機械学習を学ぶには数学の能力が必要なのか

プログラミング
機械学習と数学は切り離すことができません。ただしそれを扱う人間が必ずしも高い計算能力を持つ必要はありません。主に線形代数や微積分といった分野が使われており、これらの分野に長けていることが有益であることに違いはありません。しかし機械学習のチューニングを行うようなエンジニアなどでない場合、数式の意味がイメージできれば十分だということもよくあります。
機械学習を学ぶには数学の能力が必要なのか

機械学習について学ぼうといろいろ調べてみれば、数学が必要という情報をよく目にします。しかし数学に苦手意識を持つ方も多く、機械学習への学習ハードルを上げることにもなっています。実際のところ必ず高等な計算能力などが必要になるわけではなく、機械学習との接し方によってはあまり関係ない場合もあります。

機械学習ではどのように数学が使われているのか、勉強するならどの分野をやるべきなのかを紹介していきます。

機械学習を学ぶのに数学の知識は必要?

機械学習は、IT分野における近年のホットな話題のひとつです。書店でも機械学習に関する本が多く並ぶようになりました。インターネットで検索しても多くの情報がヒットします。このように学習する環境も整いつつあると言えますが、調べていくうちに数学との関係性が強いということが見えてきます。すると、数学に自身のない人だと少しハードルが高いように感じるかもしれません。

確かに機械学習では数学の知識もあった方がいいということに違いはありません。しかし、その必要性は機械学習との接し方によって決まるもので、苦手だからといって避ける必要はないのです。

高い計算能力が必須ではない

結局のところ、機械学習を使って何がやりたいのか、ということが重要になってきます。その内容に応じて数学の知識が必要なのかどうか、そしてどの分野についてどの程度のレベルに達している必要があるのかが決まってきます。

単にツールとして活用したい場合や、その仕組みについて中身を深く理解するような必要がなければ、数学の出番がないこともあります。逆に、自分でチューニングを施したり、機械学習のエンジニアを目指したりする場合にはその内容に応じた分野を勉強する必要はあるでしょう。つまり初学者が、機械学習がどんな技術なのか触れてみたいという段階であれば、高い計算力がなくても問題はないと言えます。

このことは、プログラミング言語を学ぶ上でフレームワークを扱うことと似ています。フレームワークを構成している元の言語について知識があいまいだと問題が生じることもありますが、一応プログラムを組むこと自体は可能です。機械学習においても、すべてのブラックボックスを解決する必要まではありません。

機械学習で数学がどのように使われている?

それでは、なぜ機械学習を学ぶのに数学が関係してくるのか説明していきます。

基本的に機械学習で数学が使われているといっても、エンジニア側が学校教育で行われている数学問題を解くような場面に直面することはあまりありません。重要なのは、数式が何を意味し結果としてどうなるのかをイメージできる力です。数式が読めればよくて、複雑な計算などはコンピュータに任せることがほとんどとなります。

データから関数を作る際に必要

機械学習を応用して顔認識をすることや、天気予報なども行えます。機械学習で行われているのは、得たデータをもとに関数を作成するということです。ある事象を関数として把握することで分析や予測などを可能にしています。その関数の作成や、関数を使用する際に数学が用いられます。

例えば、自然現象などは物理法則に従うため、その挙動は数式として表しやすいです。微分方程式の形で表現できるものが多く、その形にさえできれば、これを解くことで予測や制御をしていくことも可能となるのです。

どの分野を勉強すべきか

数学だけに着目しても多くの分野があり、機械学習を学ぶ上で何を勉強すれば良いのか迷うかもしれません。そこで、一概に言えるものではありませんが、一般に機械学習において重要とされている分野を紹介していきます。

  • 線形代数
    機械学習では大量の学習データを使用します。ある事象を予測するためには、その挙動に係るパラメータを求める必要があり、この複数あるパラメータの最適解を求めるためにデータが多く必要とされるのです。
    そしてこの膨大な量のデータに対し並列処理を行わなければならず、行列やベクトルが登場することになります。多くの数式を扱いやすくするためには表現方法を工夫することが必要で、そのために役立つのが線形代数であるということです。

  • 微分・積分
    多くのデータからパラメータを算出する際、機械学習では誤差を最小化するというのが基本のスタンスです。誤差を関数として表すと、その関数の傾きが0になるときが、誤差が最小となるときです。そして関数の傾きなどを扱うのが微分・積分です。

  • 確率・統計
    統計と機械学習は共通点も多く、よくそれぞれの違いについて論じられています。大量のデータをもとに何をするのか、その目的なども異なりますが、分析時の手法などは近いものもあり統計の知識があると理解がはかどる場面もあります。また統計は確率との関連も強く、これらを勉強することで機械学習における理論的な仕組みを把握しやすくなります。

まとめ

機械学習にとって数学は必須です。様々なデータを扱い、未来の予測などをするには数学的な手法が必要です。ただし、機械学習を学ぼうとする初学者が数学の勉強から始めるというのは効率的な学習方法ではないかもしれません。線形代数や微積分、確率や統計といった分野は知っておいた方が役には立ちますが、機械学習との接し方によっては必要ないケースも多くあります。

まずは機械学習がどのような技術で、自分がどのように実装したいのかを見極め、その目的達成のためにはどの知識が必要なのかということが分かってから数学に着手しても良いでしょう。



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