BASEプロダクトチームブログ

ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

サーバーサイドエンジニアがフロントエンドの開発に参加してみた話

BASE株式会社 ServiceDev Payment Group 所属の田仲です。 現在はエンジニアリングマネージャーを担当していますが、以前はサーバーサイドエンジニアとして開発をしていました。その頃の経験を紹介したいと思います。

BASEのエンジニアはPM・ディレクターから要件を聞き、設計を行います。 仕様や設計を元にサーバーサイドエンジニアはサーバーサイドの実装し、フロントエンドに関してはフロントエンドエンジニアが実装しています。

少し前のプロジェクトになるのですが、「送り状データダウンロードApp」の開発プロジェクトを担当した際にサーバーサイドだけではなくフロントエンドの開発にも携わることになりました。

普段、サーバーサイドエンジニアとして開発を行っているエンジニアがフロントエンドの開発も行うことで良い経験になったという話を紹介したいと思います。

送り状データダウンロードAppについて

商品を発送する際にダンボールなどの箱に送り状を貼りますが、出荷件数が多いショップでは1件づつ送り状を印刷して貼るのは手間が掛かり限界があります。手間を解決するために配送会社の集荷を利用することや外部倉庫への委託などの方法はありますが、費用が掛かるためショップの負担になります。

そのようなショップの課題を解決するために配送業者各社が提供している送り状発行システムを利用して送り状を一括印刷できるようにするためにBASEのシステムからCSVデータを出力できるようにする機能になります。

普段の開発プロセス

BASEの開発プロジェクトは、サーバーサイドエンジニアとフロントエンドエンジニアがそれぞれアサインされ協働しながら開発を進めています。

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今回の送り状データダウンロードAppの開発プロジェクトでは、サーバーサイドとフロントエンドのタスクはざっくりですが下記のようになりました。

  • サーバーサイド
    • 固定値の登録・更新(データのCRUD)
    • 各配送会社システムに合わせたCSVファイルの出力処理
  • フロントエンド
    • 固定値の登録・更新画面
    • CSV出力処理モーダル
    • 入力値のバリデーション/エラー表示

BASEはフロントエンドはVue.js サーバーサイドはCakePHPを採用しています。 サーバーサイドの担当でいうとAPIの実装がメインになり、フロントエンドの担当でいうと画面UIの作成やサーバーサイドのAPIを利用してデータの登録/更新処理を実装することがメインになります。

フロントエンドを担当した流れ

今回のプロジェクトにアサインされる際、エンジニアマネージャーから提案を受けフロントエンド開発の担当も兼務する形でアサインされることになりました。

組織図上、エンジニアはサーバーサイドとフロントエンドで分かれていますが別職種の開発を担当してはいけないというわけではなく、開発する案件規模やスケジュールなども関係してきますが手を挙げれば前向きに検討してもらえます。

私はサーバーサイドエンジニアとしてBASEに入社しましたが前職でVue.jsの開発経験もあり、フロントエンド開発にも興味があります。個人的に思うところですが、ユーザーに直接に見える部分はフロントエンドの実装になりますし、実装したコードがブラウザ上で目に見えて表現される部分はモチベーションも維持しやすく好きです。

また、BASEではフロントエンド開発を担当したことがなかったので経験してみたかったというのもあります。

苦戦したところ

フロントエンドのアーキテクチャの理解

具体的にいえば、単方向のデーターフローを意識することやBASEのコンポーネントライブラリであるBBQの使い方です。 既存のコードを読むのはもちろんのことですが、理解を進めるに辺り参考になったのはドキュメントの存在でした。

BASEではドキュメント共有を主にkibelaを利用して行っているのですが、フロントエンド開発の手順書が用意されておりコードと合わせてドキュメントを参考にすることで比較的早く理解を進めることができました。

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BASEのコンポーネントライブラリであるBBQについては、UIコンポーネントのカタログとしてStoryBookが用意されており各コンポーネントの使用方法が書いてあるので、開発環境で試しながら理解を進めることができました。

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担当してみて良かったところ

デザインの開発経験

サーバーサイドの担当としてアサインされてもプロジェクトの初期フェーズにおいてUIデザインetcに関して話し合いをするタイミングはあるのですが、詳細な部分については実装を進めてみないと分からないということもありました。

今回はフロントエンドも担当することで実装を進めながら、デザイナーの方とFigmaやAbstractなどのツールを使用してコミュニケーションを取りながら開発していきデザインを決定していきました。BASEでのデザイン開発の進め方やツールの使い方を知ることができて良い経験になりました。

コミュニケーションコストの削減

サーバーサイドとフロントエンドの両方を担当していて追加したコードについては大体は分かっていたので、PMからの仕様相談を受けた際なども回答しやすかったです。また実装後に行うQAでのフィードバック対応も原因箇所の特定がしやすく普段よりも素早く対応できたと思います。

フロントエンドの仕組み

フロントエンド側がどのように動作しているか?をフロントエンドエンジニアの方やドキュメントを読んでなんとなく理解していたのですが、実際に担当して実装することで「なんとなく理解していた」部分がコードレベルで明確にできて理解することができました。

最後に

実際にできあがった画面が下記になります。
※ CSV出力処理も担当予定だったのですが、上記の苦戦した部分で想定以上に工数使ってしまい途中で別エンジニアにヘルプを出しました…。

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担当が多かった開発でもあったのでリリース時の達成感は強く、SNSなどのユーザーからの反応もいつもより嬉しいものでした。

サーバーサイドとフロントエンドを交互に行き来するような開発で頭の中のスイッチングコストはありましたが、エンジニア同士でのコミュニケーションコストは減ったりもしていたので、開発する案件の規模に影響するものだと思いますが今回のプロジェクトでいうと分業していたとしても最終的に掛かる工数としては大きな差は無かったかなと思いました。

また、コードレビューに関してはフロントエンドエンジニアの方がレビューしてくれるので心強かったです。

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BASEはサーバーサイドエンジニアとして入社してもフロントエンド開発できないというわけではなく、手を挙げれば開発することができます。

普段は担当しない領域を担当してみることで不明瞭な部分が明確にできたので、今後の工数見積もりの精度向上やコミュニケーションコストの削減にもつなげることも出来ると思います。

最後にはなりますが、BASEを一緒に支えてくれるエンジニアを絶賛募集中です!より良いプロダクトの開発の為に一緒に働きませんか?

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