【eiicon×サムライインキュベート】事業創出支援「Open Innovation BootCamp Program」スタート!
ここ数年で、オープンイノベーションに対する企業の関心は急速に高まっている。しかしながら、「どうしたら協業パートナーと出会えるのか」「事業を成功に導くために、どう協業すればいいのか」――乗り越えるべき課題は実に多い。そこでeiiconは、事業創造と成長のためのインキュベーションプラットフォーム事業を展開する株式会社サムライインキュベートと共に、オープンイノベーションの事業創出支援「Open Innovation BootCamp Program」を実施する。
本プログラムではサムライインキュベートの豊富なノウハウをベースに、3カ月という短期間のうちに事業テーマの決定から協業判断に至るまで、ワンストップでのオープンイノベーション支援を提供。また、社内を巻き込むための取材記事や告知ページ作成など、eiiconの強みをフルに発揮し、社内外の協力者を募ることが可能だ。
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「本気でオープンイノベーションを成功させたいという企業をサポートしたい」という想いで立ち上がった本プログラムについて、サムライインキュベートの長野氏と、eiiconの中村が語る。
▲株式会社サムライインキュベート Partner 兼 Chief Strategy Officer 長野英章氏
▲eiicon founder 中村亜由子
3か月という短期間で、事業化ノウハウを叩き込む
――「Open Innovation BootCamp Program」は、長野さんのアイデアだそうですね。なぜ、このような取り組みを実施しようと考えたのでしょうか?
長野氏 : 以前、中京テレビ様と我々サムライインキュベートが共同で開催しているオープンイノベーションプログラム「CHUKYO-TV INNOVATION PROGRAM」の取材(※)をeiiconさんにしていただきました。そこで、中京テレビ様のモチベーションが大きく高まったことがきっかけです。
※取材記事 https://eiicon.net/articles/346
――そうなんですね。取材では、中京テレビの社長・小松様にもインタビューさせていただきました。
長野氏 : オープンイノベーションの窓口は、経営企画や新規事業開発室など、全社的な部署であることが多いですよね。彼らが社内の各事業部を巻き込み、オープンイノベーションに向けたモチベーションを上げていくことが成功のキモとなります。そこで効果的な方法の一つが、メディアの取材・掲載です。インタビューや撮影をされることで、取り組む人の意識は高まっていきます。さらにメディアに掲載された記事をシェアすることで、社内の認知度が上がり、賛同者も増えていく。そうやって全社的にモチベーションが上がっていく様子を、中京テレビ様で目の当たりにしました。
オープンイノベーションには強い意思と、社内を巻き込む力が必要です。しかし多くの企業がそこに苦労しています。その意思を形成するために、eiiconのようなメディアを持つプラットフォームの力は有効です。そこで、eiiconの中村さんに声を掛けました。
――確かに私たちも取材でお話を伺っていると、先方の熱量がどんどん高まっていくのが分かる時があります。
中村 : 我々としても、ぜひ取り組んでいきたいお話です。eiiconは元々、「クローズドな日本のオープンイノベーションを、オープンにしていこう」というコンセプトで始まりました。オープンイノベーションにおける取組みを発信し、共創パートナーの探索・出会いを支援していく内容を、コンセプトメイクからしっかり行ったうえで外に打ち出していこうというサービスです。しかし、いざ企業とお話をしてみると、そもそも何をどうやっていくのか決まっていないことが多かったんです。少なくとも「何をどうやろうと思っているのか」が決まっていないと、その先の共創パートナー探しが具体的にならない。そのフェーズから我々がハンズオンで入っていくのは厳しいと思っていました。
中京テレビ様のケースは既にサムライインキュベートさんが入っており、プロジェクト自体の目的やゴール、骨組みができていたため、我々もその情報をより効果的に発信するという役割をしっかり果たすことができました。
――今回のプログラム、「BootCamp」と銘打っていますが、ネーミングの理由は?
長野氏 : 当社は、新規事業創造のBootCampプログラムを以前より大企業に提供しています。これは3カ月間という短期間で、アイデアをしっかりと事業化できるところまで持っていきます。非常にタフなプログラムだというメッセージを込めて、「BootCamp」と名付けました。今回のプログラムは、そのオープンイノベーション版ですね。
アイデアソンやハッカソンなどは色々な企業が行っていらっしゃいますが、アイデアを出すだけ、モックを創るだけで終わることが多く、事業計画の承認まで至らないケースがほとんどです。このプログラムでは、事業として経営陣から承認を得るまでをゴールとしています。
――既存のBootCampプログラムは、どのような評価を得ていますか?
長野氏 : 満足度が高いという声をいただいています。事業テーマや事業領域の「検討」を中心に行うプロフェッショナルファームの支援を受けて、テーマや領域までは決まっているものの、いざ企業単独で具現化していくとなるとなかなかうまく行かず、事業立ち上げのステージに特化した伴走役を探しているという企業は非常に多いんです。その点、私たちは「検証」に重点を置いて伴走していくため、高い評価をいただいています。
ハンズオンよりハンズイン。とことん入り込み、一緒にやっていく。 ――プログラムは約3カ月間ということですが、具体的なプロセスを教えてください。
長野氏 : 12週間で大きく5つのステップを想定しています。まず1週目に行うのは、事業テーマの整理。実施企業で社内コンセンサスの取れている事業テーマをプログラム用に言語化していきます。次に2~4週目は、プログラム告知と参加者の募集。ここでは社内を巻き込むための取材記事、告知ページを作成し、外部に情報発信を行います。5週目は、プログラムレクチャー。オープンイノベーション成功のポイントや、アイデア出し~検証までのレクチャーを実施します。
そして6~11週目は、アイデア検証とメンタリング。リーン検証を中心に、事業アイデアの検証と事業計画策定の壁打ちを実施します。そして最後、12週目は、いよいよ審査会・最終プレゼンテーションです。役員/部長クラス、そして外部のVC等を審査員に加え、審査会を実施します。
――オープンイノベーション支援プログラムは他社さんも展開していますが、今回のプログラムの大きな特徴としては、短期間でやり切ること以外にはどのようなポイントがありますか?
長野氏 : 当社の一番の強みは、事業創造を体系化したノウハウブックがあることですね。私自身、起業した時に欲しかったものをカタチにしました。これがあれば、事業計画を書くときに四苦八苦せず、スタートできます。当社はVC事業も行っていますが、投資先判断にもこのノウハウブックを使用しています。また、最近では経済産業省の「始動 Next Innovator(グローバル起業家等育成プログラム)」の「フォローアッププログラム」で講師を務めさせて頂きました。
――なるほど。
長野氏 : 事業を創出する際、仮説検証のサイクルをいくつか回して事業計画を落とし込んでいく必要があります。しかし起業や新規事業の立ち上げは人生で何度も行うわけではないため、例えば株の売買のような再現性のある勝ちパターンができていないんですよね。その点、当社はVCとして伴走しているため、起業家や事業責任者に必要とされるノウハウがどんどん溜まっていきます。このノウハウブックは、他にない強みだと自負しています。
中村 : 他に類を見ないほど泥臭いVC、というのがサムライインキュベートさんの率直な第一印象。他のVCさんも事業創造の上でハンズオンが大切ということは理解されているものの、率先してどっぷり入っていくところはほとんどありません。サムライインキュベートさんは、本当に異色で、コンサルよりも事業に入り込んで一緒にやっている。大企業はオープンイノベーション支援に対して、そんな姿勢を求めていると思います。
とはいえ、入り込んで一緒にやっていくだけでは不十分。体系的な事業創造ノウハウを持ち、それを実行できなければイノベーションは成功しません。サムライインキュベートさんは、そのノウハウも実績もお持ちです。
実際にサムライインキュベートさんが事業創造を支援したある大企業の担当者の方は、はじめは右も左も分からない状態だったのですが、お会いするたびにどんどん変わっていって。今では頼もしい新規事業責任者になっていらっしゃいます。やはりサムライインキュベートさんはすごい、と思います。
長野氏 : 良いこと言いますね(笑)。やはり事業創造とは泥臭いものですから私たちが一緒に取り組ませていただく方がより良い創出ができると思うんです。また、私たちは「ハンズオン」という言い方はあまりしません。表面的なものではなく、中にまで手を入れて動かす「ハンズイン」が、私たちの姿勢です。
――ハンズオンというより、ハンズイン。印象的な言葉ですね。
長野氏 : はい。私たちはハンズインで徹底的に一緒にやっていきますね。もう一つ大きな特徴としては、検討よりも検証に力を入れていくことですね。新しいサービスを立ち上げる時、よくモックやプロトタイプを作る方向に行きがちですが、それには時間もお金もかかってしまいます。さらにそれを改善するには、もっとコストがかかります。
ですから私たちはリーン検証により、サービスを作る前にユーザーニーズを徹底的に検証していきます。頭の中だけで検討するのではなく、身体を動かしてユーザーに会いに行って検証し、様々なフィードバックを積み重ねた上で、ようやく事業計画を策定するというステップに入っていきます。
「本気度」が、成功を左右する。
――今回の「Open Innovation BootCamp Program」は、どのような企業と共に実施していきたいと考えていますか?
長野氏 : 本気でイノベーションを起こしたい、という企業とぜひ一緒にやっていきたいですね。事業創造においては、ベンチャーも大企業も関係なく、中の人の本気度が成功を左右しますから。本気の企業に文字通りハンズインで入っていき、社内巻き込み、ベンチャーとの協業、そして事業化まで、ある種の勝ちパターンをeiiconさんと一緒に作っていけたらと思っています。
中村 : そうですね。あまりこちらに任せきりの発注スタンスだと企業の血肉になっていかないので、今回のプログラムに関しては一定本気度を測らせていただいて、場合によってはお断りすることもあるかもしれません。
長野氏 : あとは事業領域やテーマがある程度定まっている企業が対象となります。「ハッカソンでアイデアは集まった」「社内で様々なアイデアを募った」など、検討がある程度終わっているが、具体的な検証や事業計画策定のフェーズで悩みを抱えているという企業はぜひご応募いただきたいですね。
中村 : 一度失敗したけれど、また挑戦したいという企業にも、ぜひ来ていただきたいですね。サムライインキュベートさんは本物のインキュベーターですから、失敗の原因から紐解いてやり直すことができます。なかなか上手くいかない…という方も、諦めず一緒に取り組んでいきましょう!
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取材後記
「お金だけのためにやっていない。事業化をして雇用を生むなり、新しい価値を提供していきたい」と言う長野氏。自らの起業経験と、VC事業を通して築いた圧倒的な事業化ノウハウ、そして泥臭く“ハンズイン”で入り込んでいく姿勢。加えてeiiconのプロモーションにより社内・社外を巻き込み、短期間で事業創造に導いていく。
リーン検証で愚直にユーザーに接していくことで、厳しい声にショックを受けることもあるかもしれない。ある種過酷な「BootCamp」であり覚悟も必要だが、そこを乗り越える本気度があれば、きっと成功を手繰り寄せられるはずだ。
※「Open Innovation BootCamp Program」の詳細は右記URLからご覧ください。https://eiicon.net/about/eiicon-samurai/
(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:佐々木智雅)