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スクラム開発の現場から:スプリントレトロスペクティブの見直し方


はじめまして、SHIFT DAAE部 小川です。
今年6月まで1年程度スクラム開発に携わっていましたので、その中でも自身が苦戦したスプリントレトロスペクティブ(ふりかえり)について書き上げていきたいと思います。

私もそうでしたが、ふりかえりは「忙しいビジネスマンはやる時間がない」「重要性が見いだせない」と色々と敬遠されがちです。
でも「ちゃんとやらないといけない」「でもつまづきが多すぎてメンバーに強制できない」など、そう思っている方に少しでもお役に立てればと思います。

切り口は以下の3つの悩みベースで述べたいと思います。

  • 時間はどの程度必要なのか分からない

  • 発言しない人がいて全員参加の意味がない

  • 良いツールが見つからない

時間はどの程度必要なのか分からない

結論から申しますと、「プロジェクトの特性に合わせて」「プロジェクトの状況に応じて」となります。
ただ、経験した結果30分とか1時間以内でできるものではないなと思いました。1時間以内でできるものはまず成果は無い(意見が出ないとか、アクションアイテムの選定が正しく行われない)

アジャイル関連の書籍やレトロスペクティブを説明しているサイトを見ますと2週間スプリントでは60~90分が最適と言われています。
なので、以下に示す内容をこなせるかつプロジェクトの状況(忙しくて時間があまり取れないなど)に応じて適切な時間を設定することが望ましいです。

レトロスペクティブのざっくりの流れは以下があると思います。(KPT手法前提)

90分に満たないですが、大体こんな感じで時間を確保しておきます。盛り上がるときは90分やるし、サラッと終わるときは65分で終わる。みなさんの大事な時間ですが、大事なレトロスペクティブなのでこのように60分から90分を使っていくのが理想です。

「会議主旨・目的説明」は初回だけで良いという意見もありますが、メンバーの入れ替わりや説明を聞いてない可能性があるので端的にPowerPointのスライドにまとめて毎回見られるようにすると毎回有意義なレトロスペクティブを実施できると思います。(常にチームメンバーは忙しいですから)

スクラムマスターとしては状況に関係なく90分取りたいです。 なぜならばレトロスペクティブの目的として以下があるからです。

  • 立ち止まる

  • チームの成長を加速させる

  • プロセスを改善する

それ以外に以下の事情もあります。

  • 忙しいメンバーの時間確保が難しいので枠で囲っておきたい

という感じでスクラムマスターの意見でもありチームのためでもあるため、レトロスペクティブを軽視せず積極的に時間を確保するべきだと思います。

発言しない人がいて全員参加の意味がない

こんな経験ありませんか?

  • 話している人が一定

  • みんな毎回同じこと言っている

私の経験したレトロスペクティブでは、意見を出さない・出せないという問題に躓くことが多々ありました。その際にプロジェクトにいたメンバーの助言で、一人KPTを一つずつ挙げるということをやりました。これで意見が出ないということがなくなりました。
ただ、そうすると次の問題が出てきます。「毎回言っていることが同じ」という次の問題が出ます。この問題は解決できずに終わってしまいました。

どうすればよかったのか。というのを考えていきたいと思います。
私の参加したプロジェクトではすでにチームは出来上がっていました。なので思いつきもしませんでしたが、DPAという手法を取り入れてもいいのかなと思いました。
DPAはDesign the Partnership Alliance の略でふりかえりのルールを全員で作り上げる手法になります。
どんな雰囲気でふりかえりを進めたいか、その雰囲気を作り出すために何をするのかの2点をメンバーで決めます。

どんな雰囲気・・・
話している人が一定という問題がありました、もしかすると発言しない人は集中していなかったのかもしれないので「集中してふりかえりする」とか、発言するのが怖いとか恐怖心があるかもしれないので「楽しくする」というのもありかもしれません。

雰囲気を作るためには・・・
「集中してふりかえりする」→内職しない とか リモートだったらカメラオンにして人に見られている感を出し集中する場を作り出すというのは良いかもしれません。

「楽しくする」→発言を否定しない とか 話している間にTeamsなどのリアクション(いいね)を送ったりして場を盛り上げるというのも良いかもしれません。

スクラムマスターが色々な書籍・サイトをもとに悩むのも必要ですが、実際に参加するメンバーの意見も取り入れることも考えてもいいと思います。
そういうことをやってこそチームビルディングなのだと思います。

良いツールが見つからない

私がスクラムマスターをやっていたときは以下の2つを使いました。

  • Team O'clock

  • Confluence

それ以外にも使えそうで興味がある「miro」も合わせて紹介していきます。何かツールに迷ったときのご参考になれば幸いです。 ※KPTをするときに非常に便利という視点です。

Team O'clock

まずは「Team O'clock」です。これは実際にプロジェクトで使用していました。

ファシリテーターの味方!と言えるほどのツールでした。
良い点をリストアップします。

  • 記載中、他メンバーが書いているのがマスクされる(これ大事)

  • タイマー機能

  • 投票(これも大事)

  • アクションアイテムを見返しやすい

逆に悪い点。

  • 有料

  • 英語

まだレトロスペクティブしか使っていないのですが、他にもDaily Standup、Planning Pokerがあります。ぜひ試してみたいと思います。

ご興味がある方はこちらから
https://www.teamoclock.com/

Confluence

続いては、Atlassian社の「Confluence」です。
基本はWikiですが、様々な用途に使えます。
私の場合は上記の「Team O'clock」が利用できないときにプロジェクトで「Confluence」を使っていたこともありこちらで実施してみました。
※そのときは「Team O'clock」のレトロスペクティブの上限を超えてしまったが、サイトには載ってないので仕様が変わったかもしれません。

こちらも良い点をリストアップしていきます。

  • すでに「Confluence」を契約していればそのまま利用可能

  • 日本語

  • テンプレートが用意されている

  • 「Confluence」のアクションアイテムの機能を用いればレトロスペクティブのアクションアイテムも見返しやすくなる

逆に悪い点。(「Team O'clock」の良い点がそのまま悪い点になっています。)

  • 他の人が書いているのが見えてしまうので意見が流されやすい

  • タイマー機能が無い(これは自力で測れば問題ないですがほしい。)

  • 投票できない(無理くりできなくもないですが「Team O'clock」の場合は匿名で投票できるので表がしっかり割れてくれます。)

気になった方は以下のAtlassianのページをご覧ください。
https://www.atlassian.com/ja/software/confluence/templates/retrospective

miro

miroはホワイトボードソフトウェアです。
どうしてもオンラインだとリアルな現場のホワイトボードにたどり着きませんが、たどり着かせてくれるのではないかと思わせてくれる操作感です。

実際にトライアルでBusinessプランを使ってレトロスペクティブの機能を試してみました。
上述の通り直感的なので初めてでも楽しい、回数を重ねても飽きがこないのではないかと思いました。やっていて楽しい!

良い点は「Team O'clock」と同じなので割愛です。
それよりも良い点を。

  • 時間で「あと1分追加」の操作がやりやすい

  • 直感的なので飽きない

  • 気になったらコメントを追加できる

  • JIRAと連携すれば付箋から課題追加ができる

すごく機能があり、可能性を感じるツールでした。
レトロスペクティブを有意義にしたいとか想いがある際は利用することも検討して良いかなと思います。

ご興味がある方はこちらから
https://miro.com/ja/

どのツールが良いか

あまり断定はしたくないのですが、今のところ個人的には「Team O'clock」がおすすめです。シンプルにレトロスペクティブができるツールとしていいと思いました。「Confluence」だとどうしてもWiki感が払拭できず、気持ちを切り替えるためにも「Team O'clock」が良いと考えました。
「miro」もおすすめなのですが、参加人数が多い場合読み上げが大変だなーと思いました。でも一度は業務で使ってみたい!

最後に

いかがでしたか。レトロスペクティブは本質が大事ですが、円滑に運営していくことも重要です。円滑に進めるにはどうすればいいのか、そのポイントをいくつかご紹介しました。また、ツールにより本質に迫ることも可能です。

これを期にみなさまも有意義なレトロスペクティブを実施してみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆者プロフィール:小川 孝雄
2022年5月入社
WebディレクターからWebシステム開発の世界に入りいつの間にかPL/PMをやっていました。
気づいたら前に出ている小川です。

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PHOTO:UnsplashBen Kolde


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