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みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの古屋です。今週も 週刊AWS をお届けします。 ゴールデンウィークも終わり、今週から本格始動という方も多いのではないでしょうか。みなさんはどんな連休を過ごされましたか。私は家の中でのんびり過ごしていました。 さて、5月26日(火) 14:00〜17:30 には、日本では 2 回目の開催となる「Amazon EKS でスケーリングする生成 AI 環境を構築するハンズオンワークショップ」をオンラインで開催します。NVIDIA GPU を活用した本番環境レベルの生成 AI 環境を、Karpenter による柔軟なオートスケーリング、vLLM や Ray を用いた推論基盤の構築など、実践形式で体験いただける内容です。すでに Kubernetes 基盤をお持ちの方や、Self-managed な生成 AI 環境を検討されたい方に特におすすめですので、ご興味のある方は こちら から参加登録いただければと思います。 それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。 2026年5月4日週の主要なアップデート 5/4(月) Amazon Quick が Microsoft Outlook 拡張機能をアップグレード (プレビュー版) AWS は Amazon Quick の Microsoft Outlook 拡張機能のアップグレードバージョンをプレビュー版として発表しました。この拡張機能により、生成 AI を活用した生産性向上機能を Outlook のメールとカレンダーワークフローに直接統合できます。自然言語で未読メールの要約、受信トレイの整理、会議のスケジュール、インライン返信の作成が可能になり、Outlook を離れることなく業務を完結できます。現在、US East (N. Virginia)、US West (Oregon)、Asia Pacific (Sydney)、Europe (Ireland)、Asia Pacific (Tokyo)、Europe (Frankfurt)、Europe (London) の 7 リージョンでプレビュー提供されています。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 Amazon Quick が S3 Tables buckets をデータソースとしてサポート Amazon Quick が Amazon S3 table buckets を新しいデータソースとして正式にサポートしました。これにより、中間的なデータウェアハウスや OLAP レイヤーを経由せず、S3 table buckets に保存された Apache Iceberg 形式のテーブルに対して直接ダッシュボードの作成、会話型分析、データ探索が可能になります。Salesforce、SAP、Amazon Kinesis Data Firehose からの Zero-ETL 統合と組み合わせることで、パイプライン依存を最小限に抑えながら、ほぼリアルタイムでインサイトを取得できます。この機能は Amazon Quick が利用可能な全 AWS リージョンで提供されます。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 Amazon Quick が Dataset Q&A を導入し、エンタープライズデータに対する会話型分析を実現 Amazon Quick は、エンタープライズデータに対して自然言語で質問できる新機能「Dataset Q&A」を一般提供開始しました。この機能により、データセットへのアクセス権を持つユーザーは、ダッシュボードを介さずに直接データセットを自然言語で探索し、Row Level Security (RLS) や Column Level Security (CLS) などのガバナンスルールを尊重しながら実用的なインサイトを取得できます。Text-to-SQL エージェントが質問を解釈し、適切なデータを特定して正確な SQL を生成します。Dataset Q&A は Amazon Quick が利用可能な全ての AWS リージョンで利用できます。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 Amazon Quick が自然言語プロンプトからダッシュボードを生成 Amazon Quick に Generate Analysis 機能が追加され、自然言語プロンプトからダッシュボードを自動生成できるようになりました。最大 3 つのデータセットを選択し、作成したいダッシュボードを説明するだけで、適切なビジュアライゼーション、フィルターコントロール、前年比や前月比などの計算フィールドを含む整理されたダッシュボードが数分で生成されます。Enterprise サブスクリプション/Author Pro ユーザーが対象です。Amazon Quick が利用可能な全 AWS リージョンで一般提供 (GA) を開始しました。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 5/5(火) AWS IAM でロール、ロール信頼ポリシー、インスタンスプロファイル、マネージドポリシー、ID プロバイダーの最大クォータを引き上げ AWS Identity and Access Management (IAM) は、6 つのリソースの最大クォータを引き上げました。カスタマーマネージドポリシー (5,000 → 10,000)、インスタンスプロファイル (5,000 → 10,000)、ロールあたりのマネージドポリシー (20 → 25)、ロール信頼ポリシーの長さ (4,096 → 8,192 文字)、ロール数 (5,000 → 10,000)、OpenID Connect プロバイダー (100 → 700) が対象です。大規模な AWS 環境における制約を緩和し、より多くのワークロードに対応できるようになりました。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 Amazon Quick が New Relic との統合でオブザーバビリティ駆動型 AI エージェントに対応 Amazon Quick が New Relic の AI エージェントと統合し、オンコールエンジニアや SRE が Quick のワークスペースから離れることなく、インシデント調査、根本原因分析 (RCA)、タスク作成を実行できるようになりました。New Relic の MCP (Model Context Protocol) サーバーに接続することで、アラートインサイト、ユーザー影響分析、ログ解析、トランザクション診断、NRQL クエリなどのアクションを自然言語で呼び出せます。Quick Flows との組み合わせにより、定期的なトリアージランブックやエスカレーションワークフローの自動化も可能です。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 Amazon WorkSpaces が AI エージェントによるデスクトップアプリケーションの操作に対応 (プレビュー) Amazon WorkSpaces は、AI エージェントがマネージド WorkSpaces 環境を通じてデスクトップアプリケーションに安全にアクセスし、操作できる機能をプレビューで提供開始しました。Model Context Protocol (MCP) を使用して、あらゆるフレームワークで構築された AI エージェントが、API を持たないレガシーアプリケーション (メインフレーム、ERP、プロプライエタリツール) を最小限のコードで操作できます。企業は、アプリケーションをモダナイズせずとも、保険金請求処理や取引決済などの業務を大規模に自動化できます。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 Amazon ElastiCache で Valkey 9.0 を発表 Amazon ElastiCache が Valkey 9.0 をサポート開始しました。フルテキスト検索とハイブリッド検索機能が組み込まれ、パイプライン処理のスループットが最大 40% 向上します。ハッシュフィールド単位の有効期限設定や、クラスタモードでのマルチデータベースサポートにより、データライフサイクル管理とマルチテナントアーキテクチャが簡素化されます。全ての商用 AWS リージョン、AWS GovCloud (US) リージョン、中国リージョンで、ノードベースクラスタとサーバーレスキャッシュの両方で追加コストなしで利用できます。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 5/6(水) Agent Toolkit for AWS を発表 — AI コーディングエージェントが AWS 上で効果的に構築できるよう支援 AWS は、AI コーディングエージェントが AWS 上で正確に構築できるよう支援する本番対応のツールセット「Agent Toolkit for AWS」をリリースしました。このツールキットは、エージェントスキル、フルマネージド MCP サーバー、プラグインの 3 つのコンポーネントで構成され、エラー削減、トークンコスト低減、エンタープライズグレードのセキュリティ制御を実現します。40 以上のスキルが提供され、追加料金は不要で、エージェントが使用した AWS リソース分のみの課金となります。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 AWS MCP Server の一般提供開始 AI コーディングエージェントに対して、AWS サービスへの安全かつ監査可能なアクセスを提供する AWS MCP Server を一般提供 (GA) しました。re:Invent 2025 でのプレビュー公開以降、複数の機能強化を経ての GA となります。AWS MCP Server は Agent Toolkit for AWS の中核コンポーネントで、Model Context Protocol (MCP) を通じて AI エージェントが AWS サービスと連携します。組織は IAM ベースのガードレール、Amazon CloudWatch メトリクス、AWS CloudTrail ログにより、可視性とコントロールを維持しながら AI エージェントに AWS サービスを操作させることができます。詳細は こちらのページ をご参照ください。 Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Amazon S3 Files と Amazon EFS からの Bring-Your-Own ファイルシステムをサポート Amazon Bedrock AgentCore Runtime が、お客様の Amazon S3 Files および Amazon EFS アクセスポイントを直接エージェントランタイムにアタッチできる Bring-Your-Own ファイルシステム機能をサポートしました。AgentCore Runtime がファイルシステムを指定パスにマウントすることで、エージェントは標準的なファイル操作でデータの読み書きを実行できます。カスタムマウントコード、特権コンテナ、ダウンロードオーケストレーションは不要です。この機能により、スキル、ツールライブラリ、リファレンスデータセット、ナレッジベース、プロジェクトファイルをセッション間や複数エージェント間で共有できるようになります。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 5/7(木) Amazon OpenSearch Service が VPC プライベート接続のための VPC egress オプションをサポート Amazon OpenSearch Service は VPC egress オプションのサポートを開始しました。この機能により、VPC 内の OpenSearch Service ドメインから ML モデル、AWS サービス、カスタムアプリケーションへの送信トラフィックを、パブリックインターネットを経由せずにプライベートに接続できるようになります。OpenSearch Service は選択したサブネットにネットワークインターフェースを追加し、送信トラフィックを VPC にルーティングします。すべての AWS リージョンで利用可能です。詳細は こちらのドキュメント をご参照ください。 Amazon Bedrock AgentCore に Payments 機能を追加(プレビュー) AWS は、AI エージェントが Web コンテンツ、API、MCP サーバー、他のエージェントに対して自律的にアクセスし支払いを行える Amazon Bedrock AgentCore payments(プレビュー)を発表しました。Coinbase および Stripe との協業により構築された、自律エージェント向け初のマネージド決済機能で、ウォレット認証からトランザクション実行、支出ガバナンス、可観測性までを一貫して管理します。エンドユーザーによる明示的な認可と、AgentCore のインフラ層で強制されるセッションごとの支出上限により、エージェントは定められた範囲内でのみ支払いを実行できます。US East (N. Virginia)、US West (Oregon)、Europe (Frankfurt)、Asia Pacific (Sydney) の4リージョンで利用可能です。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 Amazon EC2 M8idn および M8idb インスタンスを発表 AWS は Amazon EC2 M8idn および M8idb インスタンスの一般提供を開始しました。これらのインスタンスは、AWS 専用の第6世代 Intel Xeon Scalable プロセッサと第6世代 AWS Nitro カードを搭載しています。前世代 M6idn インスタンスと比較して、vCPU あたり最大 43% の計算性能向上を実現します。M8idn は最大 600 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、M8idb は最大 300 Gbps の EBS 帯域幅を提供します。米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (スペイン) の 3 リージョンで利用できます。詳細は こちらのページ をご参照ください。 5/8(金) Amazon Route 53 Global Resolver でanycast DNS 解決のための AWS リージョンの追加と削除が可能に Amazon Route 53 Global Resolver で、anycast DNS 解決を行う AWS リージョンを動的に追加・削除できるようになりました。この機能により、組織の成長に合わせて Global Resolver のカバレッジを拡大したり、コンプライアンス要件に応じてリージョン展開を調整したりできます。Global Resolver の設定を再作成する必要がなくなり、既存の設定を維持したままリージョン構成を変更できます。この機能は追加料金なしで、Route 53 Global Resolver がサポートされているすべての AWS リージョンで利用できます。詳細は こちらの Blog 記事 をご参照ください。 それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 古屋 楓 (Kaede Koya) / @KaedeKoya35328 AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、多種多様な業界のお客様をご支援しています。特定の技術やサービスに偏らず、幅広い分野のご相談に対応し、技術相談会や各種イベントにて登壇しています。好きな AWSサービスは Amazon Lightsail と Kiro で、シンプルかつ柔軟にクラウドの力を活用できる点がお気に入りです。休日は愛犬 2 匹と静かに過ごしています。
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの木村です。 GW で連休をとられた方はリフレッシュできましたでしょうか。私はのんびり過ごしていたのですが、その間にも生成 AI 関連のサービスアップデートは止まることを知らず…。今週も盛りだくさんでお届けします! 5 月 4 日週の個人的な注目アップデートは、「Kiro の Claude Opus 4.7 での適応的思考(Adaptive Thinking)」「Kiro Web のプレビュー版」「Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Amazon S3 Files および Amazon EFS によるユーザー所有ファイルシステムの利用をサポート」です。ぜひ下記の記事をご覧ください! 5 月 28 日には「 第7回 AWS ジャパン 生成 AI Frontier Meetup ~学びと繋がりの場~ 」というイベントが開催されます。生成 AI の最新トレンド紹介や参加者間での情報交換を目的としたイベントですのでぜひご参加ください。 「 AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム 」も引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。 それでは、5 月 4 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。 さまざまなニュース AWS生成AI国内事例ブログ「KDDI が実践する AWS DevOps Agent 活用:AWS サポートと連携したインシデント対応の効率化」を公開 KDDI 株式会社様が、au PAY や Ponta ポイントなどを支えるサーバーレス基盤のインシデント対応に AWS DevOps Agent を導入し、対応リードタイムを「数週間」から「数日」へ短縮した事例を紹介しています。AWS Lambda と Amazon RDS Proxy にまたがる複雑な事象に対し、DevOps Agent を「答え合わせのパートナー」と位置づけ、運用チーム・AWS サポートと協働した実践的なアプローチが特徴です。「AI に答えを出させるのではなく、AI と一緒に問いを立てる」という活用思想は、運用・SRE チームの方に是非参考にしていただきたい内容です。 ブログ記事「Kiro Agent で SAP Clean Core ジャーニーを加速する」を公開 SAP システムのカスタムコードの評価・修正作業を自動化する、GitHub でオープンソース公開された Kiro エージェントを紹介しています。ABAP Test Cockpit (ATC) と統合し、未使用コードの排除や修正ガイダンスを提供することで、数週間かかっていたアセスメントを数時間に短縮できます。コスト最適化の考え方や、すぐに試せるステップバイステップの導入手順も解説されていますので、SAP モダナイゼーションをご検討中の方はぜひご覧ください。 ブログ記事「AWS For SAP Management MCP Server の発表 – SAP アプリケーションを AI で管理」を公開 AWS 上の SAP 環境を AI アシスタントとの自然言語の会話で管理できる MCP サーバーが新たに公開されました。モニタリング、コンプライアンスチェック、ライフサイクル管理(起動・停止)、EventBridge Scheduler を用いたスケジュール運用の 4 領域に対応しており、従来は複数のコンソールや 10 以上の API 呼び出しが必要だった操作を一つのインターフェースに統合します。記事内に 6 つのプロンプト例があるので是非試してみてください。 ブログ記事「AWS SDK for SAP ABAP ドキュメントでエージェント型 IDE を拡張する」を公開 AWS SDK for SAP ABAP Knowledge MCP Server の一般提供開始に伴い、Amazon Q Developer for Eclipse や Kiro などのエージェント型 IDE が公式 SDK ドキュメントを参照しながら ABAP 開発を支援できるようになりました。認証不要の HTTPS エンドポイントとして提供され、URL 設定のみで利用可能で、毎日更新される 13万 ページ超のドキュメントライブラリにアクセスできます。Amazon Bedrock や Amazon Textract を活用するサンプルプロンプトも紹介されているので、ABAP 開発者の方は是非お試しください。 ブログ記事「Build with Kiro: コミュニティハブと Kiro Labs のご紹介」を公開 Kiro を利用する開発者向けのプラットフォームとして「Kiro コミュニティハブ」と「Kiro Labs」が新たに公開されました。コミュニティハブはプロジェクトの発見やリソース共有、開発者同士の交流のための拠点となり、Kiro Labs では Amazon 社員によるオープンソースプロジェクト(チーム全体で Kiro 設定を同期する CLI「dotkiro」など)が公開されています。Discord や公式オフィスアワー、ハッカソンなどの情報もまとめられているので、Kiro で開発されている方はぜひご参加ください。 サービスアップデート Amazon Quick Amazon Quick が S3 テーブルバケットへの直接クエリをサポート Amazon Quick で S3 テーブルバケットをデータソースとして直接利用できるようになりました。これまで S3 上の Apache Iceberg テーブルを分析するにはデータウェアハウスなどの中間層が必要でしたが、今回のアップデートによりレイクハウス上のデータをそのままダッシュボードや会話型分析で活用できます。Amazon Quick が利用可能なすべてのAWS リージョンで提供されます。 Amazon Quick がデータセット Q&A による会話型分析を提供開始 Amazon Quick に「データセット Q&A」機能が追加され、エンタープライズデータに自然言語で直接質問できる会話型分析が可能になりました。Text-to-SQL エージェントが SPICE や Amazon Redshift、Amazon Athena などに最適化された SQL を生成し、行・列レベルのセキュリティを保ったまま探索できます。Amazon Quick が提供されているすべての AWS リージョンで利用可能です。 Amazon Quick が自然言語プロンプトからの分析生成をサポート Amazon Quick で自然言語プロンプトから分析を生成できる機能が追加されました。「収益トレンドを含む販売ダッシュボードを作成して」と入力するだけで、最大 3 つのデータセットを組み合わせたダッシュボードを自動生成し、従来は数時間かかっていた構築作業がわずか数分に短縮されます。Amazon Quick が利用可能なすべての AWS リージョンでご利用いただけます。 Amazon Quick for Microsoft Outlook 拡張機能がプレビュー提供開始 Amazon Quick の Microsoft Outlook 向け拡張機能がプレビュー版として登場しました。生成 AI による未読メッセージの要約、受信トレイ整理、会話形式での会議スケジュール調整、インラインでの返信下書き作成などをメールやカレンダーのワークフロー内で直接利用できます。米国東部 (バージニア北部)、アジアパシフィック (東京)など複数リージョンで提供されます。 Amazon Quick が New Relic AI エージェントとの統合を発表 Amazon Quick が New Relic の AI エージェントと統合され、オンコールエンジニアや SRE のインシデント調査を効率化できるようになりました。リモート MCP サーバー経由で New Relic のアラートやログ分析にアクセスし、エビデンスリンク付きの RCA ドキュメントを自動生成できます。Amazon Quick が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。 Kiro Kiro の Claude Opus 4.7 での適応的思考が利用可能に Kiro IDE および CLI で Anthropic 社の Claude Opus 4.7 が利用可能になりました。タスクの難易度に応じて推論時間を自動調整する「適応的思考(Adaptive Thinking)」機能を備え、複雑な問題には時間をかけ、シンプルな問題には迅速に対応します。Pro、Pro+、Power サブスクライバーおよび IAM Identity Center ユーザーが対象で、Kiro IDE 0.11.133 以上、CLI 2.2.0 以上での利用が推奨されます。 Kiro Web のプレビュー版が提供開始 Kiro のブラウザ版「Kiro Web」のプレビューが app.kiro.dev で公開されました。ユーザー主導でエージェントと共同作業する「協調型」と、質問・計画・実行・PR 作成までを独立して進める「自律型」の 2 つのモードを備えます。GitHub イシューの kiro ラベルや /kiro コメントから自動割り当てが可能で、.kiro/steering/ でのチーム標準の継続適用や、各タスクを独立環境で実行する隔離サンドボックスにも対応します。Pro 以上のユーザーが利用できます。 Kiro IDE 0.12 が並列タスク実行とクイックプランをサポート Kiro IDE バージョン 0.12.155 がリリースされ、Kiro Specs の起動・完了時間と要件定義の精度が向上しました。依存関係を分析して独立タスクを同時実行する「並列タスク実行」では最大 4 倍の時短が可能となり、要件・設計・タスクを単一パスで生成する「クイックプラン」、論理矛盾や曖昧さ・制約衝突を自動検出する「要件分析機能」も追加されています。 Amazon Bedrock AgentCore Amazon Bedrock AgentCore Memory が長期メモリにメタデータをサポート Amazon Bedrock AgentCore Memory の長期メモリレコードでメタデータがサポートされました。タグ付けやフィルタリング、構造化属性での検索を意味論的検索と組み合わせて利用でき、メモリリソースあたり最大 10 個のインデックス化キーを定義できます。不要なコンテキストを排除して応答精度を向上できます。 Amazon Bedrock AgentCore Payments がプレビュー提供開始 Amazon Bedrock AgentCore に AI エージェント向けの統合支払いプラットフォーム「AgentCore Payments」が追加されました。Coinbase、Stripe とのパートナーシップで構築され、API や MCP サーバーへの自律的な支払いが可能で、HTTP 402 応答からの x402 プロトコル交渉・決済・証明配信を自動処理します。米国東部 (バージニア北部) など 4 リージョンで利用できます。 Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Amazon S3 Files および Amazon EFS によるユーザー所有ファイルシステムの利用をサポート Amazon Bedrock AgentCore Runtime で、Amazon S3 Files または Amazon EFS のアクセスポイントをエージェントランタイムに直接接続できるようになりました。ファイルシステムはセッションパスに自動マウントされ、長時間ワークフローでの中間結果の永続化や複数エージェント間でのデータ共有に対応します。東京リージョン含む 15 の AWS リージョンで提供されています。 Amazon SageMaker HyperPod / SageMaker AI Amazon SageMaker AI が モデルのカスタマイズに関する AI エージェントエクスペリエンスを発表 Amazon SageMaker AI に、モデルカスタマイズを数か月から数日・数時間に短縮する AI エージェントエクスペリエンスが導入されました。自然言語でコーディングエージェントと対話しながら、ユースケース定義から本番デプロイまでを一気通貫で進められます。米国東部 (バージニア北部)、アジアパシフィック (東京) などで利用できます。 Amazon SageMaker AI でインスタンスの自動フォールバックによる容量を考慮した推論のサポートを開始 Amazon SageMaker AI の推論エンドポイントが、優先順位付けされたインスタンスタイプリストに基づく柔軟なプロビジョニングに対応しました。優先度の高いインスタンスで容量不足が発生すると自動的に次のインスタンスへフォールバックし、手動介入なしにエンドポイントの作成・更新・自動スケーリングを継続できます。東京リージョン含む 16 リージョンで利用可能です。 Qwen の新モデル 4 種類が Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に Amazon SageMaker JumpStart で 4 つの新しい Qwen モデルが利用可能になりました。最大 100 万トークン対応の「Qwen3.5-27B-FP8」、MoE 方式の「Qwen3.6-35B-A3B」、エッジ向け「Qwen3.5-0.8B」、軽量マルチモーダル「Qwen3.5-2B」と用途別に選択でき、Amazon SageMaker Studio から数クリックでデプロイ可能です。 Amazon SageMaker HyperPod が Slurm クラスター向けの AMI ベースのノードライフサイクル設定をサポート Amazon SageMaker HyperPod の Slurm クラスターノードのプロビジョニングで、AMI ベースの設定がサポートされました。事前構成済み AMI の利用によりライフサイクルスクリプトの実行が削減され、クラスター作成時間が大幅に短縮されます。SageMaker HyperPod が利用可能なすべての AWS リージョンで提供されます。 Amazon EC2 P6-B300 インスタンスが米国東部 (バージニア北部) で利用可能に Amazon EC2 P6-B300 インスタンスが米国東部 (バージニア北部) でも利用可能になりました。NVIDIA Blackwell Ultra GPU を 8 基、GPU メモリ 2.1 TB を備え、先代の P6-B200 と比較してネットワーク帯域幅が 2 倍、GPU メモリと FP4 演算性能が 1.5 倍に向上しています。提供サイズは p6-b300.48xlarge のみです。 MCP サーバー / Tools / その他 AWS for SAP MCP サーバーが Amazon Bedrock AgentCore で一般提供開始 Amazon Bedrock AgentCore 上の AWS for SAP MCP サーバーが一般提供を開始しました。AI エージェントを SAP ERP に安全に直接接続でき、販売注文や購買発注などの SAP ビジネスオブジェクトの作成・読取・更新・削除に対応します。SAP S/4 HANA と SAP ECC の両方をサポートし、CloudFormation テンプレートで数分でデプロイ可能です。 Agent Toolkit for AWS が一般提供を開始 AI コーディングエージェントが AWS 上で本番品質のソリューションを構築するための「Agent Toolkit for AWS」が一般提供を開始しました。40 以上のエージェントスキル、フルマネージドの AWS MCP サーバー、3 種類のプラグインで構成され、IAM ベースのガードレールや CloudWatch / CloudTrail での可視化を提供します。米国東部 (バージニア北部) と欧州 (フランクフルト) で利用可能です。 AWS MCP サーバーが一般提供を開始 AI コーディングエージェントに AWS サービスへの安全で監査可能なアクセスを提供する「AWS MCP サーバー」が一般提供を開始しました。Agent Toolkit for AWS の中核として、IAM ベースのガードレールや CloudWatch / CloudTrail による監査、サンドボックス型 Python 実行環境などを備えます。米国東部 (バージニア北部) と欧州 (フランクフルト) で利用可能で、追加料金は発生しません。 Amazon WorkSpaces が AI エージェントによるデスクトップ操作をサポート Amazon WorkSpaces が AI エージェントによるデスクトップアプリケーションの操作に対応しました。任意のフレームワークで構築されたエージェントを MCP 経由で業務アプリに接続でき、モダンな API を持たないメインフレームや ERP などの「ラストマイル課題」を解消し、クレーム処理や決済などの自動化に活用できます。 今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 木村 直登(Naoto Kimura) AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、製造業のお客様に対しクラウド活用の技術支援を行なっています。最近は AI Agent と毎日戯れており、AI Agent 無しでは生きていけなくなっています。好きなうどんは’かけ’です。
本ブログは ヤマトプロテック株式会社 様と アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社が共同で執筆いたしました。 みなさん、こんにちは。AWSアカウントマネージャーの古山です。 「AI 化を検討したいが、情報システム部門のリソースが足りない」——そんな課題を抱える企業は少なくありません。本記事では、急な欠員により書類保管業務が逼迫した状況から、 Amazon Bedrock と Kiro を活用してわずか 2 日間でマルチモーダル AI を利用した書類電子保管システムを構築し、85% 以上の業務効率化を実現したヤマトプロテック株式会社様(以下、ヤマトプロテック様)の事例を紹介します。情シスリソースが限られた環境でも、適切な生成 AI 開発ツールの選択と活用方法によって、短期間での課題解決が可能であることを示す実践的な事例です。 多くの企業が直面する:手作業による書類保管業務の逼迫 ヤマトプロテック様は 1918 年創業以来、消火・防災領域におけるメーカーとして、開発・製造・設計・施工・メンテナンスを網羅し「火にまつわる安心」を作り出してきました。同社において、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、これからも安心を届け続けるための重要な課題の一つとして、取り組みを進めていたなか、受発注に関連する部署にて、書類の電子保管担当者に急な欠員が発生しました。他の担当者がカバーせざるを得ない状況となり、部署全体の負荷増大と業務時間の延長という事態に陥りました。具体的な業務フローは以下の通りでした。 1. 紙で届いた書類をスキャンして電子化、または電子で届いた書類をダウンロード 2. 書類を目視で確認しながらフォームに手入力 3. フォームに PDF をアップロードして送信 書類 1 枚あたり 1 分から最大 3 分程度を要する単純作業であり、自動化の余地は明らかでした。AI-OCR などによる自動化は以前から検討していたものの、情報システム室が他のシステム開発やプロジェクトで逼迫しており、対応できていませんでした。 なぜ AWS・Kiro を選んだのか:生成 AI 開発ツールの選定理由 ヤマトプロテック 経営企画本部 情報システム室 土屋 俊貴 様は、以前より生成 AI を活用した簡易ツール開発を試みていましたが、書類電子保管業務における問題を解決するためプロジェクトの合間を利用して、開発に本格的に着手しました。最初は他の AI コーディングツールで開発を進め、要件定義とシステムの基礎設計を進めていました。しかし、以下の問題により開発が行き詰まりました。 – コンソールから PowerShell や AWS CLI の操作が正常に実行できない – 設計やインフラへの考慮が不十分なまま開発が進み、終わりが見えない 情報システム室の開発 PC の切り替えというタイミングも重なったため、新しい環境構築と合わせて AI 周りも新しいツールに切り替えることにした際に、土屋様ご自身がAWS re:Invent 2025 に現地参加して体験した Kiro を想起し、「Kiro なら AWS インフラストラクチャーとベストプラクティスに合わせて開発できるのでは?」という期待から Kiro Pro を契約し、途中まで作成したプログラムや要件定義を Kiro に渡してバイブコーディングを開始しました。 ブレークスルーへの道:AI が AI を強化するという発見 Kiro は当初のツールより速いものの、当初は期待したほどの開発速度が出ませんでした。そこで土屋様は、AWS re:Invent でAWSのソリューションアーキテクトから「Steering が大切」と聞いていたことを思い出し、Kiro 自身に Steering の仕組みを尋ねてみました。Kiro の Steering とは、プロジェクト固有のルールや前提知識を AI に常時・条件付きで共有する仕組みです。 .kiro/steering/ 配下の Markdown ファイルとして管理され、チームの開発標準、プロジェクト固有の設計・制約、ビルドやテストの実行手順などを定義できます。「AI 自身に AI のベストプラクティスを調べさせ、自分の Steering を最適化させる」というアプローチを試みました。Kiro は AWS のリファレンスや公式ブログ、各種技術ブログ、re:Invent のレポートを読み込みながら、自らの Steering を作成・適用しました。さらに Kiro は MCP(Model Context Protocol)と Powers の導入を提案し、環境構築を進めました。 – Steering の設定 – Powers の設定 – MCP(Model Context Protocol)のセットアップ AI が AI 自身のアーキテクチャを理解し、最適化を提案・実行するというアプローチにより、開発効率が向上しました。 ソリューションの概要 新たに構築したシステムは、PDF 書類の受け取りから電子保管システムへの自動登録までを完全自動化するものです。Amazon Bedrock のマルチモーダル機能を活用した AI-OCR により、日本語書類の高精度な認識を実現しています。 システムフロー — PDF 書類(Amazon S3) ↓ AWS Lambda 関数起動 ↓ Amazon Bedrock(Amazon Nova Lite)で AI-OCR 処理 ↓ 書類情報の抽出(金額、日付、会社名などの必要情報をパラメーター化) ↓ invoiceAgent 文書管理 API 経由で自動登録 — 仕様駆動開発 SPEC が生み出したシステム構成 Kiro がシステム要件を整理する中で「SPEC モードで進めた方が良い」と提案しました。SPEC モードは Requirements(要件定義)、Design(設計)、Task(作業)の 3 段階で順に進める仕様駆動開発のアプローチです。Kiro は要件を分析し、以下の AWS サービス構成を提案・構築しました。 サービス 役割 Kiro の選定理由 AWS Lambda API 処理 サーバーレスで運用コストが低く、VPC 内配置が可能 Amazon API Gateway (Private) エンドポイント VPC エンドポイント制限でセキュアな通信を実現 AWS Secrets Manager 認証情報管理 API キーやパスワードをコードに記述せずに管理 VPC エンドポイント プライベート通信 NAT Gateway 不要でコスト削減 Amazon S3 書類 PDF の保管 高耐久性・低コストのオブジェクトストレージ Amazon Bedrock (Amazon Nova Lite) AI-OCR による書類認識 日本語書類の高精度認識 OCR 技術の選定と切り替え 当初は Amazon Textract を利用していましたが、日本語書類に対する認識率が約 50% と実用に耐えない水準でした。Kiro の提案により Amazon Bedrock の Amazon Nova Lite マルチモーダルへ切り替えたところ、認識率が約 89% に向上しました。 技術 認識率 評価 Amazon Textract 約 50% 日本語書類には不十分 Amazon Bedrock(Amazon Nova Lite) 約 89% 実用レベルに到達 Kiro が自動生成したディレクトリ構造 iA-API-ServerPJ/src/ ├── lambda_function.py # エントリーポイント ├── auth/api_key.py # API キー認証 ├── validation/models.py # Pydantic バリデーション ├── ia_client/client.py # iA API クライアント ├── handlers/search.py # 検索ハンドラー ├── handlers/document.py # 文書詳細ハンドラー ├── errors/handler.py # エラーハンドリング ├── rate_limit/limiter.py # レート制限 └── audit_log/logger.py # 監査ログ Kiro はデプロイ用の Python スクリプトを 70 個以上作成し、自動デプロイを実現しました。また、37 個のユニットテストを作成し、全て通過しています。タイムアウト問題が発生した際も、Kiro が Amazon CloudWatch ログを分析して原因を特定し、接続プールの拡張とリトライロジックの追加を提案・実装しました。 最適化項目 変更前 変更後 接続プール 10 接続 60 接続 リトライ なし 3 回(1 秒 / 2 秒 / 4 秒) タイムアウト 30 秒一律 接続 10 秒 / 読取 45 秒 2 日間で実現した導入効果:85% 以上の業務効率化 ヤマトプロテック様は、Kiroを活用した書類電子保管システムの構築により、以下の効果を実現しました。 定量的な改善 – 開発期間:2 日間 – AI-OCR 認識率:89%(Amazon Textract 比で約 39 ポイント向上) – 自動化範囲:書類の読み取りから登録まで完全自動化 – 工数削減:手作業による入力作業を 85% 以上削減 定性的な改善 – 急な欠員による業務逼迫の解消 – 他担当者への業務負荷の軽減 – 情報システム部門のリソースを他のプロジェクトへ集中できる環境の整備 – 単純作業からの解放による担当者の業務品質向上 ヤマトプロテック 土屋様からのコメント 「AI のことは AI が一番わかっている。MCP、Powers、Steering などのベストプラクティスを適用することで、開発効率が向上した。AI に AI のプロンプトを書かせるのがベスト。」 「特に AWS との統合が必要な場合、Kiro のような AWS に特化したツールがオススメ。AI 関連は新技術が速い速度で出てくるので、使い慣れているからといって他のツールを使わないのは機会損失。まずは触ってみましょう。」 事業成長への転換点:今後の展開 書類電子保管システムの構築をきっかけに、ヤマトプロテック様の生成 AI 活用は広がりを見せています。 – invoiceAgent 文書管理 API の MCP 化による AI エージェントとの連携強化 – Dify チャットボットと連携した AI-OCR 書類の AI 検索機能の開発 – AWS インフラの継続的な最適化 – Salesforce や ERP システムの DB 解析を Kiro で実施する仕組みの構築 – プロジェクト管理ツールの API を Kiro 向け MCP に再編し、Kiro 自体を PMO として活用 さらに、MCP 化と AI エージェントのコンテナ化によるエージェンティックネットワークの構築により、従来型のデータウェアハウスと BI ツールを代替できる可能性も検討されています。Amazon Bedrock や Kiro などの生成 AI 開発ツールの詳細については、以下のリソースをご参照ください。 – Amazon Bedrock 製品ページ – Amazon Bedrock ドキュメント – AWS Lambda 製品ページ まとめ ヤマトプロテック様の事例は、情報システム部門のリソースが限られた環境でも、生成 AI 開発ツールを適切に活用することで短期間での課題解決が可能であることを示しています。本事例から得られた主な知見は以下の通りです。 1. 適切なツールの選択と更新:AWS との統合が必要な場合、AWS に特化したツールの選択が開発効率を左右します 2. AI の事は AI が一番わかっている:MCP、Powers、Steering などのベストプラクティスを AI 自身に調べさせ適用することで、開発効率が向上します 3. OCR とマルチモーダルの適切な選定:日本語処理においては、一般的な OCR より Amazon Bedrock のマルチモーダルモデルの活用が有効です 4. 迅速なプロトタイピング:生成 AI 開発ツールを活用することで、従来数週間かかっていた開発を数日で完了できる可能性があります 生成 AI を活用した業務効率化にご興味のある方は、ぜひ AWSにご相談ください。 ヤマトプロテック株式会社 : 土屋 俊貴様(中央) アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 : アカウントマネージャー 古山 玄弥(左)、ソリューションアーキテクト 大松 宏之(右)
私はこれまで長きにわたって AI エージェントと MCP ツールを利用して構築してきましたが、常に 1 つの疑問が頭にありました。それは、全権限を渡さないようにしつつ、実際に使える、AWS に対する認証済みアクセスをエージェントに付与するにはどうすればよいか、ということです。 2026 年 5 月 6 日、その答えが明らかになりました。 AWS MCP Server の一般提供の開始をお知らせします。これは、少数の固定ツールセットを通じて、すべての AWS サービスに対するセキュアかつ認証済みのアクセスを AI エージェントやコーディングアシスタントに付与する、マネージドリモートモデルコンテキストプロトコル (MCP) サーバーです。 AWS MCP Server は、 Agent Toolkit for AWS の一部です。Agent Toolkit for AWS は、MCP Server、スキル、プラグインを含むツールスイートであり、コーディングエージェントが AWS 上でより効果的かつ効率的に構築するのに役立ちます。 AI コーディングエージェントは既に多くのタスクで役立っていますが、AWS を利用して実務レベルで扱う際には、大きな課題に直面します。最新の AWS ドキュメント にアクセスできない場合、エージェントは、場合によっては数か月前のトレーニングデータに依拠し、 Amazon S3 Vectors 、 Amazon Aurora DSQL 、 Amazon Bedrock AgentCore などのサービスについて認識していない可能性があります。インフラストラクチャを構築するよう指示された場合、 AWS Cloud Development Kit (AWS CDK) や AWS CloudFormation ではなく、 AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) を使用する傾向があり、必要以上に広範な AWS Identity and Access Management (IAM) ポリシーを生成します。その結果、デモでは動作するものの、本番には適さないインフラストラクチャが生まれます。 AWS MCP Server は、モデルのコンテキストウィンドウを消費しないコンパクトなツールセットを通じてこの問題に対処します。 call_aws ツールは、お客様の既存の IAM 認証情報を使用して、15,000 以上の AWS API オペレーションを実行します。新しい API がリリースされると、数日以内にサポートが開始されます。 search_documentation ツールと read_documentation ツールは、クエリ時に最新の AWS ドキュメントとベストプラクティスを取得するため、エージェントは常に最新の情報に基づいて動作します。 一般提供の開始に伴って、いくつかの新機能が導入されます。AWS MCP Server は IAM コンテキストキーをサポートするようになったため、サーバーを使用するために別途 IAM 許可を取得する必要がなくなり、標準の IAM ポリシーできめ細かなアクセスを表現できます。ドキュメントの取得に認証は不要になりました。また、複雑な複数ステップのワークフローにおいて重要な、インタラクションごとに必要なトークン数を削減しました。 さらに新しい機能として、 run_script ツールでは、エージェントがサンドボックス環境において、サーバー側で実行される短い Python スクリプトを記述できます。サンドボックスは IAM 許可を継承しますが、ネットワークアクセスはできません。そのため、エージェントにローカルファイルシステムやシェルに対するアクセスを付与することなく、データを処理するための許可を付与できます。エージェントが複数の API を呼び出し、結果を結合する必要がある場合、それらを一度に 1 つずつ処理するのは時間がかかり、コンテキストを浪費します。 run_script を使用すると、エージェントは API コールを連鎖させ、応答をフィルタリングし、結果を単一のラウンドトリップで計算します。これは、より迅速であり、かつ、より高いコンテキスト効率を提供します。 最も重要な追加機能は、エージェント SOP からスキルへの移行です。スキルは、エージェントが極めてミスを犯しやすいタスクについて、厳選されたガイダンスとベストプラクティスを提供します。これは、エージェントが検証済みのベストプラクティスを使用して、エラーとトークンを減らし、より迅速に作業を完了するのに役立ち、結果として、時間とコストを節約できます。スキルは AWS サービスチームによって提供および維持されます。これにより、ツールリストが短く予測可能になるため、ハルシネーションが減り、エージェントが集中し続けられるようになります。 エンタープライズのお客様向けに、AWS MCP Server は、人間とエージェントの許可を明確に分離します。IAM ポリシーまたはサービスコントロールポリシーを使用して、特定のユーザーが変更オペレーションを実行できるようにする一方で、MCP Server が読み取り専用アクションに制限されるように指定できます。 AWS-MCP 名前空間の元で発行される Amazon CloudWatch メトリクスを使用することで、MCP Server の呼び出しを、人間による直接呼び出しとは別に監視できるため、コンプライアンスチームが必要とする監査証跡が得られます。Amazon CloudTrail は、完全な記録のためにすべての API コールをキャプチャします。 実際の動作 このデモでは Claude Code を使用することにしましたが、AWS MCP Server は、MCP をサポートする任意の AI エージェントで使用できます。基本的には、現在利用可能なすべてのツール ( Kiro CLI 、 Kiro 、 Cursor 、 Codex など) です。Claude Code は Anthropic の Opus 4.6 モデル を使用するように設定しています。 Opus 4.6 の ナレッジカットオフ日は 2025 年 5 月 です。これは、2025 年 5 月よりも後に発生した事象については、このモデルが何も知らないことを意味します。最近導入された AWS サービスである Amazon S3 Vectors ( 2025 年 7 月にプレビュー としてリリースされ、 2025 年 12 月に一般提供が開始 されました) について質問します。 質問は「S3 で 埋め込み を保存する方法」です。(埋め込みはベクトルの一種です) 5 つの解決策が提示され、すべて正しいのですが、私が求めたように S3 Vectors を使用する解決策は 1 つもありませんでした。この回答は Claude Code ではなく、Opus 4.6 モデルによるものであることに留意してください。S3 Vectors はモデルのトレーニング時に発表されていなかったため、同じモデルを使用する AI ツールは同様の回答を返します。 では、AWS MCP Server を使用して試してみましょう。 AWS MCP Server は AWS Identity and Access Management (IAM) と IAM SigV4 認証 を使用します。MCP ( OAuth 2.1 のみをサポート) 経由でローカルの AWS 認証情報を使用するために、プロキシ経由で AWS MCP Server を呼び出すように AI コーディングエージェントを設定しました。 MCP Proxy for AWS は、私のマシン上で動作するオープンソースのプロキシであり、IAM 認証の仕組みと OAuth を橋渡しします。 MCP の設定を、以下のコマンドで追加します: claude mcp add-json aws-mcp --scope user \ '{"command":"uvx","args":["mcp-proxy-for-aws@latest","https://aws-mcp.us-east-1.api.aws/mcp","--metadata","AWS_REGION=us-west-2"]}' JSON 設定を分析してみましょう: ユーザー scope を使用して、私のノートパソコン上のすべてのプロジェクトでサーバーを使用できるようにします。 uvx mcp-proxy-for-aws はプロキシを起動するコマンドです。残りの引数はプロキシに渡されるパラメータです。 https://aws-mcp.us-east-1.api.aws/mcp は、AWS MCP Server の 2 つのリージョンレベルのエンドポイントのうちの 1 つです。プロキシは、Claude Code のリクエストをこのエンドポイントに転送します。 --metadata はプロキシターゲットに渡されます。ここでは、米国西部 (オレゴン) リージョンを使用するように AWS MCP Server に指示しています。 Claude Code を起動し、 /mcp と入力して、AWS MCP Server が正しくインストールされており、私の認証情報を使用できることを確認します。 私は「S3 で埋め込みを保存するにはどうすればよいですか」という同じ質問をします。 今回は、Claude Code は質問に回答するために使用できるツールがあることを認識しています。 aws___search_documentation ツールを呼び出すための許可を求められます。数秒後、「AWS は現在、このための専用サービスである Amazon S3 Vectors を提供しています…」という正しい回答が表示されます。 料金と利用可能なリージョン AWS MCP Server は現在、米国東部 (バージニア北部) と欧州 (フランクフルト) の AWS リージョンで利用可能であり、どのリージョンに対しても API コールを実行できます。AWS MCP Server 自体に追加料金はかかりません。お支払いいただくのは、作成した AWS リソースの料金と、該当するデータ転送コストのみです。 AWS MCP Server は、Claude Code、Kiro、Cursor、および任意の MCP 互換クライアントと連携します。使用を開始するには、「 AWS MCP Server ユーザーガイド 」をご覧ください。 私は、2025 年の初めに AI エージェントで MCP ツールの使用を開始して以来、このようなものをずっと待っていました。単一サーバーにおける最新のドキュメント、認証済み API アクセス、サンドボックス化されたスクリプト実行の組み合わせは、エージェントが AWS 上で実際に実行できることを変えます。お客様がこれを使用してどのようなものを構築するのか、とても興味があります。ぜひコメントでお知らせください。 – seb 原文は こちら です。
企業による AI エージェント導入の際に大きな課題となっているのは、多くの業務ワークフローを支えるデスクトップ環境やレガシーアプリケーションに、最新の AI システムからアクセスできないことです。 2024 Gartner のレポート によると、組織の 75% が最新の API を備えていないレガシーアプリケーションを実行しており、また Fortune 500 企業の 71% が、適切なプログラマティックアクセスを持たないメインフレーム上で、重要な業務プロセスを運用しています。多くの組織にとって、これは AI の導入を遅らせるか、高コストかつリスクの高いモダナイゼーションプロジェクトに取り組むかの選択を迫ることを意味していました。 2026 年 5 月 5 日、 Amazon WorkSpaces がアプリケーションのモダナイゼーションを行うことなく、AI エージェントがデスクトップアプリケーションを安全に操作できるようになったことを発表しました。何百万人もの従業員が利用し、信頼を寄せているものと同じマネージド仮想デスクトップを AI エージェントにも使用できるようになりました。これにより、WorkSpaces は単なる業務環境の提供基盤ではなく、企業の生産性を大規模に拡張するためのインフラストラクチャへと進化します。エージェントは既存の WorkSpaces 環境内で動作するため、API を構築したり、アプリケーションの移行を計画したり、新しいインフラストラクチャを管理したりする必要はありません。 早期にエージェントへ WorkSpace を割り当てたお客様もいます。Nuvens Consulting のディレクターである Chris Noon 氏は次のように語っています。 「WorkSpaces を利用することで、顧客は、AI エージェントに大して従業員がすでに使用しているのと同じ安全でガバナンスの効いたデスクトップ環境を提供できます。カスタム API 統合、完全な監査証跡、エンタープライズグレードの分離はすべて追加設定なしで利用できます。規制の厳しい業界にとって、これは付加価値ではなく、前提となる基準です。」 AI エージェントの安全なクラウドデスクトップアクセス WorkSpaces を使用すると、AI エージェントはマネージド WorkSpaces 環境内で実行されているデスクトップアプリケーションに安全にアクセスして操作し、複雑な業務ワークフローを完了できます。エージェントは AWS Identity and Access Management (IAM) によって認証され、Workspaces を介して接続します。また、完全な監査証跡は AWS CloudTrail と Amazon CloudWatch を通じて利用可能です。エージェントはローカルマシンではなく安全な WorkSpaces 環境内で動作するため、既存のセキュリティ管理とコンプライアンスポリシーはそのまま完全に維持されます。 Amazon Workspaces は業界標準の モデルコンテキストプロトコル (MCP) をサポートしています。つまり、WorkSpaces は LangChain 、 CrewAI 、 Strands Agents など、任意のエージェントフレームワークと連携できます。 試してみましょう AI エージェント用の WorkSpaces 環境をセットアップするために、まず AWS マネジメントコンソール で新しい WorkSpaces アプリケーションスタックを作成しました。このスタックは、エージェントの接続方法と許可される操作を制御する環境定義です。 Amazon WorkSpaces コンソールから [スタックの作成] を選択し、名前、フリートの関連付け、VPC エンドポイントなどの基本設定を構成しました。スタック作成ワークフローのステップ 3 で、新しい AI エージェントセクションに 2 つのオプションがあることに気付きました。1 つ目の [AI エージェントアクセスなし] は、ユーザー向けに設計された標準 WorkSpaces のデフォルト設定です。2 つ目の [AI エージェントの追加] を使用すると、AI エージェントは独自の ID と権限を使用してアプリケーションに安全にアクセスして操作できます。このスタックでエージェント接続を有効にするために、[AI エージェントの追加] を選択しました。 次に、エージェントアクセス設定を構成してエージェントがデスクトップを操作する方法を定義する前に、ストレージを有効にします。 エージェント機能では、3 つの機能を有効にしました。 コンピューター入力 により、エージェントはデスクトップ内でクリック、入力、スクロールできます。 コンピュータービジョン により、エージェントはデスクトップのスクリーンショットをキャプチャできるようになり、これによってアプリケーションを「認識」します。最後に、スクリーンショットのストレージは、監査とデバッグのためにセッションのスクリーンショットを保存する場所を設定します。 デスクトップ画面のレイアウト では、画面の解像度を 1280×720 に、画像形式を PNG に設定しました。解像度は、エージェントがセッション中に認識する内容の精度を決定します。密な UI 要素を持つ複雑なアプリケーションでは高解像度が有利ですが、ターミナル型インターフェイスであれば 720p でも十分に機能します。 スタックを設定すると、WorkSpaces はマネージド MCP エンドポイントを公開します。エージェントフレームワークをこのエンドポイントに接続し、認証用に IAM 認証情報を提供したところ、エージェントはフリートのイメージにインストールされているデスクトップアプリケーションとの対話を開始しました。 この動作の例として、Strands Agent SDK と Amazon Bedrock で構築されたエージェントが、API を持たないサンプル薬局システム内で、処方箋の再発行、患者記録の検索、医薬品の検索、注文処理、そして再発行完了の確認までを一連の流れで実行しています。 アプリケーションは、エージェントが操作していることを認識しません。ソフトウェアについては何も変更、再構築、または統合されていません。エージェントは、現在の状態とまったく同じように処理しました。 今すぐご利用いただけます この機能は現在、追加料金なしのパブリックプレビューとして提供されており、米国東部 (バージニア北部、オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、カナダ (中部)、ヨーロッパ (フランクフルト、アイルランド、パリ)、およびアジア (東京、ムンバイ、シドニー、ソウル、シンガポール) の 各リージョン でご利用いただけます。 GitHub リポジトリ を使用して今すぐ構築を開始するか、 WorkSpaces ページにアクセスして詳細を確認してください。 原文は こちら です。
本記事は 2026 年 5 月 7 日に公開された “ Announcing aggregations on Amazon ElastiCache ” を翻訳したものです。 Amazon ElastiCache が集計クエリをサポートするようになり、単一のクエリでキャッシュ内のデータを直接フィルタリング、グループ化、変換、集計することがより簡単になりました。集計クエリを使用することで、テラバイト規模のデータに対してマイクロ秒単位の低レイテンシーで、最新の書き込みが反映された結果を返す、リアルタイムなアプリケーション体験を構築できます。データがすでに存在する場所で、アプリケーションが要求する速度で分析を行うことができ、別途分析レイヤーを用意する必要はありません。集計機能を使用すると、ElastiCache に保存済みのデータに対して、リアルタイムのリーダーボード、ファセット検索によるカタログブラウジング、運用レポート、探索的な分析クエリなどを構築できます。 ElastiCache 内のメモリ上で集約処理を直接実行することで、アーキテクチャの複雑さを軽減し、応答時間を改善できます。集約クエリはサーバー側で計算を実行するため、アプリケーションはデータをその場で分析し、最終的なサマリーのみを返すことができます。例えば、1 つの集約クエリで、製品カタログをフィルタリングして特定のカテゴリのデータを取得し、結果をブランドごとにグループ化し、各ブランドの平均評価を計算し、パフォーマンス上位 10 件のみを返すといったことが可能です。これらのクエリは、GROUPBY、REDUCE、APPLY、FILTER、SORTBY、LIMIT などのステージをパイプラインに連結することで構築でき、各ステージの出力が次のステージへの入力になります。これらのステージを任意の順序で組み合わせ、繰り返し使用することで、1 つのコマンドで複数ステップの分析ワークフローを構築できます。集約はプライマリ上で Read-after-Write 整合性 (書き込み後読み取り整合性) を提供するため、結果には最新の書き込みが反映され、クライアントコードを変更することなくシャード間でスケールします。本投稿では、集約によって実現できるユースケースを紹介し、ElastiCache for Valkey を使ってファセットブラウジングエンジンを構築しながら、その仕組みを解説します。 これらの集約機能は、ElastiCache version 9.0 for Valkey で、全文検索、完全一致検索、範囲検索、ベクトル検索機能 ( Amazon ElastiCache での全文検索、完全一致検索、範囲検索、ハイブリッド検索 を参照) と並んで利用可能です。ElastiCache version 9.0 for Valkey ではまた、個々のフィールドに対するきめ細やかな TTL 制御を可能にするハッシュフィールドの有効期限機能や、最大 40% 向上したパイプラインスループットも導入されています。リリースの詳細については、 Amazon ElastiCache 向け Valkey 9.0 のお知らせ をご覧ください。 集約の使用が適している場面 アプリケーションは、リアルタイムでフィルタリング、グループ化、集計する必要があるデータを ElastiCache に保存することがよくあります。例えば、E コマースプラットフォームでは、カタログ全体にわたってカテゴリ別の平均評価や商品数を計算します。ストリーミングサービスでは、ジャンル別の総視聴数、平均視聴時間、再生数上位の作品を算出し、トレンドフィードやレコメンデーションランキングを構築します。金融サービスでは、ユーザーや時間枠ごとに取引をグループ化して合計を計算し、しきい値違反を検出し、コンプライアンスレポートを生成します。アプリケーションは、ユーザー向けのエクスペリエンス、ライブ分析、運用レポートを支えるためにこのデータをリアルタイムに分析する必要があり、古いデータや遅い結果はユーザーエクスペリエンスを低下させます。デバッグや単発の調査のためにアドホックなクエリが必要な開発者は、別の分析レイヤーを設定したり、データをアプリケーションレイヤーにエクスポートしたりすることなく、ライブデータに対して直接集計を実行することもできます。集計は、次の 3 つの一般的なユースケースをサポートします。 カタログフィルタリングのためのファセット検索: E コマースプラットフォームでは、買い物客がブラウジングする際に、各フィルタの組み合わせに一致する商品数を表示します。買い物客がカテゴリや価格帯を選択すると、UI は残りのすべてのフィルタ値のカウントを即座に更新します。1 つの集計クエリで、一致するカタログをブランド、色、または評価ごとにグループ化し、グループごとのカウントを返すため、アプリケーションは事前計算や古いカウントのキャッシュなしに正確なファセット数を表示できます。集計はインメモリで直接実行されるため、数百万の商品にまたがる場合でも、これらのカウントはマイクロ秒のレイテンシで返されます。 リアルタイムのトレンドとランキング: ゲームプラットフォーム、ストリーミングサービス、マーケットプレイスでは、ライブのエンゲージメント指標に基づいてトレンドコンテンツや上位ランカーを表示します。従来、これにはスケジュールに従ってランキングを再計算するバックグラウンドジョブが必要で、データの陳腐化を招いていました。あるいは、大量の結果セットに対するアプリケーション側でのソートが必要で、レイテンシーが増加していました。単一の集計クエリで、コンテンツをカテゴリーごとにグループ化し、総視聴回数、エンゲージメントスコア、プレイヤーランクを計算して、上位の結果を返すことができます。インデックスは書き込み時に同期的に更新されるため、集計クエリはポーリング、キャッシュ無効化、定期的な再計算を行うことなく最新のデータを反映します。 運用レポートと分析: ElastiCache を高速アクセスのために利用するアプリケーションでは、同じデータに対する運用分析やレポートが必要になることがよくあります。例えば、セッションストアではデバイスごとの平均セッション時間を計算し、E コマースプラットフォームではステータスやフルフィルメント段階ごとの注文量を計算します。Aggregations は、別途の分析用クラスターをプロビジョニングしたり ETL パイプラインを維持したりすることなく、スケジュールに基づいて、またはオンデマンドで、これらのクエリをインメモリデータに対して直接実行します。 ElastiCache を使ったファセット検索とリアルタイム分析の構築 これらの機能を組み合わせて実演するために、メディアストリーミングプラットフォームである AnyOrganization 向けに、ファセットブラウジングと分析エンジンを構築します。AnyOrganization はコンテンツカタログを ElastiCache にハッシュキーとして保存しており、各映画タイトルにはジャンル、言語、スタジオ、評価、リアルタイムの視聴回数といったメタデータが含まれています。以下のコードでは、このデータに対して 3 つのクエリパターンを構築します。ファセットフィルタリング、ライブトレンドアイテム、そしてスタジオレベルのエンゲージメントレポートです。 前提条件 この記事の例では、Python と valkey-py クライアントライブラリを使用します。手順を実行するには、以下が必要です (所要時間の目安: 30 分): AWS アカウント および AWS Command Line Interface (AWS CLI) ElastiCache レプリケーショングループを作成する権限を持つ AWS IAM ロール Amazon ElastiCache クラスターと同じ VPC 内にある Amazon EC2 インスタンス (または Amazon ElastiCache に接続可能な 任意のアプリケーション) Python 3.9 以降、および valkey-py バージョン 6.1.1 以降 (pip install valkey) この投稿の完全なサンプルコードは、 Amazon ElastiCache samples GitHub リポジトリで入手できます。 git clone https://github.com/aws-samples/amazon-elasticache-samples.git cd amazon-elasticache-samples/blogs/aggregations-blog ElastiCache for Valkey クラスターのセットアップ 集計機能を利用するための ElastiCache クラスターは、 AWS Management Console または AWS CLI で作成できます。集計機能は ElastiCache version 9.0 for Valkey 以降で利用可能です。以下の例では CLI を使用しています。 aws elasticache create-replication-group \ --replication-group-id AnyOrganization-cache \ --replication-group-description "AnyOrganization Valkey cluster" \ --engine valkey \ --engine-version 9.0 \ --transit-encryption-enabled \ --cache-node-type cache.r7g.large \ --num-node-groups 2 \ --replicas-per-node-group 1 \ --multi-az-enabled \ --automatic-failover-enabled # --transit-encryption-enabled が設定されている場合、Python クライアント接続に # ssl=True を追加します: # client = valkey.ValkeyCluster(..., ssl=True) データへのインデックス作成 ElastiCache に保存されているデータに対して、 catalog_index というインデックスを作成します。 Genre 、 language 、 studio は、ファセットフィルタリング用の完全一致タグとしてインデックス化されます。 Release_year 、 rating 、 views_24h は、範囲フィルタやソート用の数値フィールドとしてインデックス化されます。タイトルは、キーワード、プレフィックス、あいまい一致をサポートする全文検索可能なフィールドとしてインデックス化されます。 以下のコードは、valkey-py の search モジュールを使用して Valkey Search コマンドを構築し送信します。各 Python メソッド呼び出しは、ネットワーク越しに送信される Valkey コマンドに直接対応しています。例えば、 client.ft("catalog_index").create_index(...) は FT.CREATE コマンドを送信し、 client.ft("catalog_index").aggregate(req) は FT.AGGREGATE コマンドを送信します。各コードブロックの横に、対応する Valkey コマンドを示しています。 import valkey from valkey.commands.search.field import TextField, TagField, NumericField from valkey.commands.search.indexDefinition import IndexDefinition, IndexType # : Insert your ElastiCache cluster's discovery endpoint VALKEY_CLUSTER_ENDPOINT = "placeholder_cluster.cnxa6h.clustercfg.use1.cache.amazonaws.com" client = valkey.ValkeyCluster( host=VALKEY_CLUSTER_ENDPOINT, port=6379, decode_responses=True, ssl=True) client.ft("catalog_index").create_index(fields=[ TextField("title"), TagField("genre"), TagField("language"), TagField("studio"), NumericField("release_year"), NumericField("rating"), NumericField("views_24h")], definition=IndexDefinition(prefix=["title:"],index_type=IndexType.HASH)) 同等の Valkey コマンド: FT.CREATE catalog_index ON HASH PREFIX 1 title: SCHEMA title TEXT genre TAG language TAG studio TAG release_year NUMERIC rating NUMERIC views_24h NUMERIC ElastiCache for Valkey ストアにカタログデータを投入します。本記事では、ElastiCache GitHub リポジトリのサンプルデータを使用しますが、他のデータソースを使用することもできます。 import csv import urllib.request import io import time response = urllib.request.urlopen( "https://raw.githubusercontent.com/aws-samples/amazon-elasticache-samples/main/blogs/aggregations-blog/catalog_data.csv") reader = csv.DictReader(io.TextIOWrapper(response)) count = 0 for row in reader: key = row.pop("id") client.hset(key, mapping=row) count += 1 print(f"Loaded {count} records") インデックスはデータをロードする前でも後でも作成できます。プレフィックスに一致するキーが既に存在する場合、Valkey Search はそれらを自動的にインデックスにバックフィルします。 ファセットフィルター 以下の集計は、ユーザーが選択したフィルターを受け取り、一致する結果をジャンル、言語、評価、公開年でグループ化し、各グループのタイトル数を返します。これにより、UI は結果と並べてファセットの件数を表示できます。 from valkey.commands.search.aggregation import AggregateRequest, Desc from valkey.commands.search import reducers def get_facet_counts(filters): # Build query string from user-selected filters clauses = [] if "genre" in filters: clauses.append(f"@genre:{{{filters['genre']}}}") if "language" in filters: clauses.append(f"@language:{{{filters['language']}}}") if "min_rating" in filters: clauses.append(f"@rating:[{filters['min_rating']} + inf]") query = " ".join(clauses) if clauses else "@rating:[-inf + inf]" # Run an aggregation for each facet dimension dimensions = ["genre", "language", "rating"] facets = {} for dim in dimensions: req = AggregateRequest(query) \ .load(f"@{dim}") \ .group_by(f"@{dim}", reducers.count().alias("count")) facets[dim] = client.ft("catalog_index").aggregate(req).rows return facets # Example: user filters for dramas in english, get counts for each dimension facets = get_facet_counts({"genre": "drama", "language": "english"}) # Example output: # {'genre': [{'genre': 'drama', 'count': '6'}], # 'language': [{'language': 'english', 'count': '6'}], # 'rating': [{'rating': '4', 'count': '4'}, # {'rating': '5', 'count': '2'}]} 同等の Valkey コマンド (1 つのファセットディメンション、英語のドラマでフィルタリングする場合): FT.AGGREGATE catalog_index "@genre:{drama} @language:{english}" LOAD 1 @genre GROUPBY 1 @genre REDUCE COUNT 0 AS count リアルタイムで急上昇中のアイテム 以下のコードは、ジャンルごとのトップトレンドタイトルを取得します。これは、ユーザーがコンテンツを視聴するとリアルタイムで更新される views_24h フィールドに対する集計によって実現されています。 def get_trending_by_genre(limit=10): # Get the highest view count per genre # sorted by most popular genre first req = AggregateRequest("@rating:[-inf + inf]") \ .load("@genre", "@views_24h") \ .group_by("@genre", reducers.max("@views_24h").alias("max_views")) \ .sort_by(Desc("@max_views"), max=limit) return client.ft("catalog_index").aggregate(req).rows trending_by_genre = get_trending_by_genre() # Example output: # [{'genre': 'action', 'max_views': '4500'}, # {'genre': 'comedy', 'max_views': '3800'}, # {'genre': 'thriller', 'max_views': '3600'}, # {'genre': 'sci-fi', 'max_views': '3400'}, # {'genre': 'drama', 'max_views': '3200'}, # {'genre': 'animation', 'max_views': '3100'}, # {'genre': 'romance', 'max_views': '2800'}, # {'genre': 'horror', 'max_views': '2600'}, # {'genre': 'documentary', 'max_views': '1900'}] 同等の Valkey コマンド (1 つのファセットディメンションで、英語のドラマをフィルタリングする場合): FT.AGGREGATE catalog_index "@rating:[-inf + inf]" LOAD 2 @genre @views_24h GROUPBY 1 @genre REDUCE MAX 1 @views_24h AS max_views SORTBY 2 @max_views DESC MAX 10 リアルタイムトレンドアイテム 以下のコードは、ジャンルごとにトレンドの上位タイトルを取得するもので、ユーザーがコンテンツを視聴するとリアルタイムに更新される views_24h フィールドに対する集計によって実現されています。 def get_trending_by_genre(limit=10): # Get the highest view count per genre # sorted by most popular genre first req = AggregateRequest("@rating:[-inf + inf]") \ .load("@genre", "@views_24h") \ .group_by("@genre", reducers.max("@views_24h").alias("max_views")) \ .sort_by(Desc("@max_views"), max=limit) return client.ft("catalog_index").aggregate(req).rows trending_by_genre = get_trending_by_genre() # Example output: # [{'genre': 'action', 'max_views': '4500'}, # {'genre': 'comedy', 'max_views': '3800'}, # {'genre': 'thriller', 'max_views': '3600'}, # {'genre': 'sci-fi', 'max_views': '3400'}, # {'genre': 'drama', 'max_views': '3200'}, # {'genre': 'animation', 'max_views': '3100'}, # {'genre': 'romance', 'max_views': '2800'}, # {'genre': 'horror', 'max_views': '2600'}, # {'genre': 'documentary', 'max_views': '1900'}] 同等の Valkey コマンド: FT.AGGREGATE catalog_index "@rating:[-inf + inf]" LOAD 2 @genre @views_24h GROUPBY 1 @genre REDUCE MAX 1 @views_24h AS max_views SORTBY 2 @max_views DESC MAX 10 オンデマンドエンゲージメントレポート AnyOrganization は、制作スタジオ別のコンテンツパフォーマンスを測定するために、日次のレポートジョブを実行しています。次のコードは、同じインデックスに対する集計を使用して、タイトル数、平均評価、総エンゲージメントなどのスタジオレベルのメトリクスを計算します。 def get_studio_report(): # Studio performance: title count, average rating, total 24h views req = AggregateRequest("@rating:[-inf + inf]") \ .load("@studio", "@rating", "@views_24h") \ .group_by("@studio", reducers.count().alias("title_count"), reducers.avg("@rating").alias("avg_rating"), reducers.sum("@views_24h").alias("total_views")) \ .sort_by(Desc("@total_views")) return client.ft("catalog_index").aggregate(req).rows studio_report = get_studio_report() # Example output: # [{'studio': 'StreamFlix Originals', 'title_count': '18', # 'avg_rating': '4.3333333333', 'total_views': '46200'}, # {'studio': 'Summit Pictures', 'title_count': '13', # 'avg_rating': '3.8461538462', 'total_views': '30000'}, # {'studio': 'Crimson Studios', 'title_count': '11', # 'avg_rating': '4.4545454545', 'total_views': '23100'}, # {'studio': 'Emerald Films', 'title_count': '8', # 'avg_rating': '4', 'total_views': '13600'}] 同等の Valkey コマンド: FT.AGGREGATE catalog_index "@rating:[-inf + inf]" LOAD 3 @studio @rating @views_24h GROUPBY 1 @studio REDUCE COUNT 0 AS title_count REDUCE AVG 1 @rating AS avg_rating REDUCE SUM 1 @views_24h AS total_views SORTBY 2 @total_views DESC ベストプラクティス 集計クエリのレイテンシーとスループットを改善するには、各パイプラインステージを通過するドキュメント数を減らすために早い段階でフィルタリングします。マッチする範囲が広いクエリは、パイプラインに入るキーの数が増え、初期スキャンと初期ステージのコストが増加します。例えば、上記のファセットフィルタリングの例では、ユーザーのアクティブなフィルターをクエリ文字列で渡すことで、マッチするドキュメントのみが GROUPBY ステージに入ります。また、しきい値を満たさないグループを削除するために GROUPBY ステージの後に FILTER を追加することもできます。例えば、結果を返す前にタイトル数が 5 未満のジャンルを除外する場合などです。さらに、上位の結果のみが必要な場合は、 SORTBY に MAX を追加することで、トレンドアイテムの例で示すように、エンジンはワーキングセット全体をソートするのではなく、上位の結果のみを追跡します。 LOAD を使うと、インデックスに含まれていないフィールドであっても、基となるハッシュデータから直接フィールドを取得して集約パイプラインに取り込むことができます。例えば、ハッシュに actors フィールドを保存しているがインデックス化していない場合、クエリ実行時に LOAD で読み込み、それを使ってグループ化やソートを行うことができます。ただし、 LOAD は一致するドキュメントごとに基となるキーから生データを取得する必要があるため、結果セットのサイズに応じてレイテンシーが増加します。このオーバーヘッドを避けるため、ロードするフィールドの数は最小限に抑えてください。 クリーンアップ このウォークスルーのために ElastiCache クラスターを作成し、不要になった場合は、今後の課金を避けるために、次の AWS CLI コマンドを使用してクラスターを削除してください。 aws elasticache delete-replication-group --replication-group-id AnyOrganization-cache はじめに この記事では、ElastiCache のアグリゲーションについて、ファセットフィルタリング、ライブトレンドのレコメンデーション、オンデマンドのエンゲージメントレポートを取り上げ、これらすべてを単一の Valkey Search インデックス上に構築する方法を解説しました。アグリゲーションは、すべての商用 AWS リージョン、AWS GovCloud (US) リージョン、および中国リージョンにおいて、ElastiCache for Valkey バージョン 9.0 を実行するノードベースのクラスターで追加費用なしでご利用いただけます。Valkey は、Redis に代わる最も寛容なライセンスのオープンソースかつベンダー中立な選択肢であり、ElastiCache で推奨されるエンジンです。使い始めるには、AWS Management Console、AWS SDK、または AWS CLI を使用して、Valkey 9.0 以降の新しいクラスターを作成するか、 既存のクラスターをアップグレード してください。詳細については、 ElastiCache のドキュメント をご覧ください。質問やフィードバックがある場合は、 AWS re:Post for ElastiCache をご覧ください。 著者について Chaitanya Nuthalapati Chaitanya は AWS インメモリデータベースサービスのシニアテクニカルプロダクトマネージャーで、Amazon ElastiCache for Valkey に注力しています。以前は、生成 AI、機械学習、グラフネットワークを活用したソリューションを構築していました。仕事以外の時間では、Chaitanya は趣味を集めるのに忙しく、現在はテニス、スケートボード、パドルボードを楽しんでいます。 Karthik Subbarao Karthik は Amazon ElastiCache のシニアソフトウェアエンジニアであり、オープンソースの Valkey プロジェクトに積極的に貢献しています。分散システム、データベース、Rust、そして全般的にソフトウェア開発/テクノロジーを通じたイノベーションに情熱を注いでいます。 Allen Samuels Allen は AWS のプリンシパルエンジニアです。分散型で高性能なシステムに情熱を注いでいます。世界中を旅したりデュプリケートブリッジをプレイしたりしていない時は、カリフォルニア州サンノゼで過ごしています。 Siva Subramaniam Siva は AWS のシニアソリューションアーキテクトで、技術リーダーシップとデータベースアーキテクチャにおいて 20 年の経験を持っています。お客様が AWS の専用データベースを使用して移行とイノベーションを実現できるよう支援しています。仕事以外では、Siva はクリケット、農作業、そして妻から料理を学ぶことを楽しんでいます。 ご指導いただいた Ian Childress 氏、そしてプロジェクト全体を通じて実装面で貢献いただいた Miles Song 氏に特に感謝いたします。 本記事は、 Announcing aggregations on Amazon ElastiCache を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の Hayato Tsutsumi が担当しました。
本記事は 2026 年 5 月 7 日に公開された “ Full-text, exact-match, range, and hybrid search on Amazon ElastiCache ” を翻訳したものです。 訳者註: 本記事の全文検索は、現時点では言語オプションとして english のみをサポートしており、日本語テキストはスペースや句読点で区切られた単位でインデックスされます。日本語を全文検索する場合は、事前に形態素解析で語ごとにスペースで区切ったテキストをインデックスし、検索クエリも同じ形で渡すようにしてください。 Amazon ElastiCache は、別個の検索サービスを使用することなく、キャッシュ内で直接リアルタイムの全文検索、完全一致検索、数値範囲検索、ハイブリッド検索をサポートするようになりました。低レイテンシーで動的データに対するスケーラブルな検索を必要とするワークロードに対して、アプリケーションはマイクロ秒単位のレイテンシーと毎秒最大数百万回の検索操作のスループットでテラバイト規模のデータを検索できます。これらの新しい検索機能により、開発者は ElastiCache に既に保存されているデータを、単純なキーバリュー検索を超えた属性で柔軟にクエリできるようになります。 完全一致検索は、商品名、カテゴリ、ユーザー ID、注文番号など、テキスト、タグ、数値属性にわたる正確な値の一致によってドキュメントを取得します。数値範囲検索は、価格のしきい値、日付範囲、取引金額などの属性によってドキュメントをフィルタリングします。完全一致に加えて、全文検索はテキスト属性に対して、オートコンプリート (入力補完) 用のプレフィックスマッチング、タイプミス許容のためのファジーマッチング、複数語検索のための近接マッチングを実行します。これらの検索タイプをベクトル類似度と単一のハイブリッドクエリで組み合わせることができ、正確な用語と意味的な意図の両方を捉えることで、いずれかの手法を単独で使用するよりも関連性の高い結果を提供します。ベクトルワークロードにおいて、ElastiCache for Valkey は AWS 上の主要なベクトルデータベースの中で、95% 以上の再現率で最低レイテンシかつ最高スループットのベクトル検索、そして最高の価格性能比を実現します。 これらの検索機能は、ElastiCache version 9.0 for Valkey で利用可能であり、リアルタイム分析やレポーティング向けのサーバーサイド集計機能も併せて提供されています ( Amazon ElastiCache での集計機能のお知らせ を参照)。ElastiCache version 9.0 for Valkey では、個々のフィールドに対するきめ細かい TTL 制御を可能にするハッシュフィールドの有効期限機能や、最大 40% 向上したパイプライン化スループットも導入されています。リリースの詳細については、 Amazon ElastiCache 向け Valkey 9.0 のお知らせ をご覧ください。 この記事では、新しい検索機能を順を追って紹介し、それらがどのように連携するかを示しながら、検索およびレコメンデーションエンジンをゼロから構築していきます。 複数のアプリケーションにわたる強力なリアルタイム検索を実現 お客様からは、アプリケーションがスケールするにつれて、検索ワークフローがビジネスに求められるスループットをサポートしながら、ユーザーが期待する低レイテンシーの体験を維持する必要があるとの声が寄せられています。例えば、決済プラットフォーム、ストリーミングプラットフォーム、オンライン小売業者などは、何百万ものドキュメントを ElastiCache に保存し、マイクロ秒のレイテンシーでメタデータ属性によってデータを取得する必要があります。さらに、ワークロードが進化するにつれて、すでに ElastiCache に保存されているデータに対して新しいユースケースをサポートする豊富な検索クエリが必要だというお客様の声もあります。例えば、アプリケーションはデバイスタイプ、セッション状態、ユーザーアクティビティなどのユーザーおよびセッションコンテキストを ElastiCache に保存し、低レイテンシーの体験を提供することがよくあります。ワークロードが進化するにつれて、お客様はその同じデータをレコメンデーションシステムの基盤として活用したいと考えており、そのためにはこれらの属性をまたいだ検索が必要になります。 ElastiCache では、マイクロ秒単位の低レイテンシーと毎秒数百万クエリ (QPS) のスループットでデータを検索・取得するためのさまざまな方法が提供されるようになりました。書き込みが完了するとすぐにデータが検索可能になるため、アプリケーションは常に最新の結果をクエリできます。これらの機能は、カタログ検索、レコメンデーションエンジン、エージェント型メモリ、リアルタイムのリーダーボード、セッション検索などのユースケースを支えます。 カタログ検索: オンライン小売業者やストリーミングプラットフォームは、顧客が大規模なカタログから商品を見つけられるような検索体験を構築しています。これらのプラットフォームでは、商品名や説明文に対するテキスト検索と、ブランド、カテゴリ、価格、評価によるフィルタを単一のクエリで組み合わせることで、ファセットブラウジング体験を提供できます。プレフィックスマッチングは、ユーザーが入力するにつれて候補を読み込むタイプアヘッド検索を実現し、マイクロ秒単位で結果を返すため、即座に反応するような体験を提供します。さらに、ファジーマッチングを活用したタイプミスに強い検索を組み合わせることで、スペルミスを自動的に処理し、検索体験をより堅牢にできます。ファジーマッチングは完全一致検索よりも計算コストが高いため、ElastiCache のようなインメモリ検索エンジン上で実行することで、高速で応答性の高い体験を維持できます。 レコメンデーションエンジン: カタログが数百万アイテムに拡大するにつれて、ユーザーはデジタルプラットフォームに対して、関連性の高いコンテンツや商品を素早く表示するパーソナライズされた閲覧体験を期待しています。最新のレコメンデーションシステムは、ユーザーとアイテムをベクトル埋め込みとしてエンコードします。これらのシステムは、ベクトル検索と名前、説明、カテゴリ、在庫状況、価格帯などのフィルターを組み合わせて、数百万のアイテムからレコメンデーション候補を取得します。ハイブリッド検索は、テキスト、タグ、数値フィルターをベクトル類似度と単一のクエリで組み合わせることでこれをサポートし、取得される候補は意味的に関連性があり、ビジネス上の制約も満たします。商品ページでは、同じカテゴリと価格帯にフィルタリングしてから埋め込みの類似度でランク付けすることで、「類似アイテム」を表示できます。これを拡張して、行動履歴 (閲覧したアイテムの埋め込みの平均プーリング、アテンションベースのモデル、シーケンシャルモデルなどの手法を使用) からユーザー埋め込みを構築し、それをベクトルクエリとして渡すことで、学習した嗜好に基づいて結果をランク付けするパーソナライズされたレコメンデーションを実現できます。 エージェントメモリ: エージェントメモリは、エージェントが過去のやり取りから学習することで、会話履歴全体を再生することなく応答の関連性を向上させ、トークンコストを削減します。エージェントメモリシステムは、スコープ属性 (ユーザー、エージェント、セッション) と現在のやり取りに対する意味的関連性によってメモリを保存・取得します。ハイブリッド検索を使用することで、これらのシステムはスコープやテキストフィルターとベクトル類似性を 1 つのクエリで組み合わせます。エージェントメモリはライブの会話パス上にあるため、書き込み後すぐに読み取れる可視性が求められ、新しく保存された事実が即座に取得可能である必要があり、新しいメモリの取得と統合のために高い同時読み書き性能が求められます。ElastiCache は書き込み時にメモリを同期的にインデックス化し、マルチスレッディングを活用し、AWS 上の主要なベクトルデータベースの中で最高のスループットをマイクロ秒レベルのレイテンシーで提供します。ElastiCache と Mem0 を使用したステップバイステップの実装については、 Build persistent memory for agentic AI applications with Mem0 Open Source, ElastiCache for Valkey, and Amazon Neptune Analytics をご覧ください。 ElastiCache for Valkey は、セルフマネージドのメモリレイヤーを構築したい場合や、低レイテンシでカスタマイズ可能なインメモリストアが必要な場合に適しています。フルマネージドのアプローチをお好みの場合は、 Amazon Bedrock AgentCore Memory を使用してメモリを管理することもできます。 金融アプリケーションとリーダーボード: 取引プラットフォームやゲームアプリケーションでは、取引金額、タイムスタンプ、リスクスコア、プレイヤーランキングといった数値属性を持つドキュメントを保存し、低レイテンシーで取得する必要があります。ElastiCache の数値範囲クエリは、これらの属性に対する高速な検索をサポートし、時間枠、金額のしきい値、スコア帯によるフィルタリングを可能にします。ゲームアプリケーションでは、スコアの更新を即座に反映するリアルタイムなリーダーボードを維持でき、「自分の地域のトップ 100 プレイヤー」のような範囲クエリにも対応できます。 ユーザーおよびセッション管理: 各業界のアプリケーションは、セッション管理のためにセッション ID、デバイスタイプ、ユーザーハンドルといった構造化属性をキャッシュに保存しています。これらのアプリケーションは、ユーザーがログインするとセッションデータをキャッシュに書き込み、セッションのライフサイクルを通じて更新するため、即時に検索可能な高速書き込みが求められます。ElastiCache は更新を同期的にインデックス化するため、セッション属性に対する検索は遅延なく最新の状態を反映します。完全一致検索により、数百万のドキュメントから正確な識別子に基づいてアクティブなセッションや権限をサブミリ秒のレイテンシーで特定できます。 ElastiCache を使った検索・レコメンデーションエンジンの構築 これらの検索タイプを組み合わせて実演するため、エレクトロニクス、美容、家庭用品など何百万もの製品を販売する e コマースプラットフォーム AnyCompany 向けの検索およびレコメンデーションエンジンを構築します。AnyCompany は、買い物客がキーワードで製品を見つけ、ブランドや価格帯などのフィルターで絞り込み、類似性を通じて関連商品を発見できる検索体験を求めています。AnyCompany は 100 万を超える商品カタログを ElastiCache にハッシュベースのドキュメントとして保存しています (この例では、実際のタイトル、説明、ブランドを含む Amazon ESCI データセット から派生したもの)。次のコードは、このデータに対して 5 つのクエリパターンを構築します: 入力補完検索、全文一致、タイポに強いマッチング、フィルター付きブラウジング、そして類似商品のレコメンデーションです。 前提条件 この記事の例では、 valkey-py クライアントライブラリと Python を使用しています。手順を実行するには、以下が必要です (所要時間の目安: 30 分): AWS アカウント と AWS Command Line Interface (AWS CLI) ElastiCache レプリケーショングループを作成する権限を持つ AWS IAM ロール Amazon ElastiCache クラスターと同じ VPC 内にある Amazon EC2 インスタンス (または Amazon ElastiCache に接続可能 な任意のアプリケーション) Python 3.9 以降および valkey-py バージョン 6.1.1 以降 (pip install valkey) この記事の完全なサンプルコードは、ElastiCache samples GitHub リポジトリで入手できます。 ElastiCache for Valkey クラスターのセットアップ ElastiCache の検索用クラスターは、AWS Management Console または AWS CLI を使用して作成できます。以下の例では CLI を使用しています。検索機能は ElastiCache for Valkey バージョン 9.0 以降で利用可能です。 aws elasticache create-replication-group \ --replication-group-id AnyCompany-cache \ --replication-group-description "AnyCompany Valkey cluster" \ --engine valkey \ --engine-version 9.0 \ --transit-encryption-enabled \ --cache-node-type cache.r7g.large \ --replicas-per-node-group 0 インデックスの作成とデータのロード 商品データを検索可能にするため、 products_vec_index というインデックスを作成します。タイトルと説明は、キーワード、前方一致、あいまい検索をサポートする全文検索可能な属性としてインデックス化されます。ブランドと色は、絞り込み検索のために完全一致タグとしてインデックス化されます。価格、評価、在庫は、範囲クエリやソートのためにソート可能な数値属性としてインデックス化されます。 embedding は、セマンティック類似検索やレコメンデーションのためにベクトル属性としてインデックス化されます。 import gzip import json import struct import urllib.request import valkey from valkey.commands.search.field import TextField, TagField, NumericField, VectorField from valkey.commands.search.indexDefinition import IndexDefinition, IndexType # : Insert your ElastiCache cluster's endpoint VALKEY_HOST = "placeholder_cluster.cnxa6h.clustercfg.use1.cache.amazonaws.com" client = valkey.Valkey(host=VALKEY_HOST, port=6379, decode_responses=False, ssl=True, ssl_cert_reqs="required") # Create the search index with text, tag, numeric, and vector fields try: client.execute_command("FT.DROPINDEX", "products_vec_index") except: pass client.ft("products_vec_index").create_index( fields=[ TextField("title"), TextField("description"), TagField("brand", separator=","), TagField("color", separator=","), NumericField("price"), NumericField("rating"), NumericField("stock"), VectorField("embedding", "FLAT", { "TYPE": "FLOAT32", "DIM": 64, "DISTANCE_METRIC": "COSINE"})], definition=IndexDefinition(prefix=["pv:"], index_type=IndexType.HASH)) ElastiCache ストアに商品データセットを投入します。このデータセットは 130 万件の商品のサブセットで、タイトル、説明、ブランド、および Amazon ESCI Shopping Queries データセットから導出された事前計算済みの 64 次元エンベディングを含む 13.7 万件の商品で構成されています。サンプルリポジトリをクローンし、ロードスクリプトを実行してください: git clone https://github.com/aws-samples/amazon-elasticache-samples.git cd amazon-elasticache-samples/blogs/elasticache-valkey/fts-benchmark # <入力が必要>: VALKEY_HOST 変数をクラスターのエンドポイントで更新して実行: python load_products_blog.py タイプアヘッド検索 (先行入力検索) インデックスとデータが準備できたら、AnyCompany はインデックスに対して実行され、一致するドキュメントを返す FT.SEARCH クエリを使って検索エンジンを構築できます。ユーザーが検索バーに入力すると、アプリケーションはプレフィックスクエリを送信し、リアルタイムで候補を表示します。 from valkey.commands.search.query import Query results = client.ft("products_vec_index").search( Query("wire*").return_fields("title").paging(0, 5)) # User has typed "wire" - prefix match shows suggestions # Output: # [{'title': 'xyz Kids Wireless Headphones'}, # ... # ... # {'title': 'Santas Wire Christmas Lighting Storage Bag'}] フレーズマッチング ユーザーが Enter キーを押すと、アプリケーションはタイトルと説明に対して全文検索を実行します。SLOP は、単語同士がどれだけ離れていても一致と見なすかを制御し、単語がより近接している結果ほど上位にランク付けされます。 # User submits "wireless headphones" # SLOP 2 allows up to 2 words between terms results = client.ft("products_vec_index").search( Query("wireless headphones") .slop(2) .return_fields("title", "brand", "price").paging(0, 5)) # Output: # [{'title': 'xyz Studio3 Wireless Headphones - Gray (Renewed)', # 'brand': 'xyz', 'price': '1928.28'}, # ... # {'title': 'xyz TUNE 220TWS - True Wireless in-Ear Headphone - Blue', # 'brand': 'xyz', 'price': '1121.23'}] タイプミスを許容するマッチング クエリが結果を返さない場合、アプリケーションはタイプミスを修正するためにあいまい一致 (fuzzy matching) で再試行します。あいまい一致は編集距離を計算するためコストが高いので、デフォルトとしてではなくフォールバックとして使うのが最適です。 # Retry with fuzzy matching for "wireles headphoens" results = client.ft("products_vec_index").search( Query("%wireles% %headphoens%") .return_fields("title", "brand", "price").paging(0, 5)) # Output: # [{'title': 'xyz Comfort 35 Wireless Headphones, Noise Cancelling - Silver (Renewed)', # 'brand': 'xyz', 'price': '1811.75'}, # ... # ... # {'title': 'xyz SoundSport Wireless Headphones, Black + Charging Case', # 'brand': 'xyz', 'price': '568.47'}] フィルタリングによる閲覧 買い物客が商品を検索してフィルターを適用すると、アプリケーションはテキスト検索とタグおよび数値フィルターを単一のクエリで組み合わせます。 # ユーザーが「headphones」を検索し、価格 $50-$150、評価 4.0 以上でフィルタリング results = client.ft("products_vec_index").search( Query("@title:headphones @price:[50 150] @rating:[4.0 5.0]") .return_fields("title", "brand", "price", "rating") .paging(0, 5)) # 出力: # [{'title': 'xyz WH1000XM3 Bluetooth Wireless Noise Canceling Headphones', # 'brand': 'xyz', 'price': '102.29', 'rating': '4.8'}, # ... # ... # {'title': 'Bluetooth Earbuds xyz SoundLink .. in Ear Headphones', # 'brand': 'xyz', 'price': '125.45', 'rating': '4.5'}] 類似商品のレコメンデーション 「類似商品」のレコメンデーションを実現するために、AnyCompany はテキストフィルターを使ったハイブリッド検索で結果を該当する商品タイプに絞り込み、ベクトル検索で表示中の商品との類似度に基づいてフィルター済みの結果をランク付けしています。 # Get the embedding of the product the user is currently viewing # for example - "Kids Headphones with Microphone 2 Pack" product_embedding = client.hget("pv:B0825SSTMN", "embedding") # Hybrid: text pre-filter "headphones" + vector KNN for similarity ranking results = client.ft("products_vec_index").search( Query("@title:headphones =>[KNN 5 @embedding $vec AS score]") .return_fields("title", "brand", "price", "score") .dialect(2), query_params={"vec": product_embedding}) # Output: # {'title': 'xyz I35 Kid Headphones with Microphone Volume Limited ...', # 'brand': 'xyz', 'price': '155.06', 'score': '0.293'}, # ... # ... # {'title': 'Kids Headphones with Pouch, xyz Wired ...', # 'brand': 'xyz', 'price': '957.95', 'score': '0.351'}] このパターンを拡張して、埋め込みベースの検索を活用したパーソナライゼーションを実現できます。閲覧したアイテム埋め込みの平均プーリング、アテンションベースのモデル、シーケンスモデルなどの手法を用いて、買い物客のインタラクション履歴からユーザー埋め込みを構築します。単一の商品埋め込みの代わりにユーザー埋め込みをベクトルクエリとして渡すことで、KNN スコアリングがフィルタリングされた集合の中から、買い物客の学習済みの嗜好に基づいて結果をランキングします。 内部の仕組みとパフォーマンス レイテンシーとスループットを、テキストと数値のクエリタイプについて、レプリカなしの単一の cache.r7g.2xlarge ノードを含む 1 シャード構成の ElastiCache for Valkey クラスター上で計測しました。データセットには約 1 GB のデータが含まれており、上記の例で説明したテキスト、タグ、数値、ベクトル属性を持つ 130 万件の製品ドキュメントで構成されています。レイテンシーとスループットの計測には valkey-benchmark を使用しました。 クエリタイプ P50 (ms) 1 クライアント P99 (ms) 1 クライアント QPS 300 クライアント テキスト検索 (完全一致) 0.135 0.255 60,000 前方一致 (タイプアヘッド検索) 0.135 0.279 57,692 数値範囲 (在庫/評価でのフィルタ) 0.175 0.199 24,087 ハイブリッドクエリ – テキスト + 数値範囲 (ファセットブラウジング) 0.135 0.295 52,632 ベクトル検索のレイテンシーとスループットのベンチマークについては、 Announcing vector search for Amazon ElastiCache を参照してください。上記の例では、単一の cache.r7g.2xlarge ノードでのパフォーマンスをテストしています。レプリカ (シャードあたり最大 5 つ) とシャードを追加することで読み取りスループットをスケールし、数百万 QPS に到達できます。各レプリカは独自のインデックスを持ち、独立して検索を処理できますが、レプリカからの読み取りは結果整合性となります。データ容量よりも低レイテンシーを優先する場合は、 single-slot indexes を使用して、インデックス化されたすべてのデータを 1 つのシャードに保持し、ファンアウトのオーバーヘッドを完全に回避してください。シャードを追加することで、クライアントコードを変更せずにメモリ容量を増やすことができます。 ElastiCache はデータの変更をリアルタイムで自動的にインデックス化し、エンジンは各書き込みを確認応答する前にインデックス化します。そのため、それ以降の検索では更新後のデータが返され、read-after-write 整合性が提供されます。この整合性の動作は、マルチキートランザクションや Lua スクリプトでも同様に保たれます。Valkey はマルチスレッドを活用してインデックス処理を複数のスレッドにまたがって実行するため、ElastiCache は書き込みスループットの高いワークロードにおいても検索クエリで高いパフォーマンスを発揮できます。 クリーンアップ このウォークスルーのために ElastiCache クラスターを作成し、不要になった場合は、今後の料金が発生しないように、次の AWS CLI コマンドを使用してクラスターを削除してください。 aws elasticache delete-replication-group --replication-group-id AnyCompany-cache まとめ 本投稿では、ElastiCache における全文検索、完全一致検索、数値範囲検索、およびハイブリッド検索について解説しました。これらの検索タイプのユースケースを取り上げ、検索およびレコメンデーションシステムの構築方法をご紹介しました。全文検索、完全一致検索、数値範囲検索、およびハイブリッド検索は、Valkey 9.0 を実行する ElastiCache のノードベースクラスターにおいて、すべての AWS 商用リージョン、AWS GovCloud (US) リージョン、および中国リージョンで追加費用なしでご利用いただけます。Valkey は、最も制約の少ないオープンソースかつベンダーニュートラルな Redis に代わる選択肢であり、ElastiCache における推奨エンジンです。始めるには、AWS Management Console、AWS SDK、または AWS CLI を使用して、新しい Valkey 9.0 以降のクラスターを作成するか、 既存のクラスターをアップグレード してください。詳細については、 ElastiCache のドキュメント をご覧ください。ご質問やフィードバックは、 AWS re:Post for ElastiCache までお寄せください。 著者について Chaitanya Nuthalapati Chaitanya は AWS インメモリデータベースサービスのシニアテクニカルプロダクトマネージャーで、Amazon ElastiCache for Valkey を担当しています。以前は、生成 AI、機械学習、グラフネットワークを活用したソリューションを構築していました。仕事以外の時間では、Chaitanya は趣味を集めることに忙しく、現在はテニス、スケートボード、パドルボードを楽しんでいます。 Karthik Subbarao Karthik は Amazon ElastiCache のシニアソフトウェアエンジニアで、オープンソースの Valkey プロジェクトに積極的に貢献しています。分散システム、データベース、Rust、そして全般的にソフトウェア開発・技術を通じたイノベーションに情熱を持っています。 Ian Childress Ian は AWS のソフトウェア開発マネージャーで、全文検索インフラストラクチャを含む Valkey モジュールおよび統合機能を構築するチームを率いています。仕事以外では、Ian はホッケーをプレイし、Go 言語で高性能システムを書くことに没頭する飽くなき探求者です。夏になると、氷から湖へと舞台を移し、毎週末家族とウェイクサーフィンを楽しんでいます。 Eran Balan Eran は AWS のスペシャリストソリューションアーキテクトで、インメモリデータベースおよび Amazon ElastiCache を専門としています。EMEA 地域のお客様と協力し、キャッシングアーキテクチャの設計、パフォーマンスの最適化、Redis OSS から Valkey への移行など、さまざまな移行を支援しています。仕事以外では、Eran はミュージカルや演劇の観劇、ハイキング、オープンウォータースイミングを楽しんでいます。 プロジェクト全体を通じて、ビジョン、指導、そして実践的な貢献をいただいた Allen Samuels 氏に心より感謝申し上げます。 本記事は、 Full-text, exact-match, range, and hybrid search on Amazon ElastiCache を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の Hayato Tsutsumi が担当しました。
本記事は 2026 年 5 月 7 日に公開された “ Valkey turns two ” を翻訳したものです。 2 年前、 Valkey は、Redis に対する真にオープンでベンダーニュートラルな代替手段の必要性に応えるコミュニティ主導の取り組みとして誕生しました。本記事では、この 2 年間の歩みを振り返り、Valkey の急速な普及、コミュニティによってもたらされたイノベーション、そしてこれらの発展がモダンなキャッシングおよびリアルタイムデータ基盤の未来にとって何を意味するのかをご紹介します。わずか 2 年という短い期間で、Valkey はほぼすべての主要なクラウドプロバイダーやオープンソースディストリビューションにおけるデフォルトの高性能キーバリューデータストアとなり、キャッシング分野におけるコミュニティ主導のイノベーションの中心的存在となりました。Valkey は Docker の累計プル数 1 億回を突破し (前年比 17 倍)、225 名を超えるコントリビューターを集め、1,500 件以上のプルリクエストが提出されています。これは同時期の Redis の開発ペースのおよそ 2 倍に相当します。 この勢いは、強力なイノベーションのフライホイールを生み出しています。クラウドプロバイダー、企業、開発者全体で採用が拡大するにつれ、Valkey オープンソースエコシステム全体からの貢献により、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス、コスト効率、および高度な機能の改善が推進されてきました。これらの改善により、本番環境で 最大 60% 優れた価格性能比 や、全文検索、集計、ベクトル類似性、Bloom フィルターなどの高度な機能を利用できるようになるといった、目に見える形での向上が実現しています。こうした強化により、何万もの Amazon ElastiCache のお客様が数十万のクラスターを Valkey に移行しています。Intuit、Airbnb、Nextdoor、Tinder、Peloton、Amazon Ads、Amazon Music といった 組織 は現在、最もレイテンシーに敏感でビジネスクリティカルなシステムの一部を Valkey に依存しています。 このイノベーションのフライホイールは、Valkey のオープンガバナンスとコミュニティ主導の開発モデルによって実現されています。組織が Valkey を採用し、大規模に運用するにつれ、その実世界での経験がコントリビューション、ベンチマーク、運用フィードバックを通じてプロジェクトに直接還元されます。これにより、Valkey エコシステム全体のイノベーションのペースが加速します。 「Valkey が注目に値するのは、1 億回の Docker プルや 2 万 5,000 を超える GitHub スターといった目を引く数字ではなく、その背後にいるコミュニティです。Ericsson、ByteDance、Intel、Salesforce、Snap、その他数十の組織に所属する多様な開発者たちが、ほぼすべてのクラウドプロバイダーと共に Valkey を構築しています。コミュニティ主導のガバナンスによるこのような幅広いオープンなコラボレーションこそが、長期的に見て最高のテクノロジーが生み出される方法なのです。」 — Matt Wilson、AWS 副社長兼主席エンジニア キャッシュ・ミー・イフ・ユー・キャン: Valkey の採用 Valkey の成長は、利用状況の指標だけでなく、その周りに形成されているエコシステムの広がりにも表れています。わずか 2 年で、Valkey は新しいオープンソースプロジェクトから、キャッシング、リアルタイムデータアクセス、検索、人工知能 (AI) ワークロードのために広くサポートされる基盤へと進化しました。クラウドプロバイダー、商用サービスプロバイダー、アプリケーションフレームワーク、業界全体の開発者コミュニティが参加しています。 このエコシステムには現在、 AWS 、 Google 、 Alibaba 、 Oracle 、 Tencent 、 DigitalOcean といったクラウドプロバイダーからの 10 を超えるマネージド Valkey サービスが含まれています。 Percona 、 Aiven 、 Momento などのサービスプロバイダーや商用ディストリビューターは、このプロジェクトを中心としたマネージドサービス、エンタープライズサポートモデル、付加価値の高いサービスを構築しています。アプリケーション層では、 Spring Data Valkey や Laravel といったフレームワークが Valkey のサポートを追加しています。 LangChain 、 Haystack 、 Cognee 、 Recall などの AI および大規模言語モデル (LLM) フレームワークでは、ベクトルストレージ、検索、エージェントメモリ用の Valkey 統合が導入されました。これらの統合により、Valkey は高性能キャッシュとしての役割から、最新のリアルタイムおよび AI アプリケーションのコアデータ層へと、その役割を拡大しています。 Amazon ElastiCache における Valkey の採用も、業界全体の同様の勢いを反映しています。 ElastiCache の最大規模の顧客 による実際の本番環境でのデプロイは、Valkey が今日稼働しているスケールを示しており、極めて高いスループット、低レイテンシー、継続的な可用性を求められるインターネット規模のアプリケーションを支えています: Intuit は、重要なアイデンティティワークロードを ElastiCache for Valkey にアップグレードした結果、ダウンストリームのサービスコールを最大 80% 削減し、レイテンシを約 95% 改善したことを報告しています。 Sanoma は、人間のモデレーターによる判断のオーバーライドをベクトルとして保存することで、ニュースブランド全体で AI 支援によるコメントモデレーションを改善するために ElastiCache for Valkey を活用しています。現在、コメントの 30% が過去のモデレーター判断と照合されており、全ケースの 6.5% でそのコンテキストが直接 AI の判断を変更し、モデルの再学習や別途ベクトルデータベースを運用することなく、精度を向上させています。 Tinder は、Amazon ElastiCache の低レイテンシ性能を活用して、毎日数十億のユーザーアクションを処理し、世界規模のデーティングプラットフォーム全体でリアルタイムインタラクションをサポートしています。 Peloton は、ElastiCache を活用してライブリーダーボードを稼働させ、世界中のライダーがサブミリ秒の更新でリアルタイムに競い合えるようにしています。 Amazon Ads は、Sponsored Products 広告プラットフォームを稼働させるために ElastiCache for Valkey を使用しています。このシステムは、数百ノードに及ぶクラスターを運用し、1 日あたり数十億の広告インプレッションを配信しながら、毎秒数千万のリクエストを処理しています。この規模であっても、グローバルインフラストラクチャ全体で p99 レイテンシ 5 ms 未満、99.99% の可用性を維持しています。 Nextdoor は、800 以上のノードを Valkey にアップグレードすることで、地域コミュニティ向けソーシャルプラットフォームを稼働させながら運用コストを削減しました。 「組織がミッションクリティカルなワークロードをグローバル規模で実行するために採用する中で、Valkey のようなプロジェクトがこれほど急速に勢いを増していくのを見るのは非常に刺激的です。エンジニアリングの専門知識と運用経験をコミュニティに還元することで、エコシステム全体のイノベーションを加速させています。お客様は、パフォーマンス、信頼性、機能の改善がより速いペースで進むことから恩恵を受けています。」 — G2 Krishnamoorthy, AWS データベース担当バイスプレジデント 勢いの背景にある取り組み 急速な普及に呼応するように、急速なイノベーションも進んでいます。Valkey コミュニティ全体の組織からの貢献により、パフォーマンス、信頼性、コスト効率、機能性において数多くの改善が生まれています。プロジェクト開始以来、225 名を超える貢献者が 1,500 件以上のプルリクエストを提出しました。これは、同時期の Redis における開発ペースと比較して、アクティブな貢献者数とマージされたプルリクエスト数の両方でほぼ 2 倍にあたります。この急速なペースは、従来の単一ベンダーによる開発モデルを上回るオープンソースコラボレーションの力を示しています。 世界をリードするテクノロジー企業の多くがこのプロジェクトに積極的に貢献しており、ByteDance、Intel、Salesforce、Snap などの組織に加え、ほぼすべての主要なクラウドプロバイダーが参加しています。開発のペースは、各組織が共通して依存するコアインフラストラクチャの改善に共同投資する、オープンで業界全体の協力モデルの強さを反映しています。しかし、数字よりも重要なのは、コミュニティが構築しているものがもたらすインパクトです。2 年間にわたるイノベーションを 1 つの投稿で完全に伝えることは困難ですが、以下のハイライトは、この成長を続けるコミュニティから生まれたいくつかのイノベーションを示しています。これらには、最近 Amazon ElastiCache での一般提供が発表された Valkey 9 の最新のイノベーションが含まれます (詳細は別の ブログ投稿 をご覧ください)。 パフォーマンス Valkey 9 は、インメモリデータストアの可能性の限界を押し広げ続けています。パフォーマンスの向上には、パイプライン化されたコマンドのメモリプリフェッチによる 最大 40% のスループット向上 、 ゼロコピーレスポンス による最大 20% のスループット向上、そして Multipath TCP による最大 25% のレイテンシー削減が含まれます。これらの改善は、Valkey 8 で導入された 再設計された I/O スレッディングアーキテクチャ による最大 230% のスループット向上および最大 70% のレイテンシー改善といった、以前の Valkey のパフォーマンス改善の上に積み重ねられています。ElastiCache はまた、 Amazon ElastiCache Serverless でキャッシュあたり毎秒最大 500 万リクエスト を達成しました。しかし、パフォーマンスは実環境下で予測可能であり続けてこそ意味があります。このため、Valkey コミュニティは、大規模環境で一貫した信頼性につながるパフォーマンス向上の提供に多大な投資を行ってきました。 信頼性 信頼性の改善は、実際の本番環境においてレイテンシーを予測可能に保ち、復旧を高速にすることに重点を置いています。最近の Valkey リリースでは、P99 レイテンシースパイクを削減する Active Defragmentation の改善 と、プライマリへのメモリ負荷を軽減しながら完全同期時間を最大 50% 短縮できる デュアルチャネルレプリケーション が導入されました。 TLS フル同期の最適化 により、同期速度は最大 18% 向上します。これらの強化により、お客様がより大規模で要求の厳しい本番環境ワークロードを実行する際にも、レイテンシーを予測可能に保ち、復旧を高速に維持できます。 コスト効率 Valkey 9 では、クラスターモードにおける numbered databases (番号付きデータベース) の対応により、コスト効率がさらに向上します。チームは、ネームスペースごとに個別のインフラストラクチャを過剰にプロビジョニングする代わりに、同じ分散クラスター内でアプリケーション、テナント、または環境を論理的に分離できます。これらの改善は、Valkey 8 および 8.1 におけるコアデータ構造の最適化など、これまでの Valkey の効率性向上の上に構築されており、 ElastiCache の Redis OSS と比較して最大 60% 優れた価格対性能 を実現できます。その結果、クラスターは小さくなり、インフラストラクチャコストは低減し、成長のための余裕が広がります。コアエンジンがより効率的になることで、Valkey はより少ないインフラストラクチャで大規模なワークロードを実行できるよう支援し、従来のキャッシュを超えた新しいカテゴリのアプリケーションへも拡張し続けます。 新機能 Amazon ElastiCache 上の Valkey 9 を利用することで、お客様は最新の Valkey search 機能にアクセスできます。これは、以前に追加されたベクトル検索を拡張し、 フルテキスト検索、サーバーサイド集計 、ハイブリッドクエリを提供することで、リアルタイム検索、セマンティック検索、フィルタリング、分析をキャッシュ内で直接実行可能にします。これらの機能により、お客様はマイクロ秒レベルのレイテンシーと毎秒数百万リクエストのスループットで、継続的に更新されるテラバイト規模のデータを検索および分析できます。ユースケースには、商品カタログ検索、ドキュメント探索、レコメンデーションシステム、異常検知、ログ分析、会話メモリ、検索拡張生成 (RAG) などがあります。 Valkey 9 では ハッシュフィールドの有効期限 も導入され、ハッシュ内の個々のフィールドに対してきめ細かい TTL 制御が可能になります。これにより、キー全体を一度に失効させたり、アプリケーション側に有効期限のロジックを追加したりする必要がなくなります。これらの革新的な機能は、Bloom フィルター、JSON サポート、LDAP 統合、地理空間ポリゴンクエリなど、最近の Valkey エンジンのリリースおよびモジュールに追加された他の機能の上に構築されています。 私たちの主要な価値観に基づいた構築 過去 2 年間における Valkey の急速な普及は、業界規模でのオープンなコラボレーションの力を示しています。開発者による広範な利用、クラウドプロバイダーやテクノロジー企業からの幅広い参加、そして中立的なオープンガバナンスが、強力なフライホイールを生み出しました。より多くの組織が Valkey を本番環境にデプロイするにつれて、その運用経験が直接プロジェクトにフィードバックされ、パフォーマンス、信頼性、スケーラビリティ、コスト効率の継続的な改善を推進しています。 数十万のクラスターと、世界で最も要求の厳しいリアルタイムアプリケーションで Valkey を運用することで、イノベーションの新たな機会が次々と生まれています。Valkey のオープンソースエコシステム全体からの貢献により、コアエンジンが強化されるとともに、開発者が構築できる範囲が拡大しています。ユースケースは現在、従来のキャッシュやセッション管理から、リアルタイム分析、検索、AI 駆動型ワークロードにまで広がっています。 開発者、運用者、そしてあらゆる規模の組織の皆様に、Valkey の GitHub や Slack でのご参加をお待ちしております。コードの貢献、フィードバックの提供、本番環境での Valkey の採用など、形式は問いません。最新のイノベーションは Valkey のブログ でご覧いただけます。また、世界中のコントリビューターやユーザーが集う、今後の コミュニティイベント や技術セッションへのご参加もお待ちしております。 2 年が経過し、 Valkey は、オープンでコミュニティ主導のテクノロジーが、単一ベンダーモデルよりも迅速にイノベーションを起こし、より大きくスケールし、より多くの価値を提供できることの証となっています。この旅はまだ始まったばかりです。 著者について Mas Kubo Mas は、AWS のインメモリデータベースチームのプロダクトマネージャーで、Amazon ElastiCache のオープンソース高性能データストアエンジンである Valkey に注力しています。仕事以外では、フリーダイビング、パラグライディング、カイトサーフィン、セーリングを通じて風と海を追いかけています。 Meet Bhagdev Meet は AWS のシニアマネージャー PMT-ES です。Amazon ElastiCache および Amazon MemoryDB のプロダクトマネジメントチームを率いています。Meet はオープンソース、データベース、分析に情熱を持ち、お客様の要件を理解し、優れた体験を構築するために時間を費やしています。 Madelyn Olson Madelyn は Valkey プロジェクトのメンテナーであり、Amazon ElastiCache および Amazon MemoryDB のプリンシパルソフトウェア開発エンジニアです。Valkey エンジンの安全で信頼性の高い機能の構築に注力しています。余暇には、長いハイキングや穏やかなサイクリングを通じて、太平洋岸北西部の自然の美しさを楽しんでいます。 本記事は、 Valkey turns two を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の Hayato Tsutsumi が担当しました。
本記事は 2026 年 5 月 7 日に公開された “ Announcing Valkey 9.0 for Amazon ElastiCache ” を翻訳したものです。 Amazon ElastiCache が Valkey 9.0 をサポートするようになりました。これにより、Valkey オープンソースプロジェクトのコミュニティ主導による最新のイノベーションが提供され、リアルタイム分析、AI 駆動の検索、高スループットキャッシングなど、データ集約型かつレイテンシーに敏感なアプリケーションのパフォーマンスと機能要件に対応できるようになります。たとえば、キャッシュに加えて別途検索インフラストラクチャを運用することは、コストとレイテンシーを増加させます。大量のパイプラインワークロードはスループットの上限に達し、オーバープロビジョニングを強いられます。キャッシュされたオブジェクト内の個々のフィールドのライフサイクルを管理するには、キーの乱立を引き起こす回避策が必要です。さらに、クラスターモードのマルチテナントアーキテクチャでは、複雑なキープレフィックス方式が必要となり、アプリケーションコードや移行が複雑化します。 Valkey 9.0 は、これらの課題に直接対応します。組み込みの全文検索およびハイブリッド検索により独立した検索システムを削減または不要にでき、エンジンレベルの最適化によってパイプライン処理ワークロードで最大 40% のスループット向上を実現し、ハッシュフィールドの有効期限機能できめ細かなデータライフサイクル管理を可能にし、さらにクラスターモードを有効にしたデプロイメントでマルチデータベースをサポートします。本投稿では、これらの機能強化がどのようにお客様のアプリケーションの高速化、アーキテクチャの簡素化、そして新しいリアルタイムや AI 駆動型ワークロードのサポートに役立つかを解説します。 Valkey は最近 2 周年を迎え、Docker プル数は 1 億回を超え、ほぼすべての主要クラウドプロバイダーで広く採用されており、エコシステムの勢いも加速しています。Valkey 9.0 は、AWS のお客様に向けてそのイノベーションのペースを継続しています。詳細は、別途公開している Valkey が 2 周年を迎えました の記事をご覧ください。Valkey は、高性能でベンダー中立なインメモリデータストアを求める開発者にとって、主要なオープンソースの選択肢として急速に存在感を高めています。 Amazon ElastiCache のお客様 は、すでに Valkey を広く採用し、キャッシング、セッションストア、リアルタイム分析、キュー、そしてますます増加する AI アプリケーションに活用しています。Valkey 9.0 により、お客様はパフォーマンス、機能、運用の柔軟性に焦点を当てた新たなイノベーションの波を享受できます。 キャッシュ内で実現するリッチな検索体験の構築 Valkey 9.0 は、 valkey-search オープンソースプロジェクトの最新の検索イノベーションを ElastiCache にもたらします。これにより、テラバイト規模のデータに対して、リアルタイムの全文検索、セマンティック検索(意味検索)、フィルタリング、集計を、マイクロ秒レベルのレイテンシと毎秒数百万リクエストに達するスループットで、キャッシュ内で直接実行できます。昨年、Amazon ElastiCache for Valkey にベクトル検索を導入し、お客様はセマンティックキャッシングワークロードにおいて、AWS 上の主要なベクトルデータベースの中で 95% のリコール率で最も低いレイテンシと最も高いスループットを達成できるようになりました。Valkey 9.0 はその基盤の上に、全文検索、集計パイプライン、そしてテキストの関連性とベクトル類似性を組み合わせたハイブリッドクエリを追加しました。これらは、Amazon Bedrock、Amazon SageMaker AI、Anthropic、OpenAI などのプロバイダーから提供される数十億のエンベディングに対して機能し、完了した書き込みを反映した結果を返します。 これにより、製品カタログ検索、ドキュメント検索、セマンティック検索、レコメンデーションシステム、異常検出やログ分析、会話履歴、そして Retrieval Augmented Generation (RAG) アーキテクチャといったユースケースを ElastiCache 内で直接サポートできます。継続的に更新されるデータに対して、ベクトル、テキスト検索、集計を 1 つのエンジンで組み合わせることで、多くのワークロードでは別途検索インフラを運用する必要を削減または排除できます。詳細については、 Amazon ElastiCache での集計機能のお知らせ および Full-Text, Exact-Match, and Range Search on Amazon ElastiCache の投稿をご覧ください。 パイプライニングを使用してスループットを最大 40% 向上 Valkey 9.0 では、エンジンレベルの最適化が導入され、パイプライニング使用時に最大 40 パーセント高いスループットを実現できます。これには、コマンド解析の高速化、メモリプリフェッチの改善、バッチリクエストのより効率的な処理が含まれます。CPU ストールを削減し、最新のプロセッサアーキテクチャをより有効に活用することで、パイプライン化されたワークロードは、より少ないオーバーヘッドで 1 秒あたりにより多くの操作を処理できます。高トラフィックの API、イベント処理システム、ゲームのリーダーボード、広告テクノロジープラットフォーム、マイクロサービスなど、コマンドをバッチ処理するアプリケーションでは、ノードを追加することなくスループットを向上できます。すでにパイプライニングを使用しているお客様は、Valkey 9.0 にアップグレードすることでメリットを得られます。パイプライニングの詳細と使い始め方については、 Valkey パイプライニングのドキュメントページ を参照してください。 ハッシュフィールドの有効期限 Hash field expiration は、キー全体を期限切れにするのではなく、ハッシュ内の個別フィールドに TTL を適用する機能を追加します。これにより、複雑なオブジェクトに対してより精密なライフサイクル管理が可能になります。例えば、ユーザープロファイルを保持したまま 1 回限りの認証コードを期限切れにする、個別のセッション属性を期限切れにする、レコードの他の部分を保持しながら古くなったカウンターやメタデータを自動的に削除するといったことが挙げられます。これにより、キーの乱立を減らし、アプリケーションロジックを簡素化できます。 クラスターモードを有効化したデプロイメントでのマルチテナントワークロードの実行 クラスターモードでの 番号付きデータベース により、Valkey 9.0 はより強力な分離と効率的なインフラストラクチャでマルチテナントワークロードを実行することを支援します。番号付きデータベースは軽量な名前空間として機能し、同じキー名がキーの衝突や複雑なプレフィックススキーマなしに別々の論理データベース内で共存できるようにします。これにより、SaaS アーキテクチャなどのマルチテナントワークロードを効率化でき、各テナントや環境が独自のデータベースを使用でき、すべてのキーに埋め込まれたテナントプレフィックスを回避することでアプリケーションの複雑さを軽減できます。 この機能は、すでに複数のデータベースに依存しているスタンドアロン環境からの移行を効率化し、分散アーキテクチャへの移行時のリファクタリング作業を削減するのにも役立ちます。一般的なユースケースには、開発、テスト、本番ワークロードの分離、顧客データセットの分離、レガシーアプリケーションの前提条件の維持、同一クラスター上でのデータ移行のステージングや A/B テストシナリオの実施などがあります。 データはクラスター全体に分散されたままとなるため、お客様は論理的な分離と、クラスターモードを有効化した ElastiCache デプロイメントによるスケール、パフォーマンス、可用性のメリットを組み合わせることができます。詳細については、Valkey の番号付きデータベースに関する記事と ElastiCache のドキュメントをご参照ください。 地理空間インデックスのポリゴンクエリ Valkey 9.0 では、 地理空間インデックスに対するポリゴンクエリ により、地理空間検索が拡張されました。半径検索やバウンディングボックス検索に加えて、アプリケーションは GEOSEARCH に BYPOLYGON オプションを指定して、任意のポリゴンの内部にあるメンバーを検索できるようになりました。これにより、配送エリア、サービス提供区域、近隣地域、ジオフェンス、会場、キャンパス、運用地域などの実世界の境界をモデル化しやすくなります。位置情報を活用するアプリケーションは、複数の半径クエリやボックスクエリで不規則な領域を近似したり、そのロジックを別の地理空間システムに委ねたりすることなく、Valkey 内で直接、より正確なフィルタリングが可能になります。 まとめ Valkey 9.0 の機能強化により、ますます要求が高まるリアルタイムおよび AI 駆動型ワークロードを支えるために必要なパフォーマンス、検索機能、運用上の柔軟性が提供され、それらの背後にあるアーキテクチャを簡素化します。Amazon ElastiCache の Valkey 9.0 は、本日よりすべての AWS リージョンで追加費用なしでご利用いただけます。ElastiCache で Valkey 9.0 を使い始めるには、以下の方法があります: 初めての Valkey 9.0 キャッシュを作成する: ElastiCache 入門チュートリアル を参照して、数分で新しいキャッシュを起動してください。 既存のクラスターをアップグレードする: アップグレードドキュメント に従って、任意の Redis OSS または Valkey バージョンから Valkey 9.0 へ、ダウンタイムなしで数分でアップグレードできます。 動作上の変更が最小限 であるため、ほとんどのワークロードではアップグレードにアプリケーションの変更は必要ありません。 既存のセルフホスト型ワークロードを ElastiCache に移行する: ElastiCache の オンライン移行 機能を使用して、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) 上のセルフホスト型のオープンソース Valkey または Redis OSS から Amazon ElastiCache へデータを移行できます。Valkey 9.0 で導入されたすべての新機能は Redis OSS とドロップイン互換であるため、ほとんどのワークロードはアプリケーションの変更なしで ElastiCache 上の Valkey 9.0 へ移行できます。 新機能を試す: ElastiCache の Valkey 9.0 で導入された新機能を試すには、 Valkey Search 、 ハッシュフィールドの有効期限 、 番号付きデータベース のドキュメントをご覧ください。 著者について Mas Kubo Mas は AWS の In-Memory Databases チームのプロダクトマネージャーで Amazon ElastiCache 向けのオープンソース高性能データストアエンジンである Valkey を担当しています。仕事以外では、フリーダイビング、パラグライディング、カイトサーフィン、セーリングを通じて風と海を追いかけています。 本記事は、 Announcing Valkey 9.0 for Amazon ElastiCache を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の Hayato Tsutsumi が担当しました。
本記事は「 Build with Kiro: Introducing the community hub and Kiro Labs 」を翻訳したものです。 Kiro コミュニティは、日々新たなものを生み出し続けています。境界を押し広げるハッカソンプロジェクトから、カスタムフック、創造的なエージェントワークフロー、そして SNS や Discord で共有される MCP インテグレーションまで、皆さんは私たちの想像を超える場所へ Kiro を連れて行ってくれました。Amazon 社内でも同じ現象が起きています。多様なバックグラウンドを持つビルダーたちが、私たちの予想を超える形で Kiro を最大限に活用するワークフロー、インターフェイス、ツールをカスタマイズしています。そして今、私たちはこれらすべてにふさわしい拠点を用意しました。 本日、 Kiro コミュニティハブ を公開します。これは Kiro.dev 上の新しい拠点で、コミュニティが何を作っているかを発見し、より良く・より速く開発するためのリソースを見つけ、Kiro を使う他の開発者とつながり、Kiro をフィーチャーしたイベントで実践的に学ぶことができる場所です。コミュニティによって作られたプロジェクトや Kiro powers と並んで、Kiro Labs も公開します。Kiro Labs は新たに立ち上げる GitHub Organization で、Amazon 社員が Kiro を使い、Kiro のために作成したオープンソースプロジェクト専用の場所です。Kiro での開発体験を拡張・強化することを目的としています。プロジェクトは GitHub の kirodotdev-labs で公開されており、fork して拡張し、自分のものにしていただけます。 Kiro Labs でより良く開発する 私たちは、最も速いイノベーションはオープンな場所で生まれると信じています。この 1 年、Amazon 社内のビルダーたちが、驚くほどの試行錯誤とパーソナライズを通じて、個人レベルおよびチームレベルでのベストプラクティスを定義していくのを見てきました。Kiro Labs は、この成果を共有する仕組みです。これによって皆さんがインスピレーションを得て、学び、さらに発展させられるようになります。 Kiro Labs のプロジェクトは実験的かつコミュニティ主導であり、公式の kirodotdev GitHub Organization とは別物であり、Kiro の公式サポート対象機能ではありません。これらは無保証で as-is として共有されており、Kiro で何を作れるかのインスピレーションを与え、開発を加速させることを目的としています。エージェントやフックなどを含むカスタムワークフロー、Kiro CLI 上のパーソナライズされたユーザーインターフェイス、Kiro の利用を最適化する生産性ツールなど、幅広いプロジェクトがあります。プロジェクトは as-is のオープンソースライセンスで公開されていますが、公開前に Amazon のオープンソース基準に従ったコードレビューおよびセキュリティレビューを経ており、それぞれに明確なステータスが付いています: Active (積極的にメンテナンスされ、コントリビューションを受け付けている)、Maintenance (バグ修正のみ)、Archived (読み取り専用、メンテナンス終了)。 Kiro Labs の dotkiro は、チームの Kiro ステアリングファイルやスキルを単一の Git リポジトリから同期させる軽量な CLI です。初期化、更新、追加、削除を 1 つのコマンドで実行できます。すべての開発者が同じ規約を共有し、規約の更新は単なるプルリクエストで完結します。 Kiro Labs はコミュニティが参加するための場所です。これらのプロジェクトを試し、Issue を起票し、プルリクエストを送信し、フィードバックを共有していただくことを歓迎します。プロジェクトがアイデアの種になったり、あなたのユースケースに合わなかったりした場合は、ぜひ教えてください。皆さんの意見が、これらのツールがどのように進化していくかを形作る上で重要です。 GitHub の kirodotdev-labs でプロジェクトを探索して感想を教えてください。または、SNS で @kirodotdev をメンションし、#KiroLabs タグを付けて、あなたのアダプテーションを共有してください。 コミュニティプロジェクトからインスピレーションを得る Kiro Labs は Amazon 社員がどのように実験しているかを紹介する場所ですが、 コミュニティショーケース は Kiro コミュニティが何を作っているかを発見できる場所です。私たちは、Kiro での開発を目に見える、共有された体験にしたいと考えています。他の人が作っているものを見られるようになれば、より速く開発し、実証されたパターンに基づいて反復改善でき、お互いを刺激し合ってさらに前進できます。コミュニティショーケースでは、プロジェクトの種類を横断して簡単に探索・発見できます。そして、Kiro で作ったものをコミュニティに共有したい場合は、コミュニティショーケースから直接 応募 できます。最高のアイデアは私たちからではなく、皆さんから生まれます。 ここでは、Kiro での開発を支援するコミュニティ執筆のガイド、チュートリアル、その他のリソースも取り上げていきます。Kiro の機能は今後も拡張されていきますが、その成長の過程でコミュニティからのコントリビューションを継続的に紹介していきたいと考えています。これらのリソースは、他のリソースでは十分にカバーできない部分で開発者を支援することを目的とした、実世界のユースケースやプロジェクトを表現しています。 オンラインおよびオフラインでつながる 優れたツールは、ビルダー同士がつながり対話しているときに、より速く作られます。コミュニティハブでは、Kiro Discord コミュニティで進行中の会話を紹介しています。ここでは他の開発者や Kiro チームメンバーからサポートを受けたり、隔週開催の Kiro 公式オフィスアワーに参加したり、アイデアを共有したり、協力者を見つけたりできます。 コミュニティハブのローンチに合わせて、Kiro 関連の今後のイベントを見つけるための初の統合リソースも公開します。Kiro チーム主催のものだけでなく、コミュニティ主催のものも含まれます。ハッカソン、ワークショップ、ミートアップ、ライブ配信、カンファレンスを一箇所で見つけられます。バーチャルでも対面でも、リアルタイムで一緒に開発することで、実践的に学び、他の人と直接つながる機会が得られます。そしてコミュニティを最大限にサポートするため、独自の Kiro イベントをカレンダー掲載用に申請するフォーム、およびクレジット、スタッフィング、マーケティングなど多様な選択肢で Kiro チームからのサポートをリクエストするオプションも用意しました。皆さんがどのようなイベントを企画し、私たちがどのようにお手伝いできるか、楽しみにしています。 Kiro コミュニティに参加する コミュニティハブと Kiro Labs は、同じストーリーの一環として公開されます。Kiro は、それを使う人々によって形作られるように設計されています。私たちはまだ始まったばかりで、皆さんが何を作るのかを楽しみにしています。Labs プロジェクトを fork してみる、Issue を起票する、プルリクエストを送信する、フィードバックを共有するなど、ぜひ試してみてください。自身のプロジェクトをコミュニティショーケースに応募したり、Discord チャンネルに参加したり、イベントに参加したりもできます。皆さんのご意見は、Kiro とこのコミュニティがどのように進化していくかを形作る助けとなります。私たちは、その進化を推進するためのコントロールとツールを、より多く皆さんの手に届けたいと考えています。 コミュニティハブ にアクセスする Kiro Labs を探索する Discord に参加する X 、 LinkedIn 、 Instagram で @kirodotdev を、 Bluesky で @kiro.dev をメンションし、#BuildWithKiro タグを付けてあなたの作品を共有してください
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。 2026 年の AWS Summit Japan がいよいよ近づいてきましたね!今年は Agent AI の進化が目覚ましく、今週のアップデートを見ても Amazon Bedrock AgentCore や Amazon Quick など、AI エージェント関連の発表が盛りだくさんです。Summit ではこれらの最新技術を体感できるデモ展示やセッションが多数予定されていると思うと、今からわくわくが止まりません。みなさんも会場でぜひ最新の Agent AI を体験してみてください! それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。 2026年4月27日週の主要なアップデート 4/27(月) Amazon EC2 M8in および M8ib インスタンスを発表 EC2 でカスタム第6世代 Intel Xeon Scalable プロセッサ (Granite Rapids) を搭載した M8in (ネットワーク最適化) および M8ib (EBS 最適化) インスタンスの一般提供を開始しました。M8in.96xlarge は 600 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、これは enhanced networking に対応した EC2 インスタンスの中で最も高い値です。M8ib.96xlarge は 最大 300 Gbps の EBS 帯域幅を提供し、非アクセラレーテッドコンピュートインスタンスの中で最高の EBS 性能を実現します。前世代 M6in/M6ib と比較して最大 43% の性能向上を実現しています。 AWS Billing Conductor が Billing Transfer ユーザー向けに Passthrough Pricing Plan を提供開始 AWS Billing Conductor は AWS の料金請求をカスタマイズして、独自の料金体系を作りたい方向けのサービスです。Billing Transfer は、AWS Organizations の管理アカウントが外部アカウントに請求管理を委譲できる機能となるのですが、この機能で Passthrough Pricing Plan を提供開始しました。Passthrough Pricing Plan を選択すると、ビリンググループ内のすべてのアカウントが、AWS の請求額をそのまま反映したデータを確認できます。独自の割引を保護したり、請求データをカスタマイズする必要がない Direct Customers や Channel Partners は、無料でこのプランを利用できます。この機能は US East (N. Virginia) リージョンで利用可能です。 Amazon Redshift Serverless の AI-driven scaling がすべての新しいワークグループでデフォルトに Amazon Redshift Serverless は、すべての新しいワークグループで AI-driven scaling and optimization をデフォルトで有効にしました。この機能は機械学習を使用してコンピュートニーズを予測し、クエリがキューに入る前に自動的にリソースを調整します。また、Base RPU の範囲を従来の 32-512 RPU から 8-512 RPU に拡大し、AI-driven scaling の利用開始コストを削減しました。price-performance slider により、コスト、パフォーマンス、またはその両方のバランスを選択でき、手動チューニングなしで優れた価格対性能を実現します。 4/28(火) Amazon Quick がチャット内でのドキュメントとビジュアル作成をサポート Amazon Quick は、チャット内で Word、Excel、PowerPoint、PDF などのドキュメントと、インフォグラフィックやチャートなどのビジュアルを自然言語で作成できる機能を追加しました。ユーザーはツールを切り替えることなく、会話の中でドキュメントを作成、編集、ダウンロードできます。ドキュメント作成機能は Amazon Quick が利用可能な全リージョンで提供され、ビジュアル作成機能は US East (N. Virginia) と US West (Oregon) でプレビューとして提供されます。また、Amazon Quick には Free プランが追加され、AWS アカウントやクレジットカードなしで quick.aws.com から無料で利用を開始できます。 Amazon Quick で自然言語を使用したカスタムアプリケーション構築機能 (プレビュー) Amazon Quick で、自然言語でカスタムウェブアプリケーションを数分で作成できる新機能 Apps in Amazon Quick をプレビュー版として提供を開始しました。従来は開発者リソースや技術スキルが必要だった社内ツールやウェブアプリケーションの構築を、コーディング不要で実現しやすくなります。個人的に良いなと思っているのは、Amazon Quick の仕組みの中でアプリケーションを操作できるようになるので、Amazon Quick にログイン出来る方にのみ限定した公開が出来るという点です。組織内で好きにアプリケーションの実装を許すと、セキュリティのガバナンスが利かせられにくくなり、思わぬ外部公開になってしまうことがあります。Apps in Amazon Quick でアプリケーションを作成すると、Amazon Quick にログインできる方のみアクセスを提供できる仕組みが実現できるのが、素敵なポイントですね。 Amazon Quick が macOS と Windows 向けデスクトップアプリケーション (プレビュー版) として利用可能に Amazon Quick のネイティブデスクトップアプリケーション (macOS/Windows 対応) がプレビュー版として提供開始されました。Web ブラウザ版の機能に加え、ローカルファイルへの直接アクセス、OS レベルの通知、バックグラウンドエージェント、ブラウザ自動化、知識グラフなど、デスクトップ統合機能を提供します。開発者向けには Model Context Protocol (MCP) によるローカルツール連携をサポートし、コーディングエージェントとの統合が可能です。現在は US East (N. Virginia) リージョンの Free/Plus プラン、Professional/Enterprise プランの全サブスクライバーが利用できます。なお、Amazon Quck on desktop を利用した際に、データが AI モデルのトレーニングに利用されない点が Document に記載 されています。 Amazon Bedrock で OpenAI モデル、Codex、Managed Agents を提供開始 (Limited Preview) AWS と OpenAI がパートナーシップを拡大し、Amazon Bedrock 上で 3 つの新機能を Limited Preview として提供開始しました。1 : OpenAI の最新モデルが Bedrock 経由でアクセス可能になります。2 : OpenAI のコーディングエージェント Codex が AWS 環境内で利用可能になり、CLI、デスクトップアプリ、VS Code 拡張機能から AWS 認証情報で実行できます。3 : OpenAI を活用した Amazon Bedrock Managed Agents により、本番環境対応の AI エージェントを迅速にデプロイできます。すべての利用は既存の AWS クラウドコミットメントに適用可能で、IAM、AWS PrivateLink、暗号化、CloudTrail ログなどのエンタープライズ管理機能を継承します。 Amazon Connect Talent による AI を活用した採用ソリューション (Preview 提供開始) Amazon Connect Talent は、AI エージェントを活用した採用ソリューションで、Preview として提供が開始されました。Amazon の数十年にわたる採用をしてきた経験に基づき、構造化された音声面接、科学的裏付けのある評価、一貫性のあるスコアリングを AI エージェントが実行します。候補者は 24 時間 365 日、あらゆるデバイスから面接を受けることができ、採用担当者は AI チームメイトが生成したスコア、トランスクリプト、詳細な候補者評価をレビューして、より迅速かつ客観的な採用判断を行うことができます。US East (N. Virginia) および US West (Oregon) リージョンで利用可能です。 Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js のダイレクトコードデプロイに対応 Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js をマネージド言語ランタイムとしてサポート開始しました。従来の Python に加えて、Node.js が追加サポートされた形です。TypeScript プロジェクト (JavaScript へコンパイル後) や Strands Agents SDK などのエージェントフレームワークで構築したエージェントもデプロイ可能です。Node.js を利用した Agent でセッション分離、SigV4 と OAuth 2.0 による認証、双方向ストリーミング、マネージドセッションストレージ、Amazon CloudWatch による observability などの AgentCore の各機能を利用できます。 4/29(水) Amazon QuickSight で Filter Controls のカスタムソートをサポート Amazon Quick の QuickSight (BI 機能) にある Filter Controls で、Quick カスタムソート機能が追加されました。Filter Controls は、ダッシュボードに表示するデータのフィルターが行えます。従来はドロップダウンなどに表示される表示順がアルファベット順でしたが、独自の並び順に変更できるようになりました。例えば、「Critical, High, Medium, Low」という業務上の優先順位に合わせた並び順を指定できるようになりました。QuickSight がサポートされる全リージョンで利用可能です。 Amazon CloudFront がキャッシュタグによる無効化をサポート Amazon CloudFront は、キャッシュタグによるオブジェクト無効化機能を追加しました。この機能により、URL パスが異なっていたとしても、キャッシュコンテンツを 1 回のリクエストで無効化できます。従来は個別の URL を追跡するか、広範なワイルドカードパターンで無関係なコンテンツまで無効化する必要がありましたが、タグベースの無効化によりキャッシュ無効化の範囲を限定しやすくなります。タグを付与するためには、CloudFront のオリジン側で、タグを付与します。例えば、response.headers[‘x-amz-meta-cache-tag’] = ‘user001’ こういった形で事前にタグを付与することで、特定のタグに紐づくキャッシュデータを無効化できます。 Amazon RDS for MySQL が Preview Environment で MySQL Innovation Release 9.6 を発表 Amazon RDS for MySQL は、RDS Database Preview Environment で MySQL コミュニティ Innovation Release 9.6 のサポートを開始しました。MySQL 9.6 は 2026年1月20日にリリースされた最新の Innovation Release で、Foreign Key 制約処理の SQL レイヤー移行、Audit Log Component の追加、JSON Duality Views DML Tagging などの新機能があります。Preview Environment は最新機能の評価専用環境であり、DB インスタンスは作成後 60日間で自動削除されるので、本番環境ではなく検証としてご利用ください。 4/30(木) Amazon Quick が Microsoft Excel、PowerPoint 拡張機能を追加、Word 拡張機能を更新 (Preview) Amazon Quick は Microsoft 365 環境向けの拡張機能を強化し、Excel と PowerPoint の新規拡張機能、および Word 拡張機能のアップデートをプレビュー提供開始しました。これにより、AI を活用して、ドキュメントの修正作業、財務モデルの構築、プレゼンテーション資料の作成などの複雑なタスクを Microsoft 365 アプリケーション内で直接実行できます。現在 7 リージョンで利用可能で、無料アカウントでの利用が可能です。 AWS Lambda が Ruby 4.0 をサポート AWS Lambda が Ruby 4.0 のサポートを開始しました。Ruby 4.0 は最新の長期サポート (LTS) リリースで、2029年3月までセキュリティアップデートとバグ修正が提供されます。マネージドランタイムとコンテナベースイメージの両方に対応し、AWS が自動的にアップデートを適用します。また、Ruby 4.0 ランタイムでは Lambda Advanced logging controls に対応し、JSON 構造化ログ、ログレベルの設定、CloudWatch ログ グループのカスタマイズが可能になりました。全リージョンで利用可能です。 Amazon Bedrock AgentCore の最適化機能をプレビュー版として提供開始 Amazon Bedrock AgentCore に、AI エージェントのパフォーマンスを継続的に改善する 3 つの最適化機能 (Recommendations、Batch evaluations、A/B tests) が追加されました。これにより、本番環境で稼働する AI エージェントの「観測 → 評価 → 改善」を実行しやすくなります。Recommendations は CloudWatch Logs のトレースデータを分析し、AI が自動的に最適化された system prompt や tool descriptions を提案します。Batch evaluations で事前定義したテストケースによる検証を実行し、A/B tests で本番トラフィックに対する統計的検証を行います。 Amazon Bedrock AgentCore Identity で On-Behalf-Of (OBO) トークン交換をサポート Amazon Bedrock AgentCore Identity が OAuth 2.0 の On-Behalf-Of (OBO) トークン交換機能の一般提供を開始しました。この機能により、エージェントは認証済みユーザーの代わりに保護されたリソースにアクセスする際、ユーザーに複数回の同意フローを求めることなくアクセスできます。例えば、カスタマーサポート担当者が AgentCore 上の AI Agent を通じて、複数の顧客管理システムから情報を取得したいとします。各システムに個別にログインするのは大変なので、OBO トークン交換を組み込むことで、担当者は一度の認証だけで複数システムに透過的にアクセスできるようになります。 Amazon ECS Managed Instances で NVIDIA GPU メトリクスをサポート Amazon ECS Managed Instances で NVIDIA GPU メトリクスが利用可能になりました。CloudWatch Container Insights の enhanced observability を通じて、GPU の総数、CPU 利用率、GPU のメモリ使用率、ハードウェアヘルス、温度などのメトリクスを取得できます。これにより、AI/ML トレーニングや推論などの GPU アクセラレーテッドワークロードのトラブルシューティングと最適化が可能になります。すべての商用 AWS リージョンで利用可能です。 Amazon EKS が CloudShell を介したワンクリッククラスターアクセスに対応 Amazon EKS が AWS CloudShell を介したワンクリッククラスターアクセス機能を提供開始しました。EKS コンソールから「Connect」ボタンをクリックするだけで、kubectl が事前設定された CloudShell セッションが起動し、ローカルでの kubectl、AWS CLI、kubeconfig ファイルのインストールや設定が不要になります。パブリックおよびプライベート API エンドポイントの両方をサポートし、すべての EKS 利用可能リージョンで追加料金なしで利用できます。 5/1(金) Amazon RDS for SQL Server が追加ストレージボリュームでのクロスアカウントスナップショット共有に対応 Amazon RDS for SQL Server が、追加ストレージボリューム (最大 256 TiB) を使用するデータベースインスタンスのクロスアカウントスナップショット共有機能に対応しました。これにより、最大 256 TiB までスケール可能な追加ストレージボリューム構成でも、AWS アカウント間でスナップショットの作成、共有、コピーが可能になります。コンプライアンス要件に基づく分離されたバックアップ環境の構築や、本番環境の問題を別アカウントで診断する用途に活用できます。全ての AWS 商用リージョンで利用可能です。 Amazon EKS が Elastic Fabric Adapter 向けに Kubernetes Dynamic Resource Allocation をサポート Amazon EKS が EFA (Elastic Fabric Adapter) 向けに DRA (Dynamic Resource Allocation) をサポートしました。DRANET プロジェクトをベースにした EFA DRA ドライバーにより、トポロジー対応の EFA インターフェース割り当てと、複数 Pod 間でのインターフェース共有が可能になります。同じ PCIe バス上に存在する GPU と EFA を紐づけて EKS の Pod として稼働することで、データの受け渡し効率を向上でき、AI/ML/HPC ワークロードにおける高性能なノード間通信と RDMA を効率的に利用できます。Kubernetes 1.34 以降を実行する EKS マネージドノードグループまたはセルフマネージドノードで利用可能です。 Amazon Bedrock AgentCore における AWS for SAP MCP Server の一般提供開始 AWS は Amazon Bedrock AgentCore 上で動作する AWS for SAP MCP Server の一般提供を開始しました。このソリューションは、AI エージェントが SAP ERP システム (SAP S/4HANA および SAP ECC) に直接アクセスを提供します。前提条件として、SAP 側で OData V2 が有効化されている必要がある点に留意ください。SAP ECC に SAP NetWeaver Gateway が標準的にはインストールされておらず、追加の設定が必要な場合があります。AWS for SAP MCP Server は、CloudFormation テンプレートを使用して AgentCore 上にデプロイが可能です。 Amazon CloudFront が VPC Origins の WebSocket サポートを発表 Amazon CloudFront が Virtual Private Cloud (VPC) Origins を通じた WebSocket トラフィックのサポートを開始しました。これにより、リアルタイムアプリケーションをプライベートサブネット内にホストしたうえで、CloudFront 経由のアクセスを提供できます。従来は WebSocket サーバーをパブリックサブネットに配置し、ACL などで保護する必要がありましたが、現在は Application Load Balancer (ALB)、Network Load Balancer (NLB)、EC2 インスタンスをプライベートサブネット内に配置し、CloudFront 経由でのみアクセス可能にできます。VPC Origins でサポートされている全ての AWS Commercial リージョンで利用可能で、追加料金はかかりません。 Amazon CloudWatch RUM の Web アプリケーション向け Session Replay 機能 Amazon CloudWatch RUM (Real User Monitoring) に、Web アプリケーション向けの Session Replay 機能が追加されました。フロントエンド側の実装で、aws-rum-web を import として、Session Replay 機能を有効化することで、実際のユーザーの操作内容に関するデータが Amazon CloudWatch RUM に送信されます。その後、Web アプリケーション開発者側で、ユーザーのブラウザ上での実際の操作(クリック、スクロール、ページ遷移、エラー)をビデオのように再生できるようになり、問題の確認がより簡単になるアップデートです。なお、ユーザー入力に関するテキスト入力とコンテンツはデフォルトでマスクされ、個人情報などのプライバシーは保護されます。 それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です。
本ブログは、KDDI 株式会社 パーソナル事業統括本部 システム開発本部 ライフデザインプラットフォーム部 アライアンスシステムグループ 中野 利彦 氏、久保田 剛史 氏と、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 ソリューションアーキテクト 安藤 が共同で執筆しました。 みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの安藤です。 マネージドサービスを組み合わせたサーバーレスアーキテクチャは開発・運用の効率化に大きく貢献する一方で、複数サービスにまたがる複合的なインシデントへの対応は依然として難しい課題です。今回は、 KDDI株式会社 (以下、KDDI)が AWS DevOps Agent を活用し、インシデント対応のリードタイムを大幅に短縮した取り組みをご紹介します。AWS DevOps Agent は、インシデント発生時に自律的にメトリクス・ログ・デプロイ履歴を横断分析し、根本原因の仮説と対応案を提示する AI エージェントです。AI を「答え合わせ」のパートナーとして位置づけることで、精度と速度を両立した新しいインシデント対応ワークフローの実践例をご紹介します。 導入背景 KDDI は通信事業を基盤としながら、au PAY・Pontaポイント・エンタメ・エネルギーなど、ユーザーの生活に密着した多彩なサービスを展開しています。今回ご紹介するのは、そのパーソナル事業を支えるシステムの一つ、Web サービス向けのビジネスロジックプラットフォームです。このシステムは、Webフロントシステムに対するポイントの集計や抽選などのリワードの提供・エンタメサービス連携など、多彩なサービスを提供しており、サーバーレスアーキテクチャを採用しています。AWS Lambda によるリクエスト処理、Amazon RDS Proxy を介したデータアクセス、データレイクへの蓄積を軸に、複数の外部システムと SFTP 連携による大量ファイル分析も行う大規模な構成です。 Webサービス向けのビジネスロジックプラットフォームのアーキテクチャ 本プラットフォームで、Amazon API Gateway の 5XX エラーと AWS Lambda のスロットリングが複数の Lambda で同時発生するインシデントが起きました。オンラインリクエストの応答に支障をきたすインシデントです。リクエスト数は急増しておらず、スロットリング発生を起点に特定の Lambda の処理時間が高止まりするという挙動から、AWS Lambda / Amazon RDS Proxy / Amazon Aurora にまたがる複合的な問題が疑われました。 障害発生時のメトリクス こうした複数のマネージドサービスが絡む問題は、ユーザー側では深いところまで把握できないため原因の特定が難しく、メトリクスやログのやり取りを繰り返しながら数週間を費やすことも珍しくありませんでした。たどり着いた対応策が暫定的なものにとどまり、再び同じ調査ループに入ってしまうケースも少なくありませんでした。 ソリューション:AWS DevOps Agent を「先行調査官」として活用する この課題を打開するために、本プラットフォームの運用チームでは AWS DevOps Agent を試験的に導入しました。 AWS DevOps Agent は、2025年12月の AWS re:Invent でパブリックプレビューとして発表され、2026年3月31日に 一般提供が開始 されたサービスです。アラートが発生した瞬間から自律的に調査を開始し、Amazon CloudWatch をはじめ Datadog・Dynatrace・Grafana・New Relic・Splunk などのオブザーバビリティツール、CI/CD パイプラインのデプロイ履歴、ソースコードリポジトリなど複数の情報源を横断的に分析して根本原因の仮説と対応案を提示します。プレビュー期間中の実績では、MTTR を最大75%削減、調査時間を 80% 短縮、根本原因の特定精度 94% という効果が報告されています。 特徴的なのは、チャットで深掘りしながら精度を上げていける点です。AWS DevOps Agent は誤った推論をした場合もチャット上で指摘・修正できるため、一方的に出力を受け取るのではなく、対話を重ねながら仮説の精度を高めていくことができます。また、ソースコードや設定値、ログを統合的に分析できるため、AWS Lambda の autocommit 設定と Amazon RDS Proxy の挙動の関係など、単一のメトリクスだけでは見えにくい問題箇所も特定しやすくなりました。 DevOps Agentとのやり取り 重要なのは、AWS DevOps Agent の出力をそのまま正解として扱うのではなく、「AWS サポートへの問い合わせ前の仮説整理ツール」として位置づけた点です。AWS DevOps Agent が提示した対応案を持って AWS サポートに問い合わせ、「この提案の有効性を確認したい」「他に見落としている観点はないか」という形で対話することで、サポートとのコミュニケーションが格段にスムーズになりました。 AWS サポートとの連携が変わった 従来は、インシデント発生後に KDDI の運用チームが個別にメトリクス・ログを分析し、AWS サポートへ問い合わせ、追加情報の提供と原因調査を繰り返すサイクルに数週間を費やすこともありました。対応策の効果が限定的な場合は最初のステップに戻るループも発生していました。 AWS DevOps Agent の導入後は、このやり取りの質が大きく変わりました。従来は「何が起きているかを一から説明する」ところから始まっていたやり取りが、「AWS DevOps Agent からこういう提案が出ているが、この観点は正しいか」という形に変わりました。AWS DevOps Agent で原因調査・複数対応案の策定・初期有効性判断を先に行い、その結果をもとに AWS サポートへ「答え合わせ」的に問い合わせることで、双方が同じ情報・同じ仮説を共有した状態で議論できるようになりました。根本原因分析の共有コストが下がり、複数の対応案を同時並行で検証環境に適用できるため、全体のリードタイムを数日単位に圧縮することができました。 AWS DevOps Agent の「 Ask for human support 」機能からサポートケースを作成することで、調査ログが自動的に AWS サポートへ共有されるため、調査内容の全文を手動で説明する手間がありません。AWS DevOps Agent が客観的な第三者として仮説を整理し、KDDI の運用チームと AWS サポートがその仮説を検証・補強するという三者の役割分担が自然に生まれました。AI が大量のメトリクス・ログ・設定値を横断的に分析して仮説を提示し、AWS サポートはその有効性を確認・深掘りする。このやり取りが、調査の精度と速度を同時に高めることにつながりました。 今回のインシデントでは、AWS サポートとの調査を通じて、AWS Lambda と Amazon RDS Proxy 間のセッション管理の設定に起因する根本原因が特定されました。障害自体はその後自然解消しユーザー影響も収束しましたが、再発防止に向けて書き込みと読み取りのリクエストを適切に分離する構成への変更が有効であることを AWS サポートとの連携で確認済みであり、現在 KDDI 側で検証を進めています。 【注意】 AWS DevOps Agent から AWS サポートへのケース起票・チャット連携を利用するには、AWS サポートプランの契約が必要です。Basic サポートではテクニカルサポートケースを作成できないため、この機能は利用できません。Developer サポートではケースの起票は可能ですが、チャットによるやり取りには対応しておらず、AWS Support Center での対応となります。DevOps Agent 上の統合チャット体験を含むすべての機能を活用するには、Business サポート以上のプランが必要です。詳細は AWS サポートプランのページ をご参照ください。 導入効果と今後の展望 AWS DevOps Agent の活用により、KDDIのインシデント対応は「数週間」から「数日」へと大幅に短縮されました。被疑箇所の特定から複数の対応案の策定・検証まで、リードタイムを数日単位に圧縮できたことは大きな成果です。AI を万能な答えとして扱うのではなく、仮説生成と優先順位付けのパートナーとして活用し、AWS サポートとの協働で精度を担保するというアプローチは、マネージドサービスを多用するサーバーレスアーキテクチャにおいて特に有効です。KDDI では今後も AWS DevOps Agent の活用を深めていく予定です。今回はインシデント発生後の原因調査という使い方が中心でしたが、プロアクティブな障害予防機能にも期待しています。過去のインシデントパターンを学習して再発防止策を提案するこの機能を活用することで、障害が起きてから対応するのではなく、起きる前に手を打てる運用への転換を目指しています。また、Amazon CloudWatch・Amazon EventBridge・Amazon SNS と連携することで、現在は手動で行っている DevOps Agent の調査起動をアラーム発火と同時に自動化することも視野に入れています。調査完了後はその結果を Kiro に渡し、チケット起票やリポジトリの調査といった後続の運用作業をそのまま Kiro と連携して進める流れも検討しており、検知から対応までの一連のサイクルをより効率化していきたいと考えています。 まとめ 本ブログでは、KDDI による AWS DevOps Agent を活用したインシデント対応効率化の事例をご紹介しました。 今回の取り組みで特に印象的だったのは、「AI に答えを出させる」のではなく「AI と一緒に問いを立てる」という使い方です。AWS DevOps Agent が仮説を整理し、AWS サポートがその仮説を検証・補強する。この役割分担によって、人と AI とサポートの三者がそれぞれの強みを発揮できる新しい協働モデルが生まれました。 マネージドサービスを多用する現代のクラウドアーキテクチャでは、インシデントの原因が単一サービスに収まらないケースが増えています。そうした複雑な状況だからこそ、「まず仮説を持ってから相談する」というアプローチが、解決までの道のりを大きく変えます。本事例が、同様の課題を抱えるチームにとって一つのヒントになれば幸いです。 著者 中野 利彦 様 (右) KDDI株式会社 パーソナル事業統括本部 システム開発本部 ライフデザインプラットフォーム部 グループリーダー 久保田 剛史 様 (左) KDDI株式会社 パーソナル事業統括本部 システム開発本部 ライフデザインプラットフォーム部 安藤 麻衣 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 技術統括本部 ストラテジックインダストリー技術本部 通信グループ ソリューションアーキテクト  
本日、AWS は AWS SDK for SAP ABAP Knowledge MCP Server の一般提供開始を発表しました。このリリース以前は、IDE と AWS ドキュメントの間でコンテキストスイッチを行い、汎用的な使用方法や例を基に自分で ABAP コードを作成する必要がありました。この MCP(Model Context Protocol)サーバーにより、エージェント型 IDE が公式の AWS SDK for SAP ABAP リファレンスと同じ信頼性の高いドキュメントを使用して、その作業を代行します。2023年に ABAP SDK をリリースした際、 Amazon Bedrock 、 Amazon Simple Storage Service 、 Amazon Textract などの AWS サービスを純粋な ABAP で呼び出す方法を示す 80,000 ページ以上の ドキュメント を同時にリリースしました。ABAP SDK が増え続ける AWS サービスのリストに対応し続ける中で、そのドキュメントは 130,000 ページ以上に拡大しています。同時に、 Amazon Q Developer for Eclipse や Kiro のようなエージェント型 IDE の台頭を目にしており、お客様からはこのドキュメントにアクセスして IDE の機能を強化する AI 搭載ツールが求められています。AWS SDK for SAP ABAP Knowledge MCP Server は、LLM(大規模言語モデル)のコンテキストウィンドウを効率的かつ節約的に使用する方法でこれを実現します。 MCP サーバーの使用方法 エージェント型 IDE に MCP サーバーを設定すると、AWS SDK for SAP ABAP の広範なドキュメントライブラリを検索する必要がなくなります。IDE と会話するだけで、シナリオに特化したガイダンスを得ることができます: lv_bytes の PDF データを lv_bucket という S3 バケットに保存する ABAP 構文は何ですか? レスポンスには正しい構文が含まれます: lo_s3->putobject( iv_bucket = lv_bucket iv_key = 'my-document.pdf' iv_body = lv_bytes iv_contenttype = 'application/pdf' ). 次のステップ 開始するには、 Getting Started ページ にアクセスして、任意の MCP クライアントを AWS SDK for SAP ABAP Knowledge MCP Server エンドポイントに接続するための設定例をご確認ください。この MCP サーバーは、認証不要でワークステーションに追加ソフトウェアをインストールする必要のない HTTPS エンドポイントとして提供されます。ツールはドキュメントの読み取り専用クエリです。必要な設定は、エージェント型 IDE に URL を提供することだけです。 IDE を設定した後、エージェント型 IDE と会話してサンドボックス S/4HANA システムで ABAP コードプログラムを開発してみましょう。以下のプロンプトを試して開始してください: SAPGUI からアップロードされた複数ページの PDF ファイルを受け取り、フィールドを抽出して画面に書き出す ABAP レポートを作成してください。適切な AWS サービスを使用してください 2つのビジネスパートナー間の最短運転距離を計算する ABAP レポートを、AWS サービスを使用して作成してください サービスオーダーのテキストを読み取り、機密性の高い PII が含まれているかどうかを判定する ABAP レポートを、AWS サービスを使用して作成してください まとめ AWS SDK for SAP ABAP Knowledge Server により、エージェント型 IDE が SDK ドキュメントを代わりに読み取るため、AWS SDK for SAP ABAP の全機能を活用した ABAP コードを容易に開発できます。MCP サーバーの ABAP SDK ドキュメントのナレッジベースは毎日更新され、SDK のリリースサイクルに合わせてエージェント型 IDE を最新の状態に保ちます。MCP サーバーは無料で一般公開されており、AWS アカウントは不要で、グローバルに利用可能です。 SAP on AWS ディスカッションに参加する AWS re:Post の SAP on AWS トピックでコミュニティに参加しましょう。お客様のアカウントチームや AWS Support チャネルに加えて、SAP on AWS ソリューションアーキテクチャチームが SAP on AWS トピックを定期的にモニタリングし、ディスカッションや質問に対応しています。サポートに関連しない質問がある場合は、 re:Post でディスカッションに参加し、コミュニティのナレッジベースに貢献することをご検討ください。 本ブログはAmazon Bedrockによる翻訳を行い、パートナーSA松本がレビューしました。原文は こちら です。
概要 現在、AWS上の本番SAP HANAデータベースのヘルスチェックを行うには、6つ以上のAWSサービスにまたがる10以上のAPI呼び出しが必要です。 AWS Systems Manager for SAP (SSM for SAP)や AWS Console for SAP Applications でアプリケーションのステータスを確認し、 Amazon CloudWatch (CloudWatch)でCPU、メモリ、ディスクのメトリクスを確認し、 AWS Backup でHANAバックアップのステータスを検証し、SSM for SAPを使用してアプリケーションの構成チェックを実行し、SAPホスト上のファイルシステム使用状況を検査し、これらすべてのデータを手動で相関分析する必要があります。各サービスには独自のAWSマネジメントコンソール、API、CLI、出力形式があります。 手動作業に加えて、AWS上のSAPワークロードの管理には、各サービスのAPI、必要なパラメータ、レスポンス構造に関する深い知識が求められます。このようなクロスサービスワークフローを自分で構築するということは、カスタムスクリプトの作成と保守、複数サービスにまたがるエラーケースの処理、APIの変更への追従を意味します。そのような専門知識は少数のチームメンバーに集中していることが多く、彼らが不在の場合にボトルネックが生じます。 AWS For SAP Management MCP Server は、この複雑さを単一の自然言語による会話に簡素化します。複数のAWSマネジメントコンソールを操作したり、異なるAPIやCLIの入出力構造を記憶したりする代わりに、AIアシスタント( Kiro —AI搭載のIDE、 Kiro-CLI —AI支援開発の力をターミナルに提供するツール、またはMCPサーバー統合をサポートするその他のツール)にSAPランドスケープの管理に関する質問をするだけで、構造化されたSAP対応の回答を得ることができます。 この記事では、このMCPサーバーのセットアップ方法を学び、AIドリブンのインサイトの取得、SAP管理の自動化の実行、既存のワークフローやAWS環境との統合について説明します。 MCPサーバーとは何か、なぜSAP運用に必要なのか Model Context Protocol(MCP) は、AIアシスタントが構造化された方法で外部ツールを呼び出すことを可能にするオープンスタンダードです。MCPサーバーは、AIアシスタントが使用できる専門ツールキットです。この場合、SAPを理解するツールキットです。 AWS上のSAPアプリケーションは、財務、サプライチェーン、人事などのコアビジネスプロセスを実行しています。現在、これらはSSM for SAPおよびAWS Console for SAP Applicationsを通じて提供される専用のエクスペリエンスで管理されています。しかし、MCPサーバーがなければ、AIアシスタントは自身が知っている情報のみで作業することになり、AI機能とSAP固有の運用の間にギャップが生じます。 AWS For SAP Management MCP Serverは、この機能をAIアシスタントにもたらします。サーバーが持つ知識—SAPコンポーネントの依存関係、検証済みパターン、クロスサービスロジック—を1つのインターフェースに統合し、対話できるようにします。このMCPをAIアシスタントに設定することで、適切なSAPコンテキストと20以上のSAP対応ツールへのアクセスが得られます。これらのツールは、ライブSAP環境で管理クエリを実行し、AWSサービス間でデータを相関分析し、SAP的に意味のある結果を返し、お客様の承認を得てアクションを実行できます。 仕組み AWS For SAP Management MCP Serverは、デスクトップまたは既存のインフラストラクチャ上でローカルに実行され、MCP標準(stdioトランスポート)を介してAIアシスタントに接続します。既存のAWS認証情報( ~/.aws/config )を使用してAPI呼び出しを行い、追加のインフラストラクチャは不要です。このMCPサーバーはSSM For SAPを基盤として構築されており、登録されたアプリケーションを基礎として使用します。SAPアプリケーションは、AWS Console for SAP Applications、SSM for SAPの API / CLI 、または AWS API MCP Server を使用して(該当する入力を提供することで)登録できます。 機能と安全制御 AWSLabs を通じて公開されているこのMCPサーバーは、さまざまなトラブルシューティング、モニタリング、自動化のユースケースに使用できます。SAPアプリケーションのトポロジー—システムを構成するコンポーネント、それらの相互関係、それらをサポートするAWSリソース—を理解しています。MCPサーバーは4つの領域にわたる20以上の構造化ツールを公開しています: モニタリングとレポート(読み取り専用) 登録されたすべてのアプリケーション、コンポーネントトポロジー、メタデータを含む完全なSAPランドスケープの表示 SSM for SAPからのSAPアプリケーションステータス、Amazon CloudWatchからのメトリクス、AWS Backupからのバックアップステータス、ファイルシステム使用状況、構成コンプライアンスを単一のレスポンスに相関させたヘルスサマリーの取得 コンプライアンスやチームレビュー用のダウンロード可能なMarkdownヘルスレポートの生成 構成コンプライアンス(読み取り専用) AWS Well-Architected Framework のSAP Lens(AWS上でSAPワークロードを実行するためのベストプラクティスを含む)に対する構成チェックの実行 実際の値と期待値を示す個別のルール評価の詳細確認と、修復ガイダンスの提供 アプリケーションライフサイクル管理(確認が必要) 自然言語によるSAPアプリケーションの起動と停止 サーバーはコンポーネントの依存関係を理解しています。HANAデータベースを停止する際、依存するNetWeaverアプリケーションを検出し、基盤となるEC2インフラストラクチャとともに正しい順序でカスケード停止することを提案し、実行前に明示的な確認を求めます SSM for SAPへの新しいSAPアプリケーションの登録 スケジュール運用(確認が必要、リソースを作成) Amazon EventBridge Scheduler (EventBridge Scheduler)を通じた定期スケジュールの作成。例:「開発用SAPシステムを平日のみ実行するようスケジュールする」 サーバーはEventBridge Schedulerの設定、IAMを通じたロール作成、ペイロード構築を処理します コスト最適化に有用。例:非本番システムを営業時間中のみ実行するようスケジュール 安全性について :読み取り専用の操作(モニタリング、レポート、コンプライアンスチェック)は確認なしで実行されます。アプリケーションの停止やスケジュールの作成など、状態を変更する操作は、サーバーが実行する前に明示的な確認を必要とします。AIアシスタントが計画されたアクションを提示し、承認を求めます。 AIプロンプトの例 以下は、このMCPサーバーを使用して自然言語で実行できる一般的なタスクです: 「すべてのSAPアプリケーションを一覧表示して」 「本番HANAデータベースの現在のヘルスステータスは?」 「HANA SAPアプリケーションの構成チェック結果を表示して」 「SAPシステムHDBの構成チェックを毎週金曜日の午後6時(PDT)に実行して」 「HANAデータベースとその依存アプリケーションを停止して」 「アカウント内のSAPアプリケーションのランドスケープを表示して」 「SAPアプリケーション LaunchWizardHanaSingleLargeR7i_HANA の状態はどうですか?どのような問題が発生していますか?」 「SAPアプリケーション LaunchWizardHanaSingleLargeR7i_HANA を毎週金曜日の午後6時(PDT)に停止し、毎週月曜日の午前6時(PDT)に再起動して」 「SAPアプリケーション LaunchWizardHanaSingleLargeR7i_HANA のヘルスサマリーレポートを生成してファイルに保存して」 はじめに AWS For SAP Management MCP Serverの利用開始は、わずか数分で完了します。 前提条件 SSM for SAP、Amazon CloudWatch、Amazon EC2、Amazon EventBridge Scheduler、AWS Backup、SSM、IAMの権限を持つ ~/.aws/config で設定された AWS認証情報 SSM for SAPに登録された SAPアプリケーション がMCPサーバーの基盤として使用されます。 Kiro、Kiro-CLIなどの MCP互換AIアシスタント uvx がインストールされた Python 3.10以上 。 pip install uvx またはお使いのOSに対応するコマンドでuvxをインストールし、 uvx –version を実行してPATHに含まれていることを確認してください インストール 開始する前に、上記の前提条件を完了していることを確認してください。 AIアシスタントのMCP設定ファイルを 見つけます (ファイルの場所については Kiroドキュメント またはお使いのアシスタントのドキュメントを確認してください)。 設定ファイルを 開き 、 mcpServers セクションに以下のブロックを追加します: { "mcpServers":{ "awslabs.aws-for-sap-management-mcp-server":{ "autoApprove":[ ], "disabled":false, "command":"uvx", "args":[ "awslabs.aws-for-sap-management-mcp-server@latest" ], "env":{ "AWS_PROFILE":"<YOUR_AWS_PROFILE>", "FASTMCP_LOG_LEVEL":"ERROR" }, "transportType":"stdio" } } } 注意:設定ファイルが存在しない場合は、上記の完全な構造で作成してください。ファイルは存在するが mcpServers セクションがない場合は、セクションを追加してください。 <YOUR_AWS_PROFILE> をお使いのAWSプロファイル名に 置き換えます 。 設定ファイルを 保存します 。 uvx がPATHにない場合は、フルパスを指定する必要がある場合があります。 新しい設定を読み込むためにAIアシスタントを 再起動します 。 両方のMCPサーバーを併用する AWS For SAP Management MCP Serverは、AWS API MCP Serverと補完的なツールとして併用するよう設計されています。SAP固有のワークフローをドメイン知識で処理し、SAPトポロジー、コンポーネントの依存関係、運用のベストプラクティスを理解します。AWS API MCP Serverは、SAP固有のツールでカバーされない操作に対して、AWSサービスAPIへの汎用アクセスを提供します。 これらを組み合わせることで、AIアシスタントにSAP対応のインテリジェンスと幅広いAWSサービスカバレッジの両方を提供できます。両方を設定することを推奨します: { "mcpServers":{ "awslabs.aws-for-sap-management-mcp-server":{ "autoApprove":[], "disabled":false, "command":"uvx", "args":[ "awslabs.aws-for-sap-management-mcp-server@latest" ], "env":{ "AWS_PROFILE":"<YOUR_AWS_PROFILE>", "FASTMCP_LOG_LEVEL":"ERROR" }, "transportType":"stdio" }, "awslabs.aws-api-mcp-server":{ "command":"uvx", "args":[ "awslabs.aws-api-mcp-server@latest" ], "env":{ "AWS_PROFILE":"<YOUR_AWS_PROFILE>" }, "transportType":"stdio" } } } 動作確認 AIアシスタントを 開きます 。 AWS For SAP Management MCPが正常に接続され、そのツールがアシスタントの利用可能なツールに表示されることを 確認します 。 簡単なプロンプトを使用して テストします :「 すべてのSAPアプリケーションを一覧表示して 」と入力し、レスポンスが期待するSAPランドスケープと一致することを確認します。 エラーが表示された場合は、以下のトラブルシューティングセクションを確認してください。 トラブルシューティング MCPサーバーがAIアシスタントに表示されない 設定ファイルが有効なJSONであることを確認してください 設定変更を保存した後、AIアシスタントを再起動してください uvx がインストールされ、PATHに追加されていることを確認してください(または設定でフルパスを使用してください)。 認証エラー AWS_PROFILE が ~/.aws/config で正しく設定されていることを確認してください プロファイルに必要なIAM権限があることを確認してください SAPアプリケーションが検出されない SAPアプリケーションがSSM for SAPに登録されていることを確認してください プロファイルのAWSリージョンが、SAPアプリケーションが登録されているリージョンと一致していることを確認してください 利用可能なリージョンと料金 AWS For SAP Management MCP Serverは、 GitHubのAWS Labs MCPリポジトリ でオープンソースプロジェクトとして本日より利用可能です。PyPI、Amazon Elastic Container Registry(Amazon ECR)、Docker Hub、MCP Toolkitを通じて配布されています。 MCPサーバー自体は無料です。お使いのマシン上でローカルに実行されます。基盤となるAPI呼び出し(SSM for SAP、Amazon CloudWatch、Amazon EventBridge Scheduler、AWS Backup、Amazon EC2)に対する標準的なAWSサービス利用料金が適用されます。これは、AWSマネジメントコンソールやAWS CLIを直接使用する場合と同じ料金です。 このサーバーは、 AWS Systems Manager for SAPがサポートされている AWSリージョンで動作します。 まとめ AWS For SAP Management MCP Serverは、AWS上のSAPワークロード管理の運用上の複雑さを軽減します。以前は複数のコンソールを操作し、サービス間でデータを相関分析する必要があったタスク—ヘルスチェック、コンプライアンス検証、ライフサイクル管理、スケジューリング—が、単一の自然言語インタラクションになります。 これは、AWS Console for SAP Applications(ビジュアル管理)およびSSM for SAP API(プログラムによるアクセス)を補完する第3のオプションとして機能します:会話型のSAP対応運用管理です。 AWS Labs MCPリポジトリ にアクセスし、AIアシスタントでサーバーを設定して始めましょう。AWS Systems Manager for SAPの詳細なガイダンスについては、 SSM for SAPドキュメント および APIリファレンス をご覧ください。AWS上でのSAPワークロードの実行について詳しくは、 AWS for SAP をご覧ください。 本ブログはAmazon Bedrockによる翻訳を行い、パートナーSA松本がレビューしました。原文は こちら です。
SAP システムを運用している場合、アップグレードの障壁となるカスタムコードの特定と修正という課題に直面していることでしょう。 SAP Clean Core のアセスメント と修正作業には数週間の手作業が必要となり、モダナイゼーションのタイムラインを加速することが困難になります。 Kiro エージェント は、SAP Clean Core 戦略へのアプローチを変革します。Clean Core ジャーニーは通常、カスタムコードのアセスメント、違反の修正、そして今後の Clean Core 方式での運用という3つのフェーズで展開されますが、Kiro エージェントはそのすべてを加速できます。 GitHub でリリースされた これらのオープンソースエージェントは、ABAP コード違反の分類を自動化し、詳細な修正ガイダンスを提供します。数千の ABAP オブジェクトを手動でレビューする代わりに、数週間かかっていた包括的なアセスメントを数時間で完了できるようになります。 この記事では、Kiro エージェントを使用して SAP Clean Core アセスメントを自動化する方法、大規模実装のコスト考慮事項、そして最初の自動アセスメントを開始するためのステップバイステップの手順をご紹介します。 SAP Clean Core を理解する SAP コアをクリーンに保つ とは、標準ソフトウェアへの直接的な変更を最小限に抑え、リリース済み API を使用して拡張として新しい機能を構築することを意味します。これにより、S/4HANA システムはアップグレードに対応し、クラウド対応となり、SAP のイノベーションが提供されるたびにそれを採用できるようになります。 SAP の内部オブジェクトに依存するカスタムコードは、アップグレードリスクを生み出します。Clean Core ガバナンスは、ABAP Cloud 開発モデルを通じてそのリスクを定量化し削減することで、SAP の進化に合わせてシステムを保守可能な状態に保ちます。2025年8月、SAP は以下の図に示す 新しい成熟度モデル をリリースしました。これは、カスタム開発をクリーンか否かの二項分類ではなく、レベル A ~ D に分類するものです。すでにジャーニーを開始している場合でも、これから始める場合でも、主に注力すべき点は以下の通りです: 未使用のカスタムコードの排除 カスタムコードレベルの分類 レベル D からの脱却 SAP Clean Core カスタムコードのレベル分類 未使用のカスタムコードの排除 SAP のお客様と協業する中で、一般的な組織ではカスタムコードの 50% ~ 60% が使用されていないことが観察されています。つまり、ビジネス上の利益なしにカスタムコードベースの半分以上を保守している可能性が高いのです。これを排除することは Clean Core の優先事項リストの上位に位置づけるべきであり、将来のプロジェクトの簡素化を可能にします。 カスタムコードレベルの分類 SAP は分類ガイドラインだけでなく、 ABAP Test Cockpit(ATC)チェックカテゴリ も提供しています。ATC チェックを使用して現在の状況を把握しましょう。レベル別の Clean Core 分布は、進捗を追跡するための有用な指標です。 Clean Core 対応に向けた取り組み レベル A は長期的なクラウド対応の北極星を表しますが、ほとんどの組織にとってレベル D コードの排除が最も高い投資対効果をもたらします。レベル D コード(変更、暗黙的/明示的エンハンスメント、SAP テーブルへの直接書き込み、未リリース API の使用を含む)は、アップグレードをブロックし、重大なトランスポートエラーを引き起こします。レベル D からレベル C または B への移行は、アップグレードの障壁を即座に取り除き、完全な ABAP コードリファクタリングを必要とせずに技術的負債を削減します。この実用的なアプローチにより、S/4HANA システムを最新の状態に保つことを積極的に妨げているコードの修正を優先できます。 Kiro エージェントによる解決 Kiro エージェントを使用して SAP Clean Core アセスメントを自動化できるようになりました。 GitHub でリリースされた オープンソースツールであるこれらのエージェントは、コード違反の特定と修正を効率化します。エージェントは ABAP コードベースを分析し、S/4HANA アップグレードをブロックする可能性のあるレベル D コードに関する詳細なレポートを提供します。リポジトリには、詳細なセットアップ手順、ワークフローの概要、セキュリティに関する考慮事項、およびすぐに開始するための例が含まれています。 以下のビデオ では、Clean Core フレームワークの概要を説明しています。Kiro エージェントは既存の ABAP Test Cockpit(ATC)ワークフローと統合し、Amazon Bedrock を通じて利用可能な基盤 AI モデルを使用して、修正タスクの分類と優先順位付けを行います。エージェントは ABAP Accelerator MCP Server の上に構築されており、初期コードスキャンから最終アセスメントレポートまでの完全なワークフローを提供します。 コストに関する考慮事項 Kiro エージェントは Amazon Bedrock でホストされている AI モデルを使用してカスタムコードを分析し、コストはアセスメントするオブジェクト数に応じてスケールします。Anthropic Claude Opus 4.5 でのテストに基づくと、1,000 の ABAP オブジェクトのアセスメントには約 700~750 クレジットが必要で、4時間以内に完了します。 Kiro Pro プラン(月額 $20、1,000 クレジット含む)では、このアセスメントは月間割り当て内に完全に収まり、オブジェクトあたり約 $0.02 です。 異なるタスクに異なるモデルを設定することでコストを最適化できます。品質が最も重要なドキュメント作成や複雑な分析には Anthropic Claude Opus を使用し、定型的な ATC 分類チェックには Anthropic Claude Sonnet(Anthropic Claude Opus と比較して 40% 安価)または Anthropic Claude Haiku(Anthropic Claude Opus と比較して 80% 安価)を使用します。このハイブリッドアプローチにより、高品質な結果を維持しながらアセスメントコストを 40~50% 削減できます。 数千のオブジェクトを持つ大規模なコードベースの場合、Kiro Power プラン(月額 $200、10,000 クレジット)が最もコスト効率の高いオプションです。詳細については、 Kiro の料金ページ をご覧ください。 始めましょう この記事では、Kiro エージェントが未使用のカスタムコードの排除、コード成熟度レベルの分類、修正作業の優先順位付けにより、SAP Clean Core アセスメントをどのように自動化するかを学びました。 SAP Clean Core アセスメントを自動化する準備はできましたか?以下の手順に従って Kiro エージェントの使用を開始してください: ツールへのアクセス : Kiro エージェント GitHub リポジトリ にアクセスして最新リリースをダウンロードし、ドキュメントを確認してください 環境のセットアップ :開発環境で ABAP Accelerator MCP Server を設定し、SAP システムへの接続を確認してください 最初のアセスメントの実行 :ワークフローと出力形式に慣れるために、ABAP オブジェクトの小さなサブセットから始めてください 実装のスケール :プロセスに慣れたら、完全なコードベースのアセスメントに拡大し、結果をアップグレード計画に統合してください SAP Clean Core のベストプラクティスに関する追加のガイダンスについては、 ABAP Extensibility Guide – Clean Core および GitHub で利用可能な ATC Cloud Readiness Check Variants を確認してください。 オープンソースを一緒に構築しましょう Clean Core ツールを使用してジャーニーを加速するだけでなく、Kiro カスタムエージェントで新しい機能を拡張・構築することをお勧めします。 皆様の経験についてお聞かせください。コメントセクションでフィードバックを共有するか、LinkedIn でお問い合わせください: Ravi Kashyap 、 Stephan Kremer 、 Adam Hill 本ブログはAmazon Bedrockによる翻訳を行い、パートナーSA松本がレビューしました。原文は こちら です。
私は 4 月 27 日週、英国のヨークで休暇を過ごしました。ヨークは、国内で最も幽霊に取りつかれた街として知られています。千年近くにわたってそこに立ち続けてきた修道院跡を散策し、中世の城壁沿いを散策し、夜はゴーストツアーに参加して、何世紀にもわたって語り継がれてきた物語に耳を傾けました。これほど多くの歴史を見守ってきた場所に立つと、不思議と心が落ち着きます。今はデスクに戻ってきましたが、その対比は否応なく感じられます。修道院の石は千年もの間、ほとんど変わることなくそこに立っているのに、たった 1 週間の休暇の間に、技術革新のスピードはまた一段進展していました。 ノースヨークシャーにあるウィットビー修道院跡。千年の歴史を見守ってきた石がある一方で、この 1 週間だけで新たな変化の波が押し寄せました。 それでは、2026 年 5 月 4 日週の AWS ニュースを見ていきましょう。 主なトピック 4 月 28 日、AWS の CEO であるマット ガーマン、SVP Amazon Applied AI Solutions である Colleen Aubrey 氏、AWS の CMO である Julia White、そして OpenAI のリーダーたちが登壇し、お客様がエージェントを利用してビジネスのあり方をどのように変えているのかについて語りました。このイベントでは、Amazon Quick、Amazon Connect、OpenAI とのパートナーシップの強化に関する数々の発表が行われました。このイベントでの主な発表のまとめをご紹介します。 Amazon Quick が、デスクトップアプリケーション、新しい料金プラン、ビジュアルアセット生成で拡張 – Amazon Quick は、お客様のアプリケーションと連携し、お客様にとって重要なことを学習して、お客様のためにアクションを実行する、業務用 AI アシスタントです。今週、Quick は新しいデスクトップアプリケーション (プレビュー) を発表しました。このアプリケーションを利用することで、ブラウザを開かなくても、ローカルファイル、カレンダー、コミュニケーションに接続できます。個人のメールアドレス、または既存の Google、Apple、Github、Amazon 認証情報を使用して数分でサインアップできます。AWS アカウントは不要です。Quick は、チャットインターフェイスから直接、洗練されたドキュメント、プレゼンテーション、インフォグラフィック、画像を生成できるようになりました。また、ネイティブ統合機能も拡張され、Google Workspace、Zoom、Airtable、Dropbox、Microsoft Teams が含まれるようになりました。新しい「Quick でカスタムアプリケーションを構築」機能 (プレビュー) では、自然言語を使用してビジネス全体と連携するインテリジェントなアプリケーション、ダッシュボード、ウェブページを作成できます。 Amazon Connect が 4 つのエージェンティック AI ソリューションに拡張 – Amazon Connect は、単一の製品から、お客様既存のワークフロー内で動作するように設計された、一連の 4 つのエージェンティック AI ソリューションに拡張されます。Amazon Connect Decisions は、サプライチェーンプランニングおよびインテリジェンスソリューションであり、30 年にわたる Amazon の運用科学と 25 を超える専門的なサプライチェーンツールを組み合わせることで、チームの業務を危機管理からプロアクティブな計画に移行させます。Amazon Connect Talent (プレビュー) は、エージェンティック AI 採用ソリューションであり、大規模な採用を管理する人材獲得リーダー向けに、AI 主導の面接、科学的根拠に基づいた評価、一貫性のある評価を提供します。Amazon Connect Customer (旧称: Amazon Connect) は、音声、チャット、デジタルチャネル全体でパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供します。新しい設定機能により、組織は、対話型 AI を数か月間ではなく数週間でセットアップできます。Amazon Connect Health は、エージェントによる患者確認、予約管理、患者インサイト、アンビエントドキュメンテーション、医療コーディングを提供することで、患者がより迅速に医療ケアを利用し、臨床医がその提供により多くの時間を割けるようになります。 AWS と OpenAI が Amazon Bedrock におけるパートナーシップを拡大 – AWS と OpenAI は、最新の OpenAI モデルを Amazon Bedrock に導入し、Codex on Amazon Bedrock をリリースするほか、OpenAI を利用する Amazon Bedrock Managed Agents を提供します。すべて限定プレビューです。Amazon Bedrock 上の OpenAI モデル (限定プレビュー) は、GPT-5.5 や GPT-5.4 を含む最新の OpenAI モデルを、お客様が既にご利用の Bedrock API に統合し、統合されたセキュリティ、ガバナンス、コストコントロールを提供します。追加のインフラストラクチャを設定する必要も、新しいセキュリティモデルを学ぶ必要もありません。Codex on Amazon Bedrock (限定プレビュー) を使用すると、既存の AWS 環境内で OpenAI コーディングエージェントにアクセスして、AWS 認証情報を使用して認証し、Bedrock を通じて推論処理を実行するほか、Codex の使用量を AWS クラウドのコミットメントに算入できます。Codex on Bedrock は Bedrock API を通じて利用でき、まずは Codex CLI、Codex デスクトップアプリケーション、Visual Studio Code 拡張機能で利用可能です。OpenAI を利用する Amazon Bedrock Managed Agents (限定プレビュー) は、OpenAI のフロンティアモデルと AWS インフラストラクチャを組み合わせて、OpenAI を利用する本番対応のエージェントをクラウド内に構築します。OpenAI ハーネスを利用して構築することで、より迅速な実行、より鋭い推論、長時間実行タスクの確実な制御を実現します。 詳細については、「 Top announcements of the What’s Next with AWS, 2026 」にアクセスしてください。 2026 年 4 月 27 日週のリリース 4 月 27 日週のリリースのうち、私が注目したリリースをいくつかご紹介します: Amazon EC2 M8in および M8ib インスタンスの一般提供を開始 – カスタムの第 6 世代インテル Xeon Scalable プロセッサと第 6 世代 AWS Nitro Card を搭載したこれらのインスタンスは、M6in および M6ib と比較して、最大 43% 高いパフォーマンスを提供します。M8in は 600 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、M8ib は最大 300 Gbps の EBS 帯域幅を提供します。米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京)、欧州 (スペイン) で利用可能です。 Amazon EC2 R8in および R8ib インスタンスの一般提供を開始 – 同じ第 6 世代インテル Xeon Scalable プロセッサと Nitro Card をベースに構築されたメモリ最適化インスタンス。600 Gbps のネットワークと 300 Gbps の EBS 帯域幅プロファイルを備えています。大規模な商用データベース、データレイク、SAP HANA などのインメモリデータベースに適しています。米国東部 (バージニア北部、オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (スペイン) で利用可能です。 Amazon EC2 C8ine および M8ine インスタンスの一般提供を開始 – ネットワーク最適化インスタンス。C6in および M6in と比較して、最大 2.5 倍の vCPU あたりのパケットパフォーマンスと、最大 2 倍のインターネットゲートウェイ経由のトラフィックのネットワークスループットを提供します。仮想ファイアウォール、ロードバランサー、5G UPF ワークロードなどのセキュリティおよびネットワーク仮想アプライアンス向けに設計されています。C8ine は米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京) で、M8ine は米国東部 (バージニア北部) および米国西部 (オレゴン) で利用可能です。 Amazon Bedrock AgentCore が最適化機能を追加 (プレビュー) – AgentCore は、本番でのエージェントの「観察、評価、改善」のサイクルを完了するために、レコメンデーション、バッチ評価、A/B テストを提供するようになりました。レコメンデーションは、本番のトレースと評価の出力を分析し、最適化されたシステムプロンプトとツールの説明を提案します。これらは、事前定義済みのテストケースに対するバッチ評価、または実際のトラフィックに対する A/B テストで検証できます。すべてのレコメンデーションは、リリース前に承認が必要です。 AWS Lambda が Ruby 4.0 のサポートを追加 – 最新の LTS リリースである Ruby 4.0 が、Lambda マネージドランタイムおよびコンテナベースイメージとして利用可能になりました。JSON 構造化ログ、設定可能なログ記録レベル、ターゲット CloudWatch ロググループ設定など、Lambda の高度なログ記録コントロールのサポートを含んでいます。中国リージョンおよび AWS GovCloud (米国) を含む、すべての AWS リージョンで利用可能です。 AWS のお知らせに関する詳しいリストについては、「 AWS の最新情報 」ページをご覧ください。 その他の AWS ニュース 興味深いと思われる追加の記事やリソースをいくつかご紹介します: Amazon Q Developer サポート終了のお知らせ – Amazon Q Developer IDE プラグインと有料サブスクリプションのサポートは、2027 年 4 月 30 日に終了します。お客様は Kiro に移行する期間として 12 か月の猶予があります。新規サインアップは 2026 年 5 月 15 日からブロックされますが、既存のサブスクリプションでは引き続きユーザーを追加できます。2026 年 5 月 29 日より、Q Developer Pro では Opus 4.6 が利用できなくなります。Opus 4.5 および他の既存モデルは引き続き利用可能ですが、Opus 4.7 を含む最新のコーディングモデルは Kiro でのみ利用可能です。AWS マネジメントコンソールの Amazon Q Developer および AWS 公式エクスペリエンス (ドキュメント、モバイルアプリ、Slack、Microsoft Teams) に影響はありません。 AWS 10,000 AIdeas Competition: 受賞者の発表 – AWS は、ビルダーが Kiro と AWS 無料利用枠のみを使用して構築された AI アプリケーションを応募するグローバルコンテストである 10,000 AIdeas Competition の受賞者 20 名を発表しました。115 か国から応募があり、4 回の審査と 2 回のコミュニティ投票を経て選考されました。受賞者は、Global Champions、Regional Champions、Innovation Awards、Creative Track の各カテゴリに分かれており、各カテゴリで賞金と AWS クレジットが授与されます。 AWS Student Builder Groups  – AWS Cloud Clubs は AWS Student Builder Groups に進化しました。コミュニティは現在、63 か国、600 以上の大学やカレッジに広がっています。既存の Cloud Club メンバーシップ、バッジ、進捗状況は引き継がれ、Cloud Club Captain は Group Leader になります。メンバーシップは 18 歳以上の学習者であれば誰でも参加できます。AWS Builder Center で最寄りのグループを探すか、またはキャンパスで新しいグループを立ち上げるための申請をすることができます。 近日開催予定の AWS イベント カレンダーを確認して、近日開催予定の AWS イベントにサインアップしましょう: AWS Summits – AWS Summits は、クラウドと AI をカバーする無料の実地イベントです。5 月の開催予定: シンガポール (5 月 6 日)、 テルアビブ (5 月 6 日)、 ワルシャワ (5 月 6 日)、 ストックホルム (5 月 7 日)、 シドニー (5 月 13 日~14 日)、 ハンブルク (5 月 20 日)、 ソウル (5 月 20 日)、 アムステルダム (5 月 27 日)、 ミラノ (5 月 28 日)、 ムンバイ (5 月 28 日)。 AWS Community Days – コミュニティリーダーが企画および提供するコミュニティ主導のカンファレンス。今後のイベントには、 イスタンブール (トルコ) (5 月 9 日) と パナマシティ (パナマ) (5 月 23 日) が含まれています。 AWS Builder Center にアクセスして、他のビルダーと交流したり、ソリューションを提供したり、構築を継続するのに役立つリソースを見つけたりしましょう。また、今後開催される AWS 主導の実地およびオンラインイベント や、 デベロッパー向けセッション もご覧いただけます。 – Esra この記事は、Weekly Roundup シリーズの一部です。AWS からの興味深いニュースや発表を簡単にまとめて毎週ご紹介します! 原文は こちら です。
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。 今週は、日本時間 4 月 29 日に開催された  What’s Next with AWS  で発表された大型のアップデートが多数ありました。AWS CEO の Matt Garman と OpenAI のリーダーたちが登壇し、AI エージェントが企業の業務のあり方をどう変えていくかを議論するイベントで、Amazon Quick、Amazon Connect、そして Amazon Bedrock に関する多数のアップデートが発表されました。記事後半のサービスアップデートとあわせてご覧ください。 生成 AI を活用したビジネス変革に取り組むお客様を支援する 生成 AI 実用化推進プログラム は引き続き参加企業を募集しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。 それでは、4 月 27 日週の生成 AI with AWS 界隈のニュースを見ていきましょう。 さまざまなニュース AWS生成AI国内事例ブログ: 奈良市と日立システムズ様、個人番号利用事務系の閉域環境で GenU を活用し特定保健指導の業務効率化を実現 奈良市と株式会社日立システムズ様は、マイナンバー系ネットワーク上での生成 AI 活用に取り組みました。個人番号利用事務系は機微情報を扱うためインターネットから厳格に分離されており、従来は外部の生成 AI サービスを利用することが困難でした。この課題に対し、ガバメントクラウド上に  Generative AI Use Cases (GenU)  の閉域モードを構築し、Amazon Bedrock を VPC Endpoint 経由で利用する構成を採用しました。特定保健指導における面談記録作成にリアルタイム文字起こしと専用プロンプトによる 7 項目自動整形を適用した結果、報告書 1 件の作成時間が 1〜2 時間から 30〜60 分に短縮され、現場担当者全員が業務負担軽減を実感し、今後の継続利用を希望しました。日立システムズ様が担当する全国の自治体への横展開や、母子保健・児童相談・障害福祉といった同種業務への応用が計画されています。 ブログ記事「 2026 年「What’s Next with AWS」からの注目の発表 」を公開 2026 年 4 月 29 日に開催された What’s Next with AWS イベントでの主要発表のまとめ記事です。Amazon Quick の新しいデスクトップアプリ・Free/Plus プラン・ビジュアル生成・外部統合拡大、Amazon Connect の Decisions・Talent・Customer・Health の 4 ソリューション展開、そして Amazon Bedrock 上での OpenAI モデル・Codex・マネージドエージェントの提供開始(限定プレビュー)など、大型アップデートが俯瞰できます。本記事の後半のサービスアップデートとあわせてご覧ください。 ブログ記事「 【開催報告】AWS Retail & CPG EXPO 2026 — AI エージェントが変える流通小売・消費財業界の現場を体感 」を公開 2026 年 4 月 20 日に AWS 東京オフィスで開催された、流通小売・消費財業界向け完全招待制イベントの開催報告ブログです。NRF 2026 で発表された 7 つの AI エージェントデモを日本向けにローカライズして展示するとともに、株式会社コーセー様、株式会社 asken 様、株式会社ゴールドウイン様、株式会社カインズ様の生成 AI 活用事例セッションが実施されました。各社とも「現場定着」「Vibe Coding」「経営と現場のギャップ」「生成 AI による画像生成の実店舗活用」と切り口が異なり、業界の AI エージェント実装の現在地を知ることができる内容です。 ブログ記事「 製造業 × 生成 AI 、8 社の「ここだけの話」がつながり課題解決を加速する — AWS 生成 AI ラウンドテーブル in 大阪 開催報告 」を公開 2026 年 3 月 31 日に AWS 大阪オフィスで開催された、製造業 8 社(シャープ、ヤマハ、村田製作所、日立産業制御ソリューションズ、コベルコシステム、東洋紡、大日本印刷、ダイキン工業)のクローズド・ラウンドテーブルの開催報告です。社内ツールの現場定着、少人数での AI 推進体制、製造業特有の非構造化データの扱いといった共通課題に対し、各社の実践知が交換された様子が紹介されています。AWS セッションでは Amazon Bedrock AgentCore を活用した AgentOps の 4 ステップ評価フレームワークも紹介されています。 ブログ記事「 Amazon Q Developer のサポート終了に関するお知らせ 」を公開 Amazon Q Developer の IDE プラグインと有償サブスクリプションのサポートが 2027 年 4 月 30 日に終了することが発表されました。後継となる Kiro は仕様駆動開発(spec-driven development)のためにゼロから構築されたエージェント型開発環境で、Specs、Hooks、Steering files、Custom subagents、Powers といった機能を備えています。2026 年 5 月 15 日以降は新規サインアップの受付が停止されますが、既存ユーザーは 2027 年 4 月 30 日まで利用可能です。なお、AWS マネジメントコンソールや AWS Console Mobile App、Slack/Microsoft Teams のチャットアプリで提供されている Amazon Q Developer は今回の対象外で、引き続きご利用いただけます。 ブログ記事「 Amazon Quick を社内のナレッジに接続しよう – Microsoft SharePoint Online 編 」を公開 Amazon Quick の AI エージェントを社内の SharePoint Online に接続する方法を、ナレッジベース連携(AI が検索・回答)とアクション連携(自然言語でリスト・ファイル・Excel を直接操作)の 2 つのアプローチでステップバイステップに解説しています。Entra ID でのアプリ登録方法から ACL を引き継ぐ Admin-managed setup、コネクタ作成の詳細まで扱われており、これから SharePoint と Quick を連携させたい方の導入ガイドとして最適です。 ブログ記事「 Amazon Quick を使用したエンタープライズ向けパッチ適用・インベントリダッシュボードの構築 」を公開 AWS Systems Manager のインベントリ情報とパッチ適用状況を、Amazon Quick の自然言語プロンプトで可視化するソリューションを解説しています。CloudFormation テンプレートをデプロイし、「Create a pie chart for count of resourceid by provider」のようなプロンプトでダッシュボードを素早く構築できます。多段階の手動操作を数回のプロンプトに置き換える、生成 BI のわかりやすいユースケースです。 ブログ記事「 「NVIDIA Robotics Solutions 勉強会」を開催しました 」を公開 2026 年 4 月 14 日に開催された、フィジカル AI 開発支援プログラム採択企業向けの勉強会の開催報告です。NVIDIA の Isaac Sim / Isaac Lab / Cosmos / GR00T といったロボティクス向け技術スタックの紹介に加え、Physical AI 開発の各フェーズ(データ生成、モデル学習、モデル配信)に最適な Amazon EC2 インスタンス(G6e/G7e、P5、P5en/P6-B200 など)の選び方、AWS CDK でデプロイできる開発環境サンプル Remote AWS Develop Station (RADS) が紹介されています。 サービスアップデート What’s Next with AWS 関連 Amazon Bedrock で OpenAI モデル、Codex、マネージドエージェントを提供開始(限定プレビュー) AWS と OpenAI のパートナーシップ拡大により、Amazon Bedrock で 3 つの新しいサービスが限定プレビュー提供されます。1 つ目は GPT-5.5 / GPT-5.4 を含む最新の OpenAI モデルへのアクセス、2 つ目は OpenAI のコーディングエージェントを AWS 環境で利用できる Codex on Amazon Bedrock、3 つ目は本番環境対応の OpenAI 搭載エージェントを迅速にデプロイできる Amazon Bedrock Managed Agents です。いずれも IAM、AWS PrivateLink、ガードレール、CloudTrail ログ記録など Bedrock の企業向け制御機能を引き継いでおり、追加のインフラ構築なしに利用できるのが特徴です。本機能群は、本記事の執筆時点ではAmazon Bedrock を通じた限定プレビューとして利用可能であり、アクセスは許可リストに登録された初期の組織に限定されています。 Amazon Bedrock AgentCore がエージェントパフォーマンスを最適化する機能をリリース(プレビュー) Amazon Bedrock AgentCore に、レコメンデーション・バッチ評価・A/B テストの 3 つの機能がプレビュー追加されました。本番環境のトレースと評価出力を分析して、ワークロード最適化されたシステムプロンプトやツール記述を提案し、バッチ評価で検証、さらに A/B テストで統計的有意性を確認するまでの改善サイクルを閉じることができます。モデルの進化やユーザー動作の変化に伴ってエージェントの品質が低下していくのを防ぐのに役立つアップデートです。AgentCore Evaluations が利用可能なすべての AWS リージョンで使用できます。 Amazon Bedrock AgentCore Identity が On-Behalf-Of (OBO) トークン交換のサポートを開始 Amazon Bedrock AgentCore Identity で、認証されたユーザーに代わって保護リソースへアクセスするエージェントを構築できる OBO トークン交換が一般提供されました。アクセストークンを権限を絞り込んだ新しいアクセストークンに交換し、元のユーザー ID とエージェント ID の両方を保持したジャストインタイムかつ最小権限のアクセスを付与できます。アジアパシフィック(東京)を含む 14 リージョンで利用可能です。 Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js のサポートを開始 AgentCore Runtime が Python に加えて Node.js をマネージド型言語ランタイムとしてサポートしました。エージェントコードと依存関係を .zip アーカイブにパッケージしてアップロードするだけでデプロイできます。TypeScript プロジェクトや Strands Agents SDK で構築したエージェントも対象で、セッション分離、SigV4/OAuth 2.0 認証、双方向ストリーミング、CloudWatch オブザーバビリティといった機能を Python と同様に利用できます。 Amazon Quick のデスクトップアプリケーションが macOS・Windows で提供開始(プレビュー) Amazon Quick が macOS と Windows のネイティブデスクトップアプリとしてプレビュー提供されました。ブラウザ外でローカルファイル、カレンダー、コミュニケーションツールへの接続を維持しながら、OS レベルのプロアクティブ通知やネイティブコントロールを活用できます。ビルダー向けには、コーディングエージェントへのローカルの MCP 接続にも対応しています。米国東部(バージニア北部)の Quick サブスクライバーが対象です。 Amazon Quick に Free および Plus 料金プランが登場 Amazon Quick の Free および Plus プランでは、個人のメールアドレスまたは Google / Apple / GitHub / Amazon の認証情報で数分でサインアップでき、AWS アカウントが不要になりました。ガイド付きのオンボーディング体験が用意されており、営業、マーケティング、財務、オペレーションなど役割別のワークフローを通じて短時間で価値を体感できます。 Amazon Quick でチャットを利用したドキュメントとビジュアルの作成が可能に Amazon Quick のチャットから、ドキュメント・プレゼンテーション・スプレッドシート・画像・インフォグラフィックなどを会話を中断せずに作成できるようになりました。Word、PDF、PowerPoint、Excel などの形式でダウンロード可能です。ビジュアル作成はプレビュー提供で、ドキュメント作成は Quick が提供されるすべての AWS リージョンで利用可能です。 Amazon Quick で Google Workspace、Zoom、Airtable などとの統合を拡大 Gmail、Google スプレッドシート、Google ドキュメント、Google カレンダー、Google Drive、Google スライド、Google Meet、Google アナリティクス、Zoom、QuickBooks、Airtable、Dropbox、Microsoft Teams に対応した 13 個の組み込みアクションコネクタが追加されました。マネージド認証に対応しており、数クリックで接続できます。 Amazon Quick で Microsoft Excel・PowerPoint 拡張機能を追加、Word 拡張機能を更新(プレビュー) Microsoft 365 の Excel、PowerPoint、Word に対応した新規およびアップグレード版の拡張機能がプレビュー提供されました。ピボットテーブルやグラフの作成、テンプレートを使ったプレゼンテーション作成、変更履歴を有効にしたままの一括編集などが可能です。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(シドニー/東京)、欧州(アイルランド/フランクフルト/ロンドン)で利用可能です。 Amazon Quick で自然言語を使ったカスタムアプリケーションの構築が可能に(プレビュー) コーディング不要で、自然言語で必要な内容を記述するだけでインタラクティブなウェブアプリケーションを作成できる機能がプレビュー提供されました。ライブデータソースに接続し、AI を活用した機能を組み込んで、ワンクリックでチームに公開できます。営業・マーケティング・財務チーム向けの社内ツールを迅速に作るのに有用です。 AWS が Amazon Connect Decisions を発表 サプライチェーンチーム向けのエージェンティック AI 計画・インテリジェンスソリューション Amazon Connect Decisions が一般提供されました。Amazon の 30 年にわたる運用知見と 25 を超える専用サプライチェーンツールを組み合わせた AI チームメイトが、需要シグナルの統合、制約を考慮した供給計画、差異検出、自動根本原因分析を 24 時間 365 日行います。米国東部(バージニア北部)および欧州(アイルランド)で利用可能です。 AI を活用した採用を支援する Amazon Connect Talent(プレビュー) Amazon の採用ノウハウを踏まえた、AI エージェントによる音声面接・科学的根拠に基づくアセスメント・一貫した候補者スコアリングを実現する Amazon Connect Talent のプレビューが開始されました。候補者はあらゆるデバイスから 24 時間 365 日面接を受けられ、採用担当者は AI が生成したスコア・文字起こし・評価を確認できます。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)で利用可能です。 サービスアップデート – そのほかのアップデート Gemma 4 モデルが Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に Google DeepMind の Gemma 4 E4B、Gemma 4 26B-A4B、Gemma 4 31B の 3 つのインストラクションチューニングモデルが SageMaker JumpStart で利用可能になりました。組み込みの推論モード(思考)、画像・動画理解、ネイティブ関数呼び出し、140 以上の言語での多言語サポートといった機能を備えており、SageMaker Studio の Models セクションから数クリックでデプロイできます。 Paraphrase-multilingual-MiniLM-L12-v2、Table Transformer、Bielik-11B-v3.0-Instruct が SageMaker JumpStart で利用可能に 多言語セマンティック類似性モデル、PDF やスキャン画像からテーブルを検出するオブジェクト検出モデル、ポーランド語を含むヨーロッパ言語に特化した 110 億パラメータのモデルの 3 つが JumpStart に追加されました。 Amazon SageMaker HyperPod で G7e および r5d.16xlarge インスタンスをサポート SageMaker HyperPod で、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPU を搭載した G7e インスタンスと、メモリ大容量の r5d.16xlarge がサポートされました。G7e は G6e 比で最大 2.3 倍の推論パフォーマンスと最大 768GB の GPU メモリを備え、LLM やエージェンティック AI、マルチモーダル生成 AI、物理 AI モデルのデプロイに適しています。G7e は米国東部(バージニア北部/オハイオ)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(東京)で利用可能です。 Amazon ECS マネージドインスタンスが NVIDIA GPU メトリクスのサポートを開始 Amazon ECS マネージドインスタンスで実行するコンテナ化ワークロードの GPU 容量・使用率・メモリ・ハードウェア状態・温度を、強化されたオブザーバビリティを備えた Amazon CloudWatch Container Insights で確認できるようになりました。AI/ML のトレーニングや推論といった GPU アクセラレーションワークロードに影響が出る前に問題を検出するのに役立ちます。すべての商用 AWS リージョンで利用可能です。 AWS Neuron SDK が Trainium での NKI カーネル開発用の Neuron Agentic Development を提供 AWS Trainium / Inferentia 向けのカスタム計算カーネルを開発する Neuron Kernel Interface (NKI) 用に、AI コーディングアシスタント向けのエージェントとスキルのオープンソースコレクション Neuron Agentic Development がリリースされました。Claude Code や Kiro などのエージェント IDE から、PyTorch 操作を説明して NKI カーネルを作ったり、コンパイルエラーの自動修正、パフォーマンスボトルネック分析までを自然言語で依頼できます。 今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 三厨 航  (Wataru MIKURIYA) AWS Japan のソリューションアーキテクト (SA) として、ヘルスケア・ハイテク製造業のお客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援しています。クラウドガバナンスや IaC 分野に興味があり、最近はそれらの分野の生成 AI 応用にも興味があります。最近の趣味はカメラです。 週刊 AWS の新しいサムネイルを撮影したので、是非ご覧ください。
AWS X-Ray は、アプリケーショントレースの計装 (instrumentation) において、業界標準である OpenTelemetry への移行を推進しています。今後、アプリケーションからトレースを生成し AWS X-Ray に送信する方法としては、OpenTelemetry ベースの計装ソリューションが推奨されます。X-Ray の既存のコンソール体験と機能は引き続き完全にサポートされ、この移行によって変更されることはありません。 OpenTelemetry は、トレース計装とオブザーバビリティにおける業界標準のオープンソースプロジェクトであり、テレメトリデータを収集・ルーティングするための標準化されたプロトコルとツールを提供します。メトリクス、ログ、トレースといったアプリケーションのテレメトリデータを計装・生成・収集・エクスポートし、監視プラットフォームで分析・インサイト取得を行うための統一フォーマットを提供します。これにより、機能開発の高速化や、業界全体で一貫したより広範なツールやインテグレーションの利用が可能になります。OpenTelemetry の計装ソリューションは、フレームワークやライブラリへのより幅広いサポート、多言語対応、そしてコードを変更せずに計装を追加できるゼロコード計装 (zero-code instrumentation) 機能を備えています。 AWS X-Ray SDK と Daemon は、メンテナンスモードへと移行します。このフェーズでは、AWS は SDK と Daemon のリリースをセキュリティ上の問題への対応のみに限定します。SDK / Daemon は機能追加は行われません。ただしメンテナンスモードにおいても、X-Ray は既存の X-Ray SDK / Daemon から送信されるトレースの受信・処理を継続します。AWS X-Ray サービス自体は引き続き完全にサポートされ、 ネイティブ OpenTelemetry サポート や Amazon CloudWatch Transaction Search といった機能拡張は継続します。Transaction Search は、X-Ray のすべての機能に加え、アプリケーションパフォーマンスモニタリング (APM) や Amazon CloudWatch Application Signals の機能セットをまとめた新しいコスト効率に優れた料金体系を提供します。今後の新機能開発は OpenTelemetry ベースのソリューションに注力する一方、既存機能はこれまでどおり動作し続けます。たとえば、SDK には新たなライブラリ計装の追加や既存ライブラリ計装の機能拡張は行われません。 X-Ray SDK / Daemon のライフサイクルとサポートレベル SDK ライフサイクルフェーズ 開始日 終了日 サポートレベル 一般提供 (General Availability) N/A 2026 年 2 月 25 このフェーズでは、SDK / Daemon は完全にサポートされます。AWS はバグ修正とセキュリティ上の問題修正を含む通常の SDK / Daemon リリースを提供します。 メンテナンスモード 2026 年 2 月 25 日 N/A AWS は SDK / Daemonのリリースをセキュリティ上の問題への対応のみに限定します。SDK / Daemon は新機能の追加を受けません。 移行を支援するため、AWS X-Ray のドキュメントで移行ガイドとサンプルを提供しています。 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/xray/latest/devguide/xray-sdk-migration.html AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) または Amazon CloudWatch と連携するネイティブ OpenTelemetry に移行すると、アプリケーションのヘルスモニタリングを強化する CloudWatch Application Signals や、アプリケーションのトランザクションスパンを完全に可視化する Transaction Search といった強力なツールを利用できるようになります。 OpenTelemetry、および OpenTelemetry を活用する AWS CloudWatch のソフトウェアソリューションについて、詳しくは以下を参照してください。 Amazon CloudWatch with OpenTelemetry — OpenTelemetry を用いたアプリケーションで CloudWatch を利用し、 Application Signals や Transaction Search などの強力な機能を有効化する方法を解説 X-Ray による計装から OpenTelemetry による計装への移行 — AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) または OpenTelemetry SDK への切り替え例を掲載 OpenTelemetry 公式ドキュメント — OpenTelemetry の利用方法全般を解説 フィードバック サポートやフィードバックが必要な場合は、AWS サポートまでご連絡ください。 https://aws.amazon.com/jp/contact-us/ また、GitHub 上でディスカッションや Issue を作成することもできます ( Java 、 Python 、 JavaScript 、 .NET 、 Go 、 Ruby )。 AWS X-Ray SDK / Daemon をご利用いただきありがとうございます。 著者について Jonathan Lee Jonathan Lee は AWS Application Observability のソフトウェア開発エンジニアです。OpenTelemetry のアップストリームおよび AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) の両方にコントリビュートしています。 Naina Thangaraj Naina Thangaraj は AWS Batch のシニアプロダクトマネージャーで、AWS の Advanced Computing and Simulation 部門に所属しています。バイオインフォマティクスのバックグラウンドを持ち、AWS 入社以前はヘルスケア・ライフサイエンス業界で業務に従事しています。 本ブログは 2025 年 11 月 14 日に公開された AWS X-Ray SDKs/Daemon migration to OpenTelemetry の日本語訳です。翻訳はテクニカルアカウントマネージャーの日平が行いました
On Monday, April 20, 2026, AWS held the invitation-only event “AWS Retail & CPG EXPO 2026 — Build the future with AI” at the AWS Tokyo office. We welcomed more than 100 guests from over 60 companies, and the event concluded on a high note. We localized AI agent demos for the Japanese market, providing an opportunity to see, touch, and experience them firsthand. A networking reception was also held from 6:00 PM, offering attendees a chance to connect with one another. For those who were unable to attend, we would like to share the highlights of the event through this blog post. The Future of the Industry, Transformed by AI Agents The age of AI is evolving into the age of AI agents. We are now in an era where the key question is how autonomously we can deploy AI agents and apply them to our business operations. Alongside the platforms that enable AI agents to operate safely, a critical theme has emerged: how to leverage them in the retail, consumer goods, and food service industries. However, in Japan, there is a prevailing reality of “we understand, but we can’t move forward.” This event was designed to help break through that barrier — giving attendees the chance to experience real, working AI agents and discover their next steps from the case studies of companies that are taking on the challenge. Exhibition Area — Experience Real AI Agents In the exhibition area, we localized demos announced at NRF 2026 for the Japanese market and presented 4 categories across 7 booths, aligned with retail, consumer goods, and food service industry workflows: product development & production planning, pricing strategy, supply chain, and in-store/online customer experience. A common concept across all demos was “Multi-Agent × Human-in-the-Loop.” Attendees experienced through live demos the design principle where AI agents collaborate autonomously while humans make the critical decisions. Detailed materials for each exhibit can be downloaded from the links in each exhibit description below. If any exhibit caught your interest, please feel free to contact your account representative to arrange a private demo. Merchandising — Product Development & Pricing Strategy Product development and pricing strategy are critical areas that determine a company’s competitiveness. We showcased two multi-agent demos. Luggage Lab: Attendees saw a demo where three agents — Researcher, Designer, and Planner — collaborate to accelerate product innovation. ( Luggage Lab detailed materials ) Luggage Lab — Agent Role Diagram Luggage Lab — Architecture Retail Pricing Agent: We presented a demo where three agents — Competitive Research, Demand Analysis, and Price Decision — collaborate to automate pricing strategy using generative AI. ( Retail Pricing Agent detailed materials ) Retail Pricing Agent — Process Flow Retail Pricing Agent — Architecture Supply Chain — Autonomous Response to Disruptions Supply chain disruptions are a constant and significant risk for the retail, consumer goods, and food service industries. Attendees experienced a scenario where multiple agents collaborate to gather information and propose countermeasures, while humans make the final decisions. Agentic Supply Chain: We exhibited a demo where four agents — Procurement, Inventory, Planning, and Logistics — collaborate, with AI agents autonomously responding to supply chain disruptions. ( Agentic Supply Chain detailed materials ) Agentic Supply Chain — Specialized Agent Team Structure Agentic Supply Chain — Architecture Omnichannel — Transforming the Customer Experience Seamlessly connecting digital and physical stores is a critical theme for the industry. We introduced three demos showcasing new customer experiences where AI provides personalized engagement for each individual. Smart Beauty: This demo uses image analysis to classify skin types into 16 detailed categories and automates improvement recommendations. AI replicates the expertise of beauty consultants. ( Smart Beauty detailed materials ) Smart Beauty — Skin Type + Personal Color Analysis Smart Beauty — Architecture Fix&Fab: Attendees saw a demo that generates DIY repair instructions from just a photo and description, and even provides shopping lists and expert referrals. ( Fix&Fab detailed materials ) Fix&Fab — Project Design from a Single Photo Fix&Fab — Architecture Retail AI Concierge: We presented a demo that delivers a seamless journey from e-commerce to physical stores — from product recommendations and inventory checks to event guides and visit planning. ( Retail AI Concierge detailed materials ) Retail AI Concierge — A New Customer Experience Retail AI Concierge — Architecture Product Innovation — Next-Generation Personalization Returns and sizing challenges are major themes across the industry, whether in e-commerce or physical stores. Bodd: We exhibited a demo featuring Bodd’s contactless body scanning technology that delivers precise measurements in just 60 seconds, enabling cross-brand size recommendations. Bodd — Precise Measurements via Body Scanning Bodd — Customer Journey If any exhibit caught your interest, please feel free to contact your account representative to arrange a private demo. Sessions — Learning from Companies Taking on the Challenge The sessions consisted of AWS opening sessions (2 sessions), customer case studies (4 sessions), and an AWS session (1 session). AWS Opening Sessions Keanu Nahm — Common Success Factors in AI Adoption Seen from a Global Perspective, and the Opportunities for Japan’s Retail & CPG Industry Keanu Nahm (Head of AWS Global Retail & CPG Business Development, Japan) drew on trends from NRF 2026 and ShopTalk 2026 to describe how the global retail and consumer goods industry is transitioning from a “year of experimentation” to a “year of implementation” with AI. He identified three conditions for AI to be adopted broadly and deeply: “ease of use (zero friction),” “trustworthiness,” and “becoming a habit,” and highlighted the opportunities this presents for Japan’s retail and consumer goods industry. (Session materials are available for download here .) Kempei Igarashi — Experience How AI Agents Are Transforming the Retail Frontline, and Find Your Next Step from the Case Studies of Companies Taking on the Challenge Kempei Igarashi (Head of Industry Solutions Division, AWS) shared AWS’s perspective on the current state of AI agents and the trend of AI agents evolving from “tools” to “colleagues,” and provided an overview of the event’s exhibitions and sessions. (Session materials are available for download here .) Customer Case Study Sessions KOSÉ Corporation — KOSÉ’s Challenge: Company-Wide Deployment of Generative AI — Building a Framework for Frontline Adoption Haruka Yokoyama, Generative AI Promotion Leader, DX Promotion Section, Information Management Department Miku Kaneda, Generative AI Promotion, Infrastructure Development Section, Information Management Department KOSÉ Corporation presented their case study on company-wide deployment of generative AI, driven by the awareness that “even a great system doesn’t mean everyone can use it effectively.” Led by the Information Management Department, they simultaneously advanced system development and user support/education. They created an environment that encourages voluntary adoption through intuitive UI design, easy model selection, and gamification-driven engagement. With the support of AWS’s Prototyping team, they built the platform in just one month and shared how generative AI has become a “common language” across the organization. asken, Inc. — The Walls “asken” Overcame in Developing New Features Starting from Vibe Coding Takuya Ito, Senior Product Manager, AX Promotion Department, Product Development Division Yoshihiro Iwama, Senior Tech Lead, Product Development Department, Product Development Division asken, Inc., the company behind the meal management app “asken,” presented on a new co-creation process between product managers and engineers. Product managers use Vibe Coding to create “working PRDs (prototypes)” and run user validation cycles on the AWS-based experimentation platform “asken Lab.” However, they also shared the “painful lesson” of development costs tripling when they tried to use the working PRD directly in production. From that failure, they established a refinement process leveraging AI-powered reverse engineering, arriving at a “design of sequence and boundaries” that allows product managers and engineers to maximize their respective expertise. GOLDWIN Inc. — AI: We Understand, But Can’t Move Forward — How to Bridge the Gap Between the Frontline and Management Takahiro Suemitsu, Senior Expert, Corporate Planning Division GOLDWIN Inc. addressed the problem many companies face: “AI gets stuck at search and summarization.” They identified five barriers preventing AI from reaching implementation (ambiguous management expectations, lack of bandwidth on the frontline, absence of success metrics, etc.) and visualized the “invisible gap” between management and the frontline. As a breakthrough, they advocated the approach of “showing something that works rather than explaining with a proposal,” and introduced a case where they built a prototype in just one day. The message that resonated most was: “The phase of explaining and waiting for understanding is over. Let’s make 2026 the year we embed AI into our operations.” CAINZ Corporation — The Fitting Room Experience Realized in Next-Generation Stores Takehiko Suga, General Manager, CX Management Department, Information Systems Division, CAINZ Corporation Tsuyoshi Mukai, Manager, E-Business Engineering Section, Digital Engineering Department, Digital Transformation Division, AsiaQuest Inc. CAINZ Corporation and AsiaQuest Inc. presented their “CAINZ Fitting Room” initiative, addressing the in-store purchasing challenge of “not being able to try before you buy” using generative AI. While they had previously attempted to visualize room coordination, reproducing textures had been a challenge. With advances in generative AI, they solved this using image generation powered by Amazon Bedrock. Furniture and curtains can now be virtually placed in room images, with realistic textures and shadow reflections. The experience is currently available on in-store touch panels, and future plans include allowing customers to check arrangements using photos of their own rooms and AI-generated coordination recommendations. This initiative was also featured in Mynavi TECH+ . AWS Session Koji Matsumoto — Transforming Advertising & Marketing in the Agentic AI Era Koji Matsumoto (Principal Business Development Manager, Strategic Business Development Division, AWS) explained three “tectonic shifts”: the rapid growth of retail media, the rise of Agentic AI, and the gap between AI investment and implementation. He introduced the latest trends in the democratization of advertising and marketing through Agentic AI — including Amazon Ads’ Creative Agent and Unified Campaign Manager — along with three recommended actions. (Session materials are available for download here .) Thank You for Attending Thank you to everyone who attended AWS Retail & CPG EXPO 2026. AI agents are beginning to take a central role in business operations. The world is already moving. Your company’s transformation starts with today’s “this could work.” Start small, and AWS will be right there with you. For those who were unable to attend, please feel free to reach out to your AWS representative. We look forward to seeing AI agents come to life at your workplace. Event Information Event: AWS Retail & CPG EXPO 2026 — Build the Future with AI Format: Invitation-only Date: Monday, April 20, 2026, 1:00 PM – 6:00 PM JST Venue: AWS Tokyo Office Attendees: More than 100 guests from over 60 companies Organizer: Amazon Web Services Japan G.K. This blog post was translated by Tomo Yamashita, Solutions Architect at AWS Japan. The original post is available here .
「社内のドキュメント、どこにあったかな?」「ストレージのあのファイルの内容、AI に聞けたら便利なのに…」 多くの企業が社内ナレッジをさまざまなストレージツール上に保管しています。蓄積された膨大な情報を効率よく活用するのは簡単ではありません。 Amazon Quick なら、組織に散らばり保存された社内ナレッジを AI エージェントに接続し、自然言語で質問するだけで必要な情報を引き出せます。 本ブログでは、Amazon Quick の AI エージェントを社内ナレッジへ接続する例として、Microsoft SharePoint Online(以下、SharePoint と記載)での連携方法を取り上げます。ナレッジベース連携とアクション連携の、2 つのアプローチについて、セットアップ手順をステップバイステップで解説します。 2 つの連携方式の違い Amazon Quick の SharePoint 連携には、目的の異なる 2 つのタイプがあります。用途に応じて選択、または両方を組み合わせて使用できます。 ナレッジベース連携 アクション連携 できること SharePoint 上のドキュメントを AI が検索・回答 (同期時点での情報を取得) SharePoint のリスト・ファイル・Excel を自然言語で操作 (リアルタイム) データの流れ Amazon Quick が定期クロール → インデックス化 → AI 検索 ユーザーの操作リクエスト → Graph API → SharePoint ユースケース 社内規程検索、技術文書 Q&A、プロジェクトナレッジ ファイル取得、リスト更新、Excel 読み書き 1. ナレッジベース連携(Knowledge Base Integration) ナレッジベース連携では、SharePoint 上のドキュメントを Amazon Quick が自動的にクロール・インデックス化し、AI エージェントが検索・回答できるようにします。Entra ID のアプリ登録は不要で、SharePoint にサインインするだけで接続が完了します。 SharePoint 側のドキュメントレベルのアクセス制御(ACL)をナレッジベースに引き継ぎたい場合は、Admin-managed setup(サービス資格情報)による構成が必要です。詳細は本セクション末尾の 補足: ドキュメントレベルのアクセス制御(ACL)が必要な場合 を参照してください。 詳細な手順は公式ドキュメント Microsoft SharePoint ナレッジベースの統合 も参照してください。 1-1. Amazon Quick でナレッジベース作成ウィザードを開く Amazon Quick コンソールの左ナビゲーション → 「ナレッジ」 を選択 「Microsoft SharePoint Online」 の追加(+)ボタンをクリック 1-2. SharePoint にサインインする 事前に管理者の組織同意が必要です ナレッジベース統合の際には、Microsoft Entra の管理者が一度だけサインインして「組織の同意」を付与する必要があります。管理者が同意していない状態で一般ユーザーがサインインすると、「管理者の承認が必要」画面が表示され、先に進めません。 組織の同意を付与すると 、Microsoft Entra はテナントにエンタープライズアプリケーション(サービスプリンシパル)を自動的に作成します。過去に無効化していた場合は、再度有効にしてアクセスを復元してください。同意時に付与されるアクセス許可の詳細は、 Amazon Quick ユーザーガイド: SharePoint ナレッジベースの前提条件 を参照してください。 「Sign in to SharePoint」 ボタンをクリック Microsoft のサインイン画面が表示されるので、SharePoint にアクセスできるアカウントでサインイン アクセス許可を承認 1-3. Amazon Quick でインデックスするコンテンツを選択する ナレッジベースの 名前 と 説明 (任意)を入力 「Add content」 ボタンをクリック 取り込みたい特定のサイトやドキュメントフォルダ、ページなどを選択し、 「Add」 をクリック 「Create」 をクリック 作成後、初回の同期が自動的に開始される 1-4. Amazon Quick で AI エージェントにナレッジベースを接続する 作成したナレッジベースを、Amazon Quick の AI エージェントが活用できるようにします。 方法 A: スペース経由 左ナビゲーション → 「スペース」 → 対象のスペースを開く ナレッジベースをスペースに追加 スペースをカスタム AI エージェントにリンク 方法 B: チャットから直接 チャットフッターの ナレッジ アイコンを選択 作成した SharePoint ナレッジベースを直接スコープに追加、または「すべてのデータ」(ナレッジベースは自動利用) を選択 補足: ドキュメントレベルのアクセス制御(ACL)が必要な場合 上記の Quick setup で Amazon Quick が SharePoint コンテンツのインデックスを作成する場合、SharePoint からのアクセスコントロールリスト(ACL)は同期されません。インデックス付きコンテンツはすべて、SharePoint のアクセス許可に関係なく、Amazon Quick のナレッジベースにアクセスできるすべてのユーザーがアクセスできます。ナレッジベースの作成時に含めるコンテンツを確認してください。 SharePoint 側のアクセス権限をナレッジベースに引き継ぎたい場合は、 Admin-managed setup(サービス資格情報) を使用します。セットアップは以下の 2 つのフェーズで構成されます。 フェーズ 1: サービス資格情報のセットアップ KMS 署名鍵の作成、証明書の生成、Entra ID へのアプリケーション登録、Amazon Quick への鍵のアクセス権付与を行います。具体的には、以下の構成が必要です。 AWS KMS で非対称署名鍵(RSA_2048)を作成する KMS 公開鍵を使って自己署名証明書を生成する Microsoft Entra ID にアプリケーションを登録し、証明書をアップロードする Entra ID アプリに SharePoint のアプリケーション権限を付与する(詳細は下記参照) Amazon Quick に KMS 鍵へのアクセス権を付与する Entra ID アプリへの SharePoint アプリケーション権限付与について 以下の 2 つのパターンから 1 つを選択して適用します(混在不可)。 All sites(ACL クロールあり) Microsoft Graph: Sites.Read.All Microsoft Graph: User.Read.All Microsoft Graph: GroupMember.Read.All SharePoint REST: Sites.FullControl.All Selected sites(ACL クロールあり) Microsoft Graph: Sites.Selected Microsoft Graph: User.Read.All Microsoft Graph: GroupMember.Read.All SharePoint REST: Sites.Selected Sites.Selected を選んだ場合は、Microsoft Graph API を通じて対象サイトごとに個別の権限付与が必要です。 詳細は Set up service credentials を参照してください。 フェーズ 2: Amazon Quick でナレッジベースを作成 フェーズ 1 で取得したサービス資格情報を使用して、SharePoint ナレッジベースを作成します。 詳細は Create the knowledge base in Amazon Quick を参照してください。 この構成により、Amazon Quick が SharePoint の ACL を自動同期し、クエリ時にユーザーのアクセス権をリアルタイムで検証します。ユーザーは自分がアクセス権を持つドキュメントからのみ回答を得ることができます。 注意 : ACL 管理はナレッジベース作成後に変更できません。ACL が必要かどうかは、作成前に検討してください。 ドキュメントレベルのアクセス制御の仕組みについては、 Document-level access controls を参照してください。 2. アクション連携(Action Integration) アクション連携では、Microsoft Graph API を介して SharePoint のリスト、アイテム、ファイル、Excel ワークブックを自然言語で直接操作できます。ユーザーごとの OAuth 認証を使うため、各ユーザーの権限に基づいたアクセス制御が自動的に適用されます。 ナレッジベース連携とは異なり、事前に Microsoft Entra ID でのアプリ登録が必要です。連携を作成すると、その事前作成された連携を利用して、ユーザー自身の認証でアクションを利用することが可能となります。 詳細な手順は公式ドキュメント Microsoft SharePoint アクション統合 も参照してください。 事前準備 以下の管理者権限を使用し、2-1 から 2-5 を事前に実施する必要があります。 Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)のアプリ登録権限 Amazon Quick の管理者または Author 権限 2-1. Microsoft Entra 管理センターでアプリを登録する Microsoft Entra 管理センター でアプリケーションの登録を行います。 正式な手順については Microsoft 公式ドキュメント: Microsoft ID プラットフォームにアプリケーションを登録する を参照してください。 「アプリの登録」 → 「新規登録」 を選択 アプリ名を設定(例: QuickSharePointIntegration ) 「サポートされているアカウントの種類」で 「シングルテナントのみ」 を選択(任意で指定) 「リダイレクト URI」で 「Web」 を選択し、以下の URL を入力 https://{リージョン}.quicksight.aws.amazon.com/sn/oauthcallback {リージョン} は Amazon Quick のリージョンに置き換え(例: 東京なら ap-northeast-1 ) 「登録」 をクリック 登録後、 概要ページ に表示される以下の値を控えておきます。Amazon Quick 側の設定で使用します。 アプリケーション(クライアント)ID ディレクトリ(テナント)ID ポイント : 複数リージョンで Amazon Quick を利用する場合は、リダイレクト URI を複数登録してください。登録したアプリ → 「認証」 からリダイレクト URI を追加できます。 2-2. Microsoft Entra 管理センターでクライアントシークレットを作成する 登録したアプリ → 「証明書とシークレット」 を選択 「新しいクライアントシークレット」 を選択 説明と有効期限(最大 730 日)を設定し、追加 表示された 「値」 をコピーして安全に保管 重要 : シークレットの「値」は作成直後しか表示されません。この画面を閉じると二度と確認できないため、必ずこのタイミングでコピーしてください。Amazon Quick に設定するのは 「シークレット ID」ではなく「値」 の方です。 2-3. Microsoft Entra 管理センターでエンドポイント URL を取得する 登録したアプリの 「概要」 → 「エンドポイント」 から、以下の 2 つの URL を控えます。 OAuth 2.0 トークンエンドポイント (v2) : https://login.microsoftonline.com/{テナントID}/oauth2/v2.0/token OAuth 2.0 認証エンドポイント (v2) : https://login.microsoftonline.com/{テナントID}/oauth2/v2.0/authorize 2-4. Microsoft Entra 管理センターで Graph API のアクセス許可を設定する Entra ID で Graph API のアクセス許可(委任されたアクセス許可)を設定します。 登録したアプリ → 「API のアクセス許可」 を選択 「アクセス許可の追加」 → 「Microsoft Graph」 → 「委任されたアクセス許可」 を選択 以下のスコープを追加 Files.ReadWrite : ファイルの読み取り・作成・更新・削除 Sites.ReadWrite.All : サイトコレクション内のドキュメントとリストの編集・削除 offline_access : アクセストークンの自動更新(再認証の頻度を軽減) 「{テナント名} に管理者の同意を与えます」 をクリックして権限を承認 Tip : どのアクションにどのスコープが必要かの詳細は、 Microsoft 公式ドキュメント: Microsoft Graph API のアクセス許可リファレンス を参照してください。 2-5. Amazon Quick で OAuth 接続を設定する Amazon Quick コンソールで、アクション連携の接続設定を作成します。 左ナビゲーション → 「Connectors」 → 「Create for your team」 → 「Microsoft SharePoint Online」 を選択 既に接続が存在し新規作成する場合は、 「No, create new」 を選択 「統合タイプを選択」 画面で 「次へ」 を設定 「Microsoft SharePoint Online 接続の詳細」 画面で以下を設定 (*以下ではユーザー認証 (OAuth) の方法を取り上げています。) 名前 : 任意の名前を入力 Description : 任意で入力 接続タイプ : パブリックネットワーク (*VPC指定も可能) OAuth Configuration : Custom OAuth app OAuth Configuration の詳細 : 以下の値を入力 設定項目 入力する値 ベース URL https://graph.microsoft.com/v1.0 (固定値) クライアント ID 2-1 で取得したアプリケーション(クライアント)ID クライアントシークレット 2-2 で取得したシークレットの「値」 トークン URL 2-3 で取得したトークンエンドポイント 認証 URL 2-3 で取得した認証エンドポイント リダイレクト URL 自動で入力されている(2-1 で Entra ID に登録済み) 「作成して続行」 をクリック 共有するユーザーを選択 「Next」 をクリック ユーザーがアクションを利用する方法 事前作成されたアクションを共有されたユーザーは、アクションを利用して SharePoint の利用を開始できます。初回アクション利用時、または認証が切断されていた場合は、ユーザー自身で認証を行う必要があります。 方法 A: スペース経由 左ナビゲーション → 「スペース」 → 対象のスペースを開く アクションをスペースに追加 スペースをカスタム AI エージェントにリンク 方法 B: チャットから直接 チャットフッターの ナレッジ アイコンを選択 作成した SharePoint ナレッジベースを直接スコープに追加、または「すべてのデータ」(アクションは自動利用)を選択 「SharePoint のファイルを確認して」等のプロンプトでアクションを利用 アクション連携で利用できる操作 Amazon Quick の SharePoint アクションコネクタでは、以下の操作が利用できます。 カテゴリ 操作 説明 リストとアイテム View items / Get Item / Get List / Update Item / Delete Item リストの閲覧、アイテムの取得・更新・削除 ファイル Upload File / Search Site Drive Items ファイルのアップロード(最大 250 MB)、検索 Excel ワークブック List Sheets / Add Sheet / Read Sheet / Update Sheet / Delete Sheet シートの一覧・追加・読み取り・更新・削除 Excel ワークブック Read Cell / Write Cell / Read Range / Write Range / Clear Range / Delete Range / Get Used Range セル・範囲の読み書き・クリア 連携方式の選び方ガイド 「検索して答えてほしい」→ ナレッジベース連携 社内規程・マニュアルの質問応答、技術文書の横断検索、プロジェクトドキュメントの Q&A、新入社員のオンボーディング支援など、蓄積されたドキュメントに対して AI が検索・回答するケースに適しています。 「操作してほしい」→ アクション連携 「この Excel の売上データを見せて」「SharePoint リストに新しいアイテムを追加して」「あのファイルをダウンロードして」など、SharePoint 上のデータを直接操作したい場合に適しています。 「両方やりたい」→ 両方設定 両方の連携は共存可能です。セキュリティの観点からは、用途ごとに Entra ID アプリを分けて最小権限を付与するのがベストプラクティスです。 まとめ Amazon Quick と SharePoint の連携は、「検索するか、操作するか」という目的に応じて適切な方式を選ぶことがポイントです。ナレッジベース連携はサインインするだけで接続が完了するため、まずはここから試してみることをおすすめします。アクション連携は Entra ID でのアプリ登録が必要ですが、一度設定すれば SharePoint のリスト・ファイル・Excel を自然言語で直接操作できるようになります。Amazon Quick は SharePoint だけでなく、Confluence、Google Drive、OneDrive、S3、Web クローラーなど、複数のナレッジソースをひとつのスペースに集約できます。まずは 1 つの SharePoint サイトから始めて、効果を実感したら徐々にスコープを広げていくのがおすすめです。ぜひ皆様の組織でも Amazon Quick を活用し、社内ナレッジの活用を加速させてみてはいかがでしょうか。 著者について 加藤 菜々美 (Nanami Kato) アマゾンウェブサービスのソリューションアーキテクトです。エンタープライズの小売・消費財業界のお客様を支援しています。AI/ML や、サーバーレスの専門チームにも所属しています。お客様の業種業態に特化したビジネス課題に対して、テクノロジーを駆使した解決手段をお客様と一緒に検討・策定し、展開するご支援をしています。