データ組織のマネージャーとして大切にしている5つの心得
こんにちは!バンダイナムコネクサス データ戦略部の吉村です。
データプロダクト課というデータ基盤、機械学習システムを構築しているチームのマネージャーをやっています。
本記事ではマネージャーを行う上で心がけていることを紹介します。
1.リーダーシップ型とフォロワーシップ型マネジメントの使い分け
エンジニアリングマネージャーとしての役割を果たす上で実践していることの一つに、リーダーシップとフォロワーシップの使い分けがあります。
ラインマネジメント、プロジェクトマネジメントという他領域のマネジメント業務に対応するためには、状況に応じてこれらを柔軟に切り替えることが重要だと感じています。
フォロワーシップ型マネジメントによってメンバーの成長を促し、リーダーシップ型マネジメントで短期的な成果を求める。この2つのアプローチを状況に応じて使い分けています。
フォロワーシップ型のマネジメント
私がラインマネジメントを行う上で私が最も大切にしている価値観は、メンバーの「才能と情熱を解き放つ」ことです。
そのためのマネジメントの型としてフォロワーシップ型のマネジメントスタイルを意識しています。
進め方としてはメンバーがやりたいことをひたすら傾聴し、その上でメンバーが目標を達成するために必要なサポートをしています。
フォロワーシップ型のマネジメントは、成果が出るまでに時間がかかることが多いですが、「成長>成果」の意識を持ち続けています。
リーダーシップ型のマネジメント
一方、プロジェクトやプロダクトのマネジメントを行う際には、リーダーシップ型のマネジメントを意識しています。
プロジェクトを進める際、マネージャーの考えやビジョンがそのまま成果に反映されることが多いので、自分の考えをまとめ、それをメンバーに迅速に伝えることが求められます。
プロジェクトのように明確な期日と予算が設定されているものは「成果>成長」という意識を持ち、スピード感を持って対応できるスタイルでマネジメントを行っています。
2.仕事を任せるときはWhyを伝える
「Whyから始めよ」というのはサイモン・シネックさんの理論して有名です。
マネージャーとして、メンバーと協業する場面が多々ありますが、自分が重要と感じているのは「Why」と呼ばれる部分です。
メンバーがなぜその業務を行うのか、その意図と目的をしっかり理解してもらうために時間をかけます。
「Why」がしっかりしていれば、具体的な手法はメンバーに一任し、手段については自由に任せるという姿勢を取っています。手段を任せることがチームの成長とプロジェクトの成功に繋がります。
Whyを意識してもらう
メンバーが主体的に仕事に取り組める状態を作るためには、なぜその業務を行うのかという目的をしっかり理解してもらう必要があります。
「Why」の部分がしっかりしていれば、具体的な手法についてはメンバーに一任しています。
最初はどうしても細部に口を出してしまいがちでしたが、メンバーが意図をもって考えているのであれば、そのプロセスについては意思をもって見守ることにしました。
手段を任せる重要性
メンバーが出してきた手段について、良し悪しを感じることがあったとしても、メンバーの考えがきちんとまとまっている限り、特に関与しないように心掛けています。
手段について細かい指示をしてしまうと、メンバーの自律性と創造性が損なわれるからです。
手段を任せることで、各メンバーがPDCAサイクルを効果的に回すことができるようになっていると感じています。
意思をもって関与しないことが、チームの自己解決能力を高める重要なポイントです。
3.配慮はするが、遠慮はしない
この言葉はプロ野球の名将、星野仙一さんの名言として有名です。
「配慮はするが、遠慮はしない」という心得を持ち、相手を思いやりながらも、必要なフィードバックをしっかりと伝えなければならないとマネジメントを行う上で意識しています。
私が考える配慮と遠慮の違いについては以下の通りです。
遠慮:相手のことを思った結果、行動しないこと。
配慮:相手のことを思い、言い方やふるまいを工夫しながら行動すること。
配慮をもってフィードバックを行う
マネージャーという役割は、フィードバックを伝えることが多い仕事です。
しかし、フィードバックを伝える際に「遠慮」してしまい何もフィードバックしないというのは、何もしていないのと同じです。
フィードバックをストレートに伝えることが正しいわけではなく、相手の状況や背景を深く理解し、「配慮」をもって伝えることは必要です。
例えば、間違いを指摘をする際にも、もっと良くなるというプラスの面を強調するように配慮して伝えるといったことです。
配慮あるフィードバックによって、メンバーは自分の成長を実感し、前向きに取り組む姿勢を持つことができるようになります。
4.楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
この言葉は京セラの稲盛和夫さんの名言として有名です。
私のマネジメントスタイルも、この言葉に深く根付いており、データ組織の成長と成功を支えている考え方です。
楽観的に構想する
構想を練る際には、いつも高い期待値を持って楽観的に考えるようにしています。
こういうことができたら良いなと、ビジョンを策定します。
構想したビジョン以上のことを実際に成し遂げることは難しいので、可能な限り大きなビジョンを描くよう心がけています。
組織のビジョンについてはチーム合宿を行って決めており、ワイワイやってます。
悲観的に計画する
一方で、計画を立てる際には細かいタスクを想像し、最悪を想定したプランを用意することが重要です。
進行中に見つかるタスクは既に手遅れになっていることが多く、計画段階で考え得る限りのリスクや問題点を洗い出し、それに対する対策を考慮します。
そうすることで、進行中に発生する「漏れ」や「手戻り」を最小限に抑えることができます。
楽観的に実行する
最後に、実行段階ではメンバーを信じて楽観的に取り組むことを心がけています。方向さえ間違っていなければ、多少の遅れやミスは問題ではありません。
悲観的に進めると不安が伝播してチームの雰囲気が悪くなり、本来のパフォーマンスが出せないので最終的にはうまくいくと信じて進めます。
5.やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
この言葉は元帥海軍大将の山本五十六さんの名言として有名です。
口であれこれ言うだけではリーダーとして信頼されず、実際に手を動かして見せることでメンバーからの信頼を勝ち取り、実際に手を動かす重要性を痛感しました。
実践の重要性を学んだ体験
私の元マネージャーがこれを体現していて、実践の重要性を身をもって体感したことを覚えています。
新規企画を作る時にあれこれ口で言うのではなく、自らたたき台を作ることで具体例を示してお手本を見せてくれました。その姿勢を見たメンバーは自ら動くことの重要性を理解し新規企画は進行しました。
アウトプットの重要性
そのマネージャーの言葉で特に印象的だったのは、
「企画が作る新規企画なんて1割が実現に進めば企画としては成功だ」
というものでした。使われないことを嘆くのではなく、アウトプットを出し続けることが重要だという教えです。この考え方は、手を動かしてアウトプットを出すことが、成果を残すとともに、マネージャーとしての姿勢を示す重要な要素だと感じさせてくれました。
まとめ
こうやって見ると、偉人の言っていることは現在のマネジメントを行う上でも適切だと実感します。
これらの心得を実践することで、データ組織の成長と成功を支えることができると確信しています。読者の皆さんも、自身のマネジメントに活かしていただければ幸いです。
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