Salesforceの入力をサポートするChrome拡張を作って社内公開した話
こんにちは!エージェント開発部でチームマネージャーをしている大川です。
普段は、ココナラテック や ココナラアシスト をはじめとするエージェントサービスや、営業生産性を向上させる社内向けツールの開発に取り組んでいます。
弊社ではSFAとしてSalesforceの利用を始めたのですが、運用をしていく中でいくつかの課題が出てきました。
今回はその課題の1つを、Chrome拡張機能(Chrome拡張)を開発することで改善している話をしていきます。
背景
営業メンバーのSFAやCRMの入力が負担になってしまう、というのはよくある話ではないでしょうか? 弊社でも例外ではなく入力に多くの工数を割いている状況でした。
「入力項目を最適化する」等の方法もありますが、それだけでは限界があります。
そこで、Salesforceの入力をサポートするChrome拡張を開発することにしました。
つくったもの
Salesforceの入力フォームを開いている状態で、Chrome拡張のフォームにざっくりとして情報を入力します。
そして「送信ボタン」を押すと、AIがデータの構造化を行いSalesforceのフォーム上に自動で入力してくれます。
利用した技術
Plasmo
Chrome拡張の開発には、Plasmo というフレームワークを利用しました。
Plasmoは、ブラウザー拡張機能開発者が優れた拡張機能を簡単に作成、テスト、公開できるオールインワンプラットフォームです。
公式サイト にも上記のように紹介されており、Chrome拡張に関する前提知識がほとんどなかった私でも、スムーズに開発を進めることができました
Plasmoは、ReactやVue.jsなどの主要なフレームワークに対応しており、今回はプロダクトでも採用している React + TypeScript + TailwindCSS の構成で開発を行いました。
OpenAI API
データの構造化には、OpenAI API を利用しています。
精度と速度のトレードオフを見ながら、適切なモデルを選択しています。また、プロンプトはバックエンドのアプリケーションに分離しており、Chromeウェブストアの再審査を経ることなく、柔軟にプロンプトチューニングを行える設計にしています。
社内に公開しました
Chrome拡張を公開する方法には、いくつかの選択肢があります。
- Chromeウェブストアで一般公開: 全てのユーザーが利用可能
- Chromeウェブストアで限定公開: URLを知っているユーザーのみ利用可能
- Chromeウェブストアで非公開: 特定のGoogleグループのみ利用可能
- Zipファイルによる配布
参考: カスタムのChromeアプリと拡張機能を作成して公開する - Chrome Enterprise and Education ヘルプ
最初はトライアルだったため、「Zipファイルによる配布」を行いました。その中で一定のニーズがあることがわかったため、継続的な改善できる体制を整えるべく、「Chromeウェブストアで非公開」配布に切り替えました。初期費用としては$5が必要で、申請から公開までには3日程度かかりました。
配布後は多くの営業メンバーに活用されており、営業工数の削減だけでなく、入力内容の質の向上にも繋がっています。
まとめ
今回は営業現場の課題を解決するためにChrome拡張を開発し、Googleウェブストアでの公開を行なってみました。
Plasmoについて、Reactにある程度慣れていれば大きな学習コストなしにChrome拡張を構築できたのは大きなメリットでした。
また、一連の業務が特定のブラウザやページ内で完結することは、業務の生産性を高めるうえで非常に重要だと感じています。
その意味でも、業務の隙間を埋める手段としてChrome拡張は有効な選択肢になり得ると実感しました。
今後も、こうした「ちょっとした改善」で大きな価値を生み出せるような取り組みを続けていきたいと思います。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました!
ココナラはエンジニア主導でプロジェクトを進めることができる環境です。主体的にプロダクトを良くしていきたい方、今回の話に興味を持っていただけた方は是非ご応募ください!
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