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SHIFT Game Producer Meetup #17 データ・ドリブンなゲーム運営について迫る~ビッグデータの分析がもたらすゲームビジネスの成長~

はじめに

こんにちは★SHIFTエンターテインメント業界ウェビナー担当の高木です!

今回で17回目となる、ウェビナー「SHIFT Game Producer Meetup #17 」では、シンキングデータの白石 氏と、リーン・ニシカタの西方 氏をお招きし、1LDK朝岡 氏をファシリテーターに対談を行いました。

一部分ではございますが、その様子をぎゅっとまとめてお届けします!

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執筆者プロフィール:高木 真愛
WEB広告代理店で営業・広告運用を経験し、その後はしばらく接客業にて奮闘。現在はSHIFTにてセミナー運営、バックオフィス業務、SHIFTnoteのライターを担当。

テーマ「データドリブンの必要性」

シンキングデータ 白石氏(以下、シンキングデータ 白石):
世の中的には顧客像というものが見えにくくなってきているのが大きいところだと思っています。浴びる情報が増え、考えや思想がすごくぶれてきて「誰がお客様なんだっけ?」がぼやけてきてしまっている。それをいち早く正確にとらえる。それをビジネスの価値に反映させていくというのが大きな1つ目かなと思っています。

もう1点あって、これは守りのデータドリブンだと思うのですが、例えば経営層や幹部層、マネージャーぐらいの方々が意思決定をする時に、これまでの勘とか経験みたいなもので意思決定をされると、従業員が納得できなくなってきているんですよね。データという1つの軸を持って公平性とか透明性が重要になってきていて、それを軸に意思決定することによって組織運営が潤滑になるという守りのデータドリブンが2つ目。

リーン・ニシカタ 西方氏(以下、リーン・ニシカタ 西方):
皆さんご存じかと思うのですが、今のゲームって時間を使って本当にやり込んでいる方もいらっしゃれば、隙間時間に少し触るっていう人たちもいて、そういう色んな人たちに対して、何が課題なのかは一概には難しい。

1人の感覚だと想像つかない遊び方をしているようなユーザーさんが、実はゲームでは重要なお客様だったりということがあったりするんです。そこを見つけられるデータドリブンは1つの道具として有用なのかなと考えています。

テーマ「分析画面の公開、具体的な分析方法」

1LDK 朝岡氏(以下、1LDK 朝岡):
どういう風にデータを見ているか、何を重要視しているか、簡単にプロダクトのところをご説明していただきたいです。

シンキングデータ 白石:
こちらはThinking Engineという名前で、高度な分析が誰でも扱えるようなツールです。これは実績が多くなってUI/UXが洗練されてきています。 分析の細かさとUI/UXが良いので「誰でもアナリストになれますよ」というのが我々のキャッチコピーになっています。

日本のいくつかのお客様に聞くと「データの取得はここでやっていて、ストレージはこうやっていて、抽出はSQLを叩いて、可視化はコレで」という意見が多いんですが、それを全部1ツールでやりますよというのが我々の取っているポジションとなります。分析手法もかなり簡単なものからちょっと難しいものまでデフォルトで11個ぐらい入っています。これが全部ノーコードでいじれますというツールです。

シンキングデータ 白石:
これがダッシュボードになっています。見え方としてはプロジェクトの名前があって、単純にアプリ名が入ってきてアプリを選択していただけます。

左側にはダッシュボードのフォルダ分けがあります。スペースが上位で、フォルダとダッシュボード。ダッシュボードが可視化されているのがこの右側。このダッシュボードに載っている紙ぺらみたいなものがレポートです。このレポートをどう作るかというと、この上にあるところから選んでポチポチっとするとできます。それでは一瞬でDAUを作っちゃいますね。

1LDK 朝岡:
DAUって作れるものなんですか?(笑)

シンキングデータ 白石:
DAUはデータベースから持ってくればパパッと出来ます。 過去30日のDAUの折れ線を作りました。こんな形のプロダクトになっております。

1LDK 朝岡:
ありがとうございます。ここのDAUが上がったり下がったりしていて、何故下がっているのかを深掘るにはどうすればいいんですか?

シンキングデータ 白石:
1番簡単な方法が、例えば今日は下がったと仮定しますね。今日ログインしたユーザーが見られるのですが4000人ぐらいいます。

こう見ると4000人のリストが出てきちゃうんですが、アカウントIDというところを開くと、ユニークIDをタップすれば、その1人のユーザーがどういう人なのかというのが分かります。

1LDK 朝岡:
へぇ。すごい。アカツキにいる時に使いたかったですね(笑)。売上とかはどこで見られるんですか?売上は課金のところですか?
シンキングデータ 白石:そうですね。売上も課金額の合計じゃないですか。何も説明せずにやっちゃうと本当にパパッと出来ちゃうんです。

1LDK 朝岡:
なるほど。分析ツールを入れだすタイミングってKPIというか「売上が下がってきたな」「でも何がダメで下がっているんだ?」に紐づいて分析の会社さんにご相談とかする時が多いんじゃないかと思いますが、売上を構成する要素ってどういうところを御社は見られているんですか?

リーン・ニシカタ 西方:
あまり細かいところを見るよりも、まずDAU×課金率×ARPPUみたいな基本的なところを見て、売上が下がっている要因が人が減っているから下がっているのか、それとも人は減っていないけど課金してくださるユーザーさんが減っているのか、それとも両者は変わっていないけれども1人当たりの課金額が下がったことによる影響なのかは最初に切り分けるところになりますね。

1LDK 朝岡:
なるほど。例えば「DAUが落ちています」って大体数字を見たら分かると思うんですが、何が具体的に減っているのかも見たりするんですか?

リーン・ニシカタ 西方:
そうですね。例えばさきほどの売上の減っている現象が人によるものだと分かった時に「どういう人が減っているんだろう?」を見る前に、まずは継続率を見ます。ちなみにこのツールで継続率って見られるんでしたっけ?
シンキングデータ 白石:ちょうど今、課金率とARPPUを・・・裏で今作っちゃおうと思っていました。

1LDK 朝岡:
僕、色々な分析ツールとか使っていたんですけど、往々にしてあるのがツールが難しすぎて使いこなせないって結構ありますよね。「UIがよう分からん」みたいな。「だったらクエリ叩いて自分で叩いたほうが早いわ」って僕は当時なっていましたけど、これぐらいスムーズにできるんだったら楽ですね。これ。

リーン・ニシカタ 西方:
新規ユーザーの継続率を見る時に結構リセマラユーザーがいて、そういう人たちを抜くか抜かないか、抜くとしたらどういうロジックで抜くかで結構複雑な定義が必要になってきて。例えばそれをSQLでやると色々なところから色々な関連テーブルを繋げないといけなくて、クエリが煩雑になってしまうことが良くあると思うんですけど、このツールだと条件とかを複数指定したりとかもできるんですかね?

シンキングデータ 白石:
そうですね。まずBotを識別するのには色々な条件はあって、条件を作ることはもちろんできます。

1LDK 朝岡:
Botの識別ができるのはいいですね。「本当のインストールっていくつなんだろう?」みたいな。

シンキングデータ 白石:
Botの識別を自動的に機械学習回してやっている訳ではなくて「こういう人はBotである可能性が高いよね?」ということでそれを定義づけするという感じですね。
例えば、単純にユーザーにYes/Noの条件を付けることができて、Botとは離れてしまうんですが、例えば「課金を過去30日間で10回やっている人」という条件追加もできます。かつ「登録は過去何日間でやっている」とか、条件に対してもう1つ付けるということもできます。フィルターですね。

シンキングデータ 白石:
あとはここもデータアナリスト的には推しのポイントではあるんですけど、例えば条件って「過去7日間」と言われて明日になったら日付がずれるじゃないですか? それをずれたまま再計算すると、意外と面倒だと。なおかつ過去に戻るっていうのは意外とSQLって面倒だったりする。例えば起動頻度、いわゆるFQ7を簡単に作ることが実はできたりします。

リーン・ニシカタ 西方:
その日を起点にした計算が今のバッチ処理で全部できるっていうことなんですね。

シンキングデータ 白石:
そうです。

1LDK 朝岡:
なるほど。西方さんはより細かいところまで見る際に分析で見てらっしゃるって点ってあるんですか?

リーン・ニシカタ 西方:
そうですね。白石さんもおっしゃっていたように新規ユーザーの継続率って結構ご覧になっていると思うんですけど、例えば長年運用しているタイトルだと新規ユーザーよりも復帰ユーザーのほうが実は流入多いケースもあって。そういった継続率を見ることを割とよくやっています。

質疑応答

―ここで視聴者さまからの質問にお答えいただきました。

「低課金層と高課金層のユーザーセグメントでは、あまりお金使わない方とかなりお金使う方が割と分かりやすいと思うんですけど、ミドル層みたいな月5,000円から10,000円あたりの傾向を今までの分析経験などで示唆をいただければ幸いです」

リーン・ニシカタ 西方:
どんなミドル層の人たちがどんな遊び方をしているのかを把握する必要があると思っています。我々がよくやる手法だと、こういう絵を描くことをやっています。

1LDK 朝岡:
へぇ。すごい!

リーン・ニシカタ 西方:
エンゲージメント・マトリクスと呼んでいるんですけれども、横軸に1か月間のアクションの実行率を取って、縦軸にアクションの平均試行回数を取って散布図を描きます。 1個1個の点がゲーム内での主要アクションになっていて。例えばクエスト開始とかガチャとか、キャラクターレベルアップがあります。

これを見ると、まず熱量の軸でいうと、例えばサインインよりも頻度が上か下かで、大体サインインより上に来ている行動はログイン。ゲームを立ち上げたら1回やるアクションになっているし、下回っていたらゲーム立ち上げてもやるかどうか分からないアクションになっています。

この横軸の頻度を見ると、認知という言葉に置き換えることもできるんですけど、何%の人がやっているかをプロットしているので、軸としては0から1になります。これが0.5よりも右か左かで、結構行動の性質が分かれていて、0.5より上であれば2人に1人ぐらいがやる行動なのでメジャーなアクションです。

一方で半数よりも下回る機能はメジャーではない機能で、さっきのサインインの軸と併せてこの散布図を4つの象限に分けることができます。

リーン・ニシカタ 西方:
これを色んなセグメントで分解してこのバラツキ具合を見ると、違いが分かってきます。例えばセグメントDがミドル層だとして、もうちょっと上位層をセグメントCだとすると、ミドル層と上位層との遊び方の違いがこの散布図を見ると分かってきます。

この例だとキャラクター上限、赤いほうを割と上級者はやっているけれども、ミドル層はそうでもない。ミドル層がやっている行動がこの右上の象限に入ってくる行動なので、そういったところからもミドル層の遊び方が割と推測がしやすくなります。このようにどんなユーザーがどんな行動をどれだけ認知と熱量があるのかを整理しておいてチーム内で認識を合わせておくと、対策にもつながりやすいし、ユーザー像も感覚的ではなくてある程度定量的な後押しもあって見えているというところでオススメしている手法です。

―最後にゲストの皆様からひと言頂きました。

リーン・ニシカタ 西方:
白石さんのツールの紹介を見ていて、おっしゃる通り今のアナリストって常日頃SQLを書いているなっていう印象があるんですけれども、そういった時間を分析そのものに使えるところは業務経験にもなるし、きちんとアナリストが活躍できる場が増えるんだろうなという印象があり、普及すると素晴らしいなと思いました。 本日はありがとうございました。

シンキングデータ 白石:
ありがとうございます。会話としてレベルが高くて難しいことを言っていたなと反省しています。ただプロダクトとしては使いやすいのが売りですので、お問い合わせいただければ対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。 本日はありがとうございました。

―ここでトークセッションも終了。

いかがでしたでしょうか?今後も「SHIFT Game Producer Meetup」を開催してまいります。ご期待ください!

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