【資料公開】「Career Design Night #6 社会課題に向き合うインハウスデザイナーの本音とキャリア」を開催しました

こんにちは、エス・エム・エスで採用担当をしているふかしろ(@fkc_hr)です。 プロダクト開発部にはエンジニアだけではなく一緒にプロダクトを作っているプロダクトデザイナーが所属するデザイン組織があります。

2023年6月15日に開催された「Career Design Night #6 社会課題に向き合うインハウスデザイナーの本音とキャリア」にて、デザイン組織の編成やチームの雰囲気、事業会社でインハウスだからこその悩み・楽しさなどについてお話させていただきました。 イベントの後半は実際に参加者の方からもご質問を頂きながら、参加したデザイナー/マネージャー陣がさまざまなリアルな回答をしてくれました。 人数制限もあったため、他の方にもぜひ知っていただきたいなと思い、一部抜粋するような形で特に印象的だった質問と回答をご紹介いたします。

資料

インタラクションの質問と回答

Q.介護事業は課題もあり複雑なイメージがあるのですが、何が業界のボトルネックなのでしょうか?

介護事業所には継続的に経営課題が降りかかる

まず、経営観点での法人の課題としては、継続的に経営課題が降りかかることが挙げられます。 介護業界の仕組みとして、国の社会保障をもとに費用回収をしています。弊社からすると今後伸びゆく大きな市場ですが、国の視点に立つと費用が増えることになり、都度見直しをされています。その中で、実際にカイポケのユーザーである介護事業所を経営している方からすると、削減を余儀なくされている不安定な状況で、継続性に不安を抱えているという課題があります。 また、見直しに伴って、介護保険制度の改正なども数年に一度行われるため、仕組みが変わることへのオペレーション変更対応なども必要で、介護事業所は同じ業務を繰り返しているだけでは自然と経営を続けることが難しくなっています。

介護従事者がケアに集中できない

また、介護の現場で働く介護従事者の方の課題としては、本質的なケアに集中できないことが挙げられます。 介護の現場の業務は今でも紙文化で、指定のフォーマットに記入する必要があります。そして、複数の事業所同士が連携する必要があるため、データの更新があった際にも紙に記入しFAXで送るという形が現在でも取られています。その結果、高齢者の方にサービスを提供することが本業なはずなのに、高齢者の方と向き合う時間以上に紙やパソコンやホワイトボードに向き合う時間が長くなっているという課題があります。

上記2点から総合的に、非効率な現場を効率化し、経営課題を解決することが重要だと考えています。カイポケはユーザー業務の体験をいかに向上させるかがとても大事なので、マーケットにとってのボトルネックの解消のためにプロダクトづくりを日々進めています。

デザイナーとしてやりがいに感じる瞬間を教えてください。

複雑なフローを確実に「よりよくできた」と思えること

まだ入社二ヶ月で経験少なめなのですが、それでも介護事業のフローの複雑さを感じています。画面パターンを検討していて、テスト版を先行して試してもらっているユーザーから「この方が使いやすい」「もっとこうしてほしい」というコメントをもらえたときに、一歩ユーザーのお仕事の手助けになれたかなと感じて嬉しかったです。

ユーザーの距離が圧倒的に近いこと

これまで関わったサービスやプロダクトの中で、一番ユーザーとの距離が近いと感じています。上記にもありますがユーザーと検証で話す機会も多いですし、社内にドメインエキスパートと呼ばれる、介護事業に精通したメンバーがいます。UI画面を作る中で、ユースケースに悩むことは多々あるのですが、その度に相談に乗ってもらえてるのがとても助かっています。デザイン作業を通して、介護従事者の方の仕事の仕方がぐっと解像度高く見えてくる瞬間があって、誰かが実際に使うサービスを作っていると強く意識するので、モチベーションになります。

リモートワークを感じさせないコミニケーション

基本的にプロダクト開発組織はリモートワークです。デザイン組織は毎日夕方にdaily ミーティングを設けて疑問を共有したり、心理的不安を解消するために会話の機会を多く設けていて、下手に出社する会社より会話は多いと感じています。私は愛知県からリモートワークでお仕事してるのですが、遠方なことをマイナスを感じずに働けています。

デザインについて理解があまりない方に対して、どのように接することを心がけていますか?

理解ではなく共感を

プロダクトデザインチームではエンジニア、PdM、QAと一緒にプロダクトづくりをしています。 その中で意識していることは、ただ自分のデザインを理解してもらうよりも前に、まず「ユーザーへの共感」をしてもらうことです。 デザイン自体は、あくまでユーザーの課題や期待に沿って、デザイナーが工夫してアウトプットしたもの。誰のために、何のためにこういうデザインが必要だ、という一連の論理的な説明の構成が大事だと考えています。より開発関係者に共感をしてもらうために、例えば、インタビューやテストの録画をみんなで視聴するなど、いわゆる0次情報である、リアルのユーザーの言動と思考プロセスを共有しています。

さいごに

カイポケは介護業界に特化したSaaSです。エス・エム・エスとして叶えたい高齢社会の課題解決の方向性と、実際に利用頂いている介護従事者の皆様は同じ方向を向いているので、率直にフィードバックをもらいながらプロダクトづくりを推進することができています。

たくさんの事業所に使っていただいているからこそ、実際のユーザの顔を見ながら、ユーザー体験の良いプロダクトを深く思考し作ることができる良い組織だなと改めて感じました。

エス・エム・エスでは、プロダクトデザイナー、コミュニケーションデザイナーと幅広くユーザー・マーケットに向き合ってくれる方を募集しています。 もし「もっとお話聞きたいよ」と思っていただいた方はお気軽にTwitterでご連絡いただくか、カジュアル面談申し込みページからご応募ください。