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オンライン | 先着順 | 無料 |
データやAI活用が急速に進むなか、AIによる推論や分析における「処理中のデータ」の情報保護が重要な課題となっています。この課題に対し、Apple IntelligenceやGoogle Distributed Cloudなど、ビッグテックが採用したことで注目された技術が「Confidential Computing(CC)」です。従来の暗号技術がデータの保存時・転送時のみを守るのに対し、Confidential Computingはハードウェアレベルでメモリ内に「Enclave(安全な隔離領域)」を生成し、データ利用中も秘匿したまま計算します。
Confidential Computingは、ガートナーの「2026年のトップトレンド技術」にも選出され、2029年までに75%以上の処理システムが同技術で保護されると同社は予測しています。国内でもKDDIや富士通など、幅広い業種・企業でのConfidential Computing導入が急増しており、注目度が高まっています。
本勉強会では、同分野の第一線で研究・実務に取り組む先端R&D組織とスタートアップ所属の専門家3名が登壇し、8月に発表したばかりのレポートを基に、同技術にまだ馴染みのない研究者・技術者の方に向けて基礎から分かりやすく解説します。まず、「安全なデータ活用を可能にする「TEE」」を発表した株式会社日本総合研究所 先端技術ラボの森 毅氏と藤後 英哲氏より、Confidential Computingを実現するための具体的なハードウェア実装技術の一例としてTEE(Trusted Execution Environment)について、基本概念や一般動向、詳細な技術評価などを解説します。続いて、「Confidential AI :Confidential Computingで実現する「秘密を守れるAI」」を発表した株式会社Acompanyの髙橋 翼氏より、「秘密を守れる AI」を具現化する Confidential AI というパラダイムについて、その要件、背景技術、期待される価値、および今後の展望を整理したレポートの内容を紹介します。
18:00 -18:05
開会ご挨拶
18:05 -18:45
講演①「TEEの最新動向と社会実装へのロードマップ」
森 毅氏(日本総合研究所 先端技術ラボ リサーチャー、創発戦略センター コンサルタント)
概要:
生成AIをはじめとするデータ活用が急速に進む中、機密データや個人データの安全な取り扱いが企業の重要課題となっています。本講演では、従来の暗号化技術では困難だった「処理中のデータ」を保護するTEE(Trusted Execution Environment)に焦点を当て、注目される社会的・技術的な背景を解説します。ハードウェアベースの隔離機構やアテステーション(実行環境の検証)といった基本概念から、CPUだけでなくGPUへの適用で広がりを見せる「Confidential AI」の潮流、金融や医療分野での国内外のユースケースまで、データ利活用を支えるTEEの最新動向を整理してお伝えします。
18:45 -19:05
講演②「TEE技術検証の実践:実機検証から見えたシステム導入のポイントと課題」
藤後 英哲氏(日本総合研究所 先端技術ラボ スペシャリスト)
概要:
クラウド環境上で実施した実機検証をもとに、実際のビジネスシステムやAIワークロードへTEEを導入する際の実践的なポイントについて解説します。既存アプリケーションの実行確認や、アテステーションによる環境検証、性能への影響など、検証から得られた具体的な知見を共有します。さらに、既存システムからの移行性、性能面のトレードオフ、信頼範囲の設計、運用における鍵や証跡の管理といった多角的な観点から、TEEを実運用へ組み込むための活用可能性と乗り越えるべき課題を整理します。
19:05 -19:30
講演③「Confidential AI :Confidential Computingで実現する「秘密を守れるAI」」
髙橋 翼氏(株式会社Acompany Chief Scientist 兼 執行役員 VP of Research&Development)
概要:
「秘密を守れる AI」を具現化する Confidential AI というパラダイムについて、その要件、背景技術、期待される価値、および今後の展望を整理する。
AI の産業利用が急速に進む中、利用者は機密データを自らの統制下に留めたい一方、モデル提供者はモデルの重みや知的財産を自らの管理下に留めたいという、対称的な緊張関係が生じる。この状況で「秘密を守れる AI」を実現するには、AI の出力や行動を適切に制御する振る舞いの信頼性に加えて、計算中のデータやモデルを保護し、実行環境を検証できる環境の信頼性が必要となる。
本講演では、Trusted Execution Environment(TEE)とRemote Attestation(RA)を中核とする Confidential Computing(CC)を基盤として、実行環境と振る舞いの両面から「秘密を守れる AI」を具現化する技術・運用パラダイムを Confidential AI と定義する。さらに、CC 対応計算基盤のスケールアップに伴う適用可能性の拡大と、エージェント協働やフィジカル AI など、Confidential AI の新たな応用領域への展開を展望する。
終了
※ 当日予告なく時間配分・内容が変更になる可能性がございます。
※時間の都合上、ご参加者様からの質疑をお受けすることができません。あらかじめご了承ください
株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ リサーチャー、創発戦略センター コンサルタント
2020年、東京工業大学大学院を修了後、株式会社日本総合研究所に入社。先端技術ラボおよび創発戦略センターにて、プライバシー強化技術(TEE、連合学習、合成データなど)の研究・コンサルティング業務に従事。日本総研として「PETs社会実装促進コンソーシアム」の設立と運営を主導するほか、金融データ活用推進協会(FDUA)においてデータ連携WG シンセティックデータ分科会長を務める。
https://www.jri.co.jp/advtechlab/member/takeshi_mori/
株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ スペシャリスト
2024年、早稲田大学大学院を修了後、株式会社日本総合研究所に入社。先端技術ラボにて、プライバシー強化技術(TEE、合成データなど)および推薦システムに関する技術調査・検証業務に従事。
https://www.jri.co.jp/advtechlab/member/eitetsu_togo/
株式会社Acompany Chief Scientist 兼 執行役員 VP of Research&Development
2010年、日本電気株式会社(NEC)に入社。中央研究所の研究員として、プライバシー保護技術やAIセキュリティに関する研究開発に従事。2015年、Carnegie Mellon大学へ研究留学。 2018年、LINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)にシニアリサーチャーとして参画。連合学習や差分プライバシーの事業導入、大規模言語モデルや画像生成AIの安全性・信頼性に関する研究開発を牽引。2023年よりLINEヤフー研究所 上席研究員、2024年よりAIセキュリティ・プライバシー推進室長を務める。同年、SB Intuitions株式会社に出向。 2024年11月、Turing株式会社に参画。視覚言語モデルや世界モデル、AIセーフティに関する研究開発に従事。 2026年1月、株式会社Acompanyにプリンシパルリサーチャーとして参画、7月より現職。
プライバシーテック協会は、パーソナルデータの保護と適切な利活用を両立する技術、「プライバシーテック(PETs)」の社会実装を目指し、スタートアップ3社により設立された任意団体です。現在は、賛助会員15社と特別会員2団体を含む、20の企業・団体で構成されています。
主な活動目的は以下3つです。
①プライバシーテックの認知・認識獲得
②プライバシーテックの実証実験・事業化推進のための環境整備
③プライバシーテックに関する現行法の関係整理や新たなルールメイキング








