メルペイ VPoE による2023年の振り返り

この記事は、Merpay Advent Calendar 2023 の1日目の記事です。

hello hello hallo how high? メルペイで5月からVPoE の @nu2です。

はじめに

2023年6月、メルペイはエンジニアリング組織の新体制を発表しました。
https://mercan.mercari.com/articles/39414/
(新体制になったメルカリグループのFintechのエンジニアリング。新CTOとVPたちが語る、グループLTV最大化のためにFintech事業が果たすべき役割)

今年の Merpay Advent Calendar はエンジニアリング組織新体制の元、オープナーとしてメルペイのこの1年を淡々と振り返ってみたいと思います。
特に私は5月に入社しましたので新鮮な視点をお伝えできればよいなと考えています。

https://engineering.mercari.com/blog/entry/20230704-merpay-techasset-first-impression/
(New Member として見たMerpay Tech Asset First Impression)

LLM

入社日当日にLLM を活用した「ぐげん会議」を開催するからVP としてチームのスポンサーになってくれと言われました。全く前知識とコンテキストがないまま、これまでの経験から障害報告書を障害の状況から規定の形式に自動生成して書記をするAI を開発するチームをスポンサードする事に決めました。

https://mercan.mercari.com/articles/39144/
(LLMを活用してなにがつくれるか?——「ぐげん会議」開催から見えてきた、AI活用の新たな可能性)

私がスポンサードしたチームは見事にCTO 賞を受賞しました。
また、MVPを受賞した返済相談チャットシミュレーターを開発したチームはその品質の高さとともに、会社の決算資料にも報告を開始したクレジットサービスの債権残高 / 回収率にとても大きなインパクトを残しそうなポテンシャルを感じるAI プロダクトでした。

メルカード

2022年12月から提供を開始したメルカードの発行枚数が200万枚を突破しました。

https://jp.merpay.com/news/2023/11/2million/
(「メルカード」、すべてのお客さまへの提供開始から1年足らず(約11か月)で発行枚数200万枚突破)

提供開始からわずか半年で機能をアップデート、その約3ヶ月後に更にアップデートをしています。

https://jp.merpay.com/news/2023/06/20230627seisan/
(メルペイ、清算機能のアップデートで清算後すぐに「あと払い利用枠」が回復する機能を追加)

https://jp.merpay.com/news/2023/10/20231016seisan/
(メルペイ、清算機能のアップデートで清算後すぐにポイントが付与される機能を追加)

このような体験向上をデザイン面、エンジニアリング面から支えた結果がグッドデザイン賞を受賞した事につながっているのではないかと思います。
エンジニアリングとしてこのように短期間でアップデートをかけられる決済機能をこれまで日本国内で見た事はありません。
なぜこのような事が可能なのか?という事はMerpay & Mercoin Tech Fest 2023 のこちらのセッションにて発表されています。

グッドデザイン賞
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231005_gdesign/
(メルカリグループのサービス、「メルカード」と「ビットコイン取引サービス」が2023年度グッドデザイン賞をW受賞)

Merpay & Mercoin Tech Fest 2023

そしてエンジニアリング組織の新体制後初のTech Fest を開催しました。
Fintech 領域の業務経験やドメイン知識が不十分な状態で入社しましたので
個人的にもこのTech Fest は自分のインプットを増やす上で非常に有用でした。

https://mercan.mercari.com/articles/39180/
(8月22日より3日間にわたって開催!Fintech CTOと2名の新VPoEに聞く、「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」の見どころと意気込み)
https://engineering.mercari.com/blog/entry/20231023-mmtf2023-day1-2/
(【書き起こし】How to Unleash Fintech – Shunya Kimura / Keigo Watanabe / Noriaki Utsunomiya 【Merpay & Mercoin Tech Fest 2023】)

現在配信したセッションの動画を全てテキストに書き起こしてくれているので予習、復習に最適です。
https://engineering.mercari.com/blog/entry/20231023-mmtf2023-list/
(Merpay & Mercoin Tech Fest 2023 セッション書き起こしまとめ)

求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」


そしてTech Fest のトークセッションで「まだ言えない事がある」とCTO が言及していたのがこのスポットワーク事業に参入する話です。

https://about.mercari.com/press/news/articles/20231113_mercarihallo/
(メルカリ、2024年初春にスポットワーク事業に参入、本日より求人募集パートナーの先行受付を開始)
“メルペイを通じて、給与デジタル払いを実現し、「メルカリ ハロ」をご利用いただいた際、「メルペイ」で給与を受け取れる体験を提供することを目指します。”

プレスリリースから引用した文章のとおり、この体験の提供を実現するため現在急ピッチかつ慎重にプロジェクトを進行しています。

貸金業務取扱主任者制度

貸金業務取扱主任者制度とは貸金業法で定められている国家試験です。
我々は貸金業を営んでいますので、所属する社員は誰でも会社の経費で受験する事ができます。ドメイン知識を習得する絶好の機会なので受験してきました。
毎年試験にチャレンジするエンジニアはかなりおり、試験前後は試験対策用に立てられたSlack チャンネルがとても盛り上がってました。
なぜこのような法律ができて、貸金業を事業とする事業者は資格の保有を義務付けられるのか?というこれまでの歴史的背景から学ぶ事も多くあり私は既に来年の試験に向けて毎日少しずつ学習を繰り返そうと考えています。

経済安全保障推進法

株式会社メルペイは経済安全保障推進法の特定社会基盤事業者として指定されました。
給与デジタル払いを実現するためにも必要なことであります。

https://www.fsa.go.jp/news/r5/economicsecurity/231117infrastructure.html
(金融分野における経済安全保障対策)

“経済安全保障推進法第50条第1項及び第2項の規定に基づき、特定社会基盤事業者を令和5年11月16日に指定し、同年11月17日に公示しましたので、別添をご確認ください。”
https://www.fsa.go.jp/news/r5/economicsecurity/tokuteishakaikiban.pdf
(特定社会基盤事業者として指定した者)

私が入社後ちょうど半年を経過したタイミングで国から社会インフラの一部として指定され、入社後丸一年経過する日までに法令に準拠する体制を構築しなければなりません。
私個人の経歴としてもインターネットポータル、検索、通信とICT の社会インフラ企業で経験を積んできましたので運命めいたものを感じてしまいました。

「守り」あってこその「攻め」を来年は実践していく所存です。

おわりに

2023年のメルペイは前年にリリースをした大きな機能を磨き上げる年になったと個人的に感じました。またその大きな機能に対してさまざまな反響をいただきました。
今後もお客さまの安心・安全を維持しながら新たな価値をお届けすることを、エンジニアリングで達成していきたいと思います。

明日の記事は VPoE のkeigowさんです。引き続きお楽しみください。

おまけ

今年無事。

所属する会社が変わってもこのフレーズをAdvent Calendar に投稿する事は私の恒例行事なので、
今年もILL-BOSSTINO のこの言葉を捧げます。
特に我々の業界は月跨ぎ、年跨ぎのタイミングでインシデントが発生しやすいです。
皆さま良いお年をお迎えください。

(THA BLUE HERB “今年無事” @ 東京 contact – 2019.12.29)

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