LIFULL Creators Blog

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かぞく参観日でプログラミング体験教室を開催しました

こんにちは!

プロダクトエンジニアリング部の吉永です。

今回は2020/12/28(月)に社内イベント「かぞく参観日」で開催したプログラミング体験教室について紹介したいと思います!

アジェンダ

かぞく参観日とは?

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「かぞく参観日」はLIFULLで働いている社員のご家族の皆さまに、LIFULLについて知っていただきたく開催している社内イベントです。

毎年年末に開催しており、昨年まではお子様達に実際にオフィスに訪問してもらい、オフィス内を見学したり、様々なイベントに参加してもらうイベントでした。

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が、今年は新型コロナウィルスの影響もあり、オフィスへの訪問はせず、Zoomでのオンライン開催となりました。

初めてのオンライン開催ということもあり、事前準備などで 色々と苦労した点についても紹介していきます。

プログラミング体験教室について

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例年開催しており、人気のあるプログラムということで、オンライン開催となった今年度も開催することになりました。

オフライン開催だった2019年は「PETS」という実際にさわって学ぶ教材を使ったプログラムを開催したようです。

今年度は完全オンライン開催ということで、ハードウェアを絡めたプログラミング体験は遠隔サポートの難易度が高いので難しいだろうと判断し、PCやタブレットで実施可能な教材を使用する前提で実施する内容を検討しました。

プログラミング体験教室の講師を引き受けた背景

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私は前職で2016年から毎年4月~9月ごろまで、新入社員向けのプログラミング研修の講師を務めていました。

研修講師を務める前までは、どちらかというと自分自身へのインプット中心で、後輩や部下のOJTなどは業務だから行っているという気持ちで取り組んでいました。

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仕事だから仕方なくという姿勢で取り組んでいた私のマインドを切り替えてくれたのが、2016年に初めて携わらせていただいた、新入社員向けのプログラミング研修の講師という仕事でした。

IT企業の新入社員といっても、昨今の人材不足の影響もあり、学生時代にプログラミング未経験で入社されてくる方も近年はかなりの数でいらっしゃいます。

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プログラミング未経験の新入社員でも、3ヶ月間の研修を受けて配属されるまでの間に簡単なWebアプリケーションを構築できるまでに成長することができ、そんな方々のサポート、教育に携わることの「楽しさ」が恐らく今の私の教育関連への関心の高さを形成したのだと思っています。

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自分の知識をアウトプットすること、説明する人毎に異なる観点で説明して理解してもらうこと、これらの「楽しさ」に気づくことができ、エンジニアとしてよりレベルアップできたと感じることができたので、現在ではインプットした内容を如何に早く、第三者に分かりやすい内容でアウトプットできるかということが私の学習サイクルになっています。

そんな背景もあり、LIFULLに転職した今でも、週一回の社内サークル活動にて非エンジニア向けのプログラミング教室を開催しています。

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参考までに開催している教室で使用している教材記事の一覧です。

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今回はその活動を知ってくれていた人事部の方からお声がけいただき、かぞく参観日のプログラミング体験教室の講師を引き受けることになりました!

プログラミング体験教室の教材テキストについて

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前職で講師を務めていましたが、研修のカリキュラムや、研修で使用する教材テキストの開発などには関わっていなかったので、1から自分で内容を検討するところから始めました。

その際に大事にしたことは

  • プログラミングを楽しいと思ってもらえること
  • プログラミングの基本である、逐次・反復・分岐を詳細に説明することなく理解してもらうこと
  • シンプルな動作を行うパーツを組み合わせて、少し複雑な動作を行うことができることを理解してもらうこと

の3つです。

これら3つの要素を意識して作成した教材テキストをQiitaにて公開しています。

qiita.com qiita.com

体験教室当日はプログラミング体験~Scratchでプログラミング入門~ひらがな多め版の記事をZoomで共有しながら実際にプログラミング体験をしてもらいました!

ひらがな多め版を作った背景ですが、下記のような要件がありました。

  • 今回の体験教室の対象年齢を小学校3年生以上としていた
  • 体験教室が終わった後も復習で使えるように、お子様が読める文字で教材を作っておきたかった
  • 事前準備で教材とは別の資料を試しに全文ひらがなで作ってみたところ、とても読みづらい資料になった
  • よって全てをひらがなにするのではなく、小学校3年生までに習っている漢字を残して、習っていない漢字をひらがなにしたかった

習っていない漢字を調べるのは大変なので、事前準備を手伝ってくれたメンバーがテキストをペーストすると、小学校3年生までに習っていない漢字を赤字で表示してくれるWebツールを見つけてくれました。

正直このツールがなかったら全文ひらがなか、そのまま漢字を残した原文のままかのどちらかにしていたと思うので、このような便利なツールを見つけてくれたメンバーとこのWebツールを作ってくれた作者さんに感謝します!

※このツールを使ってみたい方は検索エンジンで「習っている漢字」などのキーワードで検索してもらえると見つかると思います!

プログラミング体験教室のカリキュラムについて

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テキストの次はカリキュラムですが、教室の枠が1時間だったので、1時間でチュートリアルから演習問題作成までを行ってもらうことを考慮して設計しました。

  1. 概要説明・・・10分
    概要説明で使用したスライドの大まかな内容です。
    下記に加え、お子様向けにイラスト多めのスライドを作成していただきました。
    • プログラムとは?
      • プログラムとは、コンピュータで動かしたいモノの「動きのじゅんばん」や「どうやって動かしたいか」を文字で書いて、コンピュータがその文字を読んで動かしているよ!
      • どうぶつの森で、虫をつかまえたり、魚つりをしたりするのもプログラム!
      • ポケモンGOで、モンスターボールをなげるのもプログラム!
      • パパ・ママが作っているLIFULL HOME'Sで、おうちをさがすのもプログラム!
    • プログラムってどうやって作るの?
      • コンピュータで動かしたいモノの「動きのじゅんばん」や「どうやって動かしたいか」を文字で書いて作っていくよ!
        • その他にも、今日みんなでいっしょにたいけんする「スクラッチ」のように、図形を組み合わせて動かしていく作りかたもあるよ!
        • プログラムを作る人のことを、「プログラマー」とか「ソフトエンジニア」と呼ぶよ(よびかたは他にもたくさん!)
        • みんなが大人になってはたらく時には、もしかしたらプログラムの作り方はかわっているかもしれないよ…!
    • プログラマーってどんなお仕事なの?
      • コンピュータで動かしたいモノの「動きのじゅんばん」や「どうやって動かしたいか」を文字でたくさん書いてプログラムを作るお仕事だよ!
        • いきなりたくさんの文字を書くと、まちがえてしまうこともあるので…システムの全体図とか流れ図を作ったりするよ!
        • 「動きのじゅんばん」や「どんな動きにするか」イメージがついたらたくさん文字を書いていくよ!
        • 「動きのじゅんばん」や、「文字で書いた動き」が正しく動いているかチェックするよ!
    • プログラマーって楽しいの?
      • たいへんなこともあるけど、楽しいことの方が多いよ!
        • 自分で作ったプログラムが家族や友だちに使ってもらえるとうれしいよ!
        • 「べんりだね!」とかんしゃされることもあってとてもうれしいよ!
    • プログラマーに向いている人ってどんな人?
      • こんな人がむいているよ!あてはまらない人でもプログラマーになりたいって思ってちゃんと勉強すれば、だれでもなれるよ!
        • 新しいゲームがでたらすぐにほしいって思う人
        • 算数がすきな人
        • 図工の時間にモノづくりするのがすきな人
        • ゲームを自分で作ってみたい人
    • きょうやること
      • 「スクラッチ」っていう、プログラムをかんたんに作れるソフトを使って、プログラムを作ってみるよ!
        • どうやったら音がなるかな?どうやったらキャラが動くのかな?みんなで考えてみよう!
        • これでみんなもプログラマーデビューだ!
  2. Scratchチュートリアル・・・15分
  3. 演習時間・・・20分
    • 参加してくれたお子様の親御さんのサポートのもと、教材テキストの流れに沿いながら演習問題を解いてもらいました。
  4. 演習問題発表会・・・10分
    • 作成した演習問題を発表してもらいました。
  5. 演習問題解答例解説・・・5分
    • 解答例の簡単な解説を行いました。

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実際に事前に設計したカリキュラムの時間割とは少し違ってしまったのですが、当日の流れを見て、概ね上記のような流れで実施しました。

実施してみて

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  • 事前リハーサルで小学校一年生のお子様がいらっしゃる方に協力してもらい教材テキストの流れを一通り実施してみたところ、下記のフィードバックを得ることができました。
    • チュートリアルはあまり説明しすぎるとお子様が飽きてしまうので、操作方法などの概要を教えた後は、お子様に自由に操作してもらった方が良い。
    • 演習問題の枠にあまりとらわれず、直感的に思いついたことをお子様にやってもらった方が良い。
    • マウスの操作方法など、PCの基本操作がわからないので、その辺りの操作方法からサポートしてもらえると良い。
  • これらを踏まえ、当日実施してみたところ、どのお子様もみな真剣な表情で演習問題に取り組んでくれていました。
  • 演習時間は少しもくもくとやる雰囲気になってしまったので、もう少し皆でワイワイできるような雰囲気づくりを講師としてできれば良かったなと思いました。
  • 発表会はマストにするのではなく、「皆に共有したい人ー発表してくださーい」、くらいのライトな感じにする方が良いと思いました。こだわりの作品を作成途中で無理やり発表させてしまうことは本意ではなく、またこの教室の目的はあくまでプログラミングを「楽しんでもらう」ことだったので、この辺りの配慮が欠けていたなと反省しています。

まとめ

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お子様向けのプログラミング体験教室を実施してみて、新入社員向けのプログラミング研修とはまったく別の観点や配慮が必要だということに気づくことができ、個人的には非常に多くのことを学べた、良い機会でした。

今回実施してみての一番の収穫は「お子様の発想力は大人を凌駕することがある」ということでした。

演習問題などの枠組みを用意してあげることも重要ですが、その枠から自由にはみ出てもらい、自由に作ってもらうことで運営側が想像もしない成果物を作ってくれるということを知れたのはとても良かったです。

教える側の想像を超えてくるものを見ることができるのはお子様向けプログラミング体験教室の醍醐味であり、教える側にとってもより教える楽しさを味わうことができるので、また教室を開催したいなと思えました!

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カリキュラムや教材テキストを作る側の苦労も体験することができ、今までは研修を実施するだけだったので、また一歩レベルアップできたかなと思います。

とはいえ、まだまだカリキュラムや教材テキストに関しては素人だと思いますので、色々な先人達の例を参考にしながら、自分なりのカリキュラムや教材テキストをもっと高いレベルで作成できるようになっていきたいと思います!

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2020年からプログラミング教育が小学校で必修化され、今後ますます関心が高まっていく分野と思いますので、今後教材開発やカリキュラム作成に携わる方々の参考にしてもらえれば幸いです。

最後に、今回のプログラミング体験教室開催にあたりご協力いただいた方々、お忙しい中スライド作成やリハーサルなどにご協力いただきありがとうございました!

私一人では到底実施することはできず、チームの力で実施することができた、とても良い教室でした!

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以上となります。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。