BASEプロダクトチームブログ

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10人以上のPJでリモートランチ会をするときに工夫したこと

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この記事はBASE Advent Calendar 2021の16日目の記事です。


こんにちは。ProductManagementグループに所属している坂東(@naoto bando)です。 2021年はメンバーが10名を超える2つのPJを同時進行する機会があり、色々と考えることや学ぶことの多い年でした。

特にコロナ禍の真っ只中だったということもあり、リモート下におけるコミュニケーションはこれまで以上に気を使う面が多くありました。 本稿ではそういったコロナ禍におけるコミュニケーションの中のランチ会(懇親会)のさいに工夫をしたことを書かせていただきます。

読まれた方が工夫されている点などがありましたら、twitterなどで教えていただけると嬉しいです。

f:id:naoto-bando:20211215175013j:plain ※これはランチ会後の状態です。楽しそうな雰囲気になりました。

大人数のリモートランチの難しさ

リモートであってもなくても、PJにおけるランチ会など懇親会の目的は、 PJメンバーが一定のコミュニケーションをとり、お互いの理解度を深めることにあるかと思います。

そのため、企画者の最低限の役目は「みんなが安心に快適に話せる」環境を作ることです。

オフラインや少人数リモートは楽

これらの状態はオフラインであれば、対面する人やそばにいる人などの2~4名ほどの小さなノードになって対話が進むため、放っておいてもおおよそなんとかなります。 また、だいたいのケースで企画者は全体的に声が聞こえ目が届く状況にあるので、席をシャッフルをするなど、状況を見ながら対応を決めていくことができます。 つまり、場所を提供すればなんとかなります。

オンラインでも3〜4名ほどであれば、比較的みんなが満足に話せる様に感じます。

大人数リモートの罠

しかしながら、オンラインでかつ10名を超えるような規模感になると、次のようなことが問題になります。

  • 声がかぶると対話できないため喋れない
  • 少数の人が喋り続け、会話の輪に入れない
  • 急に話をふられて焦る

そのため、話すのが好きな人が話し続ける感じになりがちかなぁ。と感じています。 こうなってくると気持ちも離れ、仕事のことを考えはじめ、いっそうコンテキストがわからなくなっていきます。(まさに私がこの状態になりがち。) これはもともとの目的からすると大変よろしくない状況です。

Remo Conferenceなどを用いれば小さなノードにすることもできますが 別部屋の雰囲気などがわからないので、企画者としては怖いものがあります。 どこかの部屋が静まりかえっていたりしたらと思うと、怖くないですか・・・?

どうしたか

ここまでのことから、問題は参加者がしゃべる機会やタイミングを失うことで、場への参加を諦めてしまうことにあると言えそうです。 そこで、この問題の解消方法として、以下を満たせばランチ会の目的を果たせると考えました。

  • それぞれが話す時間を強制的に作る
  • 話のお題をある程度予想できるようにしておく(場のコンテキストから置いてけぼりにならないようにする)

また、PJ内でのランチ会は継続的におこなわれるため、適度なランダム性と拡張性を持てるようツールを用いておこないました。

ここからはNETAというツールを使ったランチ会と、自前のLT会ぽいランチ会について紹介していきます。 それぞれに一長一短がありました。 参考になれば幸いです。

NETAを使ってみた

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NETAはAID-DCC Inc.さんが作成されたオンライン上のコミュニケーションツールです。 このツールは事前に「話すテーマ」と「話す人」を設定しておくと、ランダムで「話すテーマ」と「話す人」を指定してくれます。

プリセットの話すテーマ集も準備されています。 「オンライン飲み」や「アイスブレイク」「合コン」「SONTAKU」(?)などのテーマを選択することで、参加者の名前を記入するだけで開始できます。

実際にやったこと

以下の理由で事前にPJメンバーに対し「他のPJメンバーに聞きたいこと」をアンケートで募集しました。

  • プリセットの質問は少々PJの雰囲気に合わないかなと感じがし
  • PJメンバーの対話感を出したかった

こうすることで、局所的に質問者と返答社の擬似的な対話を作ろうとしました。 PJメンバーへの呼びかけ

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Googleフォームで簡単に「他のPJメンバーに聞きたいこと」を収集するフォームを作成。 f:id:naoto-bando:20211215175639j:plain:w600

集めた質問集。 「さいきん一番痛かったこと辛かったこと(物理・精神どちらでも可)を教えて下さい」?🤔 質問にも個性がでておもしろいですね。 f:id:naoto-bando:20211215175635j:plain:w600

集計した質問週と参加者をNETAに質問を記入すれば準備完了です。 実際に動かしてみるとこんな感じです。動きがあるので楽しいですね。 f:id:naoto-bando:20211215175234g:plain:w800

やってみて

適度にランダム感があり、楽しく過ごすことが出来ました。 質問にも返答にも個性が出るので、PJメンバーの意外な一面などを見ることができました。 よく出る質問や、よく当たる人などが出てくるため、そういったハプニングも含めて場を楽しめます。

ただ、指名される人はランダム抽出のみであるため、ランチ会も後半になると指名されない人がでてきます。 そのため、最後はルーレットを回して話すテーマを決め、回答者はファシリテータが指名する形になります。

なので、ファシリテータは状況に気を使いながら進行をする必要がありました。

NETAの特徴

  • 何が当たるか、誰が当たるかわからないランダム性を楽しみたいとき
  • すでにPJ内の心理的安全性が保たれているとき
  • 参加者がアドリブに強いとき

こんなときはNETAが良さそうです。 ランダムであることの面白さを生かすのであれば、NETAはオンライン飲みなど、よりカジュアルな場面の方が活きるかもしれません。

逆に、どうしても話す人が中心になってインタラクションが生まれにくかったり、 ビジュアル的な説明ができないので、トーク力が出てしまうと言った点が気になりました。

こういったことを活かして、次のような形式を試してみました。

LT会形式にしてみた

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LT会は(説明するまでもないかもしれないですが)1人の持ち時間が数分の短いプレゼン会です。 気負わず気軽に発表してみましょう。といったものです。

この形式にのっかり、先に質問と書き込むスペースをわたしておき、あとは適当に画像とか用いて質問に答えてもらいました。 事前に準備できて、かつ画像やリンクで表現できるため、口下手であっても情報量を補えるだろうという考えです。

実際にやったこと

事前に準備が必要なため、1週間くらい前にこんな感じでメンバーに依頼。 (この時期疲れがピークだったようで、毎日何かしら数字をミスっていました。。。) f:id:naoto-bando:20211215175020j:plain:w600

メンバーに渡したのは、質問がいくつも書かれた白紙のMIRO。 この質問リストの中から答えやすいものや、話せるネタがあるものをいくつか選んで書いてもらうようにしました。 参加者全員が自身の土俵で話をしてもらいたかったためです。

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質問リストの作成には100の質問ひろばというサイトが役に立ったような立たなかったような感じでした。 質問ネタに困ったら使ってみてください。

実際に書き込んでもらう際は、全体の流れがわかるようにこんな感じにしてました。 f:id:naoto-bando:20211215175006j:plain

右側のFrameには事前に名前が記入されていて、各自そこに書き込みます。

中央付近のShuffle部分は発表順を決めるために利用しました。 付箋に参加者の名前を書いておき、発表前にMiroのTotally Randomというアドオンを使ってシャッフルします。 多少はランダム性があったほうが楽しい気がするんですよね。

やってみて

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まず、全体としては、発表形式かつ発表順が事前にわかっているため「飯を食う時間の確保」「気持ち的な準備」ができるので進行が非常に楽でした。 発表者としては、事前に画像を用いて書き込めること、答える質問も自由に選定できるため、自分の言いたいことだけを言える楽さがありました。

また、Miroの機能でスタンプで発表にリアクションできるため、よりインタラクティブな場が生じたように感じます。

LT会形式の特徴

  • 参加者それぞれの認識が浅いとき
  • 安定して進行させたいとき

こんなときはLT会形式が良さそうです。 進行にランダム性を廃している点と、自己紹介になっている点で、より「人を知ること」にフォーカスした形式となりました。 PJ始まりたてで、自己紹介などからやる必要がある際には、こういった形式のほうがより解像度高くその人を知ることができて良さそうです。

逆に、すでに心理的安全性が保たれていて、話しやすい状況になっている場合、 この形式では対話は生まれにくいので、機会としてはもったいないかもしれません。

まとめ

コロナ禍においてPJのあり方や企業への勤め方も大きく変わりました。 また、働き方も多様になり、弊社でもリモート前提で入社される方も増えてきています。

そうすると、対面であっても対面でなくても、情報や心理的の格差がなくパフォーマンスを発揮できるチームビルビルディングが必要性が増していくでしょう。

この時代の流れは今後も続くと思うので、多様性を維持して働きやすい環境というのは、どの会社でも直面している課題なのではないかと思います。

この記事をここまで読んでいただいたみなさまは、きっといろいろな工夫をされていると思うので、 「こんな工夫してるよ!」というのがあればぜひお話を聞きしたいです。 @naoto bandoまで気軽にお声がけください。


以上です。明日のアドベントカレンダーはDataStrategyチームの杉さんの記事です。お楽しみですね!