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ニフティには所属部署での業務のほかに、有志による社内活動が存在します。もちろん強制ではなく、それぞれが興味のある分野について、自主的に活動しています。なかには会社公認のもと予算がつき、社内業務に貢献しているケースも。業務とは別のやりがいや、自分の専門外の知見を得られることが、一つのモチベーションになっています。 これまでにも、「オンラインサポートチーム」や「AI活用促進チーム」などの社内活動を紹介してきました。今回は、中途採用の強化を目的に、ニフティのエンジニアの考え方や働き方などについて発信する「採用ブランディングワーキンググループ」の取り組みを紹介。メンバーたちに、具体的な活動内容を聞きました。 自己紹介 D.K.さん 2003年4月に新卒入社。所属部署での業務内容はWebサービスの開発、運用チームのマネージャー。採用ブランディングワーキンググループでの役割は「まとめ役」。趣味は老舗の甘味屋巡り。 K.R.さん 2025年5月に中途入社。所属部署での業務内容はオプションサービス(セキュリティサービスなど)の開発、運用。採用ブランディングワーキンググループでの役割はエンジニアブログの運営。趣味はバレエ鑑賞。 S.H.さん 2024年4月 に新卒入社。所属部署での業務内容は自社コールセンターのシステム運用・開発。採用ブランディングワーキンググループでの役割は社外イベントへの参加促進。趣味は料理とプログラミング。 S.S.さん 2023年3月 に中途入社。所属部署での業務内容は「@nifty auひかり」申込システムの開発運用。採用ブランディングワーキンググループでの役割は新規企画の立案実行。趣味はボードゲーム、テニス。 ニフティのエンジニアが持つ知見や技術、考え方を発信し、転職市場で選ばれる会社に みなさんはそれぞれの所属部署での業務とは別に、チーム外活動として「採用ブランディングワーキンググループ(以下、採用WG)」にも参加されているとお聞きしました。はじめに、所属部署と採用WGでの役割を教えてください。 D.K.さん 所属部署では、ニフティのWEBサービスの開発や運用をするチームでマネージャーをしています。採用WGには立ち上げ時から関わっていて、現在は取りまとめ役としてメンバーの活動をサポートするのが主な役割ですね。 K.R.さん 普段はサービスシステムグループという部署に所属し、オプションサービス(セキュリティサービスなど)の開発、運用に携わっています。採用WGでの役割は、『NIFTY engineering』というブログの運営。このインタビュー記事もまさにそうですが、ニフティ社員の様々な活動を発信しています。 S.H.さん 所属部署での業務内容は、自社コールセンターのシステム運用・開発です。採用WGでは、ニフティのエンジニアの認知を上げる活動を行っていて、特に力を入れているのは、社外で開催されているイベントへ社内のエンジニアに参加してもらうための呼びかけやサポートです。 S.S.さん 普段は「@nifty auひかり」という回線サービスの申込システムの開発、運用に携わっています。採用WGでの役割は新規企画の立案と実行。採用強化につながる新しい施策を考え、実践していくのが主な活動ですね。 ありがとうございます。そもそも、この採用WGはどのような目的で発足したのでしょうか? D.K.さん ニフティってもともと新卒入社の割合が多い会社なのですが、全社的に開発力や組織力を底上げしてくためには新卒だけでなく、力のあるエンジニアの中途採用にも力を入れていくべきだろうという話が、数年前から持ち上がっていました。 そのためには、改めてニフティという会社が何をやっているのか、社内のエンジニアがどんな仕事をしているのか、広く周知する必要がある。当時の私の上長がそんなアイデアを持っていて、有志を中心に採用WGが立ち上がり、活動がスタートしたのが4年ほど前ですね。 ただ、D.K.さんを含む発起人のメンバーは、採用まわりのご担当ではなかったんですよね。 D.K.さん そうですね。開発の部署になります。ただ、エンジニアの採用に関して、細かい技術のことを知っている開発の人間が協力するのは不自然なことではないのかなと思います。私自身も、「どんな人材が増えると、よりよい組織になるのか」「そのためにニフティという会社や働き方、技術などをいかにブランディングすべきか」といったことに関心がありましたので、ぜひ参加したいと手を挙げました。 社内のエンジニアが寄稿する「Tech Book」で技術力をアピール あらためて、採用WGの具体的な活動内容について教えてください。 D.K.さん 20人ほどのメンバーが、複数のサブチームに分かれています。ここにいるメンバーもそれぞれ別々のサブチームに所属していて、基本的にはチームごとの活動。週1回は全体で集まる場を設けて、各チームの活動報告や、現状の課題について話し合っています。 S.S.さんは「新規企画チーム」、K.R.さんは「ブログチーム」、S.H.さんは「イベント参加促進チーム」で活動されているということですが、これまでに関わった印象深いプロジェクトを教えてください。 S.S.さん 私が印象深いのは、『Nifty Tech Book #2』という技術書を作ったことですね。ニフティのエンジニアたちに「書きたい!」と思ったことを自由に執筆してもらった技術書で、イベントの際などに無料配布しています。もともと、私が採用WGに参加した当初からやりたかったプロジェクトなので、完成した時は達成感がありましたね。 こちら、総ページ数が144ページにも上ります。本業の傍ら、これだけボリュームのある技術書を作るのはかなり大変だったのではないですか? S.S.さん 制作当時は、かなりの時間と労力を割いていました。ただ、#2とあるように、じつは2冊目のテックブックになります。以前に別の方が『Nifty Tech Book #1』を作っていて、当時のノウハウやシステムが残っていたので、それをうまく活用することで効率よく進めることができました。 執筆者は社員の中から募集して、私は主に原稿のレビューや印刷の手配などを担当しています。 イベントなどで配布されているということですが、反響はいかがですか? S.S.さん イベントで配布した際には、「ニフティの回線使っていますよ」といった嬉しい反応を多くいただきました。技術書としても面白い内容になっていると思いますが、ニフティという会社自体を改めて認知していただく効果も、一定程度はあるのかなと感じます。 あとは、社内の新卒採用の場面でも活用されているようで、例えば、大学訪問の際に教授にこの本を渡して、学生に読んでもらったり、つい最近も中途入社の方から「転職活動中にこのTech Bookを読んで、ニフティに興味を持ちました」という声をいただいたりもして、とても嬉しかったですね。 S.H.さん 私の同期も寄稿しているのですが、内容的にも普通にお金を取っていいくらいレベルが高い技術書になっていると感じました。この本を通じて、ニフティのエンジニアが持つ技術、レベルの高さを知っていただけるのではないかと思います。 D.K.さん 採用WGがスタートした当初はブログだけで情報発信していて、本という発想は全くなかったんです。そもそも本業を抱えながらやるには、労力がかかりすぎるため、無理だろうと思っていました。ただ、そのめちゃくちゃ大変なことにS.H.さんはチャレンジして、実際に形にしてくれた。純粋にすごいと思いますし、それくらい熱心に活動してくれているのが嬉しいですね。 ニフティのエンジニアが「社外イベント」に参加しやすい環境をつくる K.R.さんはブログの運営をご担当されていると。 K.R.さん はい。具体的には、ブログの見栄えや使い勝手を良くしたり、コンスタントに記事が投稿されるような施策を実施しています。例えば、新入社員の方にリレー形式で記事を書いてもらったり、クリスマスの時期にAdvent Calendarというテーマを立ててブログの執筆者を募ったりと、色んな企画を行ってきました。 K.R.さんはブログの運営をご担当されていると。 K.R.さん ニフティの採用サイトにも社員にインタビューした記事はあるのですが、チームでの活動にスポットを当てた記事があってもいいんじゃないかということでスタートしました。チームの考え方や、目的意識、リアルな仕事の進め方を見せることで、入社後の働き方のイメージがより湧くのではないかと。そういう私自身も、入社前に別チームのインタビュー記事を読んでいて、ニフティでの仕事により興味が湧きました。 K.R.さんはこれまでの活動で印象に残っていること、あるいは印象に残っている記事はありますか? K.R.さん やはり記事がバズった時は印象に残るというか、素直に嬉しいです。最近では、Advent Calendarの「ファミコンのソフトを作る。Rustで。」という記事がよく読まれました。 あとは新人さんに記事を書いてもらうこともあるのですが、クオリティの高さに驚かされます。私が読んでも普通に勉強になることが多くて、読者として楽しませてもらっています。 <関連記事> ・ファミコンのソフトを作る。Rustで。 ファミコンのソフトを作る。Rust で。 では、S.H.さんはいかがですか? S.H.さんのチームではニフティのエンジニアが社外イベントに参加しやすいよう、サポートを行っているということでしたよね。 S.H.さん そうですね。ニフティではこれまで自社イベントを積極的に開催してきた一方で、社外イベントへの参加促進にはあまり力を入れてきませんでした。そこで、注目度の高い社外イベントにどんどん参加し、会社のことやエンジニアの考え方を発信していくことで、ニフティに関心を持ってもらおうと考え、昨年からその後押しになるような取り組みを強化しています。 具体的に、どんな取り組みを? S.H.さん まず、そもそも社外イベントに関心を持っている、参加したいと思っている社員がどれくらいいるのかを知るためにアンケートを取りました。すると、8割くらいが関心を持っていると。 かなりの割合ですね。 S.H.さん 私たちも正直驚きました。ただ、関心はあっても、「イベントの準備をする時間が取れない」「自分に合うイベントが分からない」「参加にあたって、社内申請や手続きの方法が分からない」といった課題を感じていることが分かったんです。 こうした課題をふまえ、申請のフローを明確化したり、登壇資料の作成をお手伝いしたり、その方に合いそうなイベントを紹介したりと、少しでも障壁を減らすためのサポートを行っています。 ちなみに、これまでどんなイベントに、社内のエンジニアが登壇してきたのでしょうか? S.H.さん ニフティも協賛しているSRE NEXTというカンファレンスのセッションに、社内のエンジニアも登壇してもらいました。ちょうどSRに関する活動をしている社員がいて、こちらから参加をお願いして実現した事例ですね。 D.K.さん 社外イベントへの参加促進に関してはまだ取り組みが始まったばかりですので、これからどんどん数を増やしていきたいと思っています。いきなり「登壇しませんか?」と言ってもハードルが高いと思いますので、まずは観る側・聞く側として気軽に参加してもらうことが大事です。実際、社内のイベント参加記録を見ても、採用WGが強化の取り組みを始めてから参加者が増えていますので、少しずつ成果が出始めていると感じますね。 後編に続きます! 今回はニフティの採用ブランディングワーキンググループのインタビューの様子をお届けしました。後編の記事は近日公開予定です。 このインタビューに関する求人情報 /ブログ記事 ニフティ株式会社 求人情報
はじめに 2026年7月にタイミーへ入社した細野です。現在はバックエンドエンジニアとして、ワーカーさんと事業者様双方の体験をより良くするためのプロダクト開発に携わっています。 この記事では、私がタイミーに興味を持った背景と、入社後に感じていることを書きます。タイミーに少しでも興味を持っている方にとって、入社後のイメージを持つ材料になれば嬉しいです。 簡単な自己紹介 私はもともと、紳士服販売からキャリアをスタートしました。その後、プログラミング講師を経て、2021年からエンジニアとして働いています。 エンジニアとしては、スタートアップや事業会社でフロントエンドからインフラまで、幅広く開発に携わってきました。プレイングマネージャーとして開発推進や技術面のリードを担いながら、新入社員メンターや中途採用にも関わらせていただきました。 直近ではニフティ株式会社で、ポイントサービスのモダナイゼーションに取り組んでいました。特に、データベースの PostgreSQL 移行など、長く運用されてきたシステムを今後も継続的に改善できる状態に近づける取り組みに関わらせていただきました。 参考: ニフティ株式会社「 Oracle Database Enterprise Edition から Amazon Aurora PostgreSQL への移行によりメンテナンス時の対応コストを50%削減 」(出典:同社公開記事) タイミーに興味を持つまでの背景 私は、エンジニアリングを通じて、人の選択肢や可能性を広げることに貢献できる仕事に、強いやりがいを感じます。 人生の中で、仕事が占める時間はとても大きいものです。だからこそ、どんな仕事に向き合うかは、自分自身の幸福度にも大きく関わると考えています。 以前、「ジョブ・キャリア・コーリング」という考え方を知ったとき、自分は収入を得るためだけでも、キャリアを積み上げるためだけでもなく、自分なりに意味を感じられる仕事に向き合いたいのだと気づきました。 その後、プログラミング講師として受講生の方々に向き合う中で、人の選択肢を広げることに関わる仕事への思いはより強くなりました。さらに、教えるためにプログラミングを学び続けるうちに、その面白さに強く惹かれるようになり、エンジニアとしてプロダクトを通じて価値を届けたいと思うようになりました。 特に印象に残っているのは、自社サービスの開発で、事業部、ディレクター、CS、デザイナーなど多くのメンバーと一緒に、要求定義からリリース、リリース後の改善まで取り組んだ経験です。技術だけで完結するのではなく、ユーザー体験や事業成果に向き合いながら、チームでプロダクトを育てていくことに強いやりがいを感じました。 タイミーに興味を持ったきっかけ タイミーに興味を持ったきっかけは、以前から業務で参考にしていたテックブログや、求人媒体で見た募集情報でした。 タイミーが掲げる Vision「一人ひとりの時間を豊かに」と Mission「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」は、自分が大切にしてきた価値観と強く重なるものでした。加えて、モジュラーモノリスやチームトポロジーなど、プロダクトと組織の成長に向き合うための技術的・組織的なチャレンジがあることにも惹かれました。 また、エンジニアとして技術を深めるだけでなく、PdM、アーキテクト、EM、テックリード、シニアエンジニアなど、さまざまなキャリアの可能性があることも魅力でした。自分自身、技術、プロダクト、人・チームの成長のどれにも関心があるので、入社後の選択肢を広く持ちながら挑戦できそうだと感じました。 入社して感じていること 実際に入社してみると、事業、プロダクト、開発組織、ドメイン知識など、キャッチアップすることはたくさんあります。正直、まだまだ目の前のことを理解しながら、なんとか現場についていっている段階です。 ただ、チームトポロジーを踏まえた組織設計、Notion上のドキュメント、バックエンド開発Handbook、AIエージェント向けのスキルなど、必要な情報にたどり着きやすい仕組みが整っていることは、とても心強く感じています。 tech.timee.co.jp 加えて、入社後はメンターの方と毎日1on1の時間があり、分からないことをそのままにせず相談できる環境があります。キャッチアップ量は多いですが、一人で抱え込まずに前に進める安心感があります。 正直、まだ一度聞いただけで理解しきれることばかりではありません。だからこそ、分からなかったことや後で見返したいことは Notion DB に残し、タスクやキャッチアップ用のメモとして少しずつ整理しています。レビューでいただいたフィードバックも、同じ指摘を繰り返さないように Claude や Cursor の Skill として残し、次の実装やレビュー前に見返せるようにしています。文字だけでは把握しづらいドメインやシステムの関係性は、Miro で図にしながら、自分にとって理解しやすい形に変換しているところです。 また、単に仕様を実装するだけではなく、「なぜそれをやるのか」「誰にどのような価値があるのか」を考える機会が多いことも印象的です。ドメインやプロダクトの変化に向き合う難しさはありますが、その難しさも含めて、プロダクトやユーザーに近い場所で価値を届けるエンジニアリングに取り組めていることを面白く感じています。 これからやりたいこと まずは担当領域でしっかり価値を出しながら、ワーカーさんと事業者様双方にとってより良い体験を届けられるよう、プロダクト理解と技術力の両方を深めていきたいです。 そのうえで、継続的に学び、学びをチームや組織に還元できるエンジニアでありたいと思っています。目の前の課題に対して横着せず、背景や構造を理解しながら、論理的に考え、周囲と協力して成果につなげていきたいです。 また、バックエンドエンジニアとしての専門性を高めつつ、これまでの経験も活かして、プロダクトやチームの成長にも貢献していきたいです。 タイミーが向き合っている「はたらく」の領域には、ワーカーさんと事業者様双方の体験をより良くすること、複雑なドメインをプロダクトとして分かりやすく届けること、事業成長に耐えられるシステムを作ることなど、エンジニアリングで向き合えるテーマがたくさんあると感じています。これから少しずつ、自分なりの形で価値を届けていけるよう頑張っていきます。 おわりに ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 タイミーはいま、第二創業期ともいえるフェーズにあります。新規事業や既存領域の進化がいくつも並行して走っており、意思決定や仮説検証のサイクルを速めるための仕組みづくりも盛んです。 まだ入社して間もないですが、このスピード感の中でプロダクト開発に向き合えることは、率直にとても面白いと感じています。 もしタイミーの Vision、Mission、Value に共感し、同じ熱量でプロダクト開発に関わりたいと感じる方がいれば、ぜひ一度カジュアル面談でお話しできると嬉しいです。 product-recruit.timee.co.jp
クレジットカードシステムのテストを担当すると、「正常に決済できることは確認したものの、ほかに何をテストすればよいのかわからない」と悩むケースは少なくありません。 クレジットカード決済は金銭を扱うため、一般的な入力フォーム以上に、 テスト漏れが売上や顧客対応へ大きな影響を与えやすい機能 です。 正常なカードで購入できるかだけではなく、カード利用拒否、本人認証の失敗、通信エラー、取消、返金、二重決済といった状況まで想定する必要があります。 さらに、画面上では決済に成功していても、注文データや管理画面のステータスが更新されていなければ、システム全体として正常とはいえません。 重要なのは、思いついたテスト項目を増やしていくのではなく、 決済開始から決済後の処理までを一連のフローとして分解し、それぞれに正常系と異常系を当てはめること です。 テスト用の環境やカードを活用すれば、実際の請求を発生させることなく、決済成功や各種エラーを再現できるサービスもあります。 そこで今回は、クレジットカードシステムで確認したいテスト観点を、 決済フロー・基本機能・外部連携・セキュリティ・リリース前確認 の順番で整理しました! テスト設計やレビュー時の観点整理に役立てながら、担当システムに必要なテストケースへ落とし込んでいきましょう。 import haihaiInquiryFormClient from "https://form-gw.hm-f.jp/js/haihai.inquiry_form.client.js";haihaiInquiryFormClient.create({baseURL: "https://form-gw.hm-f.jp",formUUID: "927d2c4e-f06c-45b1-bd36-0240e55ccf72",}) ▼テストの種類について詳しい内容はこちら▼ 【保存版】テストの目的別タイプ一覧 まず押さえたい!クレジットカードシステムのテスト範囲 クレジットカードシステムをテストするときは、カード情報を入力する画面だけではなく、 決済に関連するシステム全体をテスト対象として捉えること が重要です。 ECサイトやWebサービスでは、自社システムだけで決済処理が完結するとは限らず、決済代行サービスやカード会社など、複数のシステムをまたいで処理が進みます。 そのため、画面上で「購入が完了しました」と表示されたことだけを確認しても、十分なテストとはいえません。 決済結果が注文データへ反映されているか、管理画面のステータスが正しいか、金額にずれがないかなど、内部処理まで確認する必要があります。 特に重要なのが、 画面上の状態・決済サービス側の状態・自社データの状態が一致しているか という観点です。 最初にテスト対象となる処理やステータスを整理しておけば、正常系だけに偏らず、異常系や決済後処理まで含めたテストケースを作りやすくなります。 決済画面だけでなく「一連の処理」をテストしよう! クレジットカード決済では、カード番号を入力して決済ボタンを押した瞬間だけではなく、 注文開始から決済結果の反映までの一連の処理 を確認します。 ECサイトであれば、商品選択、注文情報の作成、カード情報の入力、本人認証、決済処理、決済結果の取得、注文状態の更新、完了画面の表示といった流れが代表的です。 さらに、決済完了メールや管理画面への反映、在庫の更新などが連動している場合は、それらもテスト範囲に含めます。 API(Application Programming Interface)を利用して決済サービスと連携している場合は、リクエスト内容だけではなく、返却された結果が自社システムへ正しく反映されるかを確認することも欠かせません。 たとえば、決済サービスでは成功しているにもかかわらず、注文データが「未決済」のままであれば、後続の出荷や顧客対応で問題が発生します。 利用者から見える画面とシステム内部の状態をセットで確認すること が、決済システムのテストで重要な基本姿勢です。 テスト前に「決済状態と業務フロー」を整理しよう! 具体的なテストケースを作成する前に、システム内で扱われる 決済ステータスと業務フローを一覧化 しておくと、テスト漏れを減らしやすくなります。 決済システムでは単純な「成功」「失敗」だけではなく、処理前、認証中、与信済み、売上済み、取消済み、返金済みなど、複数の状態を扱う場合があります。 オーソリと呼ばれる与信処理の後に売上を確定するシステムでは、与信成功後に売上処理へ進めるか、取消した場合に状態が戻るかといった確認も必要です。 特に注意したいのが、 自社の注文状態と決済サービス側の状態が食い違うケース です。 「決済は成功しているが注文登録に失敗した」「注文データは作成されたが決済は失敗した」などの状態をあらかじめ想定すると、障害時の復旧方法まで確認できます。 都度購入だけでなく、予約販売や定期購入などがある場合は、業務フローごとに「処理×状態×結果」を整理してからテストケースへ落とし込むと効率的です。 ここを押さえれば漏れにくい!クレジットカード決済の基本テスト項目 クレジットカード決済の基本テストは、 正常系・入力エラー・決済失敗・決済後処理 の4つに分けると整理しやすくなります。 最初に正常系で基本的な決済フローが成立することを確認し、その後にカード情報の誤入力や利用拒否などの異常系を追加していくのが基本的な進め方です。 また、購入できることだけを確認してテストを終えるのではなく、取消や返金まで含めて確認する必要があります。 特に決済システムでは、正常系よりも異常発生時の処理で不具合が見つかることが少なくありません。 テストケースを作成するときは、単にケース数を増やすのではなく、 どのような条件で決済結果やシステム状態が変化するのか を基準に整理します。 カード情報、金額、認証結果、決済結果などの条件を組み合わせることで、実運用に近いテスト設計につながります。 まずは正常系!問題なく購入できる流れを確認しよう! 正常系では、利用可能なカードを使用して、 注文開始から決済完了まで問題なく進められること を確認します。 カード番号、有効期限、セキュリティコードなどを正しく入力し、想定した決済結果が返ってくるかを確認しましょう。 Visa、Mastercard、JCBなど複数のカードブランドに対応している場合は、契約内容や実装仕様を踏まえて必要なブランドをテスト対象に含めます。 金額についても、商品価格だけではなく、送料、税、割引、クーポンなどを含めた 最終的な請求金額が注文金額と一致しているか を確認することが重要です。 決済成功後は、注文データや決済ステータス、管理画面、在庫、メール通知など、関連する処理まで正しく反映されているかを確認します。 一つの画面で「成功」と表示されたことだけを合格条件とせず、 決済完了後のシステム状態まで含めて正常系と考えること がポイントです。 入力チェックを網羅!カード情報の異常・境界値を確認しよう! カード情報入力画面では、正しい値だけではなく、 未入力・形式不正・境界値などを使った入力チェック を行います。 カード番号では、未入力、桁数不足、桁数超過、数字以外の入力など、画面仕様で想定されているケースを確認します。 有効期限では、過去の日付、存在しない月、未入力などに対して適切なエラーが表示されるかを確認します。 セキュリティコードやカード名義を扱う場合も、必須チェックや文字数、利用可能な文字種などを仕様書と照らし合わせます。 入力値だけでなく、決済ボタンの連打、ブラウザの戻る操作、再読み込みなど、 通常とは異なる画面操作 を組み合わせることも重要です。 なお、入力形式のエラーと、正しい形式で送信した後にカード会社や決済サービスから返される利用拒否は別の異常系になるため、混同せずテストケースを分けて設計します。 決済失敗も再現!カード拒否や処理エラーを確認しよう! クレジットカードシステムでは、正常に決済できるケースと同じくらい、 決済できなかったときの挙動 が重要です。 テスト環境で再現できる場合は、カード利用拒否、有効期限切れ、利用可能額不足、処理エラーなど、提供されている失敗パターンを確認します。 決済サービスによっては、特定のテストカードや入力条件によって異なるレスポンスを再現できる仕組みがあります。 ただし、再現可能なエラーの種類やテストカードの仕様はサービスごとに異なるため、使用中の決済サービスのテスト仕様に合わせてケースを設計する必要があります。 決済失敗後には、不要な請求が発生していないか、注文状態が正しいか、再度決済できるかなども確認しましょう。 エラーメッセージについては、内部的なエラーコードをそのまま表示するのではなく、 利用者が次に何をすればよいか判断できる内容になっているか という視点も重要です。 決済後も重要!取消・返金・売上処理まで確認しよう! クレジットカードシステムのテストでは、商品を購入できた時点で終了せず、 決済後に発生する取消や返金までテスト します。 決済取消を実行した場合は、決済サービス側だけではなく、自社システムの注文状態や管理画面にも結果が正しく反映されているかを確認します。 返金機能がある場合は、全額返金に加え、システムが対応しているのであれば一部返金も確認します。 同じ取引に対して取消や返金を複数回実行した際に、二重で処理されないことも重要なチェックポイントです。 また、決済サービスによって取消・返金できる期間や処理条件が定められている場合があるため、 サービス側の制約と自社システムの制御が一致しているか も確認する必要があります。 購入処理だけでなく、注文キャンセルや返品といった実際の業務フローまで想定することで、本番運用で発生しやすい問題を事前に見つけやすくなります。 本番障害を防ごう!外部連携・3Dセキュア・セキュリティのテスト クレジットカード決済は外部サービスとの連携が多いため、通常の画面テストだけでは確認できない障害パターンがあります。 特に注意したいのが、 API通信の失敗やタイムアウトによって決済結果が不明確になるケース です。 さらに、ECサイトではEMV 3-Dセキュアによる本人認証が重要となっており、認証成功だけでなく認証失敗やキャンセルなどの分岐もテストする必要があります。 現在のEC加盟店では、EMV 3-Dセキュアの導入だけでなく、Webサイトの脆弱性対策や不正ログイン対策なども重要なセキュリティ施策として位置づけられています。 また、カード情報を保存・処理・送信するシステムでは、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を踏まえたデータ保護も検討しなければなりません。 機能面で決済できることと、安全な決済システムであることは別のため、 外部障害・本人認証・情報保護をそれぞれ独立したテスト観点として持つこと が重要です。 通信エラーに強くする!API・タイムアウト時の動きを確認しよう! 外部の決済サービスとAPIで連携しているシステムでは、正常なレスポンスだけでなく、 エラーや通信障害が発生した場合の挙動 を確認します。 決済APIがエラーを返した場合に処理を適切に中断できるか、利用者へ必要な案内を表示できるかを確認しましょう。 特に注意したいのが、決済リクエストを送信した後にタイムアウトし、自社システム側では結果を受け取れないケースです。 この状態で単純に再送すると、最初の決済が実際には成功していた場合に二重決済へつながる可能性があります。 決済ボタンの連打、画面の再読み込み、通信途中の画面離脱などについても、 同じ取引が重複して実行されない仕組みになっているか を確認することが重要です。 Webhookなどの非同期通知を利用している場合は、通知が遅れる、重複する、届かないといった状況も含め、決済状態を最終的に正しく確定できるかまでテストします。 3Dセキュアも忘れずに!本人認証の分岐を確認しよう! ECサイトの決済では、EMV 3-Dセキュアによる カード利用者の本人認証を含めたフロー をテストする必要があります。 現在はEC加盟店における不正利用対策としてEMV 3-Dセキュアの導入が重要な位置づけとなっており、認証機能を含めた動作確認は欠かせません。 正常に認証して決済が完了するケースだけでなく、追加認証が必要になる場合や、認証に失敗した場合も確認します。 利用者が認証をキャンセルした場合、認証中にタイムアウトした場合、ブラウザの戻る操作を行った場合などもテスト対象です。 本人認証画面から自社サイトへ戻った際には、 注文状態と決済状態が正しい組み合わせになっているか を必ず確認します。 認証画面自体が正常に表示されることだけを確認するのではなく、認証前から認証後までを一つの決済フローとしてテストすることが重要です。 カード情報を守れている?セキュリティ観点も確認しよう! クレジットカードシステムでは、決済機能が正常に動くことに加えて、 カード情報を安全に取り扱えているか という観点が欠かせません。 まず確認したいのが、カード番号やセキュリティコードなどの機密性が高い情報を、不要な場所へ保存していないかという点です。 アプリケーションログ、エラーログ、アクセスログ、分析ツールなどへカード情報が意図せず出力されていないかも確認します。 PCI DSSは、カード会員データを保存・処理・送信する事業体などを対象として、決済情報を保護するための技術面・運用面の基本要件を定めています。 EC加盟店では、決済部分だけを見るのではなく、Webサイトやシステムの脆弱性、不正ログインなどを含めた対策も重要です。 「機能テストに合格したから安全」と判断せず、機能品質とセキュリティ品質を別々に確認すること が安全な決済システムにつながります。 実務ですぐ使える!テスト環境の準備からリリース判定までの進め方 クレジットカードシステムのテストを効率よく進めるには、テストケースを作る前に 利用できるテスト環境と再現可能な決済結果を確認すること が大切です。 決済サービスによって、テストカードで再現できる成功・失敗パターンや、テスト環境と本番環境の違いは異なります。 そのため、一般的なテスト項目をそのまま当てはめるのではなく、自社システムの仕様と利用している決済サービスの仕様を組み合わせてテストケースを作成します。 すべての条件を総当たりでテストするとケース数が膨大になるため、障害が発生した場合の影響と発生可能性を考えて優先順位を付けることも重要です。 特に決済不可、二重決済、金額誤り、注文状態との不整合などは、事業への影響が大きいため重点的に確認します。 最終的には、 重要なリスクを十分にカバーした状態でリリース判断できるテスト設計 を目指します。 まずテスト環境を確認!テストカードで安全に再現しよう! テストを始める前に、利用している決済サービスが提供している テスト環境やサンドボックスの仕様 を確認しましょう。 決済サービスによっては、実際の請求を発生させずに、決済成功や決済失敗などを再現できる専用のテストカードが用意されています。 正常決済だけでなく、利用拒否や認証失敗などを再現できれば、異常系のテストも安全に実施できます。 ただし、テストカードの番号や再現できる結果はサービスごとに異なるため、別の決済サービス向けに公開されているテスト情報を流用しないよう注意が必要です。 また、テスト環境で確認できる機能と、本番環境でなければ最終確認できない機能をあらかじめ切り分けておきます。 テスト環境は本番環境そのものではない という前提を持ち、環境差分や本番切り替え後に確認すべき項目までテスト計画へ含めることが重要です。 「画面×決済状態×外部連携」でテストケースを整理しよう! テストケースを作る際は、画面ごとに項目を並べるだけでなく、 「画面」「決済状態」「外部連携」の3つの軸 で整理すると抜け漏れを発見しやすくなります。 処理の流れとしては、入力、本人認証、決済処理、結果反映、取消・返金といった単位に分けます。 そこへ正常系、異常系、境界値、通信障害、セキュリティといった観点を組み合わせれば、必要なケースを体系的に洗い出せます。 さらに、カード状態、購入金額、本人認証結果、APIの応答結果など、結果を変化させる条件を整理します。 ただし、すべての組み合わせを機械的に実行すると膨大な工数が必要になるため、 障害時の影響度と発生可能性を考慮して優先順位を付けること が重要です。 レビューではテストケースの総数だけを見るのではなく、二重決済や状態不整合など、事業への影響が大きいリスクを十分にカバーできているかを確認しましょう。 リリース前に最終確認!重大障害につながるケースを優先しよう! リリース直前は、テスト項目を最初からすべて繰り返すのではなく、 障害発生時の影響が大きい機能から優先して最終確認 します。 代表的なのは、決済できない、二重で請求される、注文金額と決済金額が異なる、決済結果と注文状態が一致しないといったケースです。 タイムアウト、通信断、決済ボタンの連打、ブラウザの再読み込みなど、通常操作から外れた状況も重点的に再確認します。 EMV 3-Dセキュアを利用するシステムでは、本人認証を含む実際の決済フローと、テスト環境との違いを把握しておくことも大切です。 さらに、テストモードの解除、APIキーや接続先の切り替えなど、 テスト用設定が本番環境へ残っていないか もリリースチェックに含めます。 万が一の障害に備えて、取引を特定できるID、必要なログ、監視方法、決済サービスへの問い合わせ手順まで確認しておけば、問題発生後の調査や復旧も進めやすくなります。 まとめ|チェックリスト化して「漏れなく安全にリリースできる状態」をつくろう! クレジットカードシステムのテストでは、正常に購入できることだけではなく、 入力エラー、決済失敗、取消・返金、外部連携、本人認証、セキュリティまで一連の流れとして確認すること が重要です。 特に決済システムでは、利用者が目にする画面だけでなく、自社の注文データや決済サービス側のステータスが一致しているかを確認する必要があります。 テストケースは「画面」「決済状態」「外部連携」の軸で整理し、正常系・異常系・境界値を組み合わせると抜け漏れを減らしやすくなります。 テスト環境やテストカードも活用しながら、決済成功だけではなく、失敗や通信障害など本番で起こり得る状況を再現しておきましょう。 すべてを同じ優先度で確認するのではなく、二重決済、金額誤り、決済状態の不整合など、 事業や利用者への影響が大きいリスクを優先すること がポイントです。 整理したテスト観点を自社システム用のチェックリストとして残しておけば、今後の機能改修や決済サービス変更でも再利用でき、テスト設計の効率化と品質向上につなげられます。 QA業務効率化ならPractiTest テスト管理の効率化 についてお悩みではありませんか?そんなときはテスト資産の一元管理をすることで 工数を20%削減できる 総合テスト管理ツール「 PractiTest 」がおすすめです! PractiTest (プラクティテスト) に関する お問い合わせ トライアルアカウントお申し込みや、製品デモの依頼、 機能についての問い合わせなどお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ この記事の監修 Dr.T。テストエンジニア。 PractiTestエバンジェリスト。 大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。 2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。 記事制作: 川上サトシ (マーケター、合同会社ぎあはーと代表)
























