ITエンジニアの仕事環境ってどうするのがベスト?相談したら逆に混乱した

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ITエンジニアの仕事環境ってどうするのがベスト?相談したら逆に混乱した

こんにちは。ヨッピーです。今めちゃくちゃ悩んでおります。
今日はITエンジニアのマネジメントをしているえらい人たちと一緒に「ITエンジニアの仕事環境はどう整えるのがベストか」みたいな話をしているのですが、

議論が多すぎて全然話がまとまりません。

おかしい……!
「やっぱこういう環境がいいよね!」みたいにすんなり決まるかと思ったのに……!

とにかく、悩んでいてもしょうがないので、今日はこのド散らかった議論を包み隠さず出すことにしました。

  • ITエンジニア
  • ITエンジニアをマネジメントしている人
  • ITエンジニアを採用したい人

なんかの人たちには有意義なものがたくさん含まれているので、ぜひ読んでいただきたいと思います。議論に参加してくれたのは、こちらの3名の方です!


▲バリューコマース株式会社 執行役員 最高技術責任者 伊藤信敬さん
2002年4月エー・アンド・アイシステム株式会社(現株式会社ラック)入社。2004年12月ヤフー株式会社入社。2009年12月株式会社アトランティス(現Glossom株式会社)入社。2011年5月グリー株式会社入社。2014年1月バリューコマース株式会社入社。技術開発本部長などを経て、2016年7月より執行役員 最高技術責任者(現任)。


▲増井 雄一郎さん
1976年、北海道生まれ。大学時代に起業。2003年にフリーランスとなり、Ajax、Ruby on Railsなどを使ったWEBアプリ開発や執筆を行なう。2008年に渡米し、中島聡氏らとともにアプリ開発会社を立ち上げ。帰国後は、Appcelerator「Titanium Mobile」のテクニカルエバンジェリストとして活動。2013年から飲食店向け予約台帳アプリを開発する「トレタ」のCTOを務めるも、2018年9月に退職。
Twitter: @masuidrive


▲クックパッド株式会社 技術部長 兼 エンジニア統括マネージャ 庄司 嘉織さん
25歳から本格的にプログラミングを勉強。前職で電子書籍の立ちあげ開発リーダーなどを行った後、クックパッドに転職。投稿部門の部長を経て、動画配信基盤の開発、サービスの microservices 化などに従事したあと、人事部長になる。 現在は技術部長・エンジニア統括マネージャを担う。
Twitter: @yoshiori

以上3名のえらい人たちと話し合いたいと思います!

ちなみに、今回の企画を実行するにあたって、事前にITエンジニアの皆さんに意見を募集しております。350件以上の回答があって、「めちゃめちゃ有効なアンケートだな」みたいな意見もたくさんいただいたので、管理職の方はリプライ欄を見て「何が求められているのか」を知っておくと役立つかもしれません。

ITエンジニアにとっての最高の環境とはなにか


えーと、まず今日の狙いとしては、「ITエンジニアにとって良い仕事環境ってどういうものか」みたいなものをある程度整理することによって、経営者側の人たちはこの記事を参考に環境を整えていただけるといいなって思うのと、ITエンジニアには上司と交渉する時の材料として使ってもらえればいいなって。「ほら、世間はこんな感じですよ」みたいな。


なるほど。でも仕事環境は「こうするのが良い」って人によって違うので難しいと思いますよ。絶対決められないと思う。


いきなり言い切らないでくださいよ。頂いた意見を参考に、僕があれこれ「これはどう?」って質問していくので、そのあとに皆さんがそれぞれコメントをください!


わかりました!


じゃあ、とりあえず一つ目。

Q. 会社で配られた業務用のソフトが海賊版


いや絶対ダメでしょ!(笑)


最悪ですね。


一発アウトです。僕らはソフトを作ってご飯食べてるのに、海賊版使うって、自分で自分の首を絞めるようなものじゃないですか。


なるほど。海賊版はアウト、と……。


メモる必要もないでしょ!

Q. 月に80時間オーバーの残業が常態化


アウトですね。36協定(※)超えてますし。

※時間外・休日労働に関する協定届。労働基準法第36条が根拠になっていることから、一般的に「36(サブロク)協定」という名称で呼ばれる。


残業なんて、本来ないのが当たり前なはずですからね。それなのに残業が常態化してるというのは、決められた時間内に終わる仕事を割り振れていない上司が無能なだけです。それに、月に80時間の残業が常態化してるっていうのは命にかかわってきますよ。生きるか死ぬかの問題だから、すぐにでも辞めた方がいいと思います。


じゃあ、40時間だったら……?


リリース時期なんかによって、月に40時間超えることはあるかもしれないけど、年間通して毎月40時間だったらちょっとキツいなぁ……。


みなしの残業にどれくらい入っているのかにもよるんじゃないですか?ウチは見込みが30または45時間の残業になっているんですけど、だからといって仕事がないのに45時間分はきっちり会社にいるとか。あれは無駄ですね。


たしかに。逆に言えば、「残業まったくなし」という環境はプラス評価ですよね。


じゃあ、40時間を基準にして、それより多かったらヤバいし、それより少なかったらまあ良い環境って言える、とか。


でも、残業時間がどれくらいなのかで「良い」とか「悪い」とかを決めるのも変な話で、究極的には裁量労働制が一番だと思うんですよ。今の裁量労働制って、残業隠しに導入されているケースが多いので、それはもちろんダメなんですけど、本来の意味の裁量労働がちゃんと機能しているのが一番良いと思います。


それって、いわゆる年棒制みたいな?


「やることをやっていれば、後はなんでもいいよ」っていうことですね。


つまり、一ヶ月のうち、最初の1週間で仕事がばーっと仕上れば、残り3週間は会社に来ずに遊んでいてもいいよ、とか。


そうそう。それです。でも実際には、そうやって1週間で仕事終わらせられる人には、普通の人の3倍の仕事が来るようになっちゃうんですよね。給料は変わらないのに。そういうことが起こらないようにするのが正しい裁量労働制です。


SIerだとそういう、優秀な人ほどたくさん仕事を詰め込まれる、みたいな事例が頻繁に起こっているみたいですね。


まあ、優秀な人のまわりに仕事が集まるのは、ある意味仕方がないことなのかもしれないけど……。


じゃあ、次!

Q. パソコン環境は何が正解なのか


これも決めやすそうなので。メモリは何ギガ必要だよね、とか。今「メモリは基本的人権」とか言われているらしいですよ。メモリが2ギガだと「基本的人権に反する!」とか。


16ギガは欲しいなぁ。ただ、今はあんまりアプリ作ったりしてないので、8ギガでも別に不便は感じてなかったりするから、業務内容によりますね。


これは「何ギガが正解」とか「新しいのがいい」とかじゃなくて、「その人が欲しいものをちゃんと揃えてあげる」っていうのが大事なんじゃないですか。「それは高いから」とかセコイことを言わずに、欲しいものを揃えてあげるっていう。


たしかに。2年毎に新しいパソコンが支給されるといっても、2年毎に新しい環境を設定しなおすのとかが面倒くさいから、「むしろこのままでいいや」とかも絶対ある。


ディスプレイはどうですか?


ウチは「4Kのディスプレイ2枚欲しいです」って言えば、「はい、これ」って2枚届きますよ。


デュアルは普通ですよね。


でも、トレタのエンジニアはフリーアドレスみたいにあっちこっちで仕事するから、ディスプレイはあっても邪魔だからいらないっていう人も多いですよ。


人それぞれの好みによりますよね。ソファで仕事するからディスプレイいらないって人もいるだろうし、逆に3枚欲しいって人もいるだろうし。


そうそう。服だって、「とりあえず高いブランド品の服を着せておけばいいか」みたいなものではないじゃないですか。


じゃあ、自分が望んだ環境をちゃんと揃えてくれるっていうのが大事なんですね。


そうですね。


でも最近のいわゆるWEB系の会社はどこもだいたいそうじゃないですか?
予算の上限があるところはあるかもしれないけど、無茶な金額じゃなければ問題なく揃えてくれるんじゃないかな。


これは業種によるでしょうね。いわゆる客先で常駐しているエンジニアだと、客先の会議室のパイプ椅子で、古い型のPCを使って作業している人もまだまだたくさんいますし。


それは仕方がない部分もありますね。お客さん次第になっちゃいますし。ネット利用についても、セキュリティ上の都合でダメな場合もある。


まあ、ネット利用についてはオッケーな会社でも、普通に監視されてると思って間違いないですけどね。僕の友達は会社で転職サイト見てたら、人事から呼び出し食らったそうです(笑)。


もう、その時点で手遅れですね(笑)!それで呼び出しかけて怒ったら、むしろ逆効果じゃないか、っていう。


じゃあ、ITエンジニアのワガママを全部聞いて、私服もオッケーでいつ出社してもオッケーで、社食が食べ放題で、ゲーム部屋があって、仮眠できるソファがあって……、みたいな要求に全部答えるのが最高の環境ってなるんですかね。ちなみに、事前に集めた要望をばーっと挙げるとこんな感じです。

  • 勤務時間中のネット使用OK(SNS含む)
  • 適切なPC環境(たくさんのメモリ、デュアルモニタ、速い回線など)
  • 私服OK
  • 無駄な会議が少ない
  • フレックスなど勤務時間が自由
  • リモートワークなど勤務場所が自由
  • ツールを活用して電話は極力少なく
  • 電話の音や話し声など騒音が少ない
  • 自分より能力の高い人、尊敬できる人が社内にいること
  • 上司がエンジニアであること、エンジニアリングを理解していること
  • 少なくとも役員クラスにエンジニアがいること
  • 残業なし
  • ソフトウェアのインストールを自由に
  • 怒鳴る人がいない
  • 業務以外の仕事を押しつけられないこと
  • トイレがたくさんある
  • 窓から空、木など自然が見える
  • 講演や出版など社外活動を認めること
  • 要件をコロコロ変えない営業
  • 室内は適切な気温と湿度
  • 息抜きできる施設(カフェ、ゲーム部屋など)
  • 多重下請け構造ではない


ちなみに、業務時間中だけじゃなく、「Twitter自体が禁止」みたいな話もあったんですけど、そういう会社って本当にあるんですか?


僕は聞いたことがないですね。


だってそれ、プライベートな部分まで禁止しちゃうってことですよね?
さすがに意味わかんないですね。


僕は聞いたことありますよ。僕の友達なんですけど、入社する時に「Twitterは禁止なので消してください」って言われてアカウント消した人を知ってる。


なにそれ恐ろしい……。まあでも、このへんの要望に全部応えればとりあえずはバッチリ!って、感じなのかな。営業の人とかからすると「エンジニアだけワガママすぎるやろ!」とか言われそうだけど。


まあ、それで済むなら簡単なんですけどね。

立ち込める暗雲


じゃあ逆に、ヨッピーさんはそういう環境でバリバリ仕事できます?


いや、まったく。絶対ゲーム部屋でゲームばっかりするし、食べてすぐ昼寝したり、なんなら会社にすら行かずに「今日はリモートワークです」とか言いながらサウナに行ってると思います。


でしょう。「エンジニアにとって良い環境」っていうのは「エンジニアにとって楽な環境」とイコールではないんですよ。


そうそう。そこをはき違えるのはよくないですね。


あーーーー。


「どういう仕事環境が良いのか」ってエンジニアのレベルによるんですよ。放っておいても自分でボトルネックになっている課題を見つけてバリバリ仕事するようなタイプの人だったら、ずっと放置して好きにやらせるのが一番いいじゃないですか。

でもそんな人ばっかりじゃないですからね。こっちでコントロールする方が生産性が上がる人もいるし、放っておいた方が生産性が上がる人もいる。だから個人に焦点を当てると「正解は人によって違う」っていう結論にしかならないので、私は冒頭で「絶対まとまらない」って言ったんです。


そう。個人によっても違うし、時代によっても違うんですよ。僕なんかは月に160時間残業とかで働いたこともありましたし、僕はそこでガンガン仕事を覚えましたけど、今のご時世だと会社側がストップかけるだろうし、そうすべきだとも思わない。

そもそも僕らは先行者利益がありましたからね。こうやってインタビューしてもらって偉そうなことを言ってますけど、今、僕と同じ実力の人がこのポジションまで来れるかっていうとやっぱり難しいんじゃないかと。それなのに僕らがやってきたから、お前もやれっておかしいですし。


僕も月に450時間働いたことがありますね。別に会社から命令されたわけじゃなくて、僕は趣味と仕事がごっちゃになっているので、自主的に楽しく働いていただけなんですけど、さすがにぶっ倒れました


あー、なんかライターの仕事にも通じるところがあるなぁ。僕は昔から、「多摩川からペットボトルイカダで海に行く」「24時間で100km歩けるか試す」とか「42.195kg背負って42.195km歩く」とかそういう、手間も労力もかかる、割とブラックなことばっかりやってきたし、それがあるおかげで今があると思ってますけど、若いライターさんに「だからお前もやれ」って言えないですもんね。「こういう企画、どうかな?」くらいに提案はしますけど。

でも、最終的に伸びるのって、そういう手間暇かけた、ブラックな企画をやってきたライターだったりするのを散々見てきたから、「こういうの、やった方が伸びると思うんだけどなぁ」とか思っちゃいます。


あ、それは違うと思いますよ。そういう企画をやったから伸びるんじゃなくて、そういう企画を楽しんでやれる人だから伸びるんですよね。エンジニアも同じですよ。趣味の延長線上でやるような人はやっぱり伸びやすい。


そうそう。もちろん例外はあるし、そうじゃなきゃ伸びない、とは言いませんけどね。


そうすると結局「どういう環境下で伸びるかはその人次第」になるでしょ(笑)。
「あいつはリモートワークでいいけど、お前はダメ」とかできないじゃないですか。フリーアドレスがいいか、固定アドレスがいいかも人によって、業務内容によっても変わりますし。

だから「フリーアドレスにするべき!」「リモートワークにするべき!」って十把一絡げにはなかなか決められない。ウチにもフリースペースはあるんですけど、むしろ営業が使っててエンジニアはあんまり使わないですもん。


日本の会社の生産性がなかなかあがらないのって、そういうふうに「じゃあこれからはリモートワークだ!」「フリーアドレスだ!」みたいに、そもそもそれが向いてない人にまで押し付けちゃうからっていう側面もあるんじゃないですかね。


なるほど~~~。難しいな~~~~。

エンジニアの待遇は良くなっているのか


そもそも、今ITエンジニアって求人ニーズが高いし、なんかオシャレなオフィスにしたり福利厚生整えたり、リモートワーク認めたりっていう感じで、環境が結構変わっている気がするんですけど、実際待遇って良くなっているんですか?


さっき、増井さんとちょうど話していたんですけど、日本のエンジニアって二極化しているなと思っていて。優秀で年間1000万円以上もらっている層と、35歳越えても400~600万円くらいで頭打ちになっている層の間がスコンと抜けている。その、1000万円以上取るようなエンジニアに対する待遇は良くなっていると思うんですけど、頭打ちになっている層に関しては実はそんなに待遇良くなってないんじゃないかな。


まあ年収が高いから良いっていう問題でもなくて。400万円だけどライフワークバランス取れているから、出世して責任負いたくないからこのままでいい、っていう人はもちろんいると思いますけどね。


ただ、本当は実力もあるし引く手あまたなはずなのに、自分の市場価値を知らなくて、無駄に低い待遇のままでそこに居続けている人もたくさんいますね。採用していて思うのは、エンジニアも市場がどうなっているかとか、他の会社の待遇はどうかとか、本当はそういうのもちゃんと勉強しなきゃいけないんですよ。その上で適切な環境で働けば、簡単に1,000万円くらいもらえそうだなって人はいますよ。すごくもったいない。


たしかに、そういうことを知らなくて使いつぶされている人、いますね。


単純に比較するのも難しいんですけど、いわゆるWEB系のITエンジニアと、メーカーのITエンジニアと、SIerのITエンジニアでも全然違うじゃないですか。
WEB系のエンジニアだと「私服以外ありえない」「仕事中は音楽聞かせろ」「電話を鳴らすな」「リモートワーク当たり前」みたいなテンションだったりしますけど、SIerだとそもそも常駐先がスーツネクタイ着用だから絶対スーツ、職場も常駐先の会議室でパイプ椅子に座って先方指定の古いパソコンで業務中のインターネットは禁止、とか。その環境差を知らない人も多いんですよね。


そうそう。知らないんですよね。SIerの人たちからすると、「WEB系はなんか派手で不安定な業務をやっている」っていうイメージで、自分と同じエンジニアだと思ってないし、別の世界の出来事だと思って見ているのかもしれない。


まあSIerの方が会社規模も大きかったりしますしね。


そう。圧倒的に売り上げ規模も大きい。だから安定しているし、こっちでいいや、みたいな。


僕もSIer出身なんですけど、優秀な人は本当に優秀ですよ。


そう。能力って絶対的な価値ではなくて、相対的な価値じゃないですか。例えば僕の「コードを書ける」っていう価値はITエンジニアの中だとそこまで価値が高くないんですよ。周りがみんな書けるから。でもコードを書けない人たちの集団に入れば、コードが書けるだけで、僕の価値は上がるわけじゃないですか。

それはSIerのエンジニアも同じで、マネジメントやお金の設計とか、営業に近い話なんかは、SIerの中の人にとっては当たり前でも、僕らWEB系の周りにはそういうのができる人があんまりいないので価値が高いよね、とか。そういうのを知らないからなかなか今とは別のところで動いてみようかなってならない。


なんか、最近バズってた記事ありましたよね。エンジニアが老舗旅館のCTOになって、ITを駆使しまくって業務を効率化したら、めっちゃ業績があがったっていう。あれなんかは典型ですよね。駐車場の監視カメラでお客さんの車のナンバープレートを読み取って、即座に過去の顧客データと照合して「〇〇様、お待ちしておりました」って迎えるのとか。

こういう発想って、ずっと旅館の運営してる人からはなかなか出て来なかったりするんですけど、ITエンジニアならわりとすぐ出てくると思うんです。

借金10億円、倒産まであと半年――創業100年の老舗旅館「陣屋」をたった3年でV字回復させた方法 (1/5) - ITmedia エンタープライズ


良い事例ですね。今いるフィールドを変えたらもっと成長できる、活躍できる人材は、まだまだ埋もれていると思いますよ。

エンジニアの採用にはお金がかかる


ちなみに、Twitterの書き込みでは「飲み会の強制参加が嫌だ」っていう人が結構いたんですけど、飲み会とかも減っているんですかね? 皆さんの会社は飲み会ありますか?


強制にするなら、残業代ちゃんと払わなきゃダメですよ。


トレタは出していますよ。


残業代出して業務扱いにするんだったら、忘年会があってもいいんじゃないですか?


あーでもね、そういえば僕が前にいた会社で昔、「●●●●超会議」っていうイベントがありましてね……。


あー!やきそば事件!※

※やきそば事件……エンジニアが焼きそばの屋台で焼きそばを焼く業務に従事させられた事が「雇用契約違反なのではないか」と指摘するブログ記事が話題になり、「エンジニアに焼きそばを焼かせるのは是か非か」という議論が盛り上がった。


そうそう。あれは残業代も休日出勤代も全部出たんですよ。でも、たしかに普段の業務とはかけ離れているから不満に思う人が出たわけで、残業代出しても飲み会の参加を強制したら「これは僕の仕事ではない」って思う人がいてもおかしくない。


じゃあ、クックパッドは強制参加の飲み会はないんですね。


ないです。忘年会も強制じゃない。ただ、部内交際費っていうのが月に一人あたり2,500円出るんですけど、2,500円じゃあんまり飲めないから社内でやろうってなったんです。会社のキッチンで唐揚げを作って、ビールを大量に買って社内で飲むっていうのを始めたんですよ。「別にどの部署の誰が来てもいいよ」ってことにしたら、参加者がどんどん増えて毎月100人くらい集まるようになりましたね。だから、飲み会自体が絶対悪ってことではないんです。強制するのがよくないだけで。


飲み会の仕事に対する影響ってあります?


ただね、僕は最近会社の人間によく言っているんですけど、「会社っていう人格は存在しないからね」って。よく「会社の決まりだから……」とかいうじゃないですか。でも、その「会社の決まり」って、決めた人がどこかにいて、会社そのものではないんですよ。だからそのルールを決めた人に「変えてください」って働きかけることはできるじゃないですか。


おーたしかに!


だから本当は、選べない環境に不満があるなら、そのルールを決めた人に談判してルールを変えさせちゃえばいいと思うんですよね。「俺はこの方が生産性が上がるから、認めてくれ」って。


なるほど。談判する時のコツってあるんですか?


あ、良いことを教えますよ。一番話が通りやすいのは、転職のタイミングで談判することです。転職活動を通じて内定をもらったら、そのタイミングで言うんですよ。


「僕はMacの一番良いやつと、4Kディスプレイを2枚、あとはアーロンチェアが欲しいです」とか?


そうそう。絶対通ると思いますよ。


そんなもので済むなら安いもんですよね(笑)。


僕、こういうITエンジニアの求人向けの記事たくさん作ってて、クライアントから「ヨッピーさんのおかげで応募がたくさんありました!ありがとうございます!!」とか言われるのに、僕のギャラなんてそのパソコン代以下じゃないですか……!どうなってるんだ……!


それは知りませんけど……。


だって、最近はGitHub採用とかも増えてるって言いません?GitHubのコードを見て「採用!」とか「不採用!」とか。それなら面倒くさくなくて簡単じゃんって、思ってたんですけど。


ええとね、もちろんそれも否定しませんけど、究極的にはコードを見たって、その人が本当にできる人かどうかなんて、なかなかわかりませんよ。


え?なんで?僕はライターさんが書いた原稿見ればどれくらいできるのかは、だいたいわかるつもりですけど……。


例えば、同じコードでも1時間でササっと書いたものなのか、3日間かけて調べながら書いたものかによって違うじゃないですか。完成したコードだけを見てもその過程まではわからないので。


あーーーーーー!なるほど。


もちろんGitHubも参考にはなりますけど、究極的には一緒に働いてみないとわからないことも多いですよね。これは採用される側も同じでしょうけど。実際のところ、自分が活躍できる環境なのかどうかは会社に入ってみないとわからない。

ちゃんと自分のことを知っておくのが大事


結局、「どういう環境がベストか」っていうのは「人によって違うからなんともいえない」っていう結論になっちゃうんですね。「環境を自由に選んでいいよ」って言ったとしても、そもそも本人が「自分はどういう環境が生産性が高くなるのか」をちゃんと理解しているかどうかっていう問題もあるじゃないですか。


まあ、そうですね……。僕がもしどっかの企業でライターをやっていたとしたら、「リモートワークにしろ!」って言うと思うんですけど、僕は絶対リモートワーク向いてなくて、決まった時間に出勤してちゃんと会社のデスクで働いた方が間違いなく生産性は高いと思いますわ……。家だとすぐサボってゲームしちゃうので……。


僕の友だちでフリーのエンジニアがいるんですけど、彼も自宅で仕事ができないタイプで、自分の住んでいるマンションにもう一部屋借りて、そこを仕事場にして毎日出勤しているそうです。ちゃんとスーツとネクタイして(笑)。結局その方が集中できるっていう。


じゃあ、ITエンジニアたちはまず「自分はどういう環境だと一番生産性が上がるか」っていうのを一度考えてみるのがいいですね。その上で自分の「説明書」みたいなのを作っておくといいかもしれない。「僕はこういう環境の方が生産性が高く、こういう部分を重視しています」みたいな。なんか前にそういうのありましたよね。部下に「僕はこういう感じで仕事するから理解してね」って書いてたやつ。


あっ、それたぶん僕が書いたやつです(笑)。
GitHub:yoshiori/manager-readme


あーこれこれ!これを共有しておくといいですよね。「僕はSlackの返信をすぐ忘れるので、むしろ直接話しかけてください」とかそういう人だっているだろうし。

僕なら、

  • 業務メールの返信がないのは、忙しいのではなく、ただ単に忘れてるだけなことがほとんどなので、しつこく催促してくれると嬉しいです。催促されて怒ったりしません。
  • 電話かけてこられるのも別にそんなに嫌じゃないです。

とかかな。僕も作ろうかな……。ITエンジニアの人も作っておくといいですよね。それでチーム変更とか上司が変わったりした時に共有しておけば便利だし、自分のことを知るきっかけにもなりそう。


そうですね。まず自分が活躍できる環境がどうなのかを知っておくことと、そのためにいま業界がどうなっているのかをちゃんと知ることが大事ですね。技術だけに目がいってしまって、「自分が活躍できるフィールドを選ぶ」っていうことを忘れがちなエンジニアは多いので。


なるほど。自分がどういう環境だと生産性が上がって、その環境を与えてくれる会社、業種がどういうところなのかを知ることが大事だってことですね。勉強になるな……。


ところで皆さんバリューコマースって会社知っていました?
(正直僕はアフィリエイトの会社だということくらいしか、知らなかったです!)

今回お話を伺った伊藤さんがCTOをしている会社ですが、エンジニアが生き抜くためのデューデリ知識についてもお話するイベントを来月開催するようです!
なかなか面白いキャラ立ちしていた伊藤さんとお話できるせっかくの機会なので、エンジニアの方は是非行ってみたらどうでしょう!
(アフィリエイトの裏側についてもお話しするらしいですよ~~)



ちなみに、今回の企画にご協力いただいたバリューコマースさんも現在、ITエンジニアの方をゴリッゴリに募集しているそうです!要件は以下の通り!

ちなみに、待遇についてですがバリューコマースさんは、

  • 業務用のパソコンは選択可能!
  • ディスプレイも2枚支給!


以上、ITエンジニアの皆さんは「自分がどういう環境下で生産性が上がるのか?」を見つめなおす機会にしてみてはいかがでしょうか!


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