「2つの障壁を乗り越えることが必要です」DELLが語るビッグデータ活用を成功させるポイントって?

インタビュー
「2つの障壁を乗り越えることが必要です」DELLが語るビッグデータ活用を成功させるポイントって?

ビッグデータ活用の必要性が叫ばれて久しいものの、日本企業での本格的な活用はまだまだ始まったばかり。統合を契機に、2017年にデルとEMC共同での国内ビッグデータ専門チームを立ち上げ、ビッグデータ領域への注力を加速しているのがデル株式会社だ。

現在、同社には国内企業からビッグデータへの問い合わせが非常に多く届いているという。しかもその内容はハードウェアに関するものだけではない。なぜ、ハードウェアに強みを持つデルに注目が集まっているのだろうか?

本稿ではデルでビッグデータ領域を担当する正田 三四郎氏、堀田 鋭二郎氏に、同社の取り組みやビッグデータ活用を成功させるポイントについてお話を伺った。

正田 三四郎(まさだ・さんしろう)/デル株式会社 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 本部長。新卒で日本 DEC(現、日本ヒューレット・パッカード)へ入社。2016年2月にデルへ入社。ハードロック好き。

堀田鋭二郎(ほった・えいじろう)/デル株式会社 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 BigData ビジネス開発 マネージャー。外資系IT企業数社を経て、2013年にデルへ入社。お酒好き。

ビッグデータ事業をドライブする

ーー まずおふたりの経歴をご紹介いただけますか?

正田 私は新卒で現在のヒューレットパッカードへ入社しました。まずは 9年ほど営業を務めました。その後、サーバー製品のマーケティングやビジネス企画を担当したり、営業やマーケティングの統括を行なっています。

ーー デルへ転職されたきっかけは?

正田 同じ会社で様々な経験をさせてもらいましたが、違う環境でチャレンジしてみたいと考えるようになったんです。マネジメントだけではなく、自分でも手を動かして考えたいという気持ちもありましたね。そこで、EMCと統合し活気のあるデルを志望しました。2016年に入社しています。

ーー 堀田さんの経歴をお聞かせください。

堀田 大手総合商社からキャリアをスタートしたのですが、その後は外資系のIT企業数社に勤めています。前職となる企業では、ITコンサルタントとして主に金融業界を担当していました。その前職での経験を踏まえ自分に足りない領域を補い経験したいと思い、2013年にデルへ転職しました。現在は伸びしろのある大変注目されている事業領域にアサインしてもらっていると感じています。

ーー 現在はどのような業務を担当されているのですか?

正田 私は、「ビッグデータ」「IoT」「ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)」「ソフトウェアディファインド」「ハイブリッドクラウド」「ビジネスアプリケーション」など、お客様が積極的に投資していこうと考える領域のソリューション開発を担当しています。

堀田 正田が申し上げた中で「ビッグデータ」が私の担当ですね。ビッグデータと言っても様々な領域が内包されるのですが、具体的にはデータをいかに収集するのか、収集したデータをいかに蓄積するのか、貯めたデータをどう加工し、処理するのか、どのように分析するのかという流れを理解し、最終的には実際にデータ活用いただき企業経営にプラスになるためのご支援をする活動をしています。

このようにデータ活用に至る全てを担当するのですが、特に得意としているのが市場ニーズも非常に高まっている「Hadoop/Spark」と分析時に用いる「Splunk」、それらを効率的に管理運用できる「コンテナ」です。

ーー 2017年の2月にはビッグデータを専門とする組織も立ち上がり、注力されているそうですね。

正田 もちろんその前からビッグデータへの取り組み、お客様への様々な提案は行なっています。現在、日本法人のデルとEMCはまだ別会社なんですね。それでもビッグデータへの取り組みを加速化させるために、昨年2月に両者共同でチームを設立したんです。

堀田 このチームを束ねる役割が私です。異なるカルチャーを持った 2 社によるチームが立ち上がり、自分たちの製品・ソリューションでビッグデータに対する課題を解決できる体制が整ったと感じていますね。

どの企業も抱える2つの課題

ーー 日本市場においてビッグデータはどのように捉えられているとお考えですか?

堀田 「ビッグデータ」という言葉が身近になってからずいぶん時間が経ちますが、2017年のIDC調査レポートによればビッグデータを本格的に全社的に活用している日本企業はわずか 10%前後です。

多くの企業がビッグデータの必要性を認識しているものの、本格的な全社活用までには至っていないのが現状ですね。

ーー 何が障壁になっているのでしょうか?

堀田 「ビジネス系の課題」と「IT系の課題」の2つがどの会社においても障壁として存在していますね。

ーー 具体的に教えてください。

堀田 まずビジネス系の課題ですが、例えば「どのようにビッグデータを活用すればいいのかがわからない」「部門横断でビッグデータに取り組む体制を作れない」などが挙げられます。

IT系では、様々なシステムが散在しデータ連携が実現できていない、いわゆるシステムサイロ化してしまっていることが大きな課題です。データ統合のニーズはあっても管理管轄部署が異なるシステムを連携して、いかにデータ統合するのかという点が上手くいっていないことが多いですね。

ーー 貴社のクライアントでもこのような課題を抱えている企業が多いのでしょうか?

堀田 そうですね、ご相談をいただくケースは非常に多いです。但し、我々とビジネス面でお付き合いいただいたことを契機として、この 2 つの課題を上手く乗り越えているお客様が圧倒的に多くなっています。

あるひとつの部門で活用成功したケースを横展開する形で、ビジネス系の課題とIT系の課題を解決し、ビッグデータ活用を本格化しています。業種や業態を問わずこの方法で成功している企業がほとんどですね。

ーー お客様の企業には、データ分析ができる担当者はいるのでしょうか?

堀田 ほとんどの企業では、少ない人数で他の業務と兼任しながらデータ分析を対処しているという実情があります。ただ、データ分析チームを拡大して、データサイエンティストとして育てたいというニーズは非常に高いのです。

意外に思われるかもしれませんが、私たちは、お客様の担当者をデータサイエンティスト、データ分析者として育成するための半年間のプログラムも提供しています。システム面だけでなく、データ活用のための分析手法もあわせて提供することが我々の価値となっています。

ーー ビッグデータの領域ではパブリッククラウドの活用がうたわれることも多くありますよね。ハードが出自の貴社ではどのようにお考えですか?

正田 私たちのビッグデータ領域においては、オンプレミスでもパブリッククラウドでも環境は問わないというアプローチをとっています。データ活用には会社のシステムポリシーと照らし合わせてデータを活用するための環境適材適所があるので、場所は関係ないのですね。そのため、オンプレミスでもパブリッククラウドでも、両方の環境を利用するハイブリッドクラウド環境でも、どこでもスムーズに使える環境を提供することを理想としています。

私たちはお客様がオンプレミス環境をすぐに使えるソリューションや、ハイブリットクラウドを簡単に構築できるソリューションも提供しているのです。

堀田 例えば製造業のお客様で、最近流行りのコンテナ技術を活用したデータ活用ソリューションを導入いただいた事例もありますね。それにより、オンプレミスとパブリッククラウドを統合したシステム基盤でありながら、データ活用のための個々部署で利用するシステム環境の分離と効率的なアプリ実行を両立する環境が実現できています。

正田 現在はこれまで PoCで様子を見ていた大多数の大手企業が、実際にビッグデータ活用、そのためのシステム基盤導入を始めている段階です。さらに 2017年は機械学習へのニーズも顕著に高まっていますので、GPUを搭載したソリューションも用意しています。

堀田 具体的には自然言語処理、画像認識などの領域の AI基盤にデルの GPUソリューションが活用されています。例えば製造業においては、これまで人手で行なっていた工場内での製品検品作業を画像認識に置き換えることで 100倍効率化した事例がありますね。

フルスタックエンジニアへの近道

ーー デルでビッグデータに取り組む魅力をどのように感じていますか?

堀田 実はビッグデータのテクノロジーに関して、私たちに問い合わせが来ることが急増しています。それもハードウェアではなく、ソフトウェア上の話を聞きたいという方が増加しているのです。

少し意外に感じるかもしれません。しかし、「国内ITベンダーに話を聞いても最新の動向はわからない」と考える日本企業が増えているということなのです。ですから、私たちのように、グローバルでの最新情報を持っている外資に問い合わせがくるのです。

海外での事例などをお客様に価値として提案できるのはデルのおもしろさだと思います。

正田 現在はクラウドが全盛といえる時代だと思います。例えば、インフラを担当する若いエンジニアは「将来どうなってしまうんだろう」とインフラエンジニアとして働くことに不安を感じているかもしれません。

ただ現実はパブリッククラウドが増えたとしてもオンプレミスが減っているわけではありませんし、データ派生側でデータ処理するエッジコンピューティングの世界にも必ずオンプレミスのシステムが必要です。なぜなら、データ派生もとのデバイス機器類はオンプレミス上の機器であり、あえてデータをクラウドに移動しデータ処理するよりもオンプレミス上で処理するほうがパフォーマンス、セキュリティー、コスト効果の観点で優れていると活用企業は認識しているからです。

これからのエンジニアには、基盤、アプリケーション、DevOpsなど非常に幅広い知識が要求されるでしょう。デルでは本当に幅広い領域の知識に触れる機会があります。いわゆるフルスタックエンジニアを目指す上で、デルの環境は近道だと思いますね。

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