを選択する必要があります。
    ユーザーはデバイス名を任意で付けることができるので、そのカメラを特定しやすいデバイス名を付けています。

    複数のカメラを管理する場合、デバイス名で管理されている
    しかし、複数台のカメラを導入している場合、デバイス名は「〇〇工事現場南門(北西側から撮影)」「△△ビル カメラ5号機」のように、方角やナンバリング等でカメラを管理していることが分かりました。
    カメラ設置した本人であればこれらのデバイス名でカメラを容易に特定できますが、現場を知らない場合、どこに設置され、どの画角で撮影しているカメラかを特定することが難しく、コミュニケーションコストが発生していたと推察しています。
    こうしたカメラの複数台管理のコストを軽減させるために、地図上にカメラ設置位置の表示、画角の情報を表示させる手法は有効だと考えました。

直感的なUI

Safie Pocket2と異なり、据え置きカメラの多くにはGPS機能が搭載されていない為、自動的に位置情報を取得することができません。
ユーザーが手動で位置情報を設定する必要がある為、カメラの位置情報をいかに簡単に設置させることに拘りました。
話はそれますが、Safieを選んでいただく理由でプロダクトの直感的な操作がよかったと言う声を多くいただきます。今回も多分に漏れず直感的に操作できるUIを目指しました。

カメラの位置と向きを設定する管理画面
マップビューアー(Safie Viewerの地図アプリ)の画面(イメージ)

  1. 管理画面の地図上にて、クリック&ドラックでカメラの位置を設定
    カメラの位置は地図上をクリックすると表示されるカメラアイコンを 地図上でドラックするだけで容易に設定できます。
  2. カメラの向きの簡単設定が可能
    カメラ向きはマーカーをクリックして円周上で動かすと、マップ上にあるカメラの向きが連動して変わります。
  3. マップビューアー内のカメラの視認性向上
    機能の適用拡大により表示されるカメラの数が増えることから、地図上のカメラアイコンの表示内容やデザインを見直し、視認性を向上させました。  

リリース後の反響

2022年11月のリリース後の1か月間で、位置情報連携機能の利用者は前月より約60%増えており(※)、据え置きカメラでの利用が進んでいます。
特に、建設現場等の屋外現場向けのSafie GOシリーズのユーザーの利用が多い傾向にあります。これは、広域の屋外現場に複数台のカメラを設置している建設業や土木業のニーズにマッチしている結果であると推察しています。
(※2022年10月と12月のマップビューアー利用者数の実績より)

最後に

2023年1月にSafie GOシリーズにGPS機能を持つ据え置きカメラSafie GO PTZ Plusが追加されました。
これにより自動でカメラの設置位置を取得しマップビューアー上に表示することが可能となりました。(23年1月時点でSafie GO PTZ Plus以外の据え置きカメラは手動設定による位置情報設定が必要です)

「映像から未来をつくる」がセーフィーのビジョンです。
映像データの価値を上げるために、映像デバイスやAI解析技術の開発が進んでいます。今回の映像データ+位置情報もまた映像データの価値を上げ、ユーザーが映像データの利活用の幅を広げる一手であると思います。
今後もさらなる提供価値を高めていくため、映像データ+位置情報のブラッシュアップを継続していきます。

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